庭づくりや外構工事の設計から実施まで一手に引き受ける富士ユニコンの取締役。主婦、母親と２役をこなしながら、社長を務める夫と二人三脚で会社を運営しています。
　
　同社は塀や車庫、カーポートなど住宅の外周りのエクステリア商品の販売・設計・施工がメーン。経験豊富なスタッフが、エクステリアのプロとして、３３０平方メートルのストックヤードに所狭しと並ぶ商材や、一流メーカー商品を駆使して庭づくりをしています。

　取締役に就任したのは６年前。総務全般の他、「お客さま係」として庭づくりの相談から施工、完工後のアフターフォローや商品の相談、発注まで対応しています。満開の笑顔、パワフルな活動力で社員をリードします。出張で不在がちな社長の代理として対外的な活動にも積極的に参加します。

　以前は鳥取商工会議所に勤めていましたが、結婚を機に退職。専業主婦の予定でしたが、仕事大好きな性分もあって他の事業所などで経験を積んだ後、同社に入社しました。

　常にお客さまとの最前線に立っているため、喜びの声ばかりでなく厳しい意見を受けることもあるようです。そんな時は謙虚に耳を傾け、満足のいくよう精いっぱい対応に努めています。

　「お客さまからお叱りやご意見をいただけるのは、会社としても個人としても本当にありがたいこと。コミュニケーションをしっかりとって、いい庭づくりにつなげていきたいと思っています」
　家族は夫と10歳の一人息子との３人。「私が不器用なもので、子育ては苦労の連続です」と打ち明けます。子どもの保育園への送り迎え、病気の時の対応など、「家族や周囲の皆さんの支えでやってきました」。

　親の頑張っている後ろ姿を見てもらおうと、特に幼いころは会社の仕事場や鳥取商工会議所青年部の地域活動などに連れて行き、共に過ごす時間を持ちました。息子さんはすくすくと育ち、今では仕事に励む両親を応援しているそうです。

　女性が活躍する社会に向けて、結婚・出産で転職を重ね苦労した体験から、保育園で病気の際の預け先確保や小学校低学年の学童保育の充実を何より望んでいます。「子どもが伸び伸びと過ごせる環境整備が大事です」と訴えます。

　同社は70歳までの定年延長を実現。65歳を過ぎたベテランも３人います。その一方、３年計画で雇用促進を進め、10、20代の社員も増えました。「次の世代が夢を持って働ける会社にしたい」と目標を見据えます。

　さらに、社会で活躍を望む女性に対して「努力は継続すれば必ず認められ、評価されます。女性は特に結婚、出産、育児と環境の変化によって悩むことも多いと思います。しかし、諦めないでがむしゃらに頑張ってほしい」とエールを送ります。