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PTAと人権教育

(1)人権が尊重される社会づくりの担い手に

 1948年に世界人権宣言が国際連合総会で採択されて以来、今日までに国際的にも国内的にも様々な取組が行われています。鳥取県でも平成8年に「鳥取県人権尊重の社会づくり条例」が施行され、人権尊重の社会づくりのために行政等の取組が行われています。また、この条例では「県内に暮らすすべての者の責務」として、「相互に人権を尊重し、自らが人権尊重の社会づくりの担い手であることを認識し、人権意識の向上に努めるとともに、県が実施する人権施策に協力しなければならない。」と示しています。
 私たち県民一人一人が権利や人権問題について学び、人権尊重の社会づくりの担い手であることを認識し、人権尊重社会の実現をめざしていくことが大切です。

(2)鳥取県の人権教育

 鳥取県教育委員会は、平成24年1月に「鳥取県人権教育基本方針」の第1次改訂を行いました。人権教育基本方針は、鳥取県の人権教育のめざすもの、人権教育で大切にすべきこと、各人権問題に関わる教育の推進指針等を示しています。
 ここでは、皆さんからよく質問を受ける内容について、Q&Aで説明します。

Q1:「人権」って何ですか?

A:「人権」は、大切だと思うが、よくわからないという声を聞くことがあります。

 人々は、自由に、安全に、そして将来に可能性を感じながら生きたいという願い、その願いをかなえるために必要なものを権利として要求し、社会の共通ルールとして法に定めてきました。したがって、「人権」は、単なる抽象的な価値観等ではなく、すべての人に保障されるべき具体的権利の一つ一つをさします。
 例えば、「住みたいところに住める」「職業を選択することができる」「芸術を楽しみ、科学の恩恵にあずかれる」などです。これらは、「世界人権宣言」「子どもの権利条約」「日本国憲法」等に、一つ一つ揚げられています。

Q2:鳥取県の人権教育のめざすものは何ですか?

A:鳥取県では、人権教育の目的を次のように定めています。

 「人権のための教育」(豊かな人権文化を築く資質を備えた人間の育成)* 人権文化とは、「人権意識・人権感覚であふれた人々で地域が満たされ、人権を尊重するという心や態度が日常生活の隅々までいきわたるような社会」(公益社団法人 鳥取県人権文化センター設立趣意書)であり、こうした社会を築く資質を備えた人を育てることです。

 また、人権教育のめざすもの(目標)として次の3点をあげています。
  • 本来持っている能力を発揮し、自己実現を図る
  • 人権尊重の社会づくりの担い手であることを自覚する
  • 多様な人々と豊かにつながり、共に生きる

Q3:人権教育の具体的な内容はどうですか。

A:鳥取県では、「人権としての教育」「人権についての教育」「人権が尊重される教育」の3つ側面をあげています。

(1)「人権としての教育」 
 これは、「生涯にわたり、すべての人が等しく教育を保障される」ということです。
 具体的には、学校教育や社会教育において「教育の機会が十分保障されるよう、学習の機会を提供すること」などです。
 PTA会員研修として人権教育研修会等を設けたり、部員研修として地域の研修会(小地域懇談会等)への参加を企画したりすることなどがこれにあたります。
(2)「人権についての教育」
 これは、「人権や人権問題について学ぶ」ことです。
 具体的には、私たちの基本的な人権について学んだり、同和問題をはじめ男女共同参画、障がいのある人、子どもの人権についてなど、様々な人権分野にかかわる学習をしたりします。
 講演会やワークショップとして、多くのPTAで取り組まれているものがこれにあたります。
(3)「人権が尊重される教育」
 これは、「人権が大切にされた環境で学ぶ」ことです。
 具体的には、「すべての学習活動において学習者の人権に十分配慮する」ことや「人権が尊重される社会づくりを進める」ことです。
 PTA活動の中で保護者同士が、自由に意見が言える環境をつくったり、家庭や学校、地域において行事や習慣を見直して、人権が尊重される地域をつくっていったりすることがこれにあたります。
   
 PTAの事業について、これらの3つの側面から、総合的に取り組んでいくことが大切です。
    

Q4:人権学習で大切にしたいことは何ですか。

A:PTAにおける人権学習で大切にしたいことを2つあげています。

(1)具体的な問題を取り上げる
 一つ目は、身の回りで起こっている問題をテーマとして取り上げることです。人権に関する問題は、日常生活の中で生起しています。私たちの持っている権利をものさしとして、具体的に誰のどのような権利が侵害されているのか、なぜそのような侵害が起こるのか、どうすれば問題を解決できそうかということについて考えることです。そして、学んだことを実際の社会の中で実現しようとする意欲や行動力を高めることが大切です。
(2)「参加型」学習の重視
 「参加型」学習とは、協力的な人間関係をつくり、異なる立場・意見を有する人々と合意を形成し、問題解決を方向付け、共に行動することを促す包括的な学習プロセスのことです。
 *「参加型」学習の良さ
  •  参加者が自分自身の気持ちや考えを自由に述べることができ、本音を語りやすくなる。
  • コミュニケーション能力を高め、自分と相手をともに大切にしながら、自分の気持ちや考えを表現することができる技能(スキル)を身につけるために有効である。
  • 人権侵害の事実に気づいて、そのことを相手に伝え、話し合い、どう働きかければ人権侵害が解消されるかを考えるという「問題を解決する力」を養うことにつながる。

