それで、その災害のことでございますが、能登半島の地震がございました。これで我々として、まず、有識者も交えまして1月の18日に会合を広く集まってもらいまして、まず、スタートをさせていただきました。これから県市町村、実務家も含めまして対策の研究会をする。まず、しょっぱな26日に市長会、町村会の代表の方も入っていただいて、その取扱いの方針というものをこれから議論して深めていきたいと思います。ただ、その中で、これをやる中で、アクションプラン(行動計画)だとか、市町村や県の防災計画、これを直していく作業に進んでいくことになります。ただ、予算上ですね、必要なことで、すぐに取り組めることは入っていってもいいのではないかなと思います。例えば、かなり今回も様々、情報が錯綜します。それで、避難所の状況であるとか、それから被害、それから、実際どういうような支援活動が行われるべきなのか等々、その災害の実情も踏まえた情報の総括が必要でありまして、この際、総合防災情報DX、デジタルトランスフォーメーション(デジタル化による変革)に踏み込んでいくべきではないかと思います。
それで、今、これ広島県など、中国地方でこういうものをやろうという動きがあり、なかなか呼吸が合わないところではありますが、鳥取県としてはそれに参画をして、この際、前に進めていきたいと思います。これ恐らく1億円規模の事業になってくると思います、新年度ベースで。また、災害オペレーション(作戦指令)室であります。それで、この向かい側のほうの第2庁舎がありまして、そこの4階を、フロア全体を使ったような形で、例えば、自衛隊がやってくる、あるいはTEC‐FORCE(緊急災害対策派遣隊)がやってくる、それから各都道府県の支援がやってくるなど、そういう方々の情報を集約をしながら機動的に展開していく、言わば、我々として受援、支援を受けたときの、そのセンターが、やはりキャパシティー(容量)としてちょっと足りないのかなというふうに、ここまで議論して考えております。
そういう意味では、こういう災害オペレーション室を第2庁舎の4階に、この際、新年度予算で開設をしてはどうだろうか。既存の会議室がありますので、それを活用しながら、このDX、情報とのアクセス権、そのいろんな機械整備といいますか、ネットワーク整備なども含めてやっていけば、今なら効率的にできるんではないだろうか。これも恐らく1億円規模の災害オペレーション室の整備事業ということになろうかと思います。
また、そういう意味で実動機関との連携を進めていったりするわけでありますが、例えば、大型のヘリが、これヘリポートってちょっと大げさですけども、大型のヘリCH‐47みたいなのが、やはり降りて、あそこだと、例えば重機とかも積めるんですね。それで、もちろん、かなり大人数での避難、例えば、1次避難所から2次避難所へと運ぶ、こういうことなどもできます。ただ、その大型ヘリがどこに止められるかっていうことを、まず我々もよく全県調べてみる必要があるのかなと。それで、例えば、東部、中部、西部に、ここは大型ヘリ大丈夫ですよっていうようなスポットをつくる。それからさらには、集落の問題ですね。孤立集落対策、避難所の環境整備ということに関わってくるわけでありますが、今回も寸断をされてしまったということです。
それで、私どものところでは、大体今、100程度、孤立集落となり得るところがあるということを把握しています。ただ、今回の能登の地震の状況からしますと、海岸沿いのところも、あれは道はちゃんと通ってるんですけども、そこも土砂崩れなどがあると寸断されてしまうということもありまして、従来の孤立集落の想定をいま一度見直して、さらに、やはり孤立の可能性があるところとかは、まずは洗い出す必要があるんじゃないだろうか。
それから、そうしたところに、じゃあ、例えば、物資だとか通信手段だとかどうするかということであります。それで、その通信手段を、まず、いの一番に、例えば孤立したところで通信ができなくなっているところに運び込むと。これはもうヘリコプターなども、あるいはドローンだとかも含めて手段を尽くして、まずはそういうことをやるのが、まず孤立対策として必要なのかなというふうに思うわけであります。それで、これは最近のいろんな機器などもあったり、衛星を活用する、そういう手段も、今回も実は能登でも活用されていました。それで、こういうようなことを集落単位でできるような、だから、普段はなくてもいいかもしれませんが、本当に孤立してしまったら、そこに持ち込んで、そうした通信確保ということをやっていく。それだったら、そこに、例えば小さなヘリコプターだったら、ここに止まれますよとか、そういう情報をやはり改めて整理をしながら、こういう孤立対策や避難所の対策、避難される方の一時的な寄り合いの対策ということをやっぱり考えるべきなんではないかなというふうに思います。
