平成20年8月臨時教育委員会

開催日時

平成20年8月11日(月) 10時~13時

開催場所

鳥取県庁第2庁舎第34会議室

出席委員

  • 委員長 山田 修平
  • 委員 堀田 收
  • 委員 上山 弘子
  • 委員 今出 コズエ
  • 委員 若木 剛
  • 委員(教育長) 中永 廣樹 

議事

(1)協議事項

【協議事項1】 公開 
全国学力・学習状況調査結果の取扱いについて
 ≪資料 PDF≫ ≪資料1 PDF≫ ≪資料2 PDF≫ ≪資料2別冊 PDF≫
≪資料3 PDF≫ ≪参考資料 PDF≫

(2)議案

【議案第1号】 公開 ≪資料 PDF≫
公文書非開示決定処分に係る異議申立てに対する決定について
【議案第2号】 公開 ≪資料 PDF≫
平成20年度以降の全国学力・学習状況調査結果の取扱方針について

※非公開の議案等につきましては、会議録は公開されません。

議事録

1.開会


(委員長)
 平成20年8月の臨時教育委員会を始めます。よろしくお願いいたします。日程説明に入る前に、本日の議事であります全国学力・学習状況調査結果の取扱いについて、まず確認しておきます。この議事について7月15日開催の前回の定例教育委員会で協議した結果、市町村教育委員会、校長会、保護者等広く意見をうかがってから改めて協議して決定しようということで、本日臨時教育委員会を開催するものであります。今回、最終的に決定しなければならないのは、県教育委員会の非開示処分に対する異議申し立てへの対応であり、こうした不服申立てに関することは教育長に対する事務の委任等に対する規則により教育長に委任せず、教育委員会で決定することとされております。従って、今から協議をしていただいた上で、最終的には議案の可決・決定という形をとることが適当であります。よって、本日は、まず最初に委員会で協議して、そして開示又は非開示の方向を出してから、少し時間をいただいて、その方針に基づいた議案を追加して提出して、それを可決・決定することとしたいと思います。では、教育総務課長から日程説明をお願いします。
 

2.日程説明

 それでは、お手元の日程を御覧いただきたいと思います。本日は協議事項1としまして、全国学力・学習状況調査結果の取扱いについてということで御協議をいただきたいと思います。以上であります。

(委員長)
 それでは、教育長から一般報告をお願いします。
 

3.一般報告


 一般報告を申し上げます。いろんなことがありましたので簡単に申し上げます。
 まず7月16日、鳥取大学と県の教育委員会の意見交換会を行いました。能勢学長を始め、みなさん方と教員免許の更新制だとか高校・大学の連携だとか、その辺の話をいたしました。
 それから、7月17日から18日まで大分県で全国都道府県の教育委員会連合会の総会がございましたので委員長と一緒に出席をしました。1日目が総会、2日目は分科会に分かれて、委員長と教育長がみんな入っていろんな課題を意見交換いたしました。採用制度のあり方もその中の一つでした。
 それから、7月19日から20日にかけて、本県の教員採用試験がございました。大分県のこともありましたので、私、出かけていって、試験官のみなさん方に公平性、公正性をきちんと確保してくださいということをお願いしたり、指示をしたりしました。
 それから、7月22日です。新型インフルエンザの県の図上訓練ということで、国内で発生したらどうするかとか、県内で発生したらどうするかということで課題をいただいて、それを元に対応を検討したりいたしました。
 それから7月25日です。県教育審議会で、現在の委員のみなさん方の最終会ということで、これも上山委員とか若木委員に御出席をいただきまして、各分科会の状況報告とか19年度の教育行政の評価点検について御意見をいただいたところです。
 それから、7月31日から8月1日にかけて、全国高等学校の家庭クラブの研究発表大会が鳥取で行われました。夏になると全国大会がいっぱいあるんですけれども、その中の一つです。全国からたくさんの生徒、教員の方約1000人くらいが集まられました。多くの実践研究の発表が行われました。感心したのは、本県の生徒が運営を担当したんですけれども、非常に礼儀正しくて、きちっと役割を果たして、本当に素晴らしかったです。
 それから、7月31日、県立図書館の職員の研修会ということで、源氏物語の原典講読を行いました。40人くらいの方に聞いていただきました。2時間ほどでした。
 それから、8月4日から5日にかけて、県の道徳教育の研究大会が倉吉でありました。県内外から500人くらいの先生方が来られて、県大会なんですけれども、全国レベルの大会になっています。鳥取県は道徳教育に力を入れていますので、講演ですとか分科会のグループ討議とかシンポジウムがたくさんございました。大学の先生も含めて全国レベルの方が6人くらいいらっしゃいました。
 それから8月5日、今日、これから協議されることの参考にということで、市町村の教育委員会の皆さんとか小・中の校長会の皆さんと意見交換を行いました。これは委員長とか若木委員も傍聴されたところであります。開示、非開示についての意見を色々聞きました。
 それから、7月25日が東部、8月6日が中部、西部の教育局の皆さんと意見交換を行いました。今日的ないろんな課題を意見交換してきました。
 それから、8月7日から8日にかけて、全国の養護教諭の全国研究大会がございました。全国から900名くらいの参加でした。講演とかシンポジウムとか研究協議とかありました。私が実行委員長でした。
 それから、エキスパート教員の認定証の授与式を先週行いました。小学校4名、中学校3名、高等学校3名、特別支援学校1名の計11名の方に認定証を渡しました。いよいよ動きまして、2学期から指導力を発揮していただくようになっています。以上でございます。

