活動日誌

  
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2017年6月14日

民俗部会が「漁具用具調査」を行いました。

 民俗部会は、平成29年度から湯梨浜町教育委員会及び鳥取県教育委員会文化財課と共同で湯梨浜町泊歴史民俗資料館所蔵の漁具用具の再調査(平成21年度に第1次調査を実施)を行っています。  
 週1回のペースで、湯梨浜町中央公民館泊分館で漁業経験者から漁具の写真を見ながら、使用法や対象魚、使用場所などをお話しいただいて記録化しています。

写真1
漁具についての聞き取り調査の様子


 6月7日は、湯梨浜町泊で戦前から漁業をされていた90代と80代の2名から聞き取りを行いました。  今回の調査は今後刊行される「民俗2 民具編」に反映されます。御協力いただいている泊地区の方々、湯梨浜町教育委員会に御礼申し上げます。
県史編さん室

公文書館 2017/06/14 in 県史編さん室,調査

2017年2月7日

民俗部会は「淀江傘製作用具調査」を開始しました。

 民俗部会は、2月1日、米子市淀江町の特産品である淀江傘の製作用具調査を開始しました。

写真1
(写真1)淀江和傘伝承館に展示される和傘


 淀江傘は江戸時代、文政期(1818-1830年)に生産が始まったと言われています。淀江町は竹材が入手しやすく、傘を大量に干すことができる砂浜もあり、大正時代には製造業者が71軒、年間生産量が17万本にものぼり、西日本一円に出荷するまでであったといいます。  
 この淀江傘は洋傘の普及で衰退しましたが、現在は淀江傘伝承の会が中心となって、生産技術を継承しています。この鳥取県を代表する特産品と生産用具を記録化するために、今回は傘骨作りに使用される道具を調査しました。

写真2
(写真2)節取り用の鉋(かんな)で竹外側の節を削る様子。
鉋は削る部分が竹の形状に合わせて円形になっている。


写真3
(写真3)節(ふし)削りの機械で竹の内側の節を削る様子


写真4
(写真4)傘骨の先端を細く削る「骨削り」


写真5
(写真5)「骨削り」は福岡県久留米市の小園江鉄工所が製作、正式名称は「最高級傘骨製造機械」とある。


 傘骨作りは多くの道具類を使用しています。節削りの機械のように、一見、新しく見える機械類も骨格部分の老朽化で木製から金属製に最近修理したもので、根本的な部分は戦争前のものもあります。古い壊れた機械を別途保管しておいて、部品取りしているそうです。唯一古い木製骨格が残っていた「骨削り」もこの日、金属製骨格に修繕されるため鉄工所に運ばれていきました。  
 今回の調査は今後刊行される「民俗2 民具編」に反映されます。今後、しばらく調査に御協力いただくことを了解していただいた淀江傘伝承の会の皆様に厚く御礼申し上げます。
県史編さん室

公文書館 2017/02/07 in 県史編さん室,調査

2016年11月21日

民俗部会が米子市の白ネギ出荷調整用具調査を行いました。

 民俗部会は、11月16日、米子市の特産品である白ネギを出荷するために調整する用具の調査を米子市彦名町で行いました。

写真1
(写真1)米子市彦名町の白ネギ畑


 白ネギは長さを58センチメートルに切り揃え、数本に束ねて箱詰めされ出荷されます。そのために葉切り包丁や葉切り専用枠があります。  
 葉切り包丁は、倉吉市の農具鍛冶が現在も製造販売しており、県内で行なわれる農具市で存在を確認したため今回、白ネギの特産地である米子市で使用する作業の調査を実施したものです。

写真2
(写真2)葉切り包丁


写真3
(写真3)葉切り専用枠


 収穫した白ネギは専用枠に入れて、余分な葉の部分を葉切り包丁で切り落とします。

写真4
(写真4)白ネギを枠に入れる様子


写真5
(写真5)葉切り包丁で余分な葉を切り落とす様子


写真6
(写真6)白ネギを束ね箱詰めする作業の様子


 白ネギを出荷するために調整する作業は皮むきや計量、結束などもあり、葉切り包丁以外にも白ネギの根を切り落とすハサミや皮むき器などもあります。調査にご協力いただいた米子市彦名町のT家では、根切り作業に果樹栽培用の摘果ハサミを流用していました。作業によっては農家毎に様々な工夫や流用があるそうです。  
 今回の調査は今後刊行される「民俗2 民具編」に反映されます。今回、御協力いただいた米子市彦名町のTご夫妻に厚く御礼申し上げます。
県史編さん室

