急性腎盂腎炎は菌血症など重症化することが多い疾患です。また、肺炎では合併症のある高齢患者さんは重症化しやすく、入院治療が必要です。糖尿病を合併している患者さんも多く、専門医のカンファレンスなどを行い治療にあたっています。

鳥取県中部地区においては、当院が唯一の小児科常勤医のいる入院診療が可能な病院です。
小児の外来診療や入院診療に加え、地域の小児科診療所と連携して小児疾患の救急診療も行っております。
小児疾患では頻度の多い感染症全般に対応しております。気管支炎、肺炎のような気道感染症による入院が年間を通してみられます。熱性けいれん、けいれん重積、あるいは尿路感染症の入院にも対応しております。季節によっては、インフルエンザウイルス、RSウイルス感染症、あるいは気管支喘息の入院もあります。
新生児医療は、早産児、低出生体重児が主な入院となります。産婦人科と密に連携し、新生児救急対応の体制を整えております。また、鳥取大学医学部附属病院、鳥取県立中央病院と連携し、母体搬送や新生児搬送も行っております。

当科は、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、血管外科を中心に診療を行っています。呼吸器外科は、肺癌の外科治療として胸腔鏡下手術を中心に行っています。
乳腺・内分泌外科は、乳癌を中心に行っており、センチネルリンパ節生検や乳房温存手術で負担の少ない手術を心がけています。
また、他の内分泌疾患（甲状腺癌、副甲状腺疾患など）の手術も行っています。血管外科は、末梢血管を中心に外科手術と血管内治療を併用して行っています。
鳥取県中部地区では上記疾患治療は当科しかできませんので、治療機器や治療スタッフの集約を行い十分な治療が継続できる体制となっています。

高齢者の外傷患者の入院が多く、そのほとんどが骨粗鬆症に起因した大腿骨近位部骨折と脊椎椎体骨折です。
大腿骨近位部骨折患者は平均年齢86歳と高齢で、内科疾患をお持ちであったり透析をされている方が多いですが、ほぼ全例に手術治療を行い、早期離床、歩行能力の再獲得を目指しています。約５割の方はリハビリテーション継続のために転院していただいております。
脊椎椎体骨折患者はコルセットによる保存治療を行い、３週間程度で約７割の方が自宅退院されています。

鳥取県中部地域医療圏の中核急性期総合病院として、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷急性期疾患を中心に多くの症例を受け入れ迅速な治療対応を行っています。小児から高齢者まで幅広い患者層があり集学的治療を行っています。年々高齢者症例の増多が見られます。

膀胱がんの経尿道的手術での入院が最も多く、その他、前立腺生検や尿路結石症、前立腺肥大症の入院診療があり、鳥取県中部地区の中核病院として、泌尿器科疾患を幅広く扱っています。さらに高度な医療が必要な場合は、鳥取大学医学部附属病院や鳥取県立中央病院など関連病院と連携を図り、適切に患者さんの紹介を行っています。

当科は、鳥取県中部地域の産婦人科基幹病院として機能しています。特に周産期医療に関しては、通常妊娠に加えてハイリスク妊娠管理も行っています。
さらに、当地域唯一の婦人科疾患手術を施行できる施設として、婦人科悪性悪性手術、良性腫瘍手術などの手術症例があります。

当院では、地域の中核病院として、慢性副鼻腔炎の手術や、頭頸部外科手術を行っています。
また、めまいや急性難聴、扁桃周囲腫瘍などの急性炎症の入院加療を中心に行っています。

鳥取県中部医療圏において、当院は唯一の放射線治療機器を所有する病院です。
また放射線科医師２名が常勤しており、画像診断、ＩＶＲ、放射線治療の分野において近隣病院と連携して検査・治療を行っています。
ＩＶＲおよび放射線治療に関する症例の大部分については、当院内科・外科などへ入院のうえ、放射線科での治療を行っていますが、ステントグラフト術前の内腸骨動脈コイル塞栓術、ステントグラフト術後エンドリーク塞栓術、透析シャント狭窄に対する血管拡張術、中心静脈注射用埋込型カテーテル設置術、各種癌に対する放射線治療の一部に関しては、放射線科へ入院して行っています。