(委員長)
 それでは議事に入りますが、本日の署名委員は今出委員と上山委員です。よろしくお願いします。では、協議事項1についてまず事務局から説明をお願いします。

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4.会議録

○協議事項1 全国学力・学習状況調査結果の取扱いについて(公開)
(小中学校課長)
 協議事項1、全国学力・学習状況調査結果の取扱いについてです。前回7月15日の定例教育委員会で御協議いただきましたけれども、その際、県民や保護者、有識者、市町村教育委員会や校長会等の意見を聞いた上で、改めて協議ということになりましたので、協議事項1のペーパーの下の方に太字ゴシックで示しておりますとおり、それ以降このようなスケジュールで意見聴取等を行ってまいりました。この内容について、しばらくお時間をいただいて、御報告させていただきます。資料1につきましては、これは前回の資料でございますので、資料2から御覧いただけますでしょうか。資料2からまずは保護者の意見交換会のものを載せております。大変たくさんございますので、この資料は詳しく見ていただいていると思いますけれども、主な意見等をピックアップして御報告させていただきます。東中西合わせて御報告させていただきます。
 まず、保護者の方で、非開示の意見としましては、「学校や受ける児童生徒に対してきちんとした説明があったのか、なかったのか。非開示の前提で受けてきたのではないか。開示するかもしれないという前提で受けさせていないので、確かに情報公開条例で照らし合わせれば問題ないかもわからないけれども、心情的な部分とか、各児童、保護者に対して納得いくものがない。」という御意見。それから、1ページの下から2つ目の黒丸ですけれども、「少人数の学校は点数が出ると、低かった場合は、低かった者にいじめなどが出ないか心配している。」などの御意見。それから2ページ目の上から2つ目の黒丸、「学校別に平均点が出れば、順番がついてしまう。下位のほうだった学校の保護者は、学校批判や学校偏重にならないか。国語や数学の先生は責められないか。学校に誇りが持てない、学校が嫌になってしまうことを生みはしないか。」という御意見。それからめくっていただきまして3ページ、一番下の黒丸ですが、「開示請求者に対しての開示であって、開示の方法を工夫をしても、それがどう届くのかわからない。公表であれば工夫があるが、公表ではなく開示であるので、それはしない方がよいのではないか。」という御意見。それから4ページの一番下でございます。「この会場に来るまでは開示の立場だったが、今は非開示。私の学校では、校長から説明を受けて「ここをがんばろう」ということがわかった。これで十分だと思う。開示にして序列化するような結果になるのなら意味がない。全国学力・学習状況調査そのものは評価している。国のルールで実施した以上、国のルールに返して論じるべきだと思う。」という御意見。それから、下に白丸黒丸合わせたものがあると思いますが、その下の黒丸。「私がもし学習塾の経営者だったら格好の材料となる。「あなたの学校は県内でこんなところですよ。どうぞうちの学習塾へ」という具合。」それから、6ページ、下から2番目の黒丸です。「「なんでうちの学校の成績が悪いのか」「学校の教え方が悪い」「先生がいけん」というようなことが保護者の間でささやかれるようになったら、どういうふうに対処されるのか、というのが心配。」それから、少しめくっていただいて10ページの下の黒丸。「子どもたちには、公表しないと言っておいて、やっぱり公表するのでごめん、とういのでは、うそをついたとことになる。次回からは、開示についてどうするか検討した上で実施してほしい。今回は開示を見送ってほしい。」という御意見が出ておりました。
 戻りまして、保護者の中で開示に賛成の意見。白丸で示しておりますところから御紹介しますが、2ページ上の白丸。「学校別のデータというのは具体的にイメージできないが。個人的な意見だが、開示にしたほうができていなかった者が努力する場面の一つになるのではないかという声もあった。」4ページの白丸、「教育現場の関係者だけが知ればいいのだろうか。改善は家庭におりてこなければ難しい。調査の中にも家庭生活に関する項目もあり、家庭も知る必要がある。家庭に努力を求めるのであれば開示すべきだ。」6ページの最初の白丸、「どちらでもよいという立場であるが、こういう時代の流れであり開示もやむを得ない。もちろん数字が一人歩きすることはあると思うが、太っ腹に対応してもらいたい。」その次ですけれども、「基礎学力調査は開示されているのに、なぜ今回は非開示なのか。時代の流れから考えて開示しないのは難しいと思う。ただ、この答申の文書の中で気になるのが、すでに特定の市で小中学校が調査結果を公表しており特に問題は起きていない、だから問題は起きないのではないかという書き方がしてあるが、これはちょっと納得できない。」続きまして9ページをお開きください。下から2つ目の白丸、「個人的には開示に賛成である。今は、学力が高いからいい学校で、いい子であるという価値観ではない。そのことさえしっかりわかっていれば大丈夫ではないか。」次の白丸、「開示に賛成である。県教育委員会は、小・中学校がランク付けされるのを心配しているようだが、1町村に1校しかない町村では、県基礎学力調査の公表の時点で、すでにこの開示と何ら変わらない状況だった。市部はともかく、郡部はすでに開示された状況。今更どうこういうことがおかしい。」という御意見。11ページの一番上です、「知りたいことは知らせる、ということは必要だと思う。今はそういう時代になっているのではないか。開示は必要で、やむを得ない。時代の流れだと思う。」という御意見がありました。3地区で開催しましたが、西部地区では、開示・非開示の御意見が半々くらいあったように思います。中部・東部につきましては、非開示のほうが、8割9割を占めておりまして、開示の意見が一部出ておったということでございます。
 続きまして、13ページをお開きください。市町村教育委員会との意見交換の内容でございます。まず非開示からいきますと、13ページ下の黒丸です。「この件に関しては、これまでの論議で非開示ということで共通理解してきたと認識している。開示しても問題がないから開示するという考え方のようだが、もともと問題が具体的にあるから非開示にするということではなかったはず。」という御意見。15ページの下の黒丸の下から3行目のあたりです。「教育論でおしてほしい。しかし、法がある。今回は情報公開条例が邪魔をしている。であれば、教育論でこの壁に立ち向かうのが覚悟ではないか。どうしても邪魔をするのなら改正したらどうか。」という御意見。16ページの上の黒丸、「点が低い場合劣等感に陥りやすい。不必要な競争においやる可能性がある。」という御意見。それから一番下の黒丸、「やはり開示すべきではない。おそれを具体的に示せというが、これだけ多くの人が反対しているのだから、逆に開示をすれば教育のためになるという根拠を証明してほしい。」続いて18ページの一番上です。「総理大臣が述べているし、文部科学大臣が「公開することはありません」ということでスタートしたので、市町村は手をあげた。このことは確認いただかなければならない。県の結果如何では次回不参加もありうる。」という御意見をいただいております。
 続きまして開示の御意見です。16ページをお開きください。上の3つ白丸です。「ノーと言える根拠がない。県の審議会の重みを受け止める必要がある。」「心配な面もあるが、開示することを学校教育を理解してもらうひとつのチャンスとして受け止めるべき。ただ、今年については、われわれの意見をしっかり聞いて方針を決めてほしい。」それからそのページの一番下の白丸でございます。「町の教育委員の意見の中には、開示に対応してもいいではないか、学力だけでなく大きく教育問題があるのではないか。それをみんなが共有することによって、問題を改善していく、学力だけが別だというわけにはいかないのではないかという意見があった。」17ページをお開きください。一番下の白丸です。「教育委員さん方との話の中で、学校間格差はある。ただ数値として知っているか、知っていないかだけで、実際には格差はある。あまり敏感に考えることはないのかなという意見もあった。格差は特色であるという考え方もできるという意見もあった。」ということです。以上が主な市町村教育委員会からの御意見でございました。市町村は一部の2、3の市町村が開示に賛成という御意見をいただきました。後の市町村は非開示という御意見でありました。
 20ページをお開きください。これが、校長会との意見交換会の概要でございます。最初にお断りをしておきますが、今日の資料の中で委員さん方のお手元の資料には非公開として実際に文字が書いてございますが、一般用には塗りつぶして資料としております。一番上の黒丸ですが、3行目に、「当初の子どもとの約束をたがえるものとなる。当初のとおり非開示を貫いて欲しい。」という御意見。それから21ページの下から3つ目の黒丸です。「何でも公開して県民みんなで考えていこうというのは危険。それによって、悩む子どもや教員がどれだけいることだろうか。」次の黒丸、「条例改正に向けての議論がしたい。」22ページの一番下の黒丸ですが、「おそれが起こって現実になってからでは遅い。・・・結果を真摯に受けて止めて改善に努めている。」という御意見をいただきました。それから非公開ということで、現場の校長先生方が実際のことを話されたんですけれども、この中でいくつか簡単に御紹介しますと、以前の県の基礎学力調査の折に結果が悪かった学校の生徒たちの中には自身を失ったり、どうせ僕たちは駄目だという言葉が聞かれながら、子どもたちの荒れにもつながっていったという例が、具体的に2つほどあがっておりました。それから校長会の方は、全てが非開示の方向の御意見ばかりで、開示に賛成という御意見はございませんでした。
 続きまして、23ページを御覧ください。数名の有識者の方に御意見をいただきました。3名の方に結果的には御意見を伺うことができたんですけれども、1名は、県政顧問である女将塾塾長の三宅さん、それからもう1名は、今後の県立高等学校の在り方部会委員であります、金田鳥取県産業振興機構理事長、それからもう1名、同じく、在り方部会の委員で、JAの食農教育アドバイザーであります、川上さんの3名の方にお伺いいたしました。まず三宅さんですけれども、「世の中が様々なことで開示の方向性にあることは確かである。しかし、このたびの調査が国の要領で実施されているということは、一般的な解釈ではそれが「約束」にあたるものであると思う。請求に対しては、低位の学校の順位までがあからさまにならないよう、部分的な開示で収めることが可能であれば、それが望ましい。」という御意見をいただいております。それから金田さんにつきましては、「開示されれば市町村や学校間での競争が生じるというおそれはある。また、一方、課題を明確にして県全体のレベルを上げていくという点では公開は必要と考える。これらのことを勘案して、市町村別までなら開示してもいいが、学校別までは開示する必要はないと思う。」という御意見をいただいております。続いて川上さんですけれども、「条例に照らせば開示ということになるだろうが、今回の件は、開示することによって現場に多大な弊害や混乱が予想される。国の指示が当初にあったかどうかはそれほど重要ではなく、教育論の部分が大事だと思うし、県教委にも最後までその部分でがんばって欲しい。また、請求に当たっては、その利用目的をはっきりさせるようなことも必要ではないか。」という御意見をいただきました。
 続きまして、資料別冊で2としております。1ページ目を御覧ください。これが、県民からの意見募集の結果でございます。短い期間ではございましたけれども、この間に254件の御意見をいただきまして、結果の概要を見ていただきますと、開示が5.9%、非開示が93.7%という結果でございました。少数ではございましたが、開示の理由としては、「教育の質を向上させることに有益。」という御意見、あるいは、「知る権利は保障されるべき。」という御意見をいただいております。それに対しまして、非開示のほうは、一番多くは、「序列化や過度な競争が生じる。」という御意見、それから「義務教育に競争原理はなじまない。」それから、「開示しないことを前提をしていた。」あるいは、「学校や教員の批判や中傷が生じる。」というような御意見をいただいております。
 続きまして、別冊の資料の5ページをお開きいただけますでしょうか。それが、県政参画電子アンケートの結果でございます。アンケート会員が291名おられる中で、この度150件、回収率としては51.5%の回答をいただきました。その中で開示に賛成の御意見が74.7%、非開示が20.0%ということでございました。まず、開示の理由としましては、「教育の質を向上させることに有益。」という意見が大多数、そして、「知る権利は保障されるべきである。」という御意見が続いております。また、その他としましては、「個人情報(少人数学級)に配慮されており、児童生徒個人の成績を開示するわけではないのだから、隠す理由は無い。」という御意見。それから、「適度な競争があったほうがよい。自ら努力することにつながる。」という御意見がございました。方や、非開示としましては、理由は、「序列化や過度な競争が生じる。」「義務教育に競争原理はなじまない。」というような御意見が主でございました。その他、6ページの4のところに、その他の内訳と理由ということをあげておりますが、最初の黒丸、「県民から開示請求の目的や理由が明示されていないため、決定しかねる。開示の目的、請求者の意図が明確でないのに開示するのはどうか。」迷っておられるという御意見です。それから、下から3つ目ですが、「メディアなどで軽々しく取り上げられ地域、学校への差別につながるおそれもある。」一番下には、「どちらに賛成していいか迷いがあり決められない。」という御意見。その他にもそこにあげておりますようなその他の御意見がありました。
 それから、資料3を御覧いただけますでしょうか。前回の教育委員会後に来ました要望書も含めまして、今回届いております各方面からの要望書を資料としてあげております。要望書の方は全て、非開示の要望書でございました。あと、資料4を御覧いただけますでしょうか。資料4は、参考資料として、これまでの経緯に関わる資料を載せております。これも一般の資料には一部抜いているもの、あるいは黒塗りをしているものがございます。目次でいいますと、14ページの異議申立書、ここは本文を抜いております。それから、21ページからのものも、一部黒塗りをしております。26ページからの不服申立人意見書、これも本文は抜いております。それから37ページの開示請求書と、38ページの非開示決定通知書は、一部個人名等黒塗りをして配布しております。以上、資料を参考にしていただけたらと思います。以上で報告をさせていただきました。あと、御協議をよろしくお願いします。

