給料の調整額に係る見直しの基本的な考え方
                                   
 
[給料の調整額の支給の趣旨]
 ○給料の調整額は、同じ給料表の適用を受ける他の職員と比較して、職務の複雑性、困難性又は勤務の強度、勤務環境などの勤務条件が著しく特殊であると認められる職員に対して、その特殊性に基づき、給料の加算額として支給するものとして、最も古いものは昭和31年から適用されているものです。
 
 
[見直しの基本的な考え方]
 ○現在、給料の調整額の支給対象となっている職員の職務については、当然のことながら、一定の職務の困難性などの特殊性を有していることを否定するものではありません。
 
 ○しかし、調整額が各種手当(期末・勤勉手当、退職手当等)にはね返るといった手厚い処遇であることから、その支給根拠となる職務の特殊性は極めて顕著なものでなければならないと考えます。また、特に退職手当へのはね返りについては、退職手当の水準が退職時の職務等により大きく相違することとなり、職員の処遇面において均衡上の問題があると考えています。
 
 ○このため、今日、公務全般が複雑化・困難化している現状や、以前よりも職場・職種間での人事交流が盛んになっている状況、民間の類似職種の給与水準の状況などを踏まえながら職員間の均衡などの観点から考えると、果たして現在、その職務の特殊性が給与において特段の措置を講ずべきまでの顕著な特殊性、困難性等を有するものかどうかを改めて点検し、必要に応じて見直しを行うことが適当であると考えます。なお、県議会からも、給料の調整額の支給の現状が一般県民や社会常識に照らすと納得性を欠くのではないかなどの指摘も受けているところです。
 
 ○以上のようなことから、現在支給対象となっている職場・職種の職務の特殊性について、
  ①職務遂行に著しい危険性を伴うものかどうか
  ②職務遂行に強度の肉体的負担・精神的ストレスを伴うものかどうか
  ③勤務環境が極めて特殊で、困難性を帯びるものかどうか
  ④職務内容が高度かつ複雑で、著しく特殊であるものかどうか
  といった観点により、民間の類似職種の給与水準の状況(職務の困難性に対する民間労働市場の評価)も踏まえ、調整額が支給されていない他の職場・職種と職務の複雑性・困難性等の面での著しい差異があるかどうか点検を行いました。
 
 ○その点検の結果、ほとんどの職場・職種において、調整額が支給されていない他の職場・職種と、職務の複雑性・困難性等に著しいと言えるまでの差異は認められず、その職務の特殊性に対して給与上の特段の措置を行うまでには至らないと判断されることから、見直しを行い、調整額の支給を廃止することとしたいと考えます。
 
 ○なお、給料の調整額の支給を行うまでには至らないものの、職務に相当の特殊性が認められ、県民と職員の理解と納得が得られると考えられるものについては、より緩やかな措置である特殊勤務手当での措置を行うこととしたいと考えます。