平成24年度議事録

平成25年2月26日会議録(集中審議)

 開催概要、資料はこちらです。
出席者(9名) 委員長
副委員長
委員
浜田 妙子
砂場 隆浩
森 雅幹
市谷 知子
濵辺 義孝
野田 修
小谷 茂
山口 享
横山 隆義
 
欠席者(なし)
 
 

傍聴議員
  上村議員、斉木議員、安田議員、澤議員、森岡議員、国岡議員、坂野議員

説明のため出席した者
  城平危機管理局長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  梅林係長  中倉係長  西村主事

1  開会  午前10時00分

2  閉会  午後0時15分

3  司会  浜田委員長

4  会議録署名委員      小谷委員  市谷委員

5  付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり


午前10時00分 開会

◎浜田委員長
 ただいまから、福祉生活病院常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員、小谷委員と市谷委員にお願いいたします。
 それでは、本日の議題に入ります。
 議題は、鳥取県地域防災計画(原子力災害対策編)について、及び鳥取県広域住民避難計画(島根原子力発電所事故対応)についてです。
 地域防災計画につきましては、鳥取県が正式にUPZ圏内に位置づけられるため、3月18日までに確定し、国に提出する必要があるなど、県民生活の面においても重要な事項になっています。
 そこで、本件について集中審議を行うに当たり、本委員会以外の議員の皆様にも幅広くお声かけさせていただいたところでございます。
 本日は、執行部より本計画の修正案について説明をいただきながら、議論を進めたいと思います。
 次に、委員の皆様にお諮りいたしますが、本件について、委員外議員の発言を許可することに御異議はございませんか。

○山口委員
 あることはある。やはり委員会ですから、まず優先して聞くのは常任委員会のメンバーの意見であって、その後きちんと皆さんの意見を聞くというふうに整理されたほうがいいと思いますが、どうでしょう。