(委員長)
 今、7月15日以降の状況について説明がありました。まず、御質問等ありましたらお願いします。よろしいでしょうか。
(委員)
 はい。
(委員長)
 お願いします。
(委員)
 今、資料の説明があったんですけれども、保護者とか市町村教育委員会、それから小中学校長との意見交換会で比較的非開示の支持者の声が多かったというのはすでに要望書等も出ていますので予想されておったことで理解もできるわけです。ところが、一般県民からの意見募集の結果154件、それから、電子アンケート会員によるアンケート結果150件、この結果がほとんど正反対の数字になっているわけですね。ここをどのように分析されているかというお尋ねがまず1件。関連しまして、その電子アンケート会員っていうのは、県政の県民参画という意図でできている制度だと思うんですね。アンケート会員の意識や意向を県政に反映させることということになっているんですけれど。そうしますと、その意見の中に、「出来れば教育委員会のホームページ上に学校毎のデータを公開すべき。当然成績の悪い学校の校長、教師の給料は下げるべき。」という意見があり、それから、「世の中必ず1番、2番、ビリがあることを小さい頃からきちんと教えるべき。」という意見もありますね。こういった意見を県政に反映させるということなんですけれども、色々ありますから、これだけを反映させるとかしないとかあると思うんですけれども、とにかく、こういう電子アンケート会員の意見を取ると、こういったものも含まれてくるということを初めて知ったわけです。それで、始めにお尋ねしました、一般県民からの意見募集と電子アンケート会員からのアンケートの非常に対照的な反応というものを、こういうことが絡んでいくのかどうか分かりませんけれども、そういう点も指摘しながら、どんな風に分析されるかちょっとお伺いしたいです。
(小中学校課長)
 この2つの相反するような結果が出ておりますけれども、にわかには詳しい分析はできかねますけれども、まずパブリックコメントの方につきましては、この問題について自由にどなたでも意見をできるというシステムですので、そもそも今回のことに関心の高い方の意見がたくさん集まってきたということは予想できます。そういった意味で、特に一番の当事者である教育関係者あるいは保護者の方もこの中にたくさん含まれていたのではないかという予測はつきますけれども、実際にどういう方が御意見を出されたかということまでは把握はできませんので、あくまでは想像の域ですけれども、そういうことがここに反映されているという予想はしております。それに対しまして、県政電子アンケートの結果ですが、これにつきましては最初から291名というアンケート会員の方、県政の参画に対して非常に関心の高い方でございますので、そういったところから、鳥取県が進めている情報公開ということについての前向きな意見がたくさん出たという結果であろうとは思っております。
(委員長)
 よろしいでしょうか。
(委員)
 これはこうしておきましょうか。
(委員長)
 その他確認をしておきたいことはありますでしょうか。それでは、前回のそれぞれの御意見含め、ここに書いてあることを踏まえながら今回の協議を進めたいと思いますけれどもいかがでしょうか。先ほどの報告の中、それから前回の委員さん方の意見もだいたい集約されているのではないかと思いますがいかがでしょうか。なかなか難しいですかね。
(委員)
 はい。
(委員長)
 どうぞ。
(委員)
 色々意見聴取していただいた中で、立場によって相当発言に偏りがあるんだなと思いました。校長先生方の会、教育長さん方の会、ばらける意見のところもあるけれども、みなさん非開示にしてくれということだと思います。この辺の判断を、あっちもこっちもいいとこ取りをしながらというのもなかなか難しいので、今日はどこか天秤にかけるというのはおかしいですけれども、それぞれのいいところ取りじゃないけれども、なんとかもっていかなきゃならないんではないかなという感じがしました。なんとなく、立場で意見がはっきり違うなということが予測されたんですけれども、あまりにもはっきり出たので、びっくりしています。
(委員長)
 他にいかがでしょうか。どうぞ。
(委員)
 今回の課題について、こうやって県民の多くの方が、子どもたちのより良い教育のために、社会の動きを見ながらいろんな意見を出してくださっていることを非常に鳥取県教育のためには良い方法だと私は思います。それぞれの立場でいろんな意見があるのですが、現場はやっぱり目の前に子どもがいるわけで、現場の子どもたちがすぐどうなるかという不安を感じて結果を出しています。開示されればどうなるかということを、現場の人はみんな考えることであるので、たくさんの御意見が出ていると思います。私もいますぐ開示っていうのは、いろんな状況の中から混乱を招くと思います。しかし、開示するという情報の公開の意味、価値、そういうものがこの世の中で非常に重要であるという意識は持っております。今のままでいくと、人間の価値観が点数主義とかといったところにおさまっていく、よりそちらに進んでいくのではないかという不安を保護者の方も教育関係の方も感じておられる方が非常に多いと思います。開示にしろ、非開示にしろ、みんながよりよい子どもの健全育成と人間力とか人格の形成とかそういう大きなものを願っていることは間違いない。ただ、どこまでそういうレベルがみんなにあるかっていうのを私たちは考えていかないといけないと思います。そうした、成熟した社会が今まだできていないと、だからみんなが不安になるっていうことを感じます。色々話し合っていくと、今までに無いようなものが出てくるような気がします。以上です。
(委員長)
 他にいかがですか。では、委員。
(委員)
 私、東部の保護者の方の意見交換会に出席させていただきました。あまり、情報開示という意見はでませんでした。私の意見は差し控えさせていただいたんですが、私はどちらかというと開示派というふうに捉えられているようでして、「委員さんが言われることは理想だで。」というふうな言われ方をされました。保護者と学校との関係がうまくいっているのであれば、乗り越えられるかもしれないけれども、うまくいってない場合はそれは無理だろう。じゃあいつになったらそれができるのかというところがあって、数字は一人歩きするかもしれないけれども、地域で、その学校で保護者の人ととことん話し合うという機会にはならないだろうか。点数が出た時点は、一生懸命先生方はこうしていこうああしていこうといっていらっしゃる過程での点数であるかもしれない。結果ではないと思うんですね。一過性の点数である。そうであれば、それがどういう状況で生まれてこれからどういうふうにしていきたいんだということを保護者の方に対して説明をする、地域の方に対しても話ができる、いいチャンスだと捉えることはできないんだろうかと、たくさん非開示といわれる中で私はずっと思っていました。デメリットばっかりでメリットが一つもないとはっきりおっしゃる保護者の方もたくさんいらっしゃって現状を考えればそうかもしれないけれども、じゃあいつになったらそういう状況を生むことができるんだろうかといったら、学校だけが考えることではない、保護者が知らん顔することではない、地域もやはり意見を出すべきである、そうであれば今回は地域がどういうふうな方向を目指していくかということを考えたときに、いい機会になるんじゃないかということを強く思いました。それから、一つ、どうしたらいいのかなと思うことが、子どもたちに対して、約束をしてやったことに対して、県教委が、大人が約束を違えるということ、道義的なことで私は非常に迷っているところです。
(委員長)
 他にいかがでしょうか。どうぞ。
(教育長)
 私は開示の立場で言っているように、一つは県の条例をどういうふうに解釈して尊重していくかっていう、そういうことを大事にきちっと考えておかないといけません。いろんな意見交換会の中で、条例はどうでもいいと、教育への思いが全てを優先するのだという声が結構あったんですけれども、それをやってしまったら、法治国家というかコンプライアンスということが全く根底から崩れてしまうことにも十分なると思っています。そういう意味で、条例をきちっと踏まえておくということが一つの大事な柱として、きちっとしておかなければいけないというのが一つです。それから、私は制度論者みたいになってしまっているんですけれども、教育論という点では前からお話しているとおりなんです。一つは今、委員もおっしゃったように、開示をして情報をみんなで共有して、今日的な難しい教育課題がある中で、これを県民総がかりでやらないと、とても教育関係者だけで持っていては、根本的な解決にはなりませんよということは、理想論といわれるかもしれないけれども、今日だからこそ最も大事な一つの考え方を示しているんじゃないかと思っています。それから、教育論でもう一ついいますと、開示即公表みたいになってしまっているんだけれども、開示の意味合いということも考えないといけないと私は思っています。それは、公表にならないように、開示した場合はきちんと、公表しないように言わなきゃいけないということが一つです。それから、意見交換会で聞いてると、数字が一人歩きするとか、全てが分かるって言われるけれども、それは逆に言うと、点数を始めから最大のものと見ていらっしゃる考え方が根底にあるということになるんですね。私は、繰り返しますが考え方では、たった2教科であります。しかも、小学校6年生と中学校3年生のたった2学年です。参考までの数字です。学校においては、点数だけでない、もっと根本的な教育もたくさんしていらっしゃる。本を読みなさいとか、いろんなことを主体的に活動して体験をたくさんしましょうとか、地域の活動にも出ましょうとか、そういうことを教育の大前提としてやっていらっしゃるんだったら、数字にそんなに固執しないで、むしろ子どもたちに、君たちは点は少し低かったかもしれないけれども、こういうところがいいんだからがんばりなさいとか、逆にもし良ければ、頑張ったねえって褒めるとか、そういうプラス的な思考が無いと私は教育というのはなりたたない。いつもこういうおそれがあるというということばっかりを気にしては駄目です。大人が子どもたちに夢や希望を与えてひっぱっていったり、悪いところが出てきたら向かっていくっていうそういう考え方も示さないで、おそれだけで後ろを向いてしまうような教育をしてはいけないなというのが私の教育論です。長くなりましたが以上です。
(委員長)
 他いかがでしょうか。はい、どうぞ。
(委員)
 私は、賛成も反対も言うのでどちらか分からないと言われるんですけれども、結局、県の条例というのは情報をみんなの財産として共有してみんなで使いましょうと、こういう考え方で成り立っている条例だと思いますし、国の方の調査は全国的に学力調査をしてこれからの教育行政に役立てていくという考え方なんですけれども、そこのときに、実行するに当たって、県が直接関わっていないのに、文部科学省は市町村に同意を得ながらやっている中で、法律論でいくと約束があったとか大臣の授権があったとか色々な要件はあるんでしょうけど、市町村とすれば普通の常識で考えれば開示をしないと約束していると、そういう解釈だと思うんです。それがあった上で、市町村の方も生徒や保護者に説明してやった試験が、そうじゃなかったよと、県の条例があったから県の決定で開示になっちゃうと、これで全面的にやるのはちょっと危険かなと、信頼を損なうという危険があると思います。ですから、公開条例審議会の答申ではあんまり危惧がないと言いながら、意見をみますと、市町村の教育委員会の方からは来年からの調査の参加を考えるということが明確に出てきていますので、影響は少ないといいながら、そんなはずじゃなかったということはすごく信頼を損なうことになるんじゃないかなと思います。いろんなことを進めるにあたって、そこはやっぱりクリアしていかないといけないかなと思います。