それで市町村にも交付金、我々のほうで出させていただきますので、例えば備蓄、孤立の可能性のあるところは、1週間程度は備蓄してもらうとかいうことがあってもいいのではないかと思います。それで、また、ある程度長期化しそうだったらば、むしろその集落ごと避難してもらったほうが安全なのかもしれません。例えば、3日だとか、そうした日にちで移転していただくというようなこともあり得ると思います。それで、そんなような新しいルールづくりも含めて、こういう孤立集落対策や避難所の環境整備ということが必要なのかなというふうに思うわけですね。
それで、それに併せまして、県も例えば大型の避難施設どこがなり得るかっていうことの想定検討をさせていただいたり、ある程度は簡易型ベッドの備蓄を増やすとかいうことを県サイドでもやっていく必要があるのかなと、今回の能登の地震は非常に私どももよく似た地形、日本海側、津波のことも含めましてあると思っていますので、そうした思い切った対策をつなげていけないかなというふうに考えております。
そうした意味でトイレカー、これを2台、県として新たに導入していくことを今、検討しました。それからシャワーカー、当座ですね、やはりシャワーを浴びれるというのも非常にストレス解消、言わば(災害)関連死対策としても有効ではないかという(鳥取大学)本間先生の御意見なども、実は先般出ました。それで、シャワーカーも1台導入してはどうだろうかと、それで、こんなようなことで装備関係等で1億円ほど用意してもいいのかな、さらにそうした孤立対策等の調査等も含めまして1,000万(円)ほど、そうしたことを考えてもいいのかなと。
こんなようにいろいろと、ちゃんと実弾の予算も込めてできるところは速やかに鳥取県としては着手させていただきたいと思います。また、倒壊家屋の対策についてはやはり耐震化をできるだけ進めることが必要です。本県は8割ということでありますけども、残るところのラストワンマイル(利用者までの最終区間)的なところがやはり必要でありまして、これまた別途対策を講じることにいたしたいと思っています。
それから認知症の関係でありますが、新しい法律においてやはり人権問題ということも含めて、これからフェーズ(局面)が変わってくるわけでありますし、薬も導入をされるということになりました。そこで、このアルツハイマー病のアミロイドβという原因物質を除去して、その初期段階に投与することでアルツハイマー型の認知症の進行を止めるという薬が動き始めました。それで、こういうことも含めて、まず相談体制を、これをつくっていく必要があるのかなと。
それで、さらに検査とか治療の支援、というのは、実はこれ進んだ人にあんまりこの薬は勧められないんだそうです。それで、まだ初期段階でちょっと気になるなという方にまず相談に来ていただいて、それで、そういう体制は我々としてもつくっておく、それで、ただ、すぐに投薬はできないんですね。このアミロイドβの状況というの調べなきゃいけないわけです。それで、そういう意味でPET-CTを受けていただく、これ結構お金かかります。それで、検査だけで2万(円)、5万(円)というようなことでかかってきます。それで、また、もちろん治療ということになればそれもそれ相応のお金がかかるわけでありまして、せっかく薬が導入されてもなかなか使いにくければその認知症の、要は抑制の役に立ちにくいということもありますので、今、導入された年で、今後また薬の値段とかいろいろ関係も変わってくるかもしれませんが、新年度、私どもとしてもこうした検査であるとか、治療について市町村と協調しながら、こうした支援をしてはどうだろうかと思っています。大体これで1,000万(円)ぐらいかかるかなというふうに今、見込んでおります。また、認知症の行方不明防止対策、これちょっと社会問題化しまして、いまだ見つかっていないケースも残念ながらあるという現状にあります。
我々としても行政のネットワークの中で、お互いに情報共有して探そうということは今、強化しているんですけども、あらかじめ例えばブルートゥース(Bluetooth:シグナルの方向を検知することができる方向探知機能を持つ位置情報サービス)という携帯電話とかそうした機能を使って把握するとか、あるいは小型のGPS(人工衛星から発せられた電波を受信し、現在位置を特定する)の発信機、これを例えば靴に装着をしといてもらうとか、あるいは何か身につけるものとか、それで、そうやって認知症の方がふっといなくなってしまってもどこにいるっていうのが分かるような、そういう見守り支援っていうのはあり得るんじゃないかなと。それで、これも200万[円]ほどかけて、新年度市町村のそうした認知症対策を県としても支援していきたいと思っております。
