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監査委員のホームページ

平成21年度に鳥取県議会議員へ交付された政務調査費の使途について

 4月26日(火)に高橋敬幸(たかはしひろゆき)氏外2名から地方自治法(以下「法」という。)第242条の規定に基づく鳥取県職員措置請求書が鳥取県監査委員に提出され、これに基づき、監査した結果の概要は次のとおりです。 なお、監査結果は、本日(6月22日)請求人に通知するとともに、鳥取県公報により公表します。
  

監査の概要

(1) 請求の要旨

ア 請求人の主張

 平成21年度における鳥取県議会議員全員の政務調査費について、市民オンブズ鳥取が公文書開示請求で入手した政務調査費収支報告書及び添付書類を調査したところ、31名の議員の政務調査費の使途として不適正なもの又は適正な使途として疑問なものがある。

イ 措置請求

 知事及び県議会議長に対し、以下のための必要な措置をとることを勧告するよう請求する。
 (1) 全議員について、再度、政務調査費の使途の調査、収支報告書の写し及び証拠書類の写しの突合などを行い、不適正な使途による政務調査費を県に対し返還させること。
 (2) 全議員に対して、不当な支出を是正させること。

(2) 請求の受理

 監査委員は、法第242条に規定する請求の要件を具備しているものと認め、5月2日(月)付けで受理した。

(3) 請求人の陳述

 請求人から陳述の申出があり、5月16日(月)に公開により陳述を聴取した。

(4) 請求書の訂正

 請求人代表者から「請求の理由」に追記するため、「鳥取県職員措置請求書(住民監査請求)訂正書」が5月31日付けで提出され、6月2日付けで受理した。

(5) 監査の実施

ア 監査対象事項

 具体的に摘示されている平成21年度において31名の議員に交付された政務調査費

イ 監査対象機関

 鳥取県議会事務局(以下「議会事務局」という。)

ウ 監査実施期間

 5月10日(火)から6月17日(金)まで

(6) 監査の実施方法

ア 監査の実施方針

 監査委員は、定期監査において、鳥取県政務調査費交付条例第4条第2項に基づき定められた政務調査費の使途及び手続に関する指針(以下「ガイドライン」という。)により適否を判断しており、本件請求に基づく監査においてもガイドライン(平成21年1月9日一部改正)をその使途基準として取り扱うこととした。

イ 議会事務局の監査の実施

 31名の議員について、本件摘示事項について、収支報告書と証拠書類の写しを突合し、その上でガイドラインに沿った支出がなされているかについて監査を実施した。

ウ 関係人の調査

 本件請求の監査に当たっては、本件摘示事項を踏まえ、支出目的又は内容の確認を要するものについて、法第199条第8項の規定に基づき、必要に応じ23名の議員に対し、文書照会等による調査を行った。

(7) 監査の執行者

 監査委員 山本 光範
 監査委員 米田 由起枝
 監査委員 伊木 隆司
 監査委員 山根 眞知子

(8) 監査委員の除斥

 本件請求は議員の政務調査費の使途に関するものであるため、議員である監査委員興治英夫及び監査委員前田八壽彦は、法第199条の2の規定に基づき監査に加わらなかった。

本件請求に対する結論及び勧告

(1) 第2の2の(1)の「全議員に対して、再度、政務調査費の使途の調査(条例施行規則に定める使途基準に合っているかについての調査も含む。)、収支報告書の写し及び証拠書類の写しの突合などを行い、不適正な使途による政務調査費を県に対し返還させること。」について

監査委員の判断

ア 不適切事項
 (ア)県外旅費を早見表を用いて算定し実費と異なるため不適切な支出と判断されるものが4件66,940円あった。
 (イ)当該年度の政務調査活動の対象外であり、不適切な支出と判断されるものが1件 21,000円あった。
   上記不適切と判断される事項については、政務調査費収支報告書の修正及び所要の返還措置を講ずる必要があると判断する。
イ 支出金額が特定できない事項
 県外交通費及び宿泊費を早見表を用いて算定しているもの並びに県内宿泊費の領収書が添付されていないものについて、支出金額が特定できないものがあった。
 政務調査活動を行っている事実は確認される一方で、支出金額が特定できない事情等に鑑み、早見表による額の2分の1を必要な額とすることを基本とし、次の金額を修正が必要な額とした上で、政務調査費収支報告書の修正及び所要の返還措置を講ずる必要があると判断する。
 支出金額が特定できないもの47件、修正が必要な額777,370円

 上記ア及びイによる修正及び返還が必要な額は別紙のとおりである。

 上記事項以外に不適切な政務調査費の使途は認められず、定期監査においても必要な調査を行ったことから、全議員について再度の調査を行う必要性は認められなかった。

勧告

 平成21年度に交付した政務調査費について、法第242条第4項の規定に基づき鳥取県知事及び鳥取県議会議長に対して以下のとおり勧告する。その措置については平成23年9月30日を期限として回答すること。
<政務調査費に係る収支報告書の是正及び返還措置>
 (1)で認められた不適切な支出及び金額が特定できない支出について、政務調査費収支報告書を是正させ、当該是正に応じて政務調査費を返還させる措置を講ずること。

(2) 第2の2の(2)の「全議員に対して、不当な支出を是正させること。」について

監査委員の判断

 監査の結果、次の事項について、一部の議員にガイドラインの手続の不徹底が見受けられることから、徹底を図るとともにガイドラインそのものを見直し、政務調査費の適正な執行を図る必要があると判断した。
 