(委員長)
 他にいかがでしょうか。委員どうですか。
(委員)
 前回の議論の繰り返しにならないように別の観点で意見を述べたいと思うんですけれども、答申が出まして、ずっと読んだわけです。まず、形式的に言うとこういう答申が出れば、それを尊重する、それに従うというのが通常のルールだろうと思うわけですね。結論を聞くまでは、そういうサイドで私自身はおりました。ですから、基本的には開示であろうと非開示であろうと答申が出れば普通であればこれに従うというのが正しいんだと思うんです。特に、この情報公開審議会というのは教育委員会の部内にある他の審議会とは全然違う、第三者の立場で公正に判断をされるわけですから、尊重すべきという度合いははるかに高いわけです。そのつもりでおったわけです。答申が出まして、教育長がそれに対してコメントを求められて、びっくりしたということが第一にあって、ただ、そういう開示の方向で検討するとお答えになったのはまことに全うな反応で、それをもって変節漢のように言われるのは、聞く私としても大変心外でお気の毒だと思うわけです。話はそこから先なんですけれども、ただ、その内容を何度も読んで理解をして咀嚼をして飲み込もうとするんですけれども、なかなか喉の辺りでつかえてしまって戻ってくるわけです。飲み込めればいいんですけれども、どうしてもスムーズに下までおりてくれないわけです。それで、それは一体何なのかということを何度も何度も考え直しておって、ぴたっと分からなかったんです。そうしましたらこの3日前に審議会の議事録というのが資料として事務局から届いて、初めてその審議会の様子が分かった。情報公開審議会は、公開ではないわけですね。その時は分からなかったわけです。議事録を読んで、私ははたと、これでこうなったんだなというふうに自分では腑に落ちた。どういうことかというと、私たちが一生懸命非開示の決定をする前に考えた教育論に関する部分ですね、教育委員会ですから、公安委員会ではないわけでして、同じ委員会ですけれどもここは教育論をするわけです。それで、その教育論の部分が、どうもよく理解されていないのではないか。それは、どこに原因があるかというと、その審議会の委員さんのことをどうこう言うつもりはないんです。教育委員会側の説明が積極的でなかった、そこに一番の問題があったのではないかなと今思っているんです。それで、教育委員会は情報公開審議会に対して、理由説明書というものを出していますね。この意義申立人に対する反論であります。それから、さらに不服申立てがなされたので、この不服申立人に対する反論として補足説明書というものを出しているわけです。これらは非常に堅い文章でして、日常の言葉では書いてないんですけれども、私は、それなりに理由説明、補足説明にはなっているようには思いますけれども、問題は、その書面について、先方の委員さん方にもっと肉付けをして、具体的な例を挙げて、積極的に教育委員会がなぜ非開示にしたのかというところを、もっとよく説明をしなければならなかったんだろうと思うんです。審議会の委員さんの発言を読みますと、過度な競争のおそれというのは納得がいかない。話は聞いたけれども、ちょっと胸に落ちないなと。それから、開示に反対する根拠が強く伝わってこない、まあ、伝わる、伝わらないは受ける方の感受性の問題もありますからなんとも言えませんけれども、しかしそういうふうに思われたというのは事実なんですね。強く伝わってこない。それから、第9条第2項第1号に該当するといっているんですけれども、その該当性を説明していない。そして、説明もあまり具体的でなく抽象的に流れすぎているような気がする。事務に支障があることについて納得のできる主張をしていない、ということだと。ちょっと拾っただけでも何度も何度も出てくるんですね。教育委員会の説明は良く分からないと、説明になっておらんと。具体性がないということを繰り返し繰り返し言ってらっしゃるんですね。それで、そこがちゃんと伝わっておれば、あまり私たちとかけ離れた結論にはならなかったのではないかなと。つまり、これは我々の方の能力不足であったと。で、その結果として、第9条第2項第1号の法令根拠に基づく実施機関に対する拘束力があるとは認められないとか。それからもう1点、第6号について、国の事務事業に支障を及ぼすおそれがあるとは即断されない。現状には具体的なものとまでは言えない。こういうふうな結論になってくるわけです。このように私は思いましたが、他の委員さんはどうお考えですか。
(委員長)
 いかがでしょうか。はい、どうぞ。
(委員)
 答申の中身の検討ということになると思うんですけれども。我々の主張は結局具体性が無くて、おそれの域を出なかった、そうであろうという説明だったと、逆に言うとそういうことだと思うんですけれども、この試験の結果を開示した場合どうなるかというのはあくまで未来のことでして、過去の事例をもって議論するというのはたぶん不可能に近いところがあるので、こういうことが生まれますよという域を出られないというのはある面仕方がないかなと思っています。その中でやっぱり審議会の判断が、おそれの域を出ない、具体性が無いと言われるのは正しいのじゃないかなと思いますけれども、そのおそれというものを過小評価しているんじゃないかなと思いました。こういう危惧があるといって、未来にそういう障害が出るかは確かに分からないけれども、この時点で、そういうことは心配ないとよというふうに断じられるのもどうかなと思いますし、それから、今後も全国調査を続けるにあたって、開示したって差し支えないといいながら、具体的に教育長さんなんかの話を聞くと、来年は検討したいというようなことが出るので、それが起こること時点で全国調査に対して不安視している、信頼感をそこねるということもあるので、非常に教育委員会の主張が認められなかった答申ではありますが、それも未来に対する危惧というのを過小評価しているところが審議会の答申の中にもあるんじゃないかな、我々の説明不足もあるかもしれないけど、残念だなというふうに思います。
(委員長)
 他にいかがでしょうか。はいどうぞ。
(教育長)
 さきほど委員からの話があって、一つは一番最初の第2項第1号のところに関わっての話、私はその点については教育委員会事務局が十分に具体的なものを示さなかったというのは、不十分だと言われたら不十分な感じもしないでもないけど、しかし最初のところで、条例の使い方というのは、文科省も通知の中にも書いてありますけれども、最終的には各都道府県教育委員会の条例を元にして、根拠にして取扱いについては判断してくださいと書いてあります。これは、条例を越えるような国の法、規則といったものが無いということをそこに示しているんじゃないかなと思うので、そういう意味では条例って言うのは我々が拠って立つべき大事な部分だということだと思います。それから、もう1点、今委員からも話があったんですけれども、この間、おそれの話になったんですよね。前回の協議で委員長がまとめられた時に、そのおそれというのをいかに具体的に明確にある程度示せるかというのをきちんと踏まえて、それで最終的な判断をしましょうという話になったんですね。これは、委員もおっしゃったように将来にわたるものについてはなかなか分からないですよね。分からないからどう判断するかというのは非常に難しいんですけれども、ただ過去にあったものを一つの大事な参考にしてやるという意味において、今まで4回行った基礎学力調査で、それがどういうふうな具体的な明確なおそれに繋がったかということを、この間市町村の教育長方や校長さん方に聞きました。そこが一つの大事な柱だったんですよね。私は、繰り返しそこで具体的で明確なおそれ、例えば、開示して序列化や過度な競争が起こった事例、また事務に支障が生ずるというようなことがあったかどうかということを是非教えてくださいということを繰り返し言ったんですけど、さっき小中学校課長からあったように2つ、それがありました。無いことはないと私も思っていますけれども、ただ、もしそれがあったとするともっとたくさん出てくるはずなんですね。この前、毎日新聞が記事にしておられて、私は詳しくは分かりませんけれども、前回の4回の調査のことについて、市町村教委に苦情があったかどうかということをしてみたら、どこにも無かったということを書いていらっしゃるんですね。そんなふうなことがあるときに、漠然としたおそれを元にして拡大解釈するのではなくて、やっぱり明確な事例もっと出てこないといけない。じゃないと、条例の中に示されている第6号のところの解釈の部分がきちんとしたことにならないんじゃないかなと私は思うんです。
(委員長)
 他はいかがでしょうか。
(委員)
 じゃあ一ついいですか。
(委員長)
 はい。
(委員)
 では、さっきの続きなんですけれども、私の今理解している部分では、教育委員会の考えが十分に伝わっていなかったのではないかというところが一つ原因だと考えているという話をしたんですけれども、ではこの扱いをどうするかということに次はなるわけですね。我々教育委員は、一般県民の健全な常識という視点で常にものを考えるという立場にあるわけです。これは我々委員の資質として最初に求められているものであって、一般県民市民であれば、普通どう考えるかなということが、この問題に限らずいつも我々のベースにあるわけです。そうしますと、今回色々法律論として指摘されている部分はあるんだけれども、例えば、その事務次官通知であるとか初中局長通知であるとかについて、ここに大臣の授権が明らかでないと指摘する。非開示のことを定めた実施要項に従うべき根拠がないというが一つ非開示を取り消すことができる大きな理由になっているわけですね。でも、このことを一般のサラリーマンの方であったり、農家の方であったり、家庭の主婦であったり、コンビニの店長さんであったり、一般市民県民が果たして理解できるかどうか。事務次官からの通知が来る、それから初中局長からの通知が来る、そこに、これを守ってくれと言われたら、それを受けた市町村なり、あるいはそれに協力する立場の県教育委員会としても、そういうふうにするんだなと、まず普通の感覚から言えばそう思うでしょう。条例に当たって、そうは言っているけれども大臣からの明確な授権がないんだと、従ってここには該当しないんだというふうに考えるのかなと、そんなことを思います。もう少しその点について言わせていただければ、いただいている資料の中で、平成19年4月26日の参議院文教科学委員会での伊吹文部科学大臣の答弁というのが載っているんですけれども、こんなふうに大臣は言っているんですね。「率直なところ、この調査を実施するに当たっては、各都道府県教育委員会と文部科学省の中で、今先生が」先生というのは国会議員ですけれども、「御懸念になっているようなことも踏まえて、私はきちっと話をさせております。