◎浜田委員長
 そのようにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 では、そのようにさせていただきます。
 きょうは午前中までの終了を予定いたしております。執行部の皆様におかれましては、簡潔明瞭に説明いただきますようお願い申し上げます。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 それでは、議題1、鳥取県地域防災計画(原子力災害対策編)について、及び議題2、鳥取県広域住民避難計画(島根原子力発電所事故対応)について、水中危機対策・情報課原子力安全対策室長の説明を求めます。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 議題1及び議題2について、御説明させていただきます。
 資料につきましては、まず最初に鳥取県地域防災計画について、次に鳥取県広域避難住民計画についてを見ていただきまして、説明方法につきましては、まず資料1の修正概要、その次にパブリックコメントの内容について、最後に計画の本文でポイントとなるところをお示しさせていただきたいと思います。住民避難計画についてもそのような形で御説明させていただきます。
 それでは、まず鳥取県地域防災計画(原子力災害対策編)(案)の概要修正ということで、資料1で御説明させていただきます。
 地域防災計画につきましては災害対策基本法、それから原子力につきましては、災害対策基本法に加えて、原子力災害対策特別措置法に基づいて作成されるものでございます。これについては、一貫した原子力災害対策を行うために、原子力規制委員会が今回原子力災害特別措置法を改正しまして、原子力災害対策指針を法定化いたしましたので、それに基づいて作成しております。
 作成の経緯でございますが、鳥取県におきましては、平成12年に起きた東海村JCOの臨界事故を受けまして、当時、EPZ外のため国からの範囲指定はなかったのですが、島根原子力編について作成したところでございます。そして、東京電力の福島第一発電所の事故を受けまして、平成24年に原子力防災に関する抜本的な見直しということで、原子力災害対策特別措置法と同法の施行令が改正されました。それに基づいて鳥取県が関係周辺都道府県として、立地県並みの権限を得たことから計画を作成しました。原子力発電所の周囲30キロの区域にある都道府県で地域防災計画が作成されていたということで、鳥取県につきましては、先ほど述べましたように、平成10年に作成していましたので、原子力災害特別措置法が改正されるとともに関係周辺県に直ちになったところでございます。先ほど述べましたように、立地県並みの権限ということで、発電所への立入検査の権限等については、ほぼ立地県並みの権限が与えられたところでございます。それから、原子力災害対策指針が法定化されましたので、鳥取県がUPZに該当することになったと。それで今回、平成13年につくった地域防災計画を全面修正したところでございます。
 左の下の図でございますが、今回の地域防災計画につきましては、島根原子力発電所のUPZの30キロ、そこに小さな図を描いておりますが、境港市の全域と米子市の一部、それから人形峠の環境技術センターについては、まだ原子力規制委員会のほうで見直しが行われておりません。そのため、EPZの500メートルということで、鳥取県につきましては、それぞれかかる部分はないのですが、島根発電所と人形峠の環境技術センターの事故対応をしているところでございます。
 次に、真ん中でございますが、原災法改正の基本的な考え方としましては、(1)にございますとおり、福島原子力発電所の事故を踏まえた見直しということで、過酷事故、一般的にシビアアクシデントと呼ばれておりますが、それらと津波や地震等の複合災害の対処、原子力事故の初期段階における即応態勢の確保、周辺地域における原子力災害の影響が広範囲に及んだ場合の対処、被災者の生活支援、除染、廃棄物の処理等、それから災害時要援護者の配慮等の基本的な考え方と、あとは国の防災体制や災害体制の流れを踏まえた見直しの考え方とします。それ以外に、今回につきましては、おととしの12月に島根発電所に係る安全協定を結びましたので、安全協定にある権限の現地確認なり連絡なども反映して、今回、全面修正に至ったところでございます。
 そのポイントといたしましては、真ん中の下でございますが、まずUPZの範囲をおおむね
30キロに指定していると。これについては、境港市も米子市も同じでございます。
 避難等の防護活動の実施ということで、安定ヨウ素剤の配布、スクリーニング、広域避難、それから災害時要援護者の配慮。
 原災法に基づく新たな権限ということで、発電所の立入検査、発電所がつくる防災業務計画の協議を受ける権利、それから国に万一事故があった場合に専門家を要請する権利についても書き込んでおります。
 (4)の安全協定による新たな権限ということで、現地確認、それから核燃料物質の輸送計画にかかる事前連絡の対応を書き込んでおります。
 (5)の島根県との連携としましては、事故後の5月から原子力防災連絡会議等を開きまして、島根県との情報連絡体制、UPZの線引き等について、地域防災計画、広域避難計画について、連携して作成しているところでございます。
