～日系企業との取引に関心のあるタイ企業インタビュー～
こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。
今回は、高品質・低価格のワイヤーハーネスが自慢のタイ企業「タイ ラスター プロダクツ 株式会社」の社長、シャムナンプライ・サアードさんのインタビューをお届けします。
御社の歴史、理念、事業内容について教えてください。
弊社は家電製品向けワイヤーハーネス製造を目的に1991年に設立されたタイ資本100%の会社です。私自身、大学で電気分野を学び、車両用のワイヤーハーネスの組立の経験がありました。また日本でワイヤーハーネス加工の研修を受けたこともあります。当時、タイ国内ではワイヤーハーネス加工に取り組む企業は日本企業など外国企業のみと少なく、ワイヤーハーネス加工・組立技術をタイに持ち帰りビジネスチャンスにつなげようと思い会社を設立しました。
当時の顧客はタイや日本のエアコン組立企業が多く、その後、顧客層は日本製の洗濯機や冷蔵庫など家電製品を扱う企業に拡大していき、信頼を築いてきました。
昔は、バンコクの南東方面に位置するバンプリーやサムットプラカーンを拠点にしていましたが、10年後に生産能力を拡大するためアマタナコン工業団地に工場を設立し、移転しました。同工業団地で家電製品組立を行っている顧客に対しての納品が簡単となり、弊社への信頼が増したことに加え、工場面積が広がったことによる生産能力の向上により、競合他社より優位に立ててていると思います。町から離れた工業団地にありますが、おかげさまで約600人の従業員がいます。
大切にしている経営方針について教えてください。
弊社は製品開発、サービス提供、従業員の育成にあたり、QCD (Quality Cost and Delivery)を大切にしています。次に合理的であることです。原料や構成部品の変更により製品価格に影響が出る場合、必ず事前に顧客に連絡します。顧客からの許可無しに原料を変更してワイヤーハーネスを組み立てることは絶対にありません。他の点ですが、次回のオーダーにつながるよう、顧客が要望するタイミングに合わせて納品することです。弊社の利点は、工業団地に拠点があるため、顧客への納品が簡単である点です。現在ではお客様のJust in timeにお届けできるよう24時間の納品サービスを提供しています。
社員教育については、社内研修に力を入れています。パートナー社から出される指示書は変更されることも多く、それらの指示内容に対応できる知識や能力を身に着けられるようサポートします。バンコクのバンナーに研修所を設けており、従業員はいつもと違う環境で研修を受けることができます。さらなる製造開発と技術が必要となる将来に備えるため、ソフトスキルとハードスキルの両方を従業員が段階的に身に着けられるように、2年間に渡り継続的に研修を行っています。
コロナ禍ではどのような問題に直面しましたか。
コロナ禍では原料を入手することに苦労しました。また、原料や輸送価格の高騰に加え、部品の欠品や顧客の事業閉鎖など原料の入手先と製品の販売先の両方に問題が生じました。
コロナの感染が拡大した時は、従業員の安全を守るためにタイ保健省の指示にしっかりと従いました。社内掲示板ではなく、オンラインで更新された情報を確認できるようにし、全従業員に情報を周知しました。結果として効果的に社内感染を抑制することができ、タイ保健省が定めた事業閉鎖の基準となる感染者数に達することなく、事業を継続することができました。お陰で、既存の顧客からの信頼を築くことができ、新規顧客開拓の基礎を固めることもできました。また、社員全員が迅速にワクチン接種できるように取り組みました。
御社のサービスと製品について教えてください。
弊社はエアコン、洗濯機、冷蔵庫といった家電製品のワイヤーハーネスを製造しています。顧客の要望に合わせオーダーメードで対応しています。また、顧客に安心いただけるようISO9001とISO14001を取得しています。
オーダーの受領後、製造に入る前に弊社で試作品を作り、お客様に品質など確認していただきます。日本製電化製品を取り扱っている企業へのワイヤーハーネスの販売が大半で、販売先がタイ国内あるいは海外で製造や販売を行っています。
弊社の製品は高品質、中・高電圧に耐えることができること、そして24時間納品に対応していることが弊社の強みだと考えております。
同社製のワイヤーハーネス
外国企業（とりわけ日系企業）とのビジネスについてどのように考えてますか。
日系企業とは長年にわたりビジネスを行い、たくさんのビジネスチャンスを頂いてきました。コストの低減や知識の共有に関しても交渉してきました。日系企業は知識と技術力を共有するシステムを備えています。弊社のパートナ企業も日本から継続的に支援やアドバイスを受けているお陰で、タイ側も様々な面での発展や調達業務のシステムづくりなど各ステップごとに成長を続けています。コロナ禍により、原料のコスト高を吸収できなくなりましたが、日系企業からの製造原価の交渉、弊社への原料の送付手段の確保、またコスト吸収といったサポートにより、コロナ禍においても経営を続けることができました。
また、現在タイの医療機器業界では日本企業が手術室で使用する血液ポンプといった、医療用機器のワイヤーハーネスの製造を開始しています。これらのワイヤーハーネスは確実に信号送信ができるよう優れた品質が求められます。将来的には弊社も当業界で求める品質に対応した製品を製造できるようになりたいと考えています。
今後のビジネス計画について教えてください。
現在の工場の敷地では、製造エリアの拡張が難しいため、他の工業団地あるいはベトナムも視野に入れて工場新設を検討中です。ベトナムに移転した一部の顧客に対してサービスの利便性や迅速性を向上させるためです。
また、製造過程における失敗を減らすために、新たな機械導入も検討しています。製造工程のさらなる自動化や、より多くの注文に対応できるよう、製品の種類を増やすなど生産能力の強化を図りたいと思います。
最後に、日本企業へPRをお願い致します。
弊社は30年以上にわたりワイヤーハーネスの製造に携わっているので、効率的な製品提供が可能です。取引先の多くが日系企業であることもその点を示しています。様々なタイプの製品製造のため、そして品質向上のため、人材育成や製造工程の改善に、いつでも取り掛かれます。真摯に、期日厳守で対応致します。高品質・リーズナブル価格のワイヤーハーネスをお探しであれば是非弊社までご連絡ください。
【企業概要】
企業名：Thai Luster Products Co., Ltd.
住所：Amata City Chonburi 700/151 Moo 1, Bankao, Panthong, Chonburi 20160 THAILAND
Tel : (+66)38-213097-9
Email(日本語対応) :mitsunaga@thailuster.com
URL (タイ語) :http://www.thailuster.com/jp
タイ王国の最新の現地情報については、以下にお問合せください。
鳥取県東南アジアビューローの運営法人（鳥取県が業務委託）
アジア・アライアンス・パートナー・ジャパン株式会社
タイを中心に、ベトナム・インドネシア・インド・メキシコにて主に日系中堅・中小企業様の海外進出や進出後の会計税務法務を中心とした運営支援業務を行っております。
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