それから若者の皆さん、県民の皆様にとっとり若者活躍局というものに参加していただきました。それで、県内でもそれと連動して(とっとり未来創造)タスクフォースを若手の職員でつくっております。それで、こういうところでいろいろと今、政策について語り合ってきたんですけども、その若い発想でちょっと政策を組み直すものを今回の予算の中でも提起していきたいと思います。例えば若者Uターン(生まれ故郷に戻って働くこと)や定住戦略のための組織、本部をつくってはどうだろうかというように若い方々は考えました。ポイントになるのは、どうもやっぱり教育関係、この教育委員会とか、大学とか、みんなつなげてやっぱりやれるようなそうした組織化が必要ではないかということであります。結局、学校の先生の影響力大きいですし、それから大学でどういう情報発信するかとか、そこで働きかけをするかというのは非常に重要だと。多分その世代の方々は、Z世代とか、そういうふうに思っておられるなということでありまして、じゃあ、それじゃ、やってみようかということですと。
それからメタバース空間なども利用しまして交流事業、これをやってみると割と気楽に参加できるんじゃないか、幅も広がるじゃないか。また、大学生自身でも情報発信をしていただく、企画を考えていただく、そういう支援をしてみたりとか、それから出会いにつきましても、えんトリーは定着をしてきましたが、多くの方はやっぱりアプリを使ってるとおっしゃるわけです。それで、その民間のアプリ、これを活用したマッチングや婚活イベント、こういうものの支援をしてはどうだろうか、あるいはLINEなどSNSを活用しまして、それで幅広いいろんな相談ができることをやってほしい。
また、シン・子育て大国サイト、このアプリももっとプッシュ型でいろんな情報を送るとか、やっぱり使ってみるユーザーの皆さん世代から見ると、そこは重要ではないかっていうようなことであります。それで、大体これ全部でこういうシステム改革なんかも若干そうしたお金もあるので4,000万[円]ぐらい、こういう若者の今回の提案の中で生かしていこうかなというふうに考えております。
それから、これ被災地支援は、これは今やっているところでありますが、昨日も大臣とお話をした中で、これから技術者の中長期の派遣、これが重要になってくるだろうと。それであれだけ多くの土木関係施設の被害などもあります。それで本県もいろいろ今、台風7号災害など大変ですけども、単年度というわけにも多分ならない、複数年度にまたがるような形で今後支援していくことがこれからのテーマになってくると思います。
今、言わば急性期の対策から移行しつつありまして、特に地域によっては、奥能登はまだ急性期的な対策は残っていると思います。ただ、その手前のところの[石川県]七尾[市]だとか、我々入っている[石川県]志賀町など、どちらかというと復旧復興期のほうの対策に今、移り始める段階になってきました。それでそういうものに応じた対策というもの、こうした技術者派遣などを、我々としても次の段階に向けて準備をしていければと思います。また、そういう復旧復興期に向けまして、罹災証明発行のための住家被害認定、これもこれから必要になってくるので、志賀町に対してですね、その派遣を今、調整をさせていただいているところであります。
実は、かねていろいろ我々も働きかけをしてきたんですが、かつて、DBSクルーズフェリーというのが日本からまたいで運行されていました。それでこのDBSクルーズフェリーは、実は清算をして解消しております。ただ、そのイースタンドリーム号を引き継いで、それで現在運航している会社がトゥウォン商船という韓国の会社です。それで、こちらとのコミュニケーションをその後も取らせていただき、今コロナ禍明けということもありまして、展開について、これも率直な意見交換をさせていただいておりました。それでトゥウォン商船側も、境港も含めて、最近も、昨年ですね、年末に向けて来県というタイミングもありました。
そういう中で、今、ちょっと話が動いてきたところがありますので、新たな動きとして御報告ということかなと思っていますが、このイースタンドリーム号、これを境港に寄港する免許を申請しました。それで、もちろんこれ韓国の役所、海洋水産部というところでありまして、こちらが今後どういうふうに審査をされるかということはあるんでしょうけれども、かつて運航実績が境港と東海の間にはあります。そういうことも踏まえていけば、今、こうした航路の再開の光が見え始めた段階に入ってきました。
