交番・駐在所連絡協議会実施要綱の制定について(例規通達)

交番・駐在所連絡協議会実施要綱の制定について(例規通達)

平成29年7月21日
鳥地例規第4号
 
  対号 平成7年6月8日付け鳥地例規第6号 交番・駐在所連絡協議会実施要綱の制定に ついて(例規通達)
 交番・駐在所連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)については、対号例規通達により運用されているところであるが、この度、署情に応じた効果的な連絡協議会の開催が可能となるよう、定期会議の開催回数を見直す等、別添のとおり、「交番・駐在所連絡協議会実施要綱」(以下「要綱」という。)を制定し、平成29年7月22日から施行することとしたので、各警察署においては、本要綱の趣旨を踏まえ、一層効果的な連絡協議会の運用に努められたい。
 なお、対号例規通達は、平成29年7月21日限り廃止する。
                       記

1 制定の趣旨
  交番及び駐在所(以下「交番等」という。)が地域の安全と平穏の確保に当たるためには、地域住民等の意見、要望等の的確な把握が、その前提にならないければならない。
  したがって、地域社会における身近な問題の提示及び地域住民等との検討、協議の場として、連絡協議会を明確に位置付け、その活動を一層効果的に推進していく必要がある。このため、要綱により連絡協議会の設置、運用等に関する規定の整備を図ることとしたものである。
2 解釈及び運用上の留意事項
(1)連絡協議会の目的(第2関係)
   連絡協議会の位置付けを、所管区内の住民等の意見、要望等を広く聴取して相互に検討、協議することにより安全で平穏な地域社会の実現を図るため明確にしたものである。
   「住民等」とは、地域住民に限らず、所管区内の事業所、所管区に関係する公的機関、団体等に勤務する者なども含むという趣旨である。
(2)連絡協議会の設置及び組織(第3関係)
  ア 連絡協議会の設置(第3の1関係)
    連絡協議会については、地域社会の一体性、共同性に着目して設置することが望ましい。したがって、原則として、交番等のそれぞれの所管区を単位として設置し、地域社会の多様な意見、要望等をきめ細かく把握して、所管区活動に反映することとしたものである。
    「原則として」とは、地域社会の成立状況によっては、第4の1で規定する単位連絡協議会を設置することが適切と認められる場合があることを考慮したものである。
  イ 連絡協議会の組織
  (ア)委員の選定(第3の3関係)
     広く地域住民等からの意見、要望等を聴取するためには、委員を特定の者に限定せず、職業、年齢、性別等を考慮して幅広く選定する必要がある。
     この点において、長期間特定の者に依存する例も見られるところであり、特段の配意をする必要がある。
     選定する人数については、連絡協議会の円滑な運営と会議の効果等を勘案して、選定するものとするが、所管区の実情や交番等の勤務体制に応じて、おおむね10人程度による運営を想定している。また、連絡協議会の効果的な運営を図るためには、地域住民、ボランティア団体、自治体等との連携が不可欠であるので、委員のうちおおむね半数程度は、コミュニティ・リーダーとしての影響力等を考慮し、次に掲げる者の中から選定するよう配意すること。
    a 自治会、町会等の地域自治組織の役員
    b 防犯協会、交通安全協会、ボランティア団体等の公益的な活動を行う団体の関係者
    c 自治体または公的機関の職員
  (イ)委員の任期(第3の5関係)
     委員の任期を定めることにより、連絡協議会の活性化を図る趣旨である。 
     委員の再任を妨げるものではないが、常に連絡協議会の新陳代謝に配慮すること。
  (ウ)運営担当者等(第3の6-第3の8関係)
     連絡協議会は、所管区責任に基づき交番等の勤務員全体が一体となって運営に当たることが不可欠であり、また、総括的な責任者を置くことによって対外的な窓口を一本化し、連絡協議会の円滑な運営を図る必要がある。
     運営責任者については、交番所長から指定するものとするが、交番所長の配置のない地域にあっては、関係する交番の勤務員の中から、適任者を運営責任者として指定することとする。また、駐在所にあっては、勤務員を指定することとする。
     なお、第4の1で規定する単位連絡協議会として複数の所管区を統合して連絡協議会を設置する場合には、連絡協議会を構成するそれぞれの所管区の勤務員全員を運営担当者とすることとする。
(3)単位連絡協議会(第4関係)
   地域の特性によっては、所管区を分割した連絡協議会の設置や複数の所管区を統合した地域を単位とする連絡協議会の設置がより適切と認められる場合があることを想定したものであり、第3の1で規定する連絡協議会の特例である。