その話の内容は、これはあるがままの児童生徒の学力を把握して、これからの教育行政あるいは教科書の在り方、教育課程の在り方等の参考にするためにやるものですから、作って点数を上げる性格のものじゃないということをまずはっきりさせておくようにと、そしてその上で、国としては全体の数字と都道府県の状況は公表いたしますと、で、各々の市町村、学校の名前は公表を、明らかにするというような公表はしないでおこうという約束で都道府県教育委員会と我々の間の約束が行われて、都道府県教育委員会はそれを受け入れてやっておられるわけですよ。ですから、もう先生のお手元に行っているとおもいますが、18年の6月の事務次官通知ということがありまして、この中にそのことはもうかねてから明記されているわけですからね。で、この取扱いを前提として各教育委員会は当然参加をしているわけですから、個々の市町村名とか学校名というものは、市町村にゆだねられているというのは、私は必ずしも正しい記述ではないと思いますね。」これを私は読むわけです。そうすると確かに大臣からの授権が書面でもって一回ずつ事務次官なり局長なりに対して出されるものかどうか分かりませんが、少なくとも明示ではなくても暗黙のうちにこの発言を通して、大臣は通知、要項というものを出させているというふうに読まざるを得ないと思うんです。その後、また別の会議ですけれども、安倍総理もそういったことは絶対しないとおっしゃっています。上下関係に立つ総理大臣、文部科学大臣、そして事務次官、局長、全く同じ精神で繰り返し繰り返し述べているものを根拠がないとかというのは、それは法律的には知りませんけれども、一般県民、あるいはそれを受けた学校や市町村教委というものが受け取った場合に、どうでしょうか。私自身は個人で一般ではないですけれども、みなさんはどうでしょうか。私は素直にこの通りに受け取るのが普通じゃないかと思いますね。それから、また別ですけれども、信頼関係がそこなわれるということもはっきりしないということで、これも該当しないといっていらっしゃるんですけれども、さきほども委員から御指摘があった、資料の中でこういうことであるならば参加を考え直すということは、小中学校長との意見交換会でも出ているわけですね。調べあげて全部に聞いたわけではないけれども、そういう公の会議の席で発言された校長もあるわけですね。だから、信頼関係ということも、法文上条例の文理解釈を盾にとって、そんなことは現時点では考えられないと言い切ってしまえるのかどうか、それなら考え直しますよという意見もあるという事実をちゃんと認識していただかないといけなかっただろうと思います。しかし、問題は、さっき言いましたように、審議会を私は非難しているわけではないんです。こういうふうな市町村教委や学校長との意見交換会をやっとこの間の会議の後に私たちはやったわけですね。それから、県がやった基礎学力調査についてどういう問題があったかというのも毎日新聞社が独自に市町村教委から聞き取りをされたというもの最近のことで、本来ならば、何回かやっているわけで、我々自身が何か不都合ありませんでしたかということを聞き取ってそういう資料をもって非開示に望めば、もっと説得ができたと思うんです。そこのところが欠けていたがために、かなりかけはなれた判断が出た。だから、責任の大半は教委自身の説明不足、力不足に私はあったんじゃないかと、今は思っているんです。従って、一般県民というのはなんだかとらえどころがないけれども、これでいろんな意見も色々集めてみて、実はこういう事実もあの時掌握していなかったんですけどあったんですというふうな話ができるのであれば、こんなにはならなかったかな、ということが言いたいわけです。まあ一つ一つ言うと長くなるので、2つの例だけで止めますけれども。
(委員長)
 はい。色々御意見があります。ちょっとここでこっちの方で取りまとめ案があるので、それを元に議論してもらったらと思います。7月15日に至るまでの考え、それ以降のこと、それから今日に入ったこと、各委員の御意思と違うところが入っているかもしれませんが、それを含めて、それでも何か結論を出さざるを得ないので、これを示した上で論議していただければと思います。1枚目を見ていただけますか。3点、1つは今回のことに関する基本的スタンスのこと、2つ目は私がこの結論かなと思っていること、3つ目はこの結論に至る理由のようなものを少しあげさせていただいています。我々は、全国学力・学習状況調査の調査結果を非開示とした判断は、それは正しいと思っております。ただ、先ほどからありますように、審議会の答申というものの方向は受け止めざるを得ないだろうというのも事実です。その時に我々は、受け止めるにしろ一番大切なことは児童生徒にとって本当の意味で大切なことは何かということを基本に置きたいと思います。結論を申し上げます。1つは、19年度、20年度の学力調査結果については非開示、2つ目は21年度以降については現時点では留保、今後の課題とする、3つ目はこれは当然ですけれども、市町村が有するデータ開示については市町村教育委員会ごとの判断に委ねる。理由を申し上げます。1点として、文部科学大臣の授権を受けた調査か否かは委員からありましたけれども、たぶんいろんな判断があると思います。ここでは大きな論点とはしないこととします。2つ目、一番の論点は開示した場合の子どもたちに及ぼす影響、答申は確かにプラスの面の教育の質の向上を示唆しています。そうあってほしいと思いますが、やはりマイナス面の序列化、教師批判、個々の子どもたちの劣等感を生む可能性を否定できないと。特に規模の小さい本県において、市町村別学校別は個々の子どもを特定することにもなりかねないと思います。みなさんがおっしゃったように、教育というのは総合的視点で考えていかなければならないと思います。わずか2教科のテスト結果のみが一人歩きする可能性も残念ながらあると思います。事実市町村との意見交換会で県が実施した基礎学力調査に対してそれに類する事例が示されたと思います。3点目ですけれども、ここでも何人かの方がおっしゃいましたが、この調査は文部科学省が主体で実施し、市町村教育委員会が参加しました。その前に市町村教育委員会また、学校は非開示を前提とした調査として受け止め調査に臨みました。県は子どもたちの学力向上に役立てるためのそのデータを活かす立場にあります。多くの市町村教育委員会や学校が約束として受け止めていた非開示を覆すことは、県教育委員会と市町村教育委員会、学校との信頼関係を大きく損なうことになります。学校教育上是非避けるべきではないかと思います。
4点目、他方審議会答申に示された情報開示の方向は社会、とりわけ本県の大きな方向として謙虚に受け止める必要はあります。開示した場合、我々が危惧する点は越えられるのか否か、さらに審議会が示唆する質の向上に繋がるのか否か、開示の場合にはその条件または土壌作りの具体策、反対に非開示を今後とも継続する場合には今議論したように解釈が分かれないような条例の見直しへの提案等が必要だと思います。こうした両面から検討することを今後の課題としたいと思います。というような4つの理由の元に先ほどいいましたように、繰り返しますけれども、結論としては、19年度、20年度の学力調査結果については非開示、21年度以降については今後の検討課題とすべき、市町村ごとのデータ開示については、当然ですけれども、市町村教育委員会の判断に委ねる、これはこちらの提案であります。御意見ありましたらお願いします。初めて提示をいたしました。
(教育長)
 はい。
(委員長)
 どうぞ。
(教育長)
 おっしゃっておられることはうなずける部分もあるんですけれども、それでもなお、私は開示の意味はあると思っています。それはさっきいいましたように、1つは、おそれを本当にどれだけ具体的に示すかっていうことが問われた中で、それほど具体的にたくさんのものが出なかったと思います。もしあればもっと具体的にたくさんのものが出たはずだと思います。そういう意味で、条例は鳥取県が持つ情報を本当に県民みんなに示して、鳥取県を開いていこうというもので、行政にあるものだけが都合のいい情報だけを出して、自分の都合の悪いものは隠すというというのはあってはならないという崇高な理念をもっているんだったら、私は基本的にはその方向は大事にされるべきだと思っています。ただ、さっきから言うようにいろんな心配があるので、開示にしておいた上で、教育的な配慮から、子どもたちの心の方につながっていく心配があるもの、先生方のやる気をそぐようなものがあることについては、それは条例を手直しするか、具体的なものは考えないといけませんけれども、それをきちんとしながら、基本的な理念は大事にしていく。また、これは開示であって、公表ではすぐにはないんだから、すぐにおそれが出るというふうには考えられないので、その具体的なものを見ながらいくっていうことも、私は合わせて考えなければいけないということが一つと、それから、約束という話があって、私も約束がもしきちんとなされていたら気になるんですけれども、本当に市町村教育委員会は子どもたち、保護者全部にきちんとこれを出しませんと約束されたのかどうか、ちょっと私知りたいんだけれどもこの前聞けなかったんですよ。県の教育委員会も、さっき委員おっしゃったけど、文科省から話が来たときに、実施する前の話ですけれども、これをやるとたぶん開示請求があるでしょうと、開示請求があったら非開示で出しますけれども、今度は異議申し立てがあったときには、審議会の答申を尊重しなければいけなくなることはあるということは十分考えられるから、うちはこの資料は持ちたくないですねと文科省に言ったんですよね。言ったんだけれども、文科省の方は全然、今日的な条例の特殊性みたいなものは考えていらっしゃらなかったと思うので、まあ持っておいてください、全国やりますからどうぞ指導してくださいということばっかり言っているんですよね。その辺が、県の一番最初の見通しが甘いことも一つはあるかもしれないと思うんですね。それで、県はちょうど間に挟まったような感じでありますけれども、それでもさっきおっしゃったように、市町村のデータについては市町村がきちんと持って考えてするもんだし、今問われているのは残念ながら市町村にも関わってくるんだけれども、県の持っている情報を、県のかなり高い理念のある条例をもって、どう解釈して運営していくのかというのは、ここのところの基本は大事にしないと、それが崩れてしまったら、いけないなという思いが非常にあります。そういう意味で、気になるところはもちろんあるんですけれども、基本的な方向としては、開示っていうのはどうしても示していかなきゃいけない。それで、いけなかったら直してく、手直ししてなんとかしてその心配を払拭するような形にしないといけないんじゃないかと思うんです。以上です。
(委員長)
 そういう意味合いも含めながら、あるいは条例もありながらっていうのが理由の4のところに含めたつもりです。ただ、現時点で我々は判断しないといけないという部分があります。
(委員)
 ちょっと私の考えを言ってもいいですか。
(委員長)
 はい。
(委員)
