と畜場でよく見られる病変(牛)

牛のと畜検査で見られる病変の一部を紹介します。
  

呼吸器

  

心外膜炎

牛心外膜炎  牛心臓(健康)
 心臓の表面に線維素の析出が見られるもの。重度のものでは、心臓全体を覆い、心膜と癒着する。写真右は正常なもの。

胸膜炎

牛胸膜炎
 肺表面に線維素が析出し、重度のものは、胸壁に癒着する。

肺炎

肺炎の写真
 肺実質に炎症が見られるもの。肺は様々な色調の変化を伴い、線維素の析出や、滲出物が認められることもある。原因は細菌感染によるものが多い。
  

肝臓

正常な牛肝臓
肝臓(健康)の写真
  

褪色肝

退色肝
 肝臓が脂肪変性をおこしているもの。脂肪の代謝を行っている肝臓の機能障害により、正常よりも多くの中性脂肪が肝臓に蓄積し、脂肪滴となって存在し、通常よりも白っぽく見える状態。

富脈斑

富脈斑の写真
 円形あるいは不整形の暗赤色斑が認められ、表面は陥凹している。経産のホルスタイン種に多い。

肝膿瘍

肝膿瘍の写真
 化膿性の細菌が侵入することにより、肝臓に直径数ミリから数十センチに及び膿瘍を形成する。膿瘍の大きなものは、肝包膜が肥厚し、横隔膜と癒着することが多い。

鋸屑肝

鋸屑肝の写真
 肝臓表面や実質内に多発性巣状壊死の白斑、出血性の赤斑、黒斑がみられるもの。写真は、もっとも頻度の高い黒斑が肝表面および実質に著明なもの。

包膜炎

包膜炎の写真
肝臓の表面を覆う包膜が炎症し、軽度から重度に周辺臓器等と癒着するもの。
  

その他

正常な腎臓
牛腎臓(健康)  
  

腸間膜脂肪壊死

腸間膜脂肪壊死の写真
 脂肪代謝障害により脂肪細胞が壊死をおこし、石けん様の病変部は硬く、腹腔内脂肪組織全域に広がることもある。腸管周囲の腸間膜にできたものは腸を含めて廃棄となる。

腎炎

牛腎炎 腎炎2 
牛腎結石嚢胞腎
 腎臓全体や一部に炎症がみられ、実質に異常がみられるもの。出血・壊死・膿汁の貯留が見られることがあり、重度に機能が不全となると尿毒症が疑われる。
(写真左上は出血性腎炎、右上は壊死性の腎炎。左下は尿石症、右下は嚢胞腎。)

腸炎

腸炎1腸炎(管腔内)
 小腸・大腸に出血・炎症が著しいもの。部分的あるいは腸全体を廃棄する。