公文書館 2016/11/21 in 県史編さん室,調査

2016年11月9日

民俗部会が西伯郡南部町浅井の「魚取り」を調査しました。

 民俗部会は、10月23日、魚伏籠(うおふせかご)の一種であるウグイを使用する西伯郡南部町浅井の「魚取り」の調査を実施しました。  
 浅井集落では、氏神さんである賀茂神社(かもじんじゃ:南部町宮前)の秋祭前の10月8日に、青木池の魚取りが行われてきました。近年は、秋祭りは日曜日になり、魚取り祭日前の10月中旬の日曜日実施していますが、平成28年は、雨で増水したため延期となり祭礼後の実施となりました。  
 「魚取り」は水田の用水確保のために、池の底に沈殿する泥を流すことが主な目的であり、また娯楽を兼ねたものでした。  
 浅井区の住人であれば誰でも池に入ることができ、男性は魚伏籠の一種であるウグイを使用し、女性はタモを手に多数の参加があり、公平な中で数量を競う賑やかな行事でした。今日では池に入る人も少なくなり、女性の参加者もほとんどなくなるなど少しさびしくなってきたようです。  
 池の排水口はドフジリと呼んでいるようですが、浅井集落の古老によるとこれは土樋尻(どひじり)が訛ったものといいます。ドフジリは、入札によってここで魚を取る権利を得て、簗(やな)のような道具を使用して魚を取ります。  
 昭和30年代ごろまでは、この秋祭りに親類、縁者を招き、取ったコイは刺身、味噌汁、フナは鱠(なます)、雑魚は煮つけにして親戚が集い親睦を深めたそうです。  
 浅井地区はでは、ウグイの作り方の技術継承や、青木池における水草ヒシの大量発生、マコモの繁茂等、池の保守管理に大きな問題があるそうです。
 鳥取市気高町の大堤でもウグイと呼ばれる魚伏籠で漁が行われていますが、詳細に観察することによりウグイの構造や、捕獲動作に違いがあることを確認できました。  
 御協力いただいた浅井集落の皆様に厚く御礼申し上げます。

写真1
(写真1)南部町浅井の青木池の様子


写真2
(写真2)池の中に入り水草「ヒシ」を集める様子


写真3
(写真3)ヒシを陸にあげる様子


写真4
(写真4)ヒシの種を回収しなければ来年また大発生するため丁寧に回収する


写真5
(写真5)ウグイによる魚取りの様子


写真6
(写真6)連続写真その1。
鳥取市気高町では両手でウグイを扱うのに対し浅井では片手で扱う。


写真7
(写真7)連続写真その2。


写真8
(写真8)捕獲されたコイ


写真9
(写真9)青木池のドフジリに設置された簗に類似した道具


写真10
(写真10)ドフジリで捕獲されるコイ


写真11
(写真11)クワ、ジョレン、スコップなどで水門付近の泥を流す様子。
これが重要な村仕事(ヤクメ)である。

県史編さん室

公文書館 2016/11/09 in 県史編さん室,調査

2016年11月8日

現代部会は、紙の博物館(高知県いの町)にて資料調査を行いました。

 現代部会は10月19日・20日の両日、高知県いの町紙の博物館で、戦前戦後の製紙業に関する小路位三郎(こうじいさぶろう)関係資料の調査を行いました。小路氏は明治41年旧伊野町の出身で、高知工業学校卒業後、昭和4年に土佐紙業組合立製紙試験場に技手として指導業務に就き、生涯にわたって製紙技術の開発と業界振興に努めた人物です。  
 和紙をめぐる鳥取県と高知県との関係は古く、明治20年に吉井源太(よしいげんた)が巡回教師として来県したのを皮切りに、新谷出来太郎(しんたにできたろう)、井上和水(いのうえわすい)らが高知の製紙技術を鳥取県に導入しました。昭和12年から15年にかけては、後に日本手漉き紙工業組合聯合会の理事となる森澤武馬(もりさわたけま)氏も鳥取県製紙試験場で地方商工技師を務めています。  
 森澤氏の後に本県に技師として赴任したのが小路位三郎氏で、昭和16年から30年まで鳥取県商工奨励館(のちに工業指導所、現鳥取県工業試験場)に勤務し、昭和22年からは県工業試験場長を務めました。戦後和紙産業が衰退傾向のなか、和紙を文化財として保護することを模索しつづけました。(以上、参考「いの町紙の博物館開館30周年記念収蔵品展-小路位三郎コレクションを中心に-」平成28年3月発行)  
 いの町紙の博物館が所蔵する小路位三郎コレクションのうち、鳥取県時代のもので特筆すべきは、鳥取県地方工業化委員会関係書類、風船爆弾の製造に関するもの、戦後の鳥取県輸出和紙研究会に関するもの、鳥取県商工奨励館の図面など、いずれも貴重な資料を撮影させていただきました。お忙しいなか展示案内をしていただいた別役館長様、資料解説をしていただいた池様には、この場をお借りして御礼申し上げます。