<領収書徴収の徹底について>
 このたびの監査において、同一目的地への旅行について、領収書による実費で算定した額と早見表による交通費及び宿泊費の算定額で大きな差が生じ、早見表により計上した議員に返還を求めた事例があった。
 政務調査活動は議員が自発的に行うもので、ガイドラインでは交通費及び宿泊費は領収書による実費を原則とし、領収書が徴収できない場合の例外的措置として早見表による算定が認められている。
 今回の事例は、この原則が徹底されず安易に早見表により計上していたことに起因するものであった。
 宿泊費については、平成22年7月のガイドラインの改正により、領収書による実費とされるよう再度徹底が図られている。交通費についても、特に各種の割引旅行商品がある県外政務調査については、早見表による交通費及び日当の算定を止めて政務調査活動に必要な交通費に係る領収書徴収の徹底を図り、透明性を高める必要があると判断する。

勧告

 政務調査費の適正な執行という観点から、法第242条第4項の規定に基づき、鳥取県知事及び鳥取県議会議長に対して以下のとおり勧告する。その措置結果については、平成23年9月30日を期限として回答すること。

<ガイドラインにおける交通費の取扱いの見直しと議員への周知>
 ガイドラインにおいて、県外政務調査活動の交通費について、「領収書の徴収ができない場合は、早見表により算定した、通常利用する交通機関に係る料金を政務調査費の対象とする。」という取扱いを改め、交通費についても宿泊費と同様領収書による実費を原則とする取扱いの徹底を図り、各議員等へ周知すること。

意見

 本件監査の結果は、以上のとおりであるが、政務調査費の運用について以下のとおり意見を付す。
 議会改革推進会議の定めた政務調査費議員必携(平成19年4月1日制定)では、「議員の活動は、単に本会議や委員会などの会議に出席し、議案の審議などを行う議会活動だけではなく、住民の代表として住民意思を把握するとともに、鳥取県の事務に関し調査研究を行い、議案の審査や政策立案に反映させていくことも、議員の果たすべき重要な役割である。このため、政務調査費は、このような議員が行う調査研究活動に対し、地方自治法第100条第14項及び15項の規定に基づき、その経費の一部が交付されるものである。 したがって、政務調査費が県民の税金で賄われていることに鑑み、議員には、県民に理解され信頼される議会づくりのために、その使途について、より一層の透明性の確保と説明責任を果たすことが求められている。」と述べられている。
 また、議員には条例第4条第2項に基づき定めるガイドラインを尊重して、適切な執行を行うこと。とされているが、政務調査活動の目的、内容等が明示されているとは言い難い事例が多く見受けられ、今回住民監査請求の対象となった多くは、ガイドラインの記述が不十分であったこと及び議員の理解不足等に起因していると思われるものであった。
 これは、政務調査費の趣旨が議員に十分理解されていないことが原因であることから、全ての議員に対し趣旨の徹底を図られたい。
 特に、ガイドラインについて、次の事項について改善するとともに、使途及び手続の徹底を図られたい。

(1) 交通費等について

県外(国外含む。)政務調査活動報告等について

 ガイドラインでは、県外調査を行った場合は、県外政務調査活動報告書を作成することとなっているが、報告書の「会議等の内容」欄に会議の名称のみの記載で、どのような調査活動を行ったのか判然としないものが見受けられた。
 出席した会議等の名称だけでなく、目的、内容等の具体的な調査活動の結果を記載できるよう改正されたい。
 また、国外政務調査報告書についても、目的、内容等の記述が不十分で、内容を知るには議員に照会しなければならないような事例があった。
 国外調査は、交通費等が高額となることに鑑み、必要性を明記するとともに、調査活動の内容を具体的に報告する等の一定の基準が必要と考える。

補助職員の交通費等について

 議員が雇用する職員の交通費等について、ガイドラインでは「政務調査活動の補助者としての活動実態により判断する」と記載されているが、具体的な基準は明示されていない。
 政務調査は、議員本人が行うことが原則であり、政務調査費を補助職員の交通費等に充てることは例外的な取扱いである。
 このようなことから、補助職員の同行を必要とする理由を報告書に明示する等の方策を検討されたい。

(2) 自動車の維持費等について

 ガイドラインでは、自家用自動車の燃料費及び小修理、車検費用などの維持費については、6割を限度に政務調査費に計上することが認められている。
 一方、全国都道府県議長会の検討委員会がまとめた「政務調査費の使途の基本的な考え方」(平成13年10月16日)では「政務調査活動に自動車を使う際の費用は、交通費として考えるべきである。したがって、燃料費及び有料道路通行料、駐車料金等の実費のみであり、その他の維持費用に要する費用に支出することは適当でない。(中略)したがって、修繕費、車検費用、保険料等の維持管理は政務調査活動に直接必要な経費と考えるべきではない。」としている。
 今回の監査請求にもあったように政務調査費を財産形成のために支出しているという指摘もあることから、自動車の維持費を政務調査費の対象とすることについては、リース使用の場合も含め、再度十分に検討されたい。
 また、燃料費について、他県では走行距離に応じた経費を政務調査費に計上している事例が多く見受けられることから、これらを参考にして見直す等の方策を検討されたい。

 上記以外の各費目についても、全般的な点検を行い、より透明性を高めるとともに説明責任を果たすよう改善されたい。