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監査委員のホームページ

平成23年度鳥取県政務調査費に係る住民監査請求の監査結果について

 6月21日(金)に坪倉嘉昶(つぼくらよしひさ)氏他3名から地方自治法第242条第1項に基づく鳥取県職員措置請求書が提出され、これに基づき、監査した結果の概要は次のとおりです。
 なお、監査結果は、本日(8月19日)請求人へ通知するとともに、鳥取県公報により公表します。
  

監査の概要

第1 請求の要旨

1 請求人の主張

 平成23年度における鳥取県議会議員全員の政務調査費について、公文書開示請求により入手した政務調査費収支報告書(以下「収支報告書」という。)及び添付書類を調査したところ、24名の議員の政務調査費の使途として不適正なもの又は適正な使途として疑問なものがある。 

2 措置請求

 鳥取県知事及び鳥取県議会議長に対し、以下のための必要な措置をとることを勧告するよう請求する。 
(1) 全議員に対して、再度、政務調査費の使途の調査、収支報告書の写し及び証拠書類の写しとの突合などを行い、不適正な使途による政務調査費を県に対し返還させること。
(2) 全議員に対して、不当な支出を是正させること。

第2 請求の受理

 監査委員は、法第242条に規定する請求の要件を具備しているものと認め、平成25年6月28日付けで受理した。

第3 請求人の証拠の提出及び陳述の機会

 請求人から陳述の申出があり、平成25年7月3日に公開により陳述を聴取した。

第4 請求書の訂正

 平成25年7月3日の陳述の際、請求人から請求書の訂正の申し出があり了承した。
 また、平成25年8月7日付けで鳥取県職員措置請求書(住民監査請求)訂正書が提出され、了承した。

第5 監査の実施

1 監査対象事項

 具体的に摘示されている平成23年度において24名の議員に交付された政務調査費

2 監査対象機関

 鳥取県議会事務局

3 監査実施期間

 平成25年6月28日(金)から同年8月9日(金)まで

4 監査の実施方法

(1) 監査の実施方針
 監査委員は、定期監査において、条例第4条第2項に基づき定められた「政務調査の使途及び手続に関する指針」(以下「ガイドライン」という。)により適否を判断しており、本件請求に基づく監査においても平成23年度に適用されていたガイドラインをその使途基準として取り扱うこととした。
(2) 議会事務局の監査の実施
 24名の議員について、本件摘示事項について、収支報告書と証拠書類の写しを突き合わせ、その上でガイドラインに沿った支出がなされているかについて監査を実施した。
(3) 関係人の調査
 本件請求の監査に当たっては、本件摘示事項を踏まえ、支出目的及び内容の確認を要するものについて、法第199条第8項の規定に基づき、必要に応じ17名の議員に対し、文書照会等による調査を行った。

5 監査の執行者

 監査委員 岡本 康宏(おかもとやすひろ)
 監査委員 伊木 隆司(いぎたかし)
 監査委員 湯口 夏史(ゆぐちなつみ)

6 監査委員の除斥

 本件請求は議員の政務調査費の使途に関するものであるため、議員である監査委員浜田妙子及び監査委員前田八壽彦は、法第199条の2の規定に基づき監査に加わらなかった。

第6 本件請求に対する結論及び勧告

1 監査委員の判断

不適切事項
(1) 後援会活動に関する郵送料が含まれていたため、不適切な支出と判断されるものが3件128,150円あった。
(2) 燃料費等の積算方法が適切でないため、不適切な支出と判断されるものが2件3,791円あった。
(3) 政務調査活動として関係が不明な宿泊料のため、不適切な支出と判断されるものが1件4,800円あった。
(4) 個人的資格要件で加入している団体の会費であったため、不適切な支出と判断されるものが1件1,000円あった。
(5) 年度内 の政務調査活動に寄与したとは認めがたい物品を年度末に購入していたため、不適切な支出と判断したものが、7件208,820円あった。

(1)から(5)までの事項については、収支報告書の修正及び所要の返還措置を講ずる必要があると判断する。

これによる修正及び返還が必要な額は、次表のとおりである。
   

平成23年度政務調査費修正必要額及び返還必要額

 

議員名

 

監査委員が認めた修正必要額

(不適切な額)

監査開始以降に議員が修正した額

返還

必要額

 

不適切な事項の該当箇所

(第6-1)

浜崎晋一議員

        128,150

    △128,150

        0

(1)

上村忠史議員

          9,591

      △5,800

        0

(2)(3(4)

谷村悠介議員

        208,820

            0

   80,737

(5)

合計

       346,561

 

  80,737

 


 上記以外に不適切な政務調査費の使途は認められず、定期監査においても必要な調査を行ったことから、全議員について再度の調査を行う必要性は認められなかった。

2 勧告

 平成23年度に交付した政務調査費について、法第242条第4項の規定に基づき鳥取県知事及び鳥取県議会議長に対して次のとおり勧告する。その措置については平成25年10月19日を期限として回答すること。