当院は鳥取県中部地区の急性期医療機関であり、主に脳血管障害、てんかん罹患患者の痙攣発作時、脳炎や髄膜炎などの神経感染症の入院対応を行っています。同時にパーキンソン病やALSなどの慢性進行性の神経難病患者の診断精査加療や症状増悪時の対応も行っています。
地域の高齢化を反映して、高齢患者も多く、合併症や後遺症のための長期リハビリテーションや療養が必要になるケースも多々あります。
地域連携により近隣病院への転院対応やかかりつけ医と自宅退院後の診療を協力して行っています。

当科の入院症例数としては、診断・治療目的の肺悪性腫瘍での入院割合が一番多くなっています。鳥取県中部地域の呼吸器がん診療を当院が担っていると考えられます。
次に間質性肺炎、感染性肺炎が多く、高齢でより重症な症例が多いため、在院日数は長くなる傾向にあります。

心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患の患者様も多く受け入れています。
また、地域住民の高齢化に伴い、心不全による入院が年々多くなってきており、多職種によるチーム医療を行っています。自宅退院が困難な患者様も少なからずいらっしゃいます。

総胆管結石による胆管炎の患者さんは非常に多いです。
救急患者として来院される患者さんは重症化しやすいため、緊急内視鏡治療ができる体制を整えています。
その他にも、悪性腫瘍疾患などに対して内視鏡治療や化学療法など手術以外のさまざまな手法を用いて治療を行っています。

胆嚢結石、鼠径部ヘルニア等の良性疾患に対する手術を数多く行っています。胆嚢炎、虫垂炎に対する緊急手術を数多く行っています。
胃がん、大腸がんに対する手術を積極的に行っています。膵臓がんの手術を多く行っており、術前・術後の化学療法も行っています。

血液透析導入のための内シャント設置術が多く、胃潰瘍などによる消化管出血に対する治療も積極的に行っています。
経口摂取ができない患者さんに対して、胃瘻造設術を施行したり、中心静脈からの高カロリー輸液を行ったりもします。

腸重積症とは、乳幼児が突然に、嘔吐や腹痛、血便などの症状で発症する疾患です。
診断がつき次第、緊急で整復治療を行います。多くは非観血的整復術（空気整復術）で治療します。
内科、外科、耳鼻咽喉科とも連携して、小児の内視鏡検査や外科的処置を通して、診断、治療、全身管理も行っています。

当科は、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、血管外科を中心に診療を行っています。
呼吸器外科は、肺癌の外科治療として胸腔鏡下手術を中心に行っています。特に近年注目されている縮小手術としての胸腔鏡下区域切除術をICG色素とIRカメラを利用した正確な区域切除術を積極的に行っており、術後の患者さんの生活活動の向上に役立っております。さらに気胸、縦郭腫瘍、悪性胸膜中皮腫の手術を積極的に行っています。
乳腺・内分泌外科は、乳癌を中心に行っており、センチネルリンパ節生検や乳房温存手術で負担の少ない手術を心がけています。また乳癌治療で重要な薬物治療は常に最新の情報をもとに行っており、さらに薬物治療室も新築・新装して快適に治療が行える環境を整えています。他の内分泌疾患（甲状腺癌、副甲状腺疾患など）の手術も行っています。
血管外科は、末梢血管を中心に外科手術と血管内治療を併用して行っています。腹部大動脈瘤の治療は多くはステントグラフト内挿術といって血管内治療を中心行っており短期間での退院が可能です。ステントグラフ内挿術ができない患者さんには開腹・人工血管置換術を行い、安全・確実な治療を行っています。末梢動脈の閉塞性動脈硬化症に対しては、血管内治療と外科手術による人工血管バイパス術を併用して行っています。下腿の動脈閉塞に対して下腿バイパスという手術も行い良好な成績を示しています。また、近年増加してきている下腿静脈瘤に対して1泊入院でレーザー焼灼による静脈瘤治療を数多く施行しており、術後は美容上も日常生活を良好におくることが可能です。鳥取県中部地区では上記疾患治療は当科しかできませんので、治療機器や治療スタッフの集約を行い十分な治療が継続できる体制となっています。

