ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等の徹底について(例規通達)

平成24年8月22日
鳥生環例規第7号
改正 平成27年鳥務例規第2号、平成28年鳥生企例規第3号、令和2年鳥務例規第3号

 ぱちんこ営業における広告、宣伝等が、その在り方によっては、清浄な風俗環境を害するのみならず、ぱちんこ遊技に対するのめり込みを促進しかねないものでもあることに鑑み、管内における広告、宣伝等の実態を的確に把握し、ぱちんこ営業者及び当該営業者が営業所ごとに選任している管理者(以下「営業者等」という。)並びにぱちんこ営業者の団体に対する厳正な指導及び取締りについて下記のとおり徹底し、平成24年8月22日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
                                                         記
1 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の該当性
(1) 広告及び宣伝の規制 
    風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「風営法」という。)第16条は、「風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。」と定めており、広告及び宣伝の内容が、著しく射幸心をそそるおそれのある行為が行われていること又は風営法違反の疑いのある行為を行っていることをうかがわせる場合は、同条による規制の対象となる。また、視覚に訴える広告及び宣伝のみならず、聴覚に訴える広告及び宣伝も同条による規制の対象となる。
(2)  営業所の構造及び設備の維持義務
   風俗営業の営業所の構造及び設備については、風営法第4条第2項第1号に基づく風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)第7条が技術上の基準を定めており、同基準中で「善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。」(法第2条第1項第4号に掲げる営業の項第2号)とされている。さらに、風営法第12条は、「風俗営業者は、営業所の構造及び設備を、第4条第2項第1号の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。」と定めている。
   したがって、ぱちんこ営業の営業所において、写真、広告物等の設備が著しく射幸心をそそるおそれがあるもの又は風営法違反の疑いのある行為を行っていることをうかがわせるものであるなど善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれがあると認められれば、風営法第12条の営業所の構造及び設備の維持義務違反に該当する。
2 広告及び宣伝の規制並びに営業所の構造及び設備の維持義務違反に該当する表示例
  営業所の内外を問わず、看板、のぼり、ビラ、新聞折り込みチラシ等を利用して次の(1)から(7)までに該当するような内容の広告又は宣伝を行った場合には、風営法第16条にいう「清浄な風俗環境を害するおそれのある方法」で広告又は宣伝を行ったものと認められる。また、そのような内容を表示した看板、ポスター等を営業所に設置、掲示等すれば、営業所の構造及び設備の技術上の基準である「善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。」に適合しないこととなる。
  なお、営業所の所在地、遊技料金又は賞品の取りそろえの充実を単に告知するにとどまるもの((1)から(7)までに該当しないものに限る。)については、一般的には広告及び宣伝の規制並びに営業所の構造及び設備の維持義務(以下「広告、設備等規制」という。)違反に該当しないものと解される。
(1) 入賞を容易にした遊技機の設置をうかがわせる表示
   遊技機本来の性能に調整を加えるなどして入賞を容易にした遊技機が設置されていることをうかがわせる表示は、著しく射幸心をそそるおそれがあるほか、風営法第20条第10項において準用される風営法第9条第1項の規定に違反する行為(遊技機の無承認変更)への関与をうかがわせる。   
  ア 本来の性能に調整が加えられた遊技機の設置をうかがわせる表示は、それが、ぱちんこ営業の客一般に遊技機の性能調整の実施をうかがわせるものとして通用する隠語又はこれに類する表現(記号及びイラストを含む。)による場合であっても、規制の対象となる。このような表示の例は、別紙1のとおりである。
    なお、表示中、同一フォント、同一色等により強調された文字のみ抽出すると上記の表示になる場合も、規制の対象となるものと解する(以下イ、ウ及び(2)において同じ。)。     
  イ 総付景品等(ぱちんこ営業において客に提供される賞品を含む。以下同じ。)の提供、営業所又は遊技機の状況、有名人の招致等の事実を告知する表示は、当該表示の内容が事実か否かにかかわらず、殊更に特定の日、特定の機種、 特定の遊技機等と関連付けることにより、ぱちんこ営業の客一般に遊技機の性能調整の実施をうかがわせるものである場合には、規制の対象となる。このような表示の例は、別紙2のとおりである。
  ウ 入賞に伴う遊技機の諸動作又は遊技盤の盤面構成の状況を表現する数字、文字、記号、イラスト等(ぱちんこ営業の客一般に当該動作又は状況をうかがわせるものとして通用する隠語又はこれに類する表現を含む。)は、殊更に特定の日、特定の機種又は特定の遊技機等と関連付けることにより、営業所に設置されている遊技機の全部又は一部について本来の性能に調整を加えるなどして入賞を容易にしていることをうかがわせるものである場合には、規制の対象となる。このような表示の例は、別紙3のとおりである。