 「参加型」学習の中での学習者自身の「気づき」「考え」を大切にし、課題解決のための行動につなげていきます。

(3) 効果的な取組を進めるために

1 PTA会員同士の仲間づくりを進めること

 保護者同士がお互いに知り合い、声をかけ合うような人間関係をつくりましょう。学校行事をはじめPTA活動、子ども会活動など、児童生徒にかかわる活動は、輪を広げるよい機会です。

2 学級・学年懇談会の充実を図ること

 「児童生徒にかかわる具体的な問題」や「保護者の不安や悩み」を把握しやすいのは学級・学年懇談会です。PTA会員同士で解決に向けた意見を交換し合い、具体的な取組を進めていきましょう。

3 児童生徒の学習にかかわっていくこと

 保護者が児童生徒と一緒に学び合う、自分の体験や思いを話す、学習内容について家庭でも話題にする、話し合ったことを児童生徒とともに実践するなど、児童生徒の学習に積極的にかかわることはとても大切です。

4 地域の取組との連携を図ること

 地域において、さまざまな人権問題に関する研修会や勉強会が開催されています。部会研修と兼ねて、それらの研修会に参加するのも有効です。また、地域で行われている小地域懇談会では、地域の人権課題をさまざまな年齢層の方と話し合うことができます。小地域懇談会への参加をPTA会員に呼びかけ、地域と連携して企画運営することも大切なことです。

(4)PTA人権教育推進部として

 PTA活動での人権研修会は、保護者の学習機会として大きな役割を担っています。役員改選によりPTA役員が変更になっても計画的に研修が行えるよう、数年先まで見通しを持ってテーマを決定しておくとよいでしょう。
 年度ごとのPTA人権研修会の企画立案にあたっては、事業後の部会検討会や参加者からのアンケート結果等をもとに、前年度のうちに次年度の内容(案)をいくつか挙げておくとスムーズに話し合いが進みます。具体的な内容の決定にあたっては、PTA会員のニーズや自校のPTA活動の実態をふまえ、身近な人権に関する問題(教育、医療、福祉、子育て、社会保障等)を取り上げるなどして、参加者が自らの「体験」と重ねながら考えられるように工夫することも大切です。
 また、ねらいに合わせて講義型の研修とともに、「参加型」の手法を用いた研修も取り入れ、参加者同士の話し合いの中から、新しい気づきや知識、考え方を身につけると同時に保護者同士のつながりを強め、人権が尊重された学校づくりを支える保護者であるという意識を高めましょう。
 人権研修を行う際は県教育委員会や各市町村の教育委員会、人権教育関連機関、人権教育推進員等に相談されるのもよいでしょう。
人権学習プログラム集表紙 県教育委員会では、以下のとおり、PTA人権研修会に活用していただくことのできる学習プログラムや事業を用意しています。 
  1. PTA人権研修会のための「人権学習プログラム集」

     「参加型」学習のプログラムを13本掲載しています。
       「話の素材」をもとに、皆さんで体験を交えながら話し合うことで、様々な「人権」についての気づきが生まれ、「人権」が自分にとって身近なものであると感じていただけるものと思います。
       各小・中・高等学校・特別支援学校等に10冊ずつ配布していますので、積極的に御活用ください。
       なお、プログラム集の活用やファシリテータ(学習促進者)の派遣等の相談については下記にご連絡ください。
  2. 人権学習講師派遣事業

      PTA人権研修会に講師を派遣する事業として以下のプログラムを準備しております。

    *各プログラムに係る経費(旅費、謝金)は、県(各所掌部署)が負担いたしますので、学校(PTA)の負担はありません。 

     事業名  目的  所掌部署等
     拉致問題人権学習会
    講師:拉致被害者家族等
     学習をとおして、拉致問題に関する関心を高めるとともに、自らの問題として考える機会とし、拉致問題の早期全面解決に向けた理解の促進を図る。

    【所掌部署】

    総務部人権局人権・同和対策課

    【実施予定校】

    5校程度

     移植医療を通していのちについて考える学習会

    公益財団法人鳥取県臓器・アイバンク職員

     移植医療を通して自他の生命の尊さを理解し、臓器移植について正しい知識を持つことで、臓器移植に係る権利や生命尊重について、自分の問題として考えることのできる機会を提供する。

     【所掌部署】

    福祉保健部健康医療局医療政策課

    【実施予定校】

     日程調整等が困難な場合を除き、原則実施

     デートDV学習会

    講師:鳥取県DV予防啓発支援員、福祉相談センター女性相談担当職員等

     デートDVに対する理解を深め、暴力の発生を未然に防ぎ、お互いを大切にした対等な関係を築くことによって、一人ひとりが大切にされる社会づくりを推進する。

     【所掌部署】

    福祉保健部福祉相談センター

    【実施予定校】

    日程調整等が困難な場合を除き、原則実施

  3. その他

 県の施設として「鳥取県立人権ひろば21ふらっと」があります。ここでは資料の閲覧や貸し出し、研修会等へのアドバイス、講師、参加型学習を行うファシリテータ(学習促進者)派遣の相談ができます。

*上記1、2の問合せ先  

 鳥取県教育委員会事務局人権教育課
   〒680-8570 鳥取市東町1丁目271番地 電話0857-26-7534・7535

*上記3の問合せ先  

 鳥取県立人権ひろば21 ふらっと
     〒680-0846  鳥取市扇町21番地  TEL  0857-27-2010