高齢者の大腿骨近位部骨折が最も多く、ほぼ全例に手術治療を行い、早期離床、歩行能力の再獲得を目指しています。
入院期間は約１カ月で人工膝・股関節置換術の方も約１カ月で全例が自宅に退院されています。
３～４割の方はリハビリテーション継続のために転院していただいております。
次に多いのは、前腕・下腿の骨折で全例が３～４週で自宅に退院されています。

高齢者症例が多いため慢性硬膜下血腫手術症例が増えています。頭蓋内腫瘍は手術療法を中心にその後の後療法も念頭に集学的治療も行っています。
脳血管障害に対する手術療法では個々に治療選択肢を吟味した上で、直達手術、脳血管内手術を適宜実施しています。
一次脳卒中センターとして急性期脳梗塞疾患に対する経皮的脳血栓回収術件数は年々増多しています。

膀胱がんや尿路結石症、前立腺肥大症に対する経尿道的手術については、鳥取県中部の多くの症例を当院で施行しています。その他、複雑性尿路感染症等に対する経尿道的尿管ステント留置術も多く施行しています。
腎がんや前立腺がんに対する腹腔鏡手術やロボット手術については、適正な術前検査を行い、鳥取大学医学部附属病院に紹介しています。

安全・安心な周産期医療を提供するためにハイリスク症例には、帝王切開や吸引娩出術を行っています。
また、婦人科疾患に対して、開腹あるいは腹腔鏡下手術による子宮全摘術・卵巣腫瘍摘出術や子宮脱手術、婦人科悪性腫瘍（子宮がんや卵巣がん）に対してがん手術療法も行っています。

慢性副鼻腔炎の手術では、基本的に内視鏡で行い、手術用ナビゲーションの併用で、安全性を高めています。

当科における主な手術（IVR）として、中心静脈注射用植込型カテーテル設置術、透析シャント狭窄に対する血管拡張術、胸腔・腹腔膿瘍に対するCTガイド下ドレナージ挿入術、CTガイド下生検、肝臓癌に対するカテーテル選択的動脈化学塞栓術（血管塞栓術）、交通外傷による出血、産後出血、各種癌の出血といった大量出血に対するカテーテル止血術（血管塞栓術）、胃静脈瘤破裂に対するバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術（B-RTO）などがあります。

脳卒中や神経難病に由来する嚥下障害のために脳神経内科入院中に消化器内科や放射線科の協力のもと、胃瘻造設や、中心静脈注射用植込型カテーテル設置を行うことがあります。

抗がん剤治療のための植込型カテーテル設置が多いです。

地域の中核病院として、冠動脈疾患（狭心症や心筋梗塞）に対する経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的冠動脈形成術を多く行っています。
また、徐脈性疾患に対するペースメーカー治療も多くあります。

内視鏡を使用した様々な治療に対応しています。
早期がんに対しての粘膜下層剥離術は少しずつ増加傾向です。その中でも依然として胃がんの内視鏡治療が一番多いです。
また、内視鏡を使った胆管や膵臓の検査・治療を行っています。肝細胞がんに対する血管塞栓術、ラジオ波焼灼療法も積極的に行っています。

胃がんに対して、早期がんから進行がんまで積極的に腹腔鏡手術を行っており、早期がんでは機能温存手術も実施しています。
大腸がん（結腸がん・直腸がん）に対して腹腔鏡手術を多く行っています。胆嚢・虫垂・ヘルニアなどの良性疾患に対しても腹腔鏡手術を行っています。