「財務戦略室長」という肩書からは想像できないような、優しい雰囲気と温かい笑顔。

 中曽さんは「こんなこと言うとしかられそうですが、今でも(役職に)なりきれないところがあるんですよ」とほほ笑みます。
 
 高校卒業後に入社して以来38年間、総務と経理を担当してきました。取締役に就任したのは、本社と工場が現在の場所に移った2001年。事務員から一転、経営側の立場になり、「一体何をしたらいいの?」と戸惑ったそうです。

 丸京製菓には現在、女性取締役が3人います。とはいえ、社会全体では女性管理職はまだ少数。役職に就くことに二の足を踏む女性も多いかもしれません。中曽さんは、自身の経験も踏まえ「何事もいきなりできる人はいません。失敗も含め、いろいろな経験や努力を重ねて、できるようになるのだと思います」と話します。

 数字を扱う経理の仕事は、一つ間違えれば社の信用問題にも発展します。「今の工場が建ってから生産量が増え、扱う数字の桁が変わりました。それはもう、プレッシャーでした」。会社は大きく成長しましたが、社員や取引先を家族のように思いやり、大切にする「大家族主義」は健在。その中で中曽さんは、オフィスにいると皆が安心する、お母さんみたいな存在なのかもしれません。
 
 38年の間には、人生の転機が幾度も訪れました。結婚、出産、そして介護。苦労もありますが、必要に応じて出勤時間を調整するなど、両立を支援するための職場環境が整っています。「会社にいる間は仕事、帰宅したら家のこと。意識を切り替えることができるから、逆にどちらも続けられるのかもしれませんね。」
 
 今、女性の生き方は多様化しています。国は「2020年に指導的地位に占める女性割合30%」を目標に掲げていますが、中曽さんは「女性の社会進出は数字では表せない」と感じています。「管理職にならなくても頑張っている女性はたくさんいます。大切なのは一人ひとりをどう活用するか。人それぞれの活躍の場があると思います。」
 
 丸京製菓は近く60周年を迎えます。中曽さんは、今日もその屋台骨を守ります。「当社の理念は『人のお役に立つ』。時代が変わっても、愛され続けるお菓子屋さんでありたいですね。そのためにも、自分が経験したことを次の世代に伝えていきたいと思います。」

※掲載内容は、平成27年3月現在のものです。
  

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