小山委員による資料調査の様子の写真
小山委員による資料調査の様子

県史編さん室

公文書館 2016/11/08 in 県史編さん室,調査

2016年10月17日

民俗部会がはこた人形・土天神など郷土玩具調査を行いました。

 民俗部会は、10月13日と14日の2日間、鳥取県の郷土玩具の資料調査を日本玩具博物館で行いました。  
 今回の調査は、新鳥取県史編さん調査委員の関本明子氏(倉吉博物館学芸員)が担当しました。  日本玩具博物館は、地元倉吉にもあまり残っていない戦前のはこた人形(倉吉市)と土天神(県中西部)を所蔵しており、重要資料として調査しました。  
 これらの調査の成果は、平成30年度刊行予定の『新鳥取県史 民俗2 民具編』に反映させたいと思います。  御協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

写真1
(写真1)日本玩具博物館の様子


写真2
(写真2)日本玩具博物館の展示室の様子


写真3
(写真3)日本玩具博物館所蔵のはこた人形

県史編さん室

公文書館 2016/10/17 in 県史編さん室,調査

2016年9月30日

平成28年度 第2回 近世部会を開催しました。

 平成28年9月27日(火)、第2回近世部会・史料検討会を開催しました。  
 会議では、29年度刊行予定の『因幡編』、30年度刊行予定の『地誌編』のスケジュールなどを協議し、史料検討会では、『因幡編』へ掲載する史料の選定を行いました。

写真1
(写真1)近世部会での協議の様子


写真2
(写真2)パソコンの画像資料と文書目録から史料選定をする委員

県史編さん室

公文書館 2016/09/30 in 会議など,県史編さん室,調査

2016年9月12日

近世部会が愛媛県大洲市立図書館で資料調査を行いました。

 近世部会では、9月6・7日の両日、大洲市立図書館(愛媛県大洲市東若宮)で資料調査を行いました。 
 大洲は伊予の小京都と呼ばれる城下町で、大洲藩加藤家の初代貞泰(さだやす)は、入封前の慶長15年から元和3年(1610~1617)まで米子を治めていました。大洲への転封に伴い多くの家臣団も移住したため、米子と大洲の方言は似通っていると言われています。  
 また、米子・大洲ともに、江戸時代の著名な学者中江藤樹(なかえとうじゅ)が過ごした地であるなど、意外な共通点があります。  
 今回の調査では、米子時代の加藤貞泰と所縁の深い清洞寺(せいとうじ)という寺院に関する資料の写真撮影を行いました。  
 今後は、平成30年度刊行予定の『新鳥取県史資料編 近世7 編纂物(仮)』への掲載に向けて、解読・検討を進めていきたいと思います。御協力いただいた皆様にあつく御礼申し上げます。

大洲市立図書館の写真
大洲市立図書館

県史編さん室

公文書館 2016/09/12 in 県史編さん室,調査

2016年8月16日

民俗部会は「木地師・塗師関係資料」の調査を行いました。

 民俗部会は、7月29から31日の3日間、江府町歴史民俗資料館及び鳥取県立博物館、倉吉博物館にて木地師(きじし)・塗師(ぬし)関係資料の調査を行いました。  
 調査は、平成28年度から新鳥取県史編さん調査委員になっていただいた木地師に関する研究者である木村裕樹氏(龍谷大学講師)が中心となり実施しました。  
 江府町歴史民俗資料館では塗師が椀を磨くことに使用した「足回し下地ろくろ」、鳥取県立博物館では木地師が使用した手挽き轆轤(ろくろ)、倉吉博物館では手挽きを足踏みに改造したと思われる轆轤などを調査しました。  
 これらの調査の成果は、平成30年度刊行予定の『新鳥取県史 民俗2 民具編』に反映させたいと思います。御協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

写真1
(写真1)江府町歴史民俗資料館における調査の様子


写真2
(写真2)鳥取県立博物館における調査の様子


写真3
(写真3)倉吉博物館の関本学芸員と意見交換する木村調査委員

県史編さん室

公文書館 2016/08/16 in 県史編さん室,調査

2016年6月24日

古代中世部会が長谷寺・小鴨神社・定光寺で資料調査を行いました。

 古代中世部会では、6月21・22日の両日、長谷寺・小鴨神社・定光寺(以上倉吉市)で資料調査を行いました。  
 このうち、長谷寺の調査では、中世の梵鐘や戦国期に奉納された絵馬群の銘文について原本調査を行いました。  
 小鴨神社では、寛正2年(1461)の年号銘を持つ扁額(へんがく)について、専門家と一緒に木材の材質や産地、作成時期等について検討しました。  
 また、定光寺では、南条一族の宝筺印塔に刻まれた銘文の拓本取り等を行いました。その結果、これまで確認できなかった銘文が新たに見つかるなど、多くの成果がありました。  
 これらの調査の成果は、今年度刊行予定の『新鳥取県史資料編 古代中世2 古記録編』に反映させたいと思います。御協力いただいた皆様にあつく御礼申し上げます。

写真1
(写真1)長谷寺本堂


写真2
(写真2)定光寺での拓本取りの様子

県史編さん室

公文書館 2016/06/24 in 県史編さん室,調査

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