開 設 者 の 注 意 事 項
1 帳簿の備え付け及び保存(法24条の2第1項)
建築士事務所の開設者は、その業務に関して、次の事項を記載した帳簿を備え、各事業年度の末日で閉鎖し、その後5年間保存しなければなりません。帳簿の様式は、定められていませんが、冊子にすることが必要です。
*記載事項
@ 契約の年月日
A 契約の相手方の氏名又は名称
B 業務の種類及びその概要
C 業務の終了年月日
D 報酬額
E 業務に従事した建築士及び建築設備士の氏名
F 業務の一部を委託した場合は、当該委託に係わる業務の概要及び受託者の氏名(名称)、住所
G管理建築士が開設者に意見を述べたときは、その意見の概要
2 業務に関する図書の保存(法24条の2第2項)
建築士事務所の開設者は、その業務として作成した設計図書のうち次に掲げるもの又は工事監理報告書で、建築士でなければ作成することができないものについて、作成後5年間保存しなければなりません。
@ 配置図、各階平面図、2面以上の立体図及び2面以上の断面図
A 当該設計が建築基準法第6条1項第2号(木造3階建以上又は延べ面積が500uを超える建築物)、第3号(非木造2階建以上又は延べ面積が200uを超えた建築物)に係るものであるときは@のほか、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図及び構造計算図
3 標識の掲示(法第24条の3)
建築士事務所の開設者は、その建築士事務所において、公衆の見易い場所に次の様式による標識を掲げなければなりません。(第七号書式)
4 業務に必要な表示行為(建築士の行うもの)法第20条
@ 設計図書への記名、押印
設計図書(原寸図を除く建築物の建築工事実施のために必要な図面及び仕様書)は、作成責任者の建築士が記名押印をしなければなりません。なお、管理建築士は、統括するうえで必要と認められた設計図書及び表紙に記名押印してください。
※すべての複製図画に、記名押印を必要としますから、原図に記名押印をするようにしてください。
A 工事監理を終了したときは、直ちに、法20条第2項に規定する様式(第四号の二書式)により、建築主に報告しなければなりません。(様式はホームページに掲載しております。)
B 建築整備士の意見を聴いたときは@及びAの書類において、その旨の記載をしなければなりません。
C 法第6条第1項の規定による工事が完成したときは、工事完了届を提出してください。
5 建築士事務所の報告及び立入検査協力義務(法第26条2)
建築士事務所の状況をたえず的確に把握することで、適切な建築士行政を行うことを目的として規定されたもので、正当な理由がなくて拒む等の行為をすると、罰せられることがあります。(法36条)
6 登録抹消(法第23条の7)
次の事項に該当する場合には、建築士事務所の登録を抹消されます。
@ 廃業等の届出があったとき。
A 更新登録申請を所定の期間までに提出しなかったとき
B 業務違反等により建築士事務所の取消処分を受けたとき
7 事務所の監督処分(法第26条)
@ 建築士事務所の登録を取り消される場合(主なもの)
(1) 虚偽又は不正の事実に基づいて、建築士事務所の登録を受けたとき
(2) 開設者(法人の役員を含む。)の破産
(3) 管理建築士の欠けたとき
(4) 廃業等の届出の未提出
A 戒告、一年以内の事務所の閉鎖及び登録の取消を受けることのある場合(主なもの)
(1) 変更の届出の未提出又は虚偽の提出
(2) 帳簿の備付け等及び図書の保存及び標識の掲示を怠ったこと
(3) 開設者が建築士の免許を取り消されたこと
(4) 開設者が禁錮以上の刑に処せられたとき又は建築物の建築に関して罰金以上の刑を受けたとき
(5) 開設者がその業務に関し不正な行為をしたとき
(6) 管理建築士が懲戒処分を受けたとき
(7) 所属建築士が事務所の業として行った行為により、懲戒処分を受けたとき
※取消を受けますと、取消の日から2年間は新たに登録できません。また、5年間は登録を拒否されることがあります。