 (6)の人形峠環境技術センターの対応については、先ほど述べましたように、国の災害対策指針の検討修正がまだ行われておりませんので、現行のEPZのままでございますが、それについても書き込んでいるところでございます。
 右の計画の体系につきましては、大きく分けて4つの柱で構成しております。一つが総則部分、これについてはUPZ等の位置づけ、それから原子力災害事前対策、これは事故の起こる前の予防体制など、どのようなものを整備していくかを書いております。それから次に、緊急事態の応急対策、いわゆる事故が発生した場合にどのように対応するかを書き込んでおります。最後に原子力災害中・長期対策として、原子力の緊急事態、今の福島県の状態が解除された場合の対応について書き込んでおります。詳しくは次のページで説明させていただきます。
 次のページをお願いいたします。まず、総則でございますが、この中につきましては、計画作成に当たっての指針ということで、原子力災害対策指針を遵守していくことと、災害の想定といたしましては、原子力施設からの放射性物質及び放射線の放出形態、いわゆる過酷事故を想定していること、それからUPZについて位置づけていることでございます。これらについては、先ほど述べましたように、発電所からおおむね半径30キロで、境港市の全域と米子市の弓ケ浜半島のつけ根部分、それから、防護措置ということで、UPZにおきましては、事故があった場合は屋内退避、いわゆるコンクリートの建物なり家の中に避難することでございますが、それらを原則実施すること。放射性物質が環境へ放出された場合につきましては、モニタリング結果によりまして、避難等の防護措置をしていくことを書き込んでおります。
 次に2番の原子力災害事前対策では、事前に例えば発電所で不適切な事案等がありましたときは、立入検査を行う、それから協定に基づいて現地確認を行うことについて書き込んでおります。
 関係機関との連携ということで、協定を締結する。それから、委員会でも御指摘のございました、高速道路の渋滞防止のために、例えば有料道路の通行料金の取り扱いをどうするかということ。
 通信手段の整備ということで、原子力防災ネットワークについては、左の真ん中に原子力防災ネットワークイメージ図がございますが、オフサイトセンター、島根県、境港市役所、米子市役所、鳥取県庁、西部総合事務所、衛生環境研究所、さらには首相官邸や各省庁と原子力防災ネットワーク、いわゆるテレビ会議なり専用のファクスや電話を専用回線で結びます。さらに福島県の事故を受けて、衛星回線のバックアップという通信組織も構成すると。これは国の交付金の事業でございますが、来月にこれは完成する予定になっております。
 必要な体制の整備ということで、災害対策本部なりオフサイトセンターで開かれます合同対策協議会に職員を派遣して、島根県と事故に関係する機関、それから自治体と連携していくことを書き込んでおります。
 避難収容活動体制ということで、避難所の準備などについては、後段で説明させていただきます避難計画の作成に書いております。
 飲食物の出荷制限、摂取制限については、モニタリング結果に基づき、いわゆる放射性物質が放出された地域において、例えば水や野菜などを食べると内部被曝を起こしますので、それらについての出荷制限、摂取制限について書き込んでおります。
 緊急輸送体制については、避難を含めまして、必要な物資の運搬、自衛隊等の輸送車両等の確保、そのために緊急輸送のための交通確保に万全を期すと書いております。
 緊急被曝医療体制の活動ということで、各種の資機材などを書いております。
 情報伝達体制の整備については、避難指示を住民の方にどのように伝えるかを書いております。
 防災訓練は適宜実施していく。
 核燃料物質運搬中の事故への対応については、安全協定に基づきまして、中国電力から連絡があった場合については、関係する自治体と連絡体制を確認すると書いております。
 次に、3番の緊急事態応急対策でございますが、特定事象発生時、いわゆる原災法第10条のときでございますが、そのときにはモニタリングを実施すると。それから、必要に応じ、安全協定に基づく現地確認や原災法に基づく立入検査を実施すると。また、県の危機管理体制としましては、緊急事態の区分に応じまして、災害対策本部を早期に立てていこうと書いております。
 原子力災害合同対策協議会については先ほど御説明したとおりですが、鳥取県につきましては、まずはオフサイトセンターの原子力災害合同対策協議会に西部総合事務所から人員を派遣すると。その後、それと並行して統轄監に行っていただき、関係機関と協議していただくと。なお、西部総合事務所に対策本部を設けまして、ここに副知事に行っていただき、現地を統括していただくことにしております。
 (5)として、原子力緊急事態宣言が発出された場合の対応ということで、この場合については、屋内退避、必要に応じて避難、さらにはスクリーニングの実施や安定ヨウ素剤の服用などについて書き込んでおります。
 緊急輸送活動につきましては、先ほどの輸送体制と連携しまして、警察、道路管理者とともに緊急輸送路を確保して、円滑な避難ないし円滑な救援の機関に入っていただくことにしております。