 今、教育長が何点か述べられたんですけれども、少し私は違った捉え方をしているんですが、まず第一に、開示した場合のデメリットといいますか、具合の悪い点を上げた学校が意外に少なかったと、本当に序列化や競争の激化ということがあるのであれば、もっと次々意見が出るのではないかと思っていたがという御発言でした。これは、私はむしろ当然だと思うんです。平均以上の学校は別に開示することはなんでもないわけですよ。もうちょっと頑張ろうねということはいくらでも言える訳で。まして上の方にいけば、5番だけど今度は3番を目指そうというようなことはいくらでも公表することは平気なんですね。だから、半ば以上の学校は開示でも非開示でもどうでもいい。おまけに自分の学校の判断でしたければできるわけですから、別に県が開示請求に答えるかどうかなんていうことには大した関心が無いわけです。問題は、当然数は少ないわけですけれども、下のほうですから、そこが非常に指導が困るという意見が出てきているわけで、数の問題をもってばかり論ずることはできないのではないか。それでもって利点が大いにあるということはいえないと思うんですね。ですから、それは開示じゃなくてもいくらでもできるので、学校、市町村の判断で今もやってらっしゃるわけです。現に適当な方法で、公表はせずに結果を示している学校はたくさんあるわけです。だけどそれをやるとどうしてもまずいというところを心配している。これが一点ですね。それから、2点目ですね、開示のメリットを色々おっしゃったんですが、これは情報公開審議会等でも出てきているんですが、どういうメリットがあるかっていうと、「生徒、保護者及び地域に対する意欲を高め、教育の質を高めるために有用である・・・。」というようなことが書いてある。これも私は極めて漠然抽象的な表現だと思うんです。もし開示にすると序列化、競争が激化するおそれがある、それをもっと具体的に言えとおっしゃるのであれば、私は同じ言葉をメリットを唱えられる方にもお返ししてみたい。ちょっと分かりやすく、意欲を高め、教育の質を高めるというのは一体何をおっしゃっているんですかと。開示請求をなさった方が、その開示を受けて本当にそういう方向で働いてくださるんだろうか。してくださるんだろうと私は信じていますけど、審議会の委員の方も先に立って色々やってくださるんだろうということは信じて疑わないけれども、しかし一般的にこういうことを言って本当に力になっていただけるのかな、もう少しそれならば具体的に示すべきであろうというので、すぐにメリットということにも肯じかねるところです。それから3つ目なんですけれども、これは私の考えで極めて特異かもしれないから流していただいてもいいんだけれども、情報公開の原則というのがありますけれども、県は、日本の先進県としてやるんだという意気込みで、それはそれで大変結構、何の異論もありません。けれども、前回もちょっと言ったかもしれませんが、人間の社会っていうのは単純ではないわけですよ。だから、必ず法律や制度に原則があれば適用除外というものがあるわけで、これはこれで国の情報公開法でも同じ、県の情報公開条例においてもです。この限りではないというのがずらっと並んでいるんです。それを原則に対して異を唱えるけしからんマイノリティーの部分だという考え方はどうかなと、私は思うんです。そこも大事な部分なんで、人間はいろんな生活場面やいろんな立場があるわけですから、だから、そこの部分を含んだ上での情報公開の制度であるわけで、そこが綺麗になくなっていって全部情報公開になればいいというのは我々の社会の理想でもなんでもないと思うんです。だから、これは私の思想ですけれども、ですから、せっかくこういう例外条項があって、色々社会の特有のフィールドで生活していく人が利用できる条項があれば、私はその条項を積極的に解釈適用していくということも決して間違っていないと思います。できるだけそういうものは厳格に排除して原則を貫徹すれば鳥取県は理想の日本のリーダーになりますというようなということをもし考えておられるとすれば、少し言い過ぎだと思うんです。以上です。
(委員長)
 ほかにいかがでしょうか。はい。
(委員)
 私は、委員長案の結論の1番、19年度、20年度の調査結果については非開示とする、これに賛成いたします。最大の理由は委員長案の理由の3番にもありますけれども、文部科学省が実施主体であり、市町村教育委員会が取り組み、市町村教育委員会と学校が非開示を前提として、調査の協力をしたと。やっぱりこれが最大の理由だと思います。法律論ではどうなるか分かりませんけれども、国の衆議院の委員会の方で当時の総理大臣が開示しないと、それが原則であると発言されてますし、また、参議院の委員会でも文部科学大臣が個別の学校名の開示はしないと、これは約束なのかどうなのか解釈は別にして、そういった前提でこれだけ議論された上での調査となると、常識的には開示させられないものというのが前提だと思います。ただ、そうは言っていながら公開条例の精神もありますので、過去のものについて、精神は今ある情報は県民の財産でみんなで協力して使っていこう、とにかく公開しましょうというのもその通りだと思いますし、そうすべきだと思いますけれども、色々やっていくうちに、最初にこうしますよと説明して明確なものをきちんとやってくれと、それがスタートだと思います。そうなると、文部科学省の全国調査をすることにあたって、その時の説明は非公開が原則だった、それでお願いしますという話でやってて、例えばその時点で県の情報公開条例がありますので、開示請求があったら開示するかもしれませんよと、その可能性がある説明を鳥取県の教育委員会として市町村にして、そういうことの可能性がありえるな、それを踏まえてやると、そこまで明確にやって調査が行われたらそれは当然、開示請求に沿って審議会の答申が出たわけですから開示ということになるわけですけれども、あまりにも出発点のところが不明確だったまま進んだもの、それは過去のものですから、19年度、20年度はやはり非開示、今後の課題として今、委員長が言われたことでどうオープンで扱っていくかということはこれからの話ということで、今回のことに関してはやはりスタートラインがはっきりしていなかったというのが非開示という線引きを引いて一回終わらせてしまう、新しい来年度のことに関しては進んでいくと、そういう形が一番じゃないかなと思います。
(委員長)
 どうぞ。
(委員)
 私も委員長案に賛成です。基本のスタンスの2番目のところに、審議会の答申で示された方向はしっかり受け止めということがあります。最初に申し上げましたように、情報公開するという真の意味を県民が良く知って私たちが透明性のある鳥取県で生活したいと、それが幸せに繋がるんだという意識を持っていかなければならないと思います。今後、学校も、社会全部ですが、正しい学力観ということをもう一度認識していくことが重要です。例えば今、2教科であるのに、点数にこだわる人がいるとか、点数がひとり歩きするとか現実にあるのでこういう問題を言っているんです。正しい学力観がもっともっと普及していけば、学校で学ぶ力、生きる力というものは何なのか、ただテストの点だけではない、テストだけでは計れないもの、多くの価値を子どもたちは持っているんですということ。「今回のテストについては、この点をこういう目的で見るのです。」ということがはっきり出されていけば、理解がもっと深まると思います。そういったこととか、そのほかもうちょっと私たちが考えていかなければならない問題が今回色々と提示されたと思っております。
(委員)
 基本スタンスの3番目、児童生徒にとって最も大切なことは何かを基本に置くということで、さきほど私も申し上げましたけれども、子どもたちは約束の中で試験を受けている。うちの子どもも中学校の分で昨年度受けたんですが、その時には文書とかはいただいておりません。ただ、今年は小学校の方では、保護者の方に文科省から来た公表はしませんと書いたものを全員に配られたということを聞いております。一般の人、保護者にしても、細かいことまでは理解できないけれども、約束の中でやっている、その中でやっていることをいまさら駄目だと言われても納得できないだろうというのが大方の意見だと思います。それで、非開示という意見が多かったと思っています。もちろん私たちはそれだけで決めるという話にはならない、答申を尊重するという部分もあるんですけれども、やはり過去のものについては非開示というのはこの時点では妥当ではないかと思います。ただ、序列化のおそれという部分で、審議会の議事録の中で、教育内部の者が序列化を煽っているんではないかという意見を言われた委員さんもいらっしゃいました。私もそれは思います。序列化が起こるといわれてる部分で、どこの先生も一緒になって手を挙げてそうだといっているんじゃないか。地教委の方がお宅の学校の順位はここだと言われること自体が、先ほども委員さんが言われましたけれども、教育観という部分で、理想というか理念にかけ離れたような考えを持たれている地教委の方、それから管理職の先生方がいらっしゃるのではないかというふうにすごく危惧しているところです。ですから、例え非開示という話になっても、地教委、学校関係者の方が胸をなでおろすという、そういう話ではない方向性を持っていただいたらこれから先のプラスにはなるのではいかと思っております。
(委員長)
 教育長どうですか。
(教育長)
 もう一言くらい言ってもいいですか。教育委員会で議論して、決まっていくことですので、私は決まったことはそれは当然尊重するという立場ですけれども、それはそうなんですけれども、考え方は教育委員の一人として、行政の方の責任を持って仕事しているわけですから、県全体の行政の大きな方向性ももちろん全部総合的に勘案して話をしているわけです。それから、繰り返しますけれども、教育は絶えずいろんなおそれがあっても前に向かって、そのおそれを跳ね返しながら、それを直しながらいくっていうことを強く打ち出さないといけません。恐れてばかりいたら百年河清を待つということになりかねない。ちょうど今回はいい機会で、これだけ意見が出て、世論が高まったならば、開示即公表ではないんだから、子どもたちの学力は大事な問題なので、2極化も進んでるし、学ぶ意欲を落としている子どもたちもいるので、みんなでもってこの情報を共有して、学校関係者だけじゃなくて、県民みんなで本当にやらないといけないぎりぎりのところにきてるんじゃないかなと。今、県でもそのための施策を打って家庭や地域の中に浸透してきており、その大きな方向性を活かしていく必要があると私は思っています。最後にもう一つ、県教育委員会で基礎学力調査をやったときの結果は、ホームページで市町村ごとは全部公表しているんですよね。学校ごとはしていないけど。ただ、もう一つ、その時は何件か開示請求があったんです。開示請求があったときには、学校ごとの、それから市町村ごとのものを開示して出してるんですよね。ですから、非開示にするならそのことをきちんと踏まえて、それと今回とは違うということがきちんと明確に説明されなければならないと思います。以上です。
(委員長)
 それぞれ言われたことを全て加味した提案のつもりですので、教育長にしても私なりに加味しているつもりだし、私も教育というものは、単なる教科うんぬんだけではなく、本当の学力観を養う必要があると思います。それから多くは語りませんが、2や3で書いたことって言うのは現時点ではこういう結論。4で、今後のこととして、是非総合的な視点から議論をしてより良い教育をということを考えていきたいと思います。だいたいの感じとして同意が得られそうなので、多数決するつもりは本当はないんですけれども、議案としてとりあえずこの結論部分を出していただいて、それをもとに場合によっては採決という形をとりたいと思いますので、一時休会したいと思います。

