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「とっとり県政だより」 2005(平成17年)7月号(第543号)
▼特集(2) 安全・安心・快適な住まい

安全・安心・快適な住まい
安全・安心・快適な住まい

 
「住まい」は、私たちが成長し、家族との暮らしを育みながら豊かな人生を送っていく上で、最も基本的な生活の基盤です。
 この大切な住まいを安全、安心、そして快適なものとするためには、そのときどきに応じたちょっとした工夫が必要です。
 地震に強い住まい、高齢者に優しい住まい、自然素材を活かした健康な住まい、伝統的な在来工法を活かした木の住まいなど、私たちの住まいについて、改めて考えてみませんか。


地震に強い住まい

 平成12年の「鳥取県西部地震」では、全壊392戸、半壊約2千5百戸など多くの住宅が深刻な被害を受けました。現在県内では、昭和56年以前の古い建築基準で建てられた住宅が全体の半数近くあり、地震に対する安全性に疑問があるといわれています。?
 大切な住宅と生命を災害から守るため、ぜひ住宅の耐震診断を行ってみてください。もし安全と認められなかった場合、早めに耐震補強や改築などの対策を行うことが必要です。基礎と土台、土台と柱、柱と梁などを専用の金物で接合することによって、建物の耐震性能を大幅に高めることができます。
 なお、県内の世帯を対象に実施したある調査では、約8割が耐震診断に関心があるものの半数以上が「受けたくない」と答えており、その多くは費用がかかることを理由としています。
 県では、住民が行う耐震診断に市町村が助成する場合、その額の一部を市町村と連携して補助する制度を新設しました。詳しくは、お住まいの市町村住宅担当課へお問い合せください。
耐震補強した柱耐震補強した屋根裏 専用の金物で接合すれば、建物の耐震性能が大きく向上する

鳥取県被災者住宅再建支援基金
 県では、西部地震を教訓に、市町村と協力して、自然災害における住宅再建のための支援制度を独自に設けています。
 万一、自然災害で住宅が全壊した場合、新たな住宅の新築または購入に対し、1戸につき300万円を限度に助成します。
地震で全壊した家屋
鳥取県西部地震で全壊した家屋


高齢者に優しい住まい

 年をとると身体の機能が低下し、家の中でも思わぬことが原因で、転倒などの事故につながることがあります。
 体力が低下したり身体に何らかの障害が発生した場合でも、安全で自立した生活が送れるように、室内外の段差をなくしたり、手すりなどの歩行を補助するものを設ける工夫が必要です。

玄関の工夫出入り口の段差
 介護保険制度では、住宅改修が必要と認められた在宅の要介護者・要支援者に対して、在宅改修費として、20万円までの工事費の9割の金額が支給されます。
 そのほか、県や市町村独自の制度もありますので、詳しくは、お住まいの市町村介護保険担当課へお問い合せください。
階段、台所の工夫

 生活に便利な場所で、高齢者が賃貸住宅に入居しやすくするために
 県では、県営住宅のバリアフリー化を進めるとともに、障害者や高齢者世帯などを対象に、県営住宅への優先募集を行っています。
 また、民間の「高齢者向け優良賃貸住宅」を支援し、高齢者がそのような賃貸住宅に安心して円滑に入居できるよう、情報提供を行うなど、高齢者の居住の安定を進めています。
 さらに今年度から、民間の賃貸住宅がバリアフリー化などの改修を行う場合に、その経費の一部を市町村を通じて助成することにしています。


健康に優しい住まい

 新築の住まいに引っ越したり、リフォームの後に、目がちかちかする、のどが痛くなる、吐き気がするなどの症状が現れる場合があります。このように、室内の空気環境の悪化で、そこに住んでいる人の健康が損なわれることをシックハウス症候群と呼んでいます。
 住宅建材や家具などに含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質が原因といわれていますが、病気としてのメカニズムや治療法もまだ解明されておらず、正確な診断は難しいとされています。最近の住宅は気密性が高く、部屋の中の化学物質の濃度が高くなりがちですので注意が必要です。
 対策としては、こまめに換気をすることが大切です。天気の良い日はできるだけ窓を開け、風の通り道をつくりましょう。また、新築・リフォーム時には、健康に配慮した、化学物質を含まない建材を選びましょう。
シックハウス測定モニター募集
 (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、「シックハウス問題」の現状を把握するため、住宅内の空気環境に関する全国実態調査を実施しており、室内の化学物質濃度の測定にご協力いただけるモニターを募集しています。分析結果は、個別にお知らせします。
 詳しくは、県庁住宅政策課へお問い合せください。

こんな症状が出たら要注意!
  〜シックハウスから暮らしを守ろう〜
シックハウス症状(1) シックハウス症状(2) シックハウス症状(3)