 緊急時の医療活動につきましては、県のほうに緊急時の医療本部を設置しまして、被曝医療のほうを実施していくと。
 情報伝達活動としましては、住民の方に避難指示や安心情報をお届けするということで、これについては外国人の方や災害時要援護者の方、旅行者の方も含めまして、情報伝達していく仕組みについて書いております。
 4番の原子力災害中期対策については、いわゆる緊急事態宣言の解除後でございますが、(1)は環境汚染ということで、今福島で行われています除染やモニタリング、(2)として被災者への支援、(3)として風評被害、それから(4)として被災した中小企業への支援についての考え方を書いております。ここについては、そのときの状況によることが大きいということで、どのようにしていこうかを書いているところでとどめております。これらについてはまだ課題がございまして、PDCAによりまして、計画の実効性を確保していくことは非常に重要なことと認識しておりますが、先ほどありましたように、実用炉以外、EPZ、人形峠については国のほうで見直しが行われているので、この計画ではまだ現状のままでございます。
 PPA、いわゆるプルームと呼ばれている50キロ圏の地域ですが、これについてはまだ国のほうが検討段階ですので、書き込んでおりません。
 今後、緊急時モニタリングのあり方は非常に重要ですが、原子力規制委員会で検討しておりますので、これについてもまだ書き込んでおりません。
 UPZ以遠における安定ヨウ素剤の投与についてもまだ決まっておりませんので、そこについてもまだ書き込んでおりません。
 住民が必要とする情報について、定期的な共有をどうするかについても書き込んでおりません。
 これらについては、先ほど冒頭で述べました原子力災害対策指針を原子力規制委員会で鋭意検討しておりますので、それらの検討が終わり次第、修正が終わり次第、この計画にどんどん反映していこうということで、現計画をつくっているところでございます。
 概要説明は以上で終わらせていただきます。
 次に資料2でございますが、この計画につきましては、1月11日から2月7日までパブリックコメントをいたしまして、住民の方から意見をいただきましたので、それらについても検討しました。その検討結果についてもあわせて御報告させていただきます。
 まず、資料2の1ページでございますが、緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)について意見をいただきました。30キロ圏内のみを想定せずに、放射性プルームを想定した計画とするべきだと意見をいただいておりますが、この意見につきましては、そのときの放射性物質の放出状況なり気象条件並びに地形によって違います。実際の避難等の防護措置は、そのときの状況に基づいて設定しますので、そのときに必要な範囲ということで、計画では30キロとしておりますが、実際の避難等につきましては、必要な範囲で避難等の防護措置を実施すると書いております。いずれにしましても、原子力規制委員会の結果を踏まえて必要な検討をさらに行っていこうと考えております。
 次に、住民の避難として、SPEEDIデータに基づいて住民を避難させるシステムを計画に盛り込むべきと意見をいただいておりますが、これにかかる考え方としまして、SPEEDIにつきましては、原子炉の状況、いわゆる放射性物質がどの程度放出されたかという放出源の情報に基づいて計算されるものでございます。しかしながら、あくまでも予測のシミュレーションですので、シミュレーションには限界があります。今回、国の災害対策指針では計測できる指標ということで計画されておりまして、SPEEDIについては参考情報としていくと。つまり放出前から避難していく方法、例えばプラントでこういうトラブルが起きた場合は、5キロのPAZ地域は放出前から即時避難していくという形に変わってきたと。それから、必要に応じ、放射線緊急モニタリングの結果に基づいて避難していくという考え方に変わって、そのときの参考情報とすることに位置づけられているところです。これにつきましても、必要な予測的な情報も必要だということで、国にも要望していくところでございますが、今後の原子力規制委員会の検討等を踏まえまして、必要があれば地域防災計画にさらに書き込んでいきたいと考えております。
 2ページで、避難に関する放射線量の基準が高過ぎる。妊婦、乳幼児、子供など影響を大きく受けると言われている人たちは即座に避難させるべきだという意見がございます。今回、原子力災害対策指針で新たに避難の基準が示されまして、PAZ地域、いわゆる5キロ地域において1時間に500マイクロシーベルトあれば、即座に避難と言われております。また、UPZ地域につきましては、1時間に20マイクロシーベルトあれば避難と言われております。県としましても、この基準に基づき防護措置を計画しているところでございます。災害時要援護者については、優先的に避難を行うということで、地域防災計画なり、後段で説明させていただきます避難計画でもそのように書いているところでございます。