(2) 大当たり確率の設定変更が可能な遊技機について設定状況等をうかがわせる表示
   大当たり確率を高く設定した遊技機を設置していることや特定の時間帯において高い設定に変更することをうかがわせる表示は、著しく射幸心をそそるおそれがある。
   なお、当該表示の内容が事実か否かにかかわらず、大当たり確率の設定状況をうかがわせる表示は全て著しく射幸心をそそるおそれがあるものと解される。ここで、当該表示については、全ての遊技機について設定状況を表示するものに限らず、一部の遊技機についてのみ設定状況を表示するものも、このようなおそれがあるものに該当する。
    ア 営業所に設置されている遊技機の全部又は一部の設定状況を直接的又は間接的にうかがわせる表示は、それが、ぱちんこ営業の客一般に設定状況をうかがわせるものとして通用する隠語又はこれに類する表現(記号及びイラストを含む。)による場合であっても、規制の対象となる。このような表示の例は、別紙4のとおりである。
  イ 総付景品等の提供、営業所又は遊技機の状況、有名人の招致等の事実を告知する表示は、当該表示の内容が事実か否かにかかわらず、殊更に特定の日、特定の機種、特定の遊技機等と関連付けることにより、ぱちんこ営業の客一般に大当たり確率の設定変更が可能な遊技機について設定状況等をうかがわせるものである場合には、規制の対象となる。このような表示の例は、別紙5のとおりである。
  ウ 入賞に伴う遊技機の諸動作を表現する数字、文字、記号、イラスト等(ぱちんこ営業の客一般に当該動作をうかがわせるものとして通用する隠語又はこれに類する表現を含む。)は、営業所に設置されている遊技機の全部又は一部について設定状況をうかがわせるものである場合には、規制の対象となる。このような表示の例は、別紙6のとおりである。
(3) 賞品買取行為への関与をうかがわせる表示
   風営法第23条第1項第1号及び第2号は、「現金又は有価証券を賞品として提供すること」及び「客に提供した賞品を買い取ること」をぱちんこ営業者の禁止行為として規定している。これは、このような行為が行われれば、遊技の結果が直ちに現金の獲得につながることになり、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるからである。
   ぱちんこ営業者が「等価交換」等の文言を殊更に表示することは、賞品買取所において遊技球又は遊技メダル(以下「遊技球等」という。)の数量に対応する金額と等価等で賞品が買い取られていることや風営法第23条第1項第2号が禁止している営業者による賞品買取行為が行われていることをうかがわせることから、風営法の趣旨に鑑み、著しく射幸心をそそるおそれがある。
   したがって、賞品買取所への案内をうかがわせる表示や賞品買取所における賞品の買取価格等をうかがわせる表示は、著しく射幸心をそそるおそれがあるものと解される。このような表示の例は、別紙7のとおりである。
(4) 客が獲得した遊技球等の数を示し、これに付随して賞品買取所における買取価格等を直接的又は間接的に示す表示  
   獲得遊技球数又は獲得遊技メダル数(以下「獲得遊技球等数」という。)が表示された降順表等に付随して、数字(例えば「12万3,000円」)、文字(例えば「等価」)等により、遊技の結果が現金の獲得と容易に結びつくことを示す表示は、(3)と同様の趣旨から著しく射幸心をそそるおそれがある。このような表示の例は、別紙8のとおりである。
   なお、実際の獲得遊技球等数のみの表示は、直ちには、現金の獲得と容易に結びつくことを示す表示に当たるものではないと解される。しかし、著しく多くの遊技球等の獲得が容易であることをうかがわせる方法で表示される場合は、(5)に該当する。
(5) 著しく多くの遊技球等の獲得が容易であることをうかがわせる表示
   数字、文字、写真等により著しく多くの遊技球等の獲得が容易であることをうかがわせる表示は、著しく射幸心をそそるおそれがある。このような表示の例は、別紙9のとおりである。   
(6) 風営法第19条の遊技料金等の規制等に違反する行為が行われることを直接的又は間接的に示す表示
   獲得遊技球等数に対応する金額を上回る賞品を提供していることや獲得遊技球等数に対応する金額と等価の賞品とは別に物品等の提供が受けられることをうかがわせる表示、市場価格とは異なる額に基づき賞品を提供することをうかがわせる表示、同一の賞品について、遊技機の種類又は遊技料金の区分により獲得遊技球等数に対応する金額に差異があることをうかがわせる表示、遊技機の種類又は遊技料金の区分ごとに、当該種類の遊技機又は当該区分の遊技料金で遊技した客にのみ提供される専用の賞品を設け、これを提供することをうかがわせる表示は、著しく射幸心をそそるおそれがあるほか、風営法第19条又は第23条第1項第1号の規定に違反する行為への関与をうかがわせる。このような表示の例は、別紙10のとおりである。
   なお、賞品として提供される物品以外の物品を客に限らず来店者全員に対し景品として提供することを表示する場合は、著しく射幸心をそそるおそれがある方法で行われない限り、本件表示には該当しない。ただし、この場合は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第3条及び一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限(昭和52年公正取引委員会告示第5号)第1項により、景品の価額が200円以下とされること、並びに風営法第23条第1項第1号により、ぱちんこ営業の営業者は、その営業に関し、現金又は有価証券を賞品として提供することが禁止されていることに留意すること。また、この場合において、全日本遊技事業協同組合連合会、社団法人日本遊技関連事業協会、一般社団法人日本遊技産業経営者同友会、一般社団法人余暇環境整備推進協議会及び一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会が昨年10月24日付けで策定した「総付景品等の提供に関するガイドライン」の範囲内で景品を提供することを表示することについては、当該ガイドラインの現時点の内容がぱちんこ営業に係る風営法の各種規制を担保するに十分なものであると考えられ、一定の合理性も認められることに鑑み、(1)イ又は(2)イに該当しない限りにおいて、規制の対象とはならないものと解する。