県産材で木の住まい

 木の見た目や香り、感触などは、私たちの心を和ませてくれます。私たち日本人は昔から木造の家屋に住み、木のやさしさやぬくもりを感じながら暮らしてきました。木の住まいは日本人にとって欠くことのできない生活の基盤でした。
木の住まいの素晴らしさ
 木の住まいは、機能の面でもたいへん優れています。
 例えば、木材は軽量で強度も優れています。鉄やコンクリートより弱いと思われがちですが、重量当たりの強度でいえば、例えば杉の場合、引っ張りに対する強さで鋼材の約4倍、圧縮抵抗ではコンクリートの約6倍もあります。
 断熱性も優れており、木材の熱伝導率はコンクリートの約10分の1、鉄の約3百分の1です。このため木の住まいは、コンクリート造りの建物に比べて、夏涼しく冬暖かいという特徴をもっています。
 また、「木は呼吸する」といわれるように、湿気の多いときは室内の湿気を吸収し、湿気の少ない時は水分を室内に放出し、住まいの湿度をほぼ一定に保ってくれます。
 このように木の住まいは、私たちの生活に心地よさや快適さを与えてくれます。
木造家屋
住まいづくりを支える職人の技
 こうした木の住まいのよさは、職人の技によって支えられています。
 大工や左官などの職人は、経験から得た知識と技を持っています。木や土などの素材を熟知し、使いどころを考えて住まいをつくります。
 例えば、土台の上に柱を建て梁を渡して組み立てていく木造軸組工法は、木の性質を知り尽くした職人だからこそできる、日本の伝統技術です。住む人の希望に応じて自由度の高い間取り設計や増改築ができるなど、優れた特徴をもっています。
智頭杉でつくられた住まい
智頭杉の心地のよさを楽しむ鳥取市の橋本浩之さんと次女の花連さん
 「木の住まいには柔らかさがありますね。娘もはだしで歩くのが好きで、スリッパをはきません。足から伝わる気持ち良さがわかるようです」と語るのは、県の『木の住まい助成制度』を活用してこの春、自宅を新築した鳥取市鹿野町の橋本(はしもと)浩之(ひろゆき)さんです。
 最初は県産材のことは意識していなかった橋本さんも、「地元で育った木のほうが鳥取の気候になじんで長持ちする」と工務店に勧められ、智頭杉の使用を決意。設計の途中で変更したため、杉の伐採や乾燥で3カ月ほど完成が延びましたが、「娘の喜ぶ姿を見ると、やっぱり地元の木にして良かったなと思います」と満足そうに笑います。


県産材を使おう
 鳥取県の面積の70%は森林です。森林は山の斜面を保全するとともに、水を貯えて災害を防ぐ役割を果たしています。
 しかし近年、地元の木材の利用が減ったため、間伐などの森林整備があまり進んでいません。そのため、森林の大切な機能を果たす力も弱まっています。
 そこで今、私たち県民が県内産の木材を積極的に利用することで、地域産業の活性化と森林の整備、ひいては県土の保全につなげていくことが大切です。
 また木材は、育った地域の環境や気象条件などに順応する特性があり、県内の森林で育った県産材は、地域の気候風土に合った家づくりにふさわしい材料となります。
  さらに県外から木材を運んでくることは、不要な二酸化炭素の排出など環境に余計な負荷をかけることになります。地元の木を地元で使うことは、環境に優しい行動です。
 このように、県産材を使用すること、つまり「地材地消」は、森林への貢献であるととともに地球環境に優しい行動となるのです。
鳥取県の森林

木の住まい情報BOX
新・木の住まい助成制度
 県内に自ら居住するために、一定量以上の県産材を活用して木造住宅を建設または購入されるかたに対し、県産材使用量に応じて、1戸につき最大60万円を助成します。
また、在来軸組工法の住宅を、
(1)手刻み加工?
(2)外壁の下見板張り?
(3)左官仕上げ?
(4)日本瓦葺き?
のうちの2つ以上の伝統技術を使って建設する場合には、さらに1戸につき15万円を助成します。
木の住まいふれあい体験ツアー開催
 
県産材が生産・製材・加工され住宅になるまでを、実際の現場を見学しながら学ぶ「木の住まいふれあい体験ツアー」を今秋、開催します。
伝統建築フェア(仮称)開催
 大工・左官などの職人による伝統の技に直接触れ、伝統工法への理解を深めることのできる「伝統建築フェア」を開催します。
期間:10月1日(土)〜31日(月)[予定]
場所:倉吉市打吹地区周辺(主会場/倉吉市防災センター)
内容:伝統建築工法の展示、左官技術の紹介、住宅相談、県産材の紹介など
職人による伝統工法

問合せ先 県庁住宅政策課 
電話 0857-26-7398・7408
インターネットURL 『鳥取県住まい情報館』 http://www.pref.tottori.jp/jyuutaku/
            『県営住宅情報』 http://www.pref.tottori.jp/kenjuu/
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