今後、よく我々は、日本側のほうの、例えば中海、宍道湖圏域の市長会の皆さんとか、あるいは関係者、海外もあります。韓国の江原道であれば江原道のほうとか、今後よくコミュニケーションもお互いに取りながらこうした新しい動きを我々としてもフォローしていきたいなというふうに考えております。今、会社側のほうから聞いている、そうしたイメージでありますけど、その航路開設に向けた免許申請をしている、そういうイメージとしては、例えば土曜日の朝に境港に入って、それで日曜日の夕方に境港を出港すると。以前であれば、その間に、例えば、皆生温泉に泊まって、それから大山に登るというツアーも初期の頃は結構ありました。それで、だんだんと向こうも慣れてきて、この山陰地域、いろんな観光の魅力があるということは分かってきて、そういうのをそれぞれ個人的に組んだり、あるいはツアー会社が組んだりということはかつてもありました。
それで、そういう意味では、今、向こう側が考えておられるのが、土曜日の朝に入ってきて、日曜日に出港するということを検討していただいているのであれば、我々としてはその週末、こちらに観光に来られる需要というものを、これを獲得するチャンスにもなってくるかもしれません。まずは、その免許を取得されるかどうか、取得できるかどうか、そこのところをよくフォローしていきながら、その状況に応じて私どもも準備に本格的に今後入るのかなというような段階に来ておるところでございます。
それから、一部で報道がありました県の保有するドメイン、この取扱いについてでありますけども、結論から言って、今日、庁内でセキュリティ研修会をやることにいたしました。それで、そのドメインの管理の適性の徹底とか、それから、最近、アカウントの乗っ取り事案ということも発生したりしています。そういう意味で、そうした今の状況に応じたその研修をさせていただこうかなと思いますし、それから、調達ガイドラインというのがあるんですね。これは、こうしたソフト系、デジタル系のもの、それを調達する際に、例えば、ドメインをこういうふうに取り扱うよということを相手の会社と契約の際に盛り込んでいくと。これを明確化していこうということで、問題の発生の回避をということであります。
そういう意味で、調達ガイドラインの改訂、これを年度内には終えたいと思います。この作業に入ることにいたしております。それで、今回のものは、このドメインというものが、情報を発信するようなために取得をしていたものが、それがそのまま結局、受託業者のほうでどこか流れてしまうということです。それで、法的に問題があるかというと、そこなかなか難しいところで、ただ、例えば、我々のルールとして、情報発信がドメインを使うのが終わったとしても、1年ぐらいは、ほとぼりが冷めるまでは保有し続けるということを例えば条件づけする。また、受託する業者が変わった場合でも、このドメインがいろいろと転売されたりすることがないように、そのドメインというのを確保し続けるであるとか。それから、[鳥取県]庁内でそうしたデータベース的に、このドメインの登録情報は一元管理をするように関係部局のほうにも徹底をするというようなことなどを対策を取っていきたいというふうに考えております。
住宅関係でありますが、このたび、NE-STという省エネ耐熱住宅、そういう健康省エネ住宅ですね、これの賃貸版が初めてできました。このたび完成式をすることになりました。また、こういうNE-STのような健康省エネということ、あるいは耐震性、そういうのを評価をするT-HASという性能評価指針、これを策定をさせていただきまして、例えば、従来、例えば木造建築25年(耐用年数)と一律によく言いますけれども、構造によってはもっと長く持ちますよというようなものを性能的に評価していく、これ、実務から求められていまして、鳥取県独自にそうした評価方法というものをつくらせていただくことにいたしました。
また、空き家の利活用につきましてでありますが、これ、空き家の法律関係の変更なども踏まえて、さらに掘り起こしをしたり、そうした団体支援をしたり、また、このたび[空き家利活用]コンテストを行いましたが、これで鹿野町の居宅は優秀賞を取るということになりますが、これらのコンテストを今後も実施したりっていうことを新年度も展開を強めていきたいと思います。
そして、こちらのほう、上のほう(空き家利活用促進)大体1,000万[円]検討でありますが、この耐震化関係(能登半島地震の被害状況を踏まえた住宅耐震化対策)、さっき、ちょっと後ほどと申し上げました。大体これで今、6,000万[円]検討、予算が必要かなと思っています。今回残念ながら倒壊家屋が非常に多くて、これは地震の揺れ方の問題もあって、そういうことはあったと思うんですが、それで、そういう倒壊から命を守るために、災害ケースマネジメントのように、まだ耐震化してないお宅を個別に御相談[対応]のチームで、訪問させていただいたりして、例えば、こうやれば安上がりでできるんじゃないですかとか、それから、こういうような補助制度なんかも使えるんじゃないですかなども含めて、個別にフォローアップをしていくことを新年度やっていきたいなと思います。それから従来の耐震改修の補助上限を120万[円]に引き上げたり、それから新たに、全部その家を直すと、結構鳥取の田舎のほうでも大きな家ってあるわけですよね、それで、それを全部、全て耐震化するというと大変なお金がかかってしまうと。もう年も取るけえ、このぐらいはもうええがなということになりがちなんですけど、例えば、いつもいるこの居間、ここは耐震化しようと。そういうものを新たに[補助率]80%の支援制度、これをつくってはどうだろうか。