(7) 遊技の結果について客の技量により差異が生じる余地をなくしていることをうかがわせる表示
   遊技の結果について客の技量により差異を生じる余地をなくすことは、著しく射幸心をそそるおそれのある行為であり、これが行われていることをうかがわせる表示は、著しく射幸心をそそるおそれがある。このような表示の例は、別紙11のとおりである。
3 広告、設備等規制の適用に当たっての留意点
(1) 広告及び宣伝の規制
   風営法第16条は、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法での広告及び宣伝を規制しているところ、これは、営業所周辺で行われる広告及び宣伝のみを対象とするものではない。したがって、当該規制の対象となるか否かは、当該広告又は宣伝が「営業所周辺における清浄な風俗環境」を害するおそれがあるか否かで判断すること。また、風俗営業者が行う広告及び宣伝については、風営法第16条による規制のほか、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和59年鳥取県条例第30号。以下「風営法施行条例」という。)による著しく射幸心をそそるおそれのある方法で営業しないこと等の規制に照らし問題がないか否かについても検討すること。
    なお、広告及び宣伝の規制に違反する広告又は宣伝が営業所の外壁、営業所に含まれるものと認められる駐車場等に設けられた写真、広告物等の設備によるものである場合は、営業所の構造及び設備の維持義務違反にも該当する。
(2) 営業所の構造及び設備の維持義務
   営業所の構造及び設備の維持義務は、営業所の構造及び設備に対する規制であって、ぱちんこ営業に係る営業所に設置されている遊技機については、風営法第4条第2項第1号の規定により、営業所の構造及び設備の技術上の基準による規制の対象から除外されていることに留意すること。
   したがって、著しく射幸心をそそるおそれのある表示を含むシール等を遊技機のガラス板等に貼付等している場合については、風営法施行条例における著しく射幸心をそそるおそれのある方法で営業しないこと等の規定の適用を検討すること。
4 速やかな行政処分の実施等
  広告、設備等規制違反を認めた場合は、営業者等に対して必要な行政指導を行うほか、悪質な形態の違反については、違反状態の解消等を図るため速やかに風営法第25条に基づく指示処分を課し、特に悪質なものについては、風営法第26条に基づく営業の停止処分を課すこと。 
  なお、営業所の構造及び設備の維持義務違反に係る指示は、一般的には技術的な基準に従うべきことを命ずる不利益処分であり、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第2項第3号の規定により弁明の機会の付与を経ないで処分することができるものと解されているが、本例規通達の内容に係る営業所の構造及び設備の維持義務違反については、特定の写真、広告物等が「善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備」に該当するか否かにより判断されるものであって、遵守すべき事項が技術的な基準をもって明確にされている場合には当たらないことから、弁明の機会の付与を行うべきであると解される。 
  したがって、当該違反に対する指示処分を行う際には、営業者に対し、聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年国家公安委員会規則第26号)第20条に規定する弁明通知書を交付し、弁明の機会を付与すること。また、広告、設備等規制に対する違反状態については速やかに解消される必要がある一方で、これを是正するための行政処分の実施に当たっては、その擬律判断について、県内又は隣接県との間で説明責任を果たせないまでの差異が生じることがあってはならない。そこで、行政処分の実施に当たっては、過去の類似事例の確認を徹底するとともに、その基礎として、過去における行政処分の状況(個々の事案についての処分事由、処分内容等)を各風俗行政担当者が共有すること。
5 広告、設備等規制違反から推認される他の風営法違反の事件化
  広告、設備等規制違反に関しては、当該違反に対する行政処分にとどまることなく、これらの違反から推認される遊技機の無承認変更や賞品買取り等の悪質な風営法違反が潜在している疑いが認められる営業所について必要な捜査を行うなど、根源的かつ悪質な違反の立証に努め、その事件化を図ること。
  なお、広告、設備等規制違反に関しては、ぱちんこ業界に対して度重なる指導を実施してきたことに照らし、今なお当該違反を行う営業者については、特に遵法意識に疑いが持たれるところであり、釘(くぎ)曲げ等の遊技機の無承認変更を始めとする各種の風営法違反を行っている蓋然性が高いことから、その他の違法行為についても見過ごすことなく厳正に対処すること。
6 営業者等に対する指導の徹底
  許可事務及び立入りの際には、その都度、営業者等に適時適切な指導を行うほか、管理者の業務の実施状況の把握に努めるとともに、管内における広告、設備等規制違反の実態に即した具体的な指導に配意すること。
7 報告
  当分の間、広告、設備等規制違反に係る指示処分等を行った場合及び関係団体に行った指導、働き掛け等に対する特異な動向等を把握した場合には、生活安全部生活安全企画課長を経由して報告すること。

別紙 略

  

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