 (一時休会)

(委員長)
 それでは再開いたします。さきほどの議論を踏まえて、議案1号、2号という形での御審議をいただきたいと思います。まず、議案第1号について説明をお願いします。

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○議案第1号 公文書非開示決定処分に係る異議申立てに対する決定について(公開)
(小中学校課長)
 議案第1号、公文書非開示決定処分に係る異議申立てに対する決定についてでございます。公文書非開示決定処分に係る異議申立てに対する決定について別紙のとおり提出をさせていただいております。決定書の方を御覧ください。主文、本件異議申立てを棄却します。理由でございますが、「本県異議申立てについては、鳥取県情報公開審議会から「平成19年度に文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査結果の内、市町村別・学校別のデータについて、鳥取県教育委員会が行った公文書非開示決定処分については、これを取り消すべきであると判断する。ただし、実施機関は、本件公文書の開示にあたり、児童または生徒の数が10人以下の学級に係る学力試験の結果を非開示とする鳥取県情報公開条例第9条第2項第7号の該当性について、十分考慮すべきである。」との答申があった。そのため、実施機関において、改めて広く県民、保護者、有識者及び教育関係者から意見を聴取し、その内容を踏まえて検討を行った。その結果、答申における「審議会の判断」は、実施機関として尊重すべきものであるが、子どもたちの心情に対して教育的配慮が必要であること、本件公文書を開示することによって、教育現場で過度な競争が生じるおそれが否定できないこと、また、全国学力・学習状況調査は、その結果の非公開を前提に実施されたことなどから非開示が適当と判断した。よって、主文のとおり決定する。」以上が決定書の内容であります。