また、そうした一部のスペースのところに今、市場でも耐震シェルターっていうもの使ったりしているんですね、それで、こういう耐震シェルターっていうのをやったり、あるいはベッドだけ耐震化して、ここで寝たきりということになるけれども、ここは安全ですよっていうようなベッドにするとか、それで、そうしたものも8割補助っていうものを新たに引き上げさせていただいて、それで、こういう言わば、まず取り急ぎやりましょうということも含めた耐震化というものを鳥取県として新年度6,000万円ほどで展開をしていきたいと思っております。
このたび[鳥取県版]政労使の会議を立ち上げて、賃上げをまた進めていく環境整備をしたいと思っています。[1]月末に第1回の会合を初めて開かせていただきたいと思います。県としても賃上げのいろんな補助制度をつくったり、あるいは相談の窓口、専門家のフォローなどをさせていただいております。こういうことも、いろいろと御紹介をしながら経済界や労働界と心一つにやっていく、そういう場を立ち上げたいと思っております。それで、最近の傾向としては、やっぱり中小企業、県内でもやはり賃上げをしようという、そういう企業さんが確実に広がってきています。それで、これ政府や経済界を挙げても、そうした動きになっていまして、労働界はもとよりでありまして、今、従来とは違った環境が整いつつあるのかなと思っています。そういう意味で関係者のトップに集まっていただいて、政労使会議を発足させようということであります。
また、明日[1月25日]は、本県と関わりの深い関西経済界との連接(つながり続けること)を目指しまして、講演会をやったり、また、交流の場を持たせていただこうと考えております。ここに関西経済連合会、関経連さんの幹部であるとか、それから京都工業会、例えば、[株式会社]ジーエス・ユアサ「コーポレーション」のトップの方とか、そうした方々にも特に来ていただいて、そうした交流、経済界、関西経済との関係づくりをさせていただきたいと思っています。
○毎日新聞 山田泰正 記者
すいません。続けて、この間、メールを送ったりされた当事者のセンター長さんは、記者会見とかを全くされてなくて、病院長さんはどうも記者会見に出てもらうとその病院の主張とは違う独自の主張を展開するので混乱する原因になるということで、もう出席すら求めていないということらしいんです、お聞きします。それで、病院の中のコンプライアンスっていうのも効いてないっていうことがこの間指摘もありますけども、さらに県当局の病院に対するコンプライアンスも効いていなかったんじゃないかというふうに思ってしまうんですね。具体的に言いますと、県庁の中では病院局とそれから医療政策課さんと今回の事案でいくと消防防災課さん、3部署関係する部署っていうのがあるんですけれども、やっぱり行政職員の方、一般の行政職の方っていうのはそのドクターの世界っていうのはなかなか物言いづらいっていうのがやっぱり本音ベースでやっぱりあるみたいで、どうも実務としてその病院の実務は現場にお任せっていう環境がこの間続いていると。それで要するにそういう事案も放置されたままですね、2年間ぐらい積み重なっているというような経緯があると思っています。
それでこの間、主体的に12月以降の対応も含めて、県当局として対病院に対する指導監督、この辺については平井知事さん御自身は設置者という立場でもあると思うんですけど、県立中央病院の。どのように見ておられるか、何か改善すべき点があるのかどうか、今何か、先ほどの質問ともちょっと関連しますけれども、ちょっとその辺をお尋ねしたいと思います。
●知事
実は、[鳥取県立中央]病院長あるいは病院事業管理者、病院局も含めて、それから消防に携わる防災とか、医療、福祉保健部ですね、医療政策、健康医療局だとか実は我々は我々サイドで今回の事象については、実はいろいろ話合いもしています。それで、ただ、今、事案がまだ動いていまして、それで事実はどうなのかということと、それに関係者も納得しながらのまずは今のしこりを解く作業があると思っています。それで、これについては今、見守るというのが多分よいのかと思いますし、私はちゃんと調査もすべきだし、それで場合によっては医院長も考え方を述べられてもいいんじゃないかなど、いろいろとアドバイスもしてきたのも事実です。