   第4の1の「地域の特性に応じ」とは、地域の一体性、共同性に着目して、第3の連絡協議会を設置することの例外として、地域としてのまとまりを尊重する趣旨によるものである。
   したがって、実務上交番等のブロック運用を行っているからといって、安易にそのブロック単位で単位連絡協議会を設けるのではなく、現実にそのような連絡協議会については、交番等の各所管区を単位とした連絡協議会に改変するように努めること。
(4)職種等連絡協議会(第5関係)
   第3の1による所管区を単位とした連絡協議会や第4の1による単位連絡協議会のみではその目的を十分に達成し難い場合、目的等を限定した連絡協議会を別に設置することができるという趣旨である。
   「目的等を限定した」とは、次に掲げる連絡協議会を設置する場合などであり、所管区の実情に応じて、設置することができることとしたものである。
  ア 住民の入れ替わりが激しい団地、アパート、マンション等における防犯指導等を推進するため、これらの管理者による連絡協議会
  イ 総合的な繁華街・歓楽街対策を推進するため、これら地域の商品の経営者や雑居ビルの管理者等による連絡協議会
  ウ 外国人居住者等の保護対策を推進するため、外国人居住者等による連絡協議会
(5)既存の連絡協議会の見直し
   所管区によって、既存の連絡協議会を整理、統合するなど運用の見直しを行うような場合には、あらかじめ委員等に十分その趣旨を説明し、理解と協力が得られるように配意すること。
(6)会議の開催(第6関係)
  ア 定期会議の開催(第6の2関係)
    定期会議は、警察活動の重点及び地域の行事等を勘案し、所管区の実情に応じて効果的な時機を選定し、あらかじめ年間計画を策定するなどにより年に1回以上開催するよう努めること。
  イ 臨時会議の開催(第6の3関係)
    地域で犯罪等が連続的に発生し、住民等に不安が生じている場合などは、情報の正確な伝達、緊急時における連絡方法の確立、必要な協力要請等を行い、地域住民等の不安感の解消に努めるほか、地域住民等と共に対策を検討、協議し、その結果を警察活動に反映するなど、連絡協議会の効果的な開催に努めること。
  ウ 会議の参加者(第6の4関係)
    地域警察活動を効果的に推進するためには、会議の構成員のみならず、広く地域住民等の参画を得た開催が望ましいことから、会議については、その議題等に応じて次に掲げる委員以外の地域住民等の参加を求めて、開催すること。
    なお、委員以外の者に会議の参加を要請する場合には、警察署の地域警察幹部等と検討し、会議の議題にふさわしい者を選考すること。
  (ア)地域で児童対象の声掛け事案が連続的に発生しているような場合には、学校関係者、PTA等
  (イ)街路灯の設置要望等の環境整備の問題については、対象地区の自治会役員や住民等
  (ウ)一人暮らしの老人に対する安全対策等については、自治体ボランティア団体の関係者等の参加を求めるなど、適宜地域住民等
(7)連絡協議事項(第7関係)
   連絡協議会の会議においては、警察からの連絡や地域住民等の意見、要望等の聴取のみに終わることなく、相互に必要な検討、協議を通じて地域住民等と共に地域における問題への対応策を見いだすことが必要である。
   連絡協議事項としては、地域住民等に身近な犯罪等の防止その他地域住民等の生活の安全と平穏に関する問題を挙げているが、地域住民等からの意見、要望等を踏まえ、次に掲げる事項等について、具体的な議題を決めて、協議、検討すること。また、連絡協議会の開催に当たっては、広報紙、統計資料等の効果的な活用に配慮するほか、要望事項等の措置状況については、速やかに参加者に連絡するとともに、当該措置を実施するため時間を要するような問題等については、計画的に推進するなど適切な処理が行われるように配意すること。
ア 交番等の活動状況
イ 地域住民等に身近な事件、事故等の発生状況
ウ 地域の抱える祭礼等の催事、行事の進め方
(8)留意事項(第8関係)
   連絡協議会は、交番等の勤務員が所管区責任に基づいて運営するものであるが、効果的かつ適切な運営を図るためには、警察署及び警察本部の支援活動が不可欠である。このため、各警察署長及び生活安全部地域課長(以下「地域課長」という。)においては、その推進状況を具体的に把握して、必要な支援措置及び指導を行うとともに、他機関、他部門との連絡調整等については、警察署の地域警察幹部が積極的に行うなど支援体制の確立を図ること。また、連絡協議会の運営を通じて、交番等の勤務員の自主性、積極性、創造性の伸長と問題解決能力の涵養が図られ、個々の地域警察官の実務能力が向上するよう指導すること。
(9)報告
   各警察署長は、連絡協議会の開催結果を交番・駐在所連絡協議会実施報告書(様式第1号)により、地域課長へ報告すること。また、暦年ごとの開催状況等について、交番・駐在所連絡協議会開催状況等報告書(様式第2号)により、翌年の1月14日までに地域課長に報告すること。