(委員長)
 結論が出ましたけれども。
(教育長)
 ちょっと最後のところの文章だけれども非公開でいいのかな。非公表でもない。非公開かな。
(小中学校課長)
 非公開が前提で実施されましたので、開示されることによってそれが開示されるおそれがあるということです。
(委員長)
 先ほどの議論を踏まえながら開示請求に対して棄却したいという案件です。特に御議論がなければ、さきほどもいいましたように採決という形でいかせていただきましょうか。では、この原案のとおり認めるという方挙手をお願いします。
 (挙手…委員長、委員4名)
(委員長)
 反対の方は。
 (挙手…教育長)
(委員長)
 では5対1ということで、棄却するというふうにしたいと思います。では、それを受けて議案第2号です。お願いします。

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○議案第2号 平成20年度以降の全国学力・学習状況調査結果の取扱方針について(公開)
(小中学校課長)
 議案第2号について御説明いたします。先ほど御協議いただきました中で、それに関することで2点挙げております。今後の取扱いについてでございますが、まず、「1 平成20年度の全国学力・学習状況調査における市町村ごと・学校ごとの結果の取扱いについては、非開示とする。」「2 平成21年度以降の全国学力・学習状況調査における市町村ごと・学校ごとの結果の取扱いについては、今後検討する。」以上でございます。

(委員長)
 さきほどのは開示を棄却する。それから、20年度それの結果を受けて非開示とする。それから21年度以降は、今後検討する。まあ、検討の内容は色々ありますが、ここでは協議しませんので。同意していただけましたでしょうか。教育長よろしゅうございますか。
(教育長)
 はい。
(委員長)
 では、これは全員賛成ということで議案第2号について原案のまま了承ということにしたいと思います。今日の議案については以上ですので、それ以外はよろしいですか。それでは、臨時の教育委員会は以上で終わりたいと思います。いろんな角度から御協議いただきましたが、私たちはあえてこの非常に大変な案件に対して、公開でやってまいりました。それに対しては前回の委員会を受けて、保護者の方、市町村教育委員会、あるいは県民の方に御意見をいただいて、心から感謝したいと思います。あえて公開にしたということは、教育というものは本当にいろんな角度から考えざるを得ない、それをみんなで共有したいという思いからであります。こうして、公開をし、みんなに関心を持ってもらうことで、鳥取県の教育を少しでも前に進める大きなことになると信じてやみません。どうも、いろんな立場から御意見をいただきましてありがとうございました。これで教育委員会を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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