<政務調査費に係る収支報告書の是正及び返還措置>

 1で認められた不適切な支出について、既に修正報告がなされたものを除いて、収支報告書を是正させ、当該是正に応じて政務調査費を返還させる措置を講ずること。

第7 意見

 本件監査の結果は、以上のとおりであるが、ガイドラインの運用について以下のとおり意見を付す。
 政務調査費の使途等について、議員は、条例第4条第2項に基いて定められたガイドラインを尊重して、適切な執行を行うこととされている。
 これまで、透明性の確保と説明責任を果たすとの観点から、ガイドラインは議会において幾度も見直しが行われ、改善が図られ、運用されているところである。
 このたびは、平成23年度を対象に当時のガイドラインに規定されている内容と照らし合わせて適切に行われているかとの観点で監査を行ったが、ガイドラインの規定に反しているとは言えないものの、政務調査活動の目的、内容等が十分に明示されているとは言い難い事例が見受けられた。
 

1 ガイドラインの運用の徹底について

 特に、次の事項については、議員にガイドラインの規定の趣旨が十分に理解されていないことが要因となっていると思われるので、今後、趣旨に沿った運用について、一層の徹底を図られたい。

 (1) 領収書等について

領収書等について、ガイドラインでは、「支出目的や内容が政務調査活動の対象であるか直ちに判断できないものや汎用性の高いものについては、内容が確認できる書類を添付するか又はその利用目的、理由等を追記すること。」と規定されている。
 監査を行ったところ、特にガソリン代、資料購入費(書籍購入)は、原則として領収書が証拠書類となることから、これにこだわるあまり、内容のわかるレシートに替え、手書きの領収書等を添付したため内容が不透明となっているものが多く見受けられた。証拠書類としての透明性を確保する観点から、領収書等に代えて、購入したものの内容がわかるレシートも証拠書類として認められることの周知も図られたい。

(2) 会費について

 会費については、ガイドラインでは、「支出目的や内容が政務調査活動の対象であるか直ちに判断できないものや汎用性の高いものについては、内容が確認できる書類を添付するか又はその利用目的、理由等を追記すること。」と規定されているにも関わらず、会の活動内容等の説明が不十分なため、政務調査活動の対象であるか直ちに判断できないものが見受けられた。 ついては、会費の支出対象である団体の活動内容や実態が、政務活動として適当であることが必要であるため、団体の概要がわかる資料等を添付するよう徹底されたい。

(3) 政務調査活動報告書について

 政務調査活動報告書については、所定の様式に沿って記載されているものの、視察の目的や参加した研修会の内容が具体的に記載されていないものなど、政務調査活動の報告書として十分でないと見受けられるものがあった。当該政務調査活動の具体的な目的、内容、結果等がわかるように記載するよう徹底されたい。
 

2 按分率の記載について

 このたびの監査において、出納簿、証拠書類を確認したところ、多くの議員が按分率の記載に留まり、それ以上の説明がないものがほとんどであった。 按分率の根拠の算出方法は、事実上、各議員の判断に委ねられており、また、ガイドラインでは、具体的な根拠まで定めていないので、按分根拠の明示方法は、各議員の自己申告に任せた形となっており、その客観性の程度についても、各議員で差が出ているのが現状であった。
 ガイドラインでは経費の按分について、実際の活動において、政務調査活動以外の活動と渾然一体となることが多いと考えられることから、政務調査費のより一層の透明性を高めるため、政務調査活動の割合が100パーセントの場合を含め、原則として証拠書類に按分率の設定の考え方を明示することが規定されている。
 従来からガイドラインの改正は、政務調査費の透明性を高め、説明責任を果たすとの観点から改善が進められてきているが、按分率については、政務調査活動以外の活動と渾然一体となっている実態からみて、その根拠を詳細に明らかにすることについては一定の限界があることも否めない。 このため、按分の根拠が明確にできない場合は、簡便な按分方法も取り入れることも考えられる。
 そこで、按分率について、広報誌の紙面割合、業務割合、勤務時間など明らかな根拠が明示される場合を除き、効率的かつ客観的に按分率を適用できるよう、下記のような簡便な按分率の基準を示すことも改善策のひとつと考えられるので、今後検討されたい。ただし、導入に当たっては、全体的な費用が増加するようなことがあってはならないため、その割合については議員活動の実態を考慮することが必要であり、かつ県民の理解の得られる水準であることも必要である。
 
【簡便な按分率の基準の例】
A: 政務活動+政党活動 =1/2+1/2
B: 政務活動+後援会活動=1/2+1/2
C: 政務活動+その他=1/2+1/ 2
D: 政務活動+(政党活動+後援会活動)=1/3+(1/3+1/3)
E: 政務活動+(政党活動+その他)=1/3+(1/3+1/3)
F: 政務活動+(後援会活動+その他)=1/3+(1/3+1/3)
G: 政務活動+(政党活動+後援会活動+その他)=1/4+(1/4+1/4+1/4)
 

3 おわりに

 ガイドラインについては、平成24年11月28日及び平成25年1月18日に監査委員から議長に対し、「親族の雇用、企業・団体等に対する人件費の支出、勤務実態の明確化、事務所維持費の基準、会費・食糧費等の政務調査活動の明確化」などについて改善の申入れを行い、議会改革推進会議で慎重に審議がなされた結果、申し入れの趣旨を踏まえ平成25年3月26日にガイドラインが改正され、「政務活動費の使途及び支出手続きに関する指針」が定められた。 今後は、改正後の指針に基づき、今回意見で述べた点に留意して、より一層、政務調査費の透明性を高めるとともに十分な説明責任を果たされるよう適切な運用を徹底されたい。