別添 
   交番・駐在所連絡協議会実施要綱
第1 趣旨
  この要綱は、交番・駐在所連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)を効果的に推進するため、必要な事項を定めるものとする。
第2 目的
  連絡協議会は、交番又は駐在所(以下「交番等」という。)の所管区において、地域住民等の日常生活に身近な犯罪、事故又は災害(以下「犯罪等」という。)の未然防止、被害の拡大防止及び回復を図り、並びに的確な検挙活動等を行うため、所管区内の住民等の意見、要望等を広く聴取して相互に検討、協議し、警察との地域住民等が相互に協力し、もって安全で平穏な地域社会の実現を図ろうとするものである。
第3 設置及び組織
 1 連絡協議会は、原則として交番等の各所管区を単位として設置するものとする。
 2 連絡協議会は、委員及び運営担当者(以下「構成員」という。)をもって構成するものとする。
 3 委員は、地域の実情に精通し、かつ、所管区内の住民等からの信望が厚い者の中から、職業、年齢、性別等を考慮して幅広く選定するものとする。
 4 委員の選定に際しては、他部門と緊密に連携して総合的に決定するものとする。
 5 委員の任期はおおむね2年とし、再任を妨げないものとする。
 6 運営担当者は、連絡協議会を設置した所管区の勤務員全員をもって充てるものとする。また、警察署長は、交番所長等を運営責任者として指定するものとする。
 7 運営担当者は、随時委員その他の参加者を訪問し、必要事項の連絡に当たるものとする。
 8 運営責任者は、連絡協議会を主宰し、会議の円滑な運営と活性化に努めるものとする。
第4 単位連絡協議会
 1 第3の1の規定にかかわらず、地域の特性に応じ、所管区を分別して、又は複製の所管区を統合して連絡協議会を設置することがより適切と認められる場合は、当該所管区を分割し、又は統合した地域を単位とする連絡協議会を設置することができるものとする。
 2 第3の2から8までの規定は、1の単位連絡協議会について準用するものとする。
第5 職種等連絡協議会
 1 職種、地区等に着目して連絡協議会を設置することが効果的と認めらる場合は、第3の1又は第4の1の連絡協議会のほか、目的等を限定した連絡協議会を別途設置することができるものとする。
 2 第3の2から8までの規定は、1の職種等連絡協議会について準用するものとする。この場合において、第3の3中「職業、年齢、性別等を考慮して、幅広く」とあるのは、「その目的等に則して」と読み替えるものとする。
第6 会議の開催
 1 連絡協議会(第4の1又は第5の1に定める連絡協議会を含む。以下同じ。)の会議は、定期会議及び臨時会議とする。
 2 定期会議は、年1回以上開催するものとする。
 3 臨時会議は、地域で犯罪等が連続的に発生し、地域住民等に不安が生じるなど地域の問題解決に必要が生じた場合に随時開催するものとする。
 4 会議は、連絡協議会の構成員のほか、会議の議題等に応じて、随時地域住民及び地域の機関・団体の関係者等の参画を得て開催するものとする。
 5 会議の開催に当たっては、関係部門の協力を得るものとする。
第7 連絡協議事項
  連絡協議会は、地域住民等に身近な犯罪等の防止その他地域住民等の生活の安全と平穏に関する問題について連絡をするとともに、意見、要望等を聞いて相互に必要な検討、協議を行うものとする。
第8 留意事項
  連絡協議会の開催に当たっては、次に掲げる事項に配意して、真に実効が上がるよう努めるものとする。
(1)警察署の地域警察幹部は、連絡協議会の趣旨、目的、実施要領等について、勤務員に事前に十分な指導教養を実施するほか、会議内容及び推進状況を把握し、必要に応じて、他機関との連絡調整や具体的な支援体制を執るなど、適宜適切な措置を執ること。
(2)(1)に定めるもののほか、警察署長は、必要な場合には関係部門の幹部等を会議に参加させ、又は支援させるなど、組織的かつ適切な運営に努めること。
(3)生活安全部地域課においては、各警察署における推進状況を把握するとともに、必要な指導を行うこと。










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