2023年10月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

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タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

~日系企業との取引に関心のあるタイ企業インタビュー~

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 タイ政府が掲げる長期経済発展政策「タイランド4.0」の中でも、農業食品分野は重点産業としてあげられており、農業の機械化及び高度化は重要な課題となっています。今回は、ロボットテクノロジーの活用を推進し、タイ農業の高度化に挑むタイ企業「チョークチャイ農業機械株式会社」の輸出管理部長、ヤーナポン・リンパナチョークチャイさんのインタビューをお届けします。

御社の事業内容と製品について教えてください。

 弊社は約50年前から農業機械に関する事業を行っています。農業機器の歯車(ギア)や軸の製造から始まり、その後、トラクターの製造やヤンマー社やクボタ社のOEM製造など、さまざまな農業機械を製造して、日本、アジアやアフリカなどの多くの国に輸出しています。従業員は200名ほどです。弊社の製品は、米、とうもろこし、さとうきび、キャッサバなど、さまざまな農作物の生産を支えています。そして、耕す・植える・メンテナンスの3点をカバーしています。

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社の強みを教えてください。

 弊社の強みは、自社独自のR&D(研究開発)です。農業とは何か、農業従事者が何を必要としているかを長年の研究により理解しているので、利用者のニーズと一致した農業機械の設計・製造が可能です。また、弊社は農業大学と協力し、農業の様々な分野の発展のため支援を行っています。

会社として大切にしていることは何ですか?

 顧客を大切にすることを一番大切にしています。顧客が何を望んでいるのか見極めることに重きを置いて、顧客のニーズに合わせて設計し、その製品の品質についても考え、お客様に満足していただくために日々努めています。

社内の研修制度についいて教えてください。

 従業員のための研修は定期的に実施しており、大学講師を招待して、農業の基本である植え付けや収穫について学んだり、土壌に合った機械を選ぶための知識として土壌について細かく学んだり肥料の種類や使用方法などについても学びます。従業員全員が研修の対象ですが、特にR&Dチームは国によって違うニーズに合わせて、何をどのように製造するべきなのかに重点を置いて研修を行っています。 

現在抱えている問題点について教えてください

 どこも似たような問題を抱えているかと思いますが、現在タイでは労働力が不足しており、ミャンマー人やカンボジア人などの外国人の労働力に頼わざるを得ない点が大きな問題です。サプライヤーに関する問題としては、弊社の機械は比較的高い機械技術を必要としますが、サプライヤーの大半がタイ企業であり、当方の要求に対応できない、対応できても十分ではないといった問題があります。私達がインダストリー4.0を目標にしても、2.0や2.5、また3.0にしかならないこともあります。とはいえ、労働者不足の問題のほうが大きいと思います。

海外拠点の有無、また今後の海外進出の予定について教えてください。

 現在ミャンマーに支店があり、今後はミャンマーでの工場建設と共にインド、インドネシアでの工場建設についても検討中です。新たな市場としてナイジェリアに関心をもっています。市場規模が大きく、タイと同じ気候帯にあるので、季節や気候も同じで、需要がある機械の種類も似ています。弊社は、マリに年間1,000台以上の機械を輸出しています。もしこのような需要が続くようであれば、輸送コスト軽減のためアフリカ域内での工場設立を考えています。近年では稲作の規模が拡大傾向にあるため、弊社から農業機械の輸入を望んでいます。

日系企業とのビジネスに関心はありますか。

 日系企業と共にビジネスをする上で障害となる点はあまりありません。日系企業に限らず、私達は相手の要望に沿って製造しています。日本にはフロントブレードが車体に取り付けられているトラクターはありませんが、タイでは需要があるため、あぜ道を作るためのブレードを設計して、ヤンマー社に提供したことがあります。日本の技術の良い点は、更に難しい挑戦となる仕事に携わる機会を私達に与えてくれることです。

最後に、日系企業へのメッセージをお願いします。

 弊社は農業機械の製造に長年携わってきました。弊社はタイの農業機械事業において一番の知識・経験があると自負しています。タイ農業の中心であるとうもろこし、さとうきび、キャッサバといった農作物、また、エネルギー作物、飼料用農作物のための農業機械を製造しています。そして自社だけではなく、タイ国全体の農産業のバリューチェーンを見通すようにしています。弊社との協業などにご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

【企業概要】

企業名:Chokchai Agricultural Machinery Co., Ltd.
住所:229/3 Moo 4 Soi Petchkasem 99, Petchkasem Rd., Omnoi, Krathumbaen, Samut Sakhon 74130 Thailand
Tel : (+66)
2-420-5378
Email:
info@chokchai.co.th
URL (
タイ語・英語) :https://www.chokchai.co.th/

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鳥取県東南アジアビューロー 担当:辻 三朗 (TSUJI SABURO)

TEL/FAX:+66-(0)2-260-1057+66-2-260-1057
E-mail:tottori@aapth.com

鳥取県商工労働部通商物流課 担当:田賀

TEL:0857-26-7661
FAX:0857-26-8117
E-mail:tsushou-butsuryu@pref.tottori.lg.jp

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アジア・アライアンス・パートナー・ジャパン株式会社

 タイを中心に、ベトナム・インドネシア・インド・メキシコにて主に日系中堅・中小企業様の海外進出や進出後の会計税務法務を中心とした運営支援業務を行っております。

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