 次に原子力発電所の事故の場合には、「避難」といっても事実上「移民」が必要であり、これを前提とした対策を行うべきだと意見をいただいております。これにつきましては、防護措置の実施が必要となった場合には、被曝リスクの低減のために避難を行うこととしております。その後の被災者の状況により、事後対策なり住民の復帰を行うということで、現在のところ被災者の生活再建を行うことが基本だと考えております。なお、復旧段階における長期的な対策については、そのときの状況によるところが大きいため、本計画についてはその考え方を述べるにとどめているところでございます。
 次に、訓練の件でございますが、全住民参加の訓練避難を実施しなければ意味はなく、計画に盛り込むべきだと意見をいただいておりますが、事故発生時には速やかに避難が行える訓練を継続的に実施することは我々も考えているところでございまして、計画の実効性を確保するためには、訓練を引き続き実施していこうと考えております。今後、想定されるさまざまな状況を前提として、各種訓練の実施等について検討し、結果に基づいた計画の見直しを行っていきたいと考えております。
 3ページの被曝医療でございますが、安定ヨウ素剤をすぐに服用できる体制をつくるべきと意見をいただいております。安定ヨウ素剤につきましては、放射性ヨウ素に内部被曝を低減することが可能ということで、我々も備蓄等に努めているところでございます。その安定ヨウ素剤の適時適切な配布、服用を行える体制については、地域防災計画等で記載しているところでございます。UPZ内における具体的な手順については、今後、原子力規制委員会で検討されますので、さらにそれらを踏まえて有効に配布や投与ができる方法について、さらに検討していきたいと思っております。
 次に、福島県の事故を踏まえると、災害時要援護者の避難は一次医療機関では対応できないことは明らかであり、病院、介護保険施設の管理者に避難計画を立てさせることは適切でないという意見をもらっております。これにつきましても、いただいた御意見のとおりでございまして、国と自治体と関係機関、医療機関等が連携しまして対応していくこととしております。医療機関にも計画等を作成いただく目的につきましては、あらかじめ計画しておきまして、スムーズに医療機関でしていただきたいと。これは医療機関に避難等を全面的にゆだねるものではなくて、それぞれの医療機関が円滑にできるという趣旨でございます。
 次に、環境放射線モニタリングのことで、R-DAN所持者、これは民間の放射線警報機の所持者でございますが、それの活用を考えるべきだという意見がございました。緊急モニタリングにつきましては、事故が発生した場合に原子力規制委員会が統括して、国及び地方公共団体が実施することで検討されておりますので、現在のところ民間の放射線警報機所有者の活用は検討していないところでございます。今後、モニタリング手法については、規制委員会で検討されておりますので、それについて計画に反映していきたいと思います。
 その他意見としては、事故発生時だけでなく、常時の放射能放出、温排水の排出状況等を情報公開すべきと意見をいただいておりますが、情報公開は重要なことと考えております。なお、この情報につきましては、中国電力のホームページなり、中国電力からの情報提供を受けまして、県のホームページでも既に公開しているところでございます。
 4ページでございますが、原子力災害対策指針に法的拘束力はなく、遵守すると計画に記載していることは問題であると、国の指針を上回る基準を設定するべきだと意見をいただいております。この計画は、先ほどありました国の原子力災害対策指針に基づいて作成していこうと書いております。これはJCOの事故を受けまして、当時、茨城県の東海村が非常に混乱したために原子力災害対策特別措置法ができ、国から県、市町村、住民が一体となって災害対策をしていこうというポリシーでできましたので、県としてもそれらの技術的基準をまとめた原子力災害対策指針は遵守していきたいと考えております。
 その他要望としましては、例えば原子力発電所をなくすことが一番の防災である。それから、島根原子力発電所だけではなく、福井県、四国、九州等の発電所も計画の対象にすべきだと。これについては、今回は島根発電所対応計画としてつくったところでございます。
 電力会社に対しても、より安全性を確認するため、活断層の調査を求めるべきだという意見がございました。これについては県でも要望しているところでございますし、現在、国のほうで新安全基準をつくっておりまして、その中でも検討されていると聞いておりますので、引き続き要望していきたいと考えております。
 立地自治体並みの安全協定締結に力を尽くすべきと意見をいただいております。これについては、昨年11月より安全協定改定に向けて、中国電力に協議を申し入れているところでございます。
 国のシミュレーションを無批判に受け入れず、県でも独自に検討を加えるべきだと意見をいただいておりますが、シミュレーションについては、あくまでもシミュレーションですので、県としてはそれに頼ることなくやっていきたいと。国に対しては、被害想定シミュレーションは引き続きしていただくよう求めていきたいと考えております。
 パブリックコメントの結果は以上でございます。
 次に、資料3で……(「委員長」と山口委員呼ぶ)