それで一つ区切りを迎えた後は、今おっしゃったように、どうやってじゃあ、こういう救急が円滑に回るようにもう一度、例えば東部圏域での環境づくりをするのか、場合によってはそうした協議会的なことを活性化したり、そこも当然我々もかかりますし、また、病院、病院の場合、実は[地方]自治法上は病院管理者というのは独立した存在でして、一定の独立性を持っているんですけども、そうはいっても我々としても、そうした対策につきまして預かる、つまり医療行政のほうから預かるとか、あるいは防災消防で預かるとかいうこともありますので関係性というものをしっかり今後また再構築するのかなって思っています。ちょっと今そこに踏み込むタイミングでもないので1つ区切りがついた後は市長さんだとか皆さんともまたもう1回相談させていただいて、同様の事象が起こらないような対策というのを考えていきたいと思っています。
○毎日新聞 山田泰正 記者
すいません。最後1つだけ。分かりました。ちょっと話変わるんですけども、この問題って行き着くところは医師不足とか、医師養成とか、お医者さんの来てがなかなかないとかいう問題にたどり着くのかなって思っているんですけれども、平井知事さん、全国知事会のときも厚労省とかいろいろ申入れもされて、医師不足、医師養成について積極的に取り組むような申入れとかもずっとされたと思います。今、県でも他府県からのお医者さん来てもらうように独自の部署を設けて取り組んでおられると思いますけど、医師不足、医師養成については、現状どのようにお考えになっているか、取り組んでいくかっていうのをちょっと最後にお聞かせください。
●知事
はい。これは中山間地などは特に典型例でありますが、新年度もそうした意味で寄付講座的な運用も含めて委託事業なども含めて小児科の医師の確保だとか、そうしたことをネットワークの構築やあるいは要請のためのいろんな事業を今準備しようと思っています。それで救急については、実は県立中央は若干脆弱だったです。それでここ数年で実は大分急速に医師数も増えたり、体制も取り始めたところだったんですけども、今回のことを踏まえて、じゃあ、どうしていくのか、その際にはまた広域的な医療人材の確保なども今後は当然視野に入れて救急においても穴が空くことがないように、それは最新の注意を払ってやっていきたいと思っています。
○日本海新聞 福谷二月 記者
すみません。日本海新聞の福谷です。海の道の再開について3点伺いたいと思います。まず、この動きなんですが、これは県が能動的に働きかけを行って出てきた動きなのか。2点目が寄港のスケジュールということで県のイメージを示していただいておりますが、実際これが動き始めるのは想定としてはどれぐらいなのかなあというようなイメージがあればです。それで、あと3点目です。この海の道ですね、今後の展開について県はどのように進めていきたいと考えていらっしゃいますでしょか。
●知事
はい。これにつきまして私どもいろんな船会社に働きかけをして、例えば最近でも中国航路が週2回というふうに増えたりしてきております。ただ、県民の皆さんや特に中海、宍道湖圏域の方々が興味非常にあったのは、かつてあったDBSクルーズフェリーでございまして、これが残念ながら停止していると。それで私どもは停止するときも含めて、いろいろと人脈が残っていますのでコミュニケーションは取ってまいりました。それで、ただ、我々だけのコミュニケーションだけでもいかない、向こう側がどう考えるかであります。
それで、あちらも実は一時期は舞鶴[港]のほうに船を入れたりしていました。でも、その舞鶴の航路は今、休止しています。その中、じゃあ、どうするのかなっていうこともありまして、私どももアプローチを強めていたところであります。それで、そういう中で多分このトゥウォン商船側の経営判断もあると思うんですが、境港は旅客には特に優位性があると。山陰地域の魅力が大分韓国の中でも認知をされているという認識がございまして、それで、その旅客を含めた航路について粘り強くお互いの話合いのパイプというのは取り続けてきていました。
それで[昨年]12月には経営幹部も境港のほうに来県をしました。それでここに来て急速にこうした方向性が固まってきたんだろうと思います。それで今般連絡がありましたのは、免許申請をしたということであります。それでこういうような今まだ動いているところでありまして、いつというちょっとイメージは我々も聞いていません。それで、正直まだよく分からないところであります。ただ、我々はその日本海に向けたゲートウェイ機能を境港は果たし得ると思っておりまして、そういう我々の環日本海ゲートウェイ構想、これを展開する上で、この事業はもし成就すれば重要な一歩になると思いますし、今後もそうした航路開拓を関係者と図っていきたいと思っています。
○日本経済新聞 毛塚正夫 記者
ほかになければこれで終わります。ありがとうございました。
●知事
はい。どうも、ありがとうございました。