北朝鮮による日本人拉致事件の全容解明を求める意見書

 去る9月17日に、小泉首相と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記との初めての首脳会談が行われた。この会談で、北朝鮮は、日本人拉致事件の存在を初めて認め、金正日総書記が謝罪したほか、核開発問題、ミサイル問題といった安全保障に関わる問題についても、一定の前進が見られたところである。
しかしながら、日本人拉致事件については、北朝鮮が拉致を認めた13名のうち8名が既に死亡しているとされ、帰国を心待ちにされていた被害者の家族の悲しみと無念さとを思うとき、我々としても強い憤りを感じているところである。また、拉致の状況や死亡に至った経緯についても、北朝鮮からは十分な説明がされておらず、これをもって拉致事件の解決とは到底言い難い。さらに、北朝鮮による拉致事件は、本県米子市の松本京子さんをはじめとして、13名以外に多数あるとの疑惑も報道されている。
いうまでもなく日朝関係の改善は、北東アジア地域の平和と安定のために不可欠なものであるが、国民感情や今までの北朝鮮の言動からすれば、安易な妥協は決して許されるものではない。
よって、政府におかれては、日本人拉致事件の全容を解明し、責任の明確化や生存者の帰国実現を北朝鮮に強く求めるとともに、不審船問題等についても、毅然とした態度で交渉に当たられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成14年10月9日

鳥取県議会


内閣総理大臣
外務大臣
防衛庁長官
国家公安委員長
衆議院議長
参議院議長

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