◎浜田委員長
 はい。

○山口委員
 長くなりますので、ここまでならここまでという形で切って質問したほうがいいのではないか。セクションで区切ってもらってやられたら。

◎浜田委員長
 これまでの説明とこの後説明いただく住民避難計画とで区切るということですか。

○山口委員
 そのほうがいいのではないかと。

○市谷委員
 質問したら多分、住民避難計画の中身を説明することになってしまうから……。

○山口委員
 どうせするのだけれども、めぐり回ってやるよりかはいいのではないか。審議の仕方です。

◎浜田委員長
 関連があるからということで……。

○山口委員
 だから関連は関連でやればいいことです。

◎浜田委員長
 一体的にやりたいという方と区切ったほうがいいという御意見がありますが、皆さんいかがでしょうか。

○森委員
 一緒に説明してもらわないと、質問もやりにくいです。

○砂場副委員長
 避難計画は分けてもいいけれども、防災対策編までは説明していただきたいので、ここまでやりましょう。

◎浜田委員長
 防災対策まではしたほうがいいかと思います。
 では、防災までのところを全て説明していただきますようよろしくお願いします。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 失礼いたしました。
 次に、地域防災計画の本体について、今までの概要とパブリックコメントの結果を反映したものということで、資料の3を見ていただきたいと思います。ポイントだけ説明させていただきます。
 表紙をめくっていただきまして、目次が出てきますが、先ほど述べましたように、1章の総則、2章の原子力災害事故事前対策、3章で緊急事態応急対策、それから4章で原子力災害中期対策と4つの章立てでつくっております。この中のポイントでございますが、鳥取県につきましては、2ページにあります島根原子力発電所の事故の対応、それから3ページにあります人形峠環境技術センターによる対応ということで、2つの想定を対応しております。3ページにはUPZを書いております。めくっていただきまして4ページでございますが、県の計画におけるUPZの地域につきましては、境港市は全域、米子市は島根原子力発電所から30キロ圏内で、米子市の地域防災計画に定める区域という書き方をしております。それから、5ページは人形峠でございますが、これについては、表の1の2にございますように、竹田地区は人形峠環境技術センターからおおむね500メートルですので、三朝町地域防災計画に定める区域という位置づけにして、それぞれ図を載せているところでございます。
 15ページでございます。この下の第2節の(5)でアンダーラインを引いた項目でございますが、安全協定に基づきましての項目でございます。県は、原子力事業者に対して事前に協議を行ったもののうち、次の各号に掲げる事項について報告を求めるということで、島根原子力発電所の増設なり、原子炉施設に基づく実用発電所の設置、それから原子炉の解体については事前に協議を行っていただいて、報告を求めるものと書いております。
 16ページでございますが、安全協定と原災法に基づくものでございまして、3節の(1)と(2)については立入検査を行いますよと。(3)については、立入検査を行ってもし何かあれば指導するし、それから必要なものについては国にも指導するように求めていくと。(4)以下については現地確認ということで、これは安全確認でございますが、必要な場合は米子市、境港市と安全確認をしていきますよと。それから、安全確認の結果、もし是正すべきこと等があれば指導しますよと書き込んでいるところでございます。
 22ページにつきましては、災害対策本部のことを書いておりまして、これについては先般、1月29日に原子力防災訓練を実施しました。その結果に基づいて、災害対策本部の設置時期をもっと早めるべきだという意見がございましたので、原災法第16条による災害対策本部を設置して、早期に対応していこうと書いております。
 41ページでございます。第18節、核燃料物質等の運搬中の事故ということで、核燃料物質の運搬の事故については、基本的には事業者や国が責任持って実施するところでございますが、安全協定に基づきまして、中国電力から輸送の連絡等がございましたら、関係市町村と連絡体制を確認して、事前に体制を確認していこうと書いております。
 42ページの第2節1の(1)でございますが、いわゆる警戒事象等があった場合は立入検査や現地確認を行います。43ページでございますが、特定事象があった場合についても安全確認や現地確認を行いますと。44ページでございますが、県のモニタリングポストで異常等を発見した場合についても立入検査なり、現地確認を行っていきますよと。それから、45ページの(4)でございますが、島根県のモニタリングポスト等で異常が発見された場合にも同様にしていきますということと、その他、安全協定に基づいて、島根原子力発電所の安全を確保するため必要と認めた場合は立入検査なり、現地確認を行うと書いております。
 77ページでございますが、屋内退避なり避難収容等の防護活動について、原災法第15条の原子力緊急事態宣言が出れば、原則として、1の(1)のアンダーラインにありますように、予防的措置として屋内退避等を実施していくと書いております。
 以上で説明を終わらせていただきます。

◎浜田委員長
 それでは、これまでのところについて、皆さんの御意見を伺いたいと思いますが。

○山口委員
 なかなかよくできているとは思いますけれども、この立地県並みという言葉が使ってありますが、立地県と立地県並みとはどう違うのか。立地県並みと立地県との大きな違いは、基本的な考え方のことか。私どもは立地県並みに立入検査するよう求めてきたわけですけれども、立地県である島根県とはどのあたりで違うのか。

◎浜田委員長
 立地県と並みとの差ですね。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 原災法におきましては、立入検査や島根原子力発電所の防災業務計画を受けることは同じでございますが、1点違うところがございまして、オフサイトセンターの指定は立地県にしかできないところでございます。そこが大きく違うところでございます。ですので、鳥取県においてはオフサイトセンターが指定できないということでございます。現在のオフサイトセンターは、島根県庁の後ろ、松江市役所の近くにございまして、発電所から約9キロの位置にございます。そこに鳥取県を含めて各機関参集していくということで、鳥取県が独自にオフサイトセンターを指定することができない状況でございます。

○山口委員
 オフサイトセンターに県や米子市、境港市の職員を配置して、同時に情報などを得られることができると判断しているのか。私どもは立地県並みの条件を求めてきたわけですけれども、それで大体立地県並みとなりましたが、今後は中国電力に対して求めるべきものはないということか。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 おっしゃられるとおり、オフサイトセンターに国の現地災害対策本部もできますし、それから、先ほど説明しました原子力防災ネットワークができて、鳥取県、米子市、境港市のブースができて、そこで情報共有できると。また、合同対策協議会に県や市の職員も派遣して、合同で作業するという情報共有の場でございますので、そういう懸念はないと考えております。

●城平危機管理局長
 今、山口委員のお尋ねは、多分法律上のお話と安全協定のお話の両方だと思います。法律上の扱いや災害時の合同対策協議会に入って一緒に行う活動については、今、水中室長が説明いたしましたとおりほとんど遜色がなく、情報もきちんと入ってくるし、それについて対応をどうするかという国の指示や専門家の助言が得られることになっています。現時点で差があるのは、そのためのテレビ会議システムなり、基礎情報になるモニタリングポストなどがまだ整備できておらず3月末にずれてしまう部分があったり、それから3年間ぐらいかけていろいろと整備していかないと、そういう基礎的な情報が十分ではないところはあります。
 もう一方の安全協定の関係については、地域防災計画の資料3を見ていただきますと、例えば15ページの下のところで、下線を引いた部分を説明させていただきましたけれども、私どもはここについて報告を求めることとなっていますけれども、島根県の安全協定では事前了解ということが明確にされています。それから、16ページの立入検査について、法律上の権限としては鳥取県と島根県は同じでございます。ただ、立地市である松江市には立入検査権がありますけれども、米子市や境港市には法律上の立入検査という権限はございません。
 そのような中、協定で違いがありますのは、16ページの下に現地確認の実施を入れておりますけれども、これが島根県の安全協定では立入調査という言葉になります。立入調査に基づいて適切な措置を要求することができるというのが、協定の中で違いがあるところです。今はここを現地確認ということで、私どもは原災法の施行に必要な限度において指導ができるということで、そこを書き込ませていただいております。
 あと、41ページをごらんいただければと思います。核物質防護上の機微情報については、今の安全協定では私どものほうにその情報をいただけないことになっています。これについては今、計画上いただけるようになっていて、機微情報は公開しないことを書かせていただいているという状況です。島根県はここに書いてある内容の情報は得られるけれども、公表はしないとされています。今、計画上いただけるかどうかの前提については安全協定で協議していきますが、計画では、私どもで得た情報の中でこういう扱いをするという考え方を書かせていただいています。
 計画の中での主な4項目での違いは、こういうところになります。

○山口委員
 問題があったときは立入検査なり指導するという説明がありましたが、指導する技術者は県に配置されているのか。あるいは島根県と一緒になって対応するのか、どういう解釈になるのですか。立入検査して、問題があったときは指導するということで、相当能力のある人材でないとなかなかできないのではないかと思いますけれども、県がそういうものをオフサイトセンターかどこかできちんと配置するのか。指導と書いてありますけれども。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 御意見のとおりで、非常に高い能力等を備えた人が必要だと考えておりまして、現時点では、立地県と一緒に現地確認して指導していくとともに、国の原子力規制事務所の原子力防災専門官等と一緒に入っていくことを想定しております。

○山口委員
 もう1つ住民避難計画の対象についてですけれども、これだけグローバル化してしまっているので、観光客を含めた県外からの方に対する避難計画は、これに準じてやるということか。その方たちの対策も何らかの形で対応すべきことはやらなければいけない。住民という形での対応も結構かもわかりませんけれども、UPZがどうこう言っても全然意識のない者に対しても、そのやり方はいろいろあると思うのですが、施設の責任者なり何らかの形の義務的なものを表示されてはどうか。

◎浜田委員長
 知識が十分でない方への対応ですね。

○山口委員
 住民は住民で、こういう避難計画に基づいて、いろいろ各自治体から説明があると思いますけれども。

◎浜田委員長
 防災計画の中に盛り込むかどうかという問題です。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 それについては、委員会でも御指摘いただいて、十分検討させていただいたところでございます。住民については、普及啓発等をどんどんやっていくということで、先般もやらせてもらったところでございますが、御指摘ございました観光客や一時滞在中の外国人の方についても区別なく避難していただこうと考えております。例えば外国人の方については住民と一緒に、それから観光客については速やかに帰宅していただくということで、あらゆる手段を使って情報伝達して、そのような行動をとっていただこうと考えております。それらについて、後段説明させていただきます広域避難計画で記載しているところでございます。

◎浜田委員長
 それでは、ほかの委員の皆様で御質問ある方。

○砂場副委員長
 まず、2ページの計画の基礎となるべき災害の想定は、ただ単に過酷事故となっているのですけれども、これは要するに福島原発級のものを当てはめたものですか。それとも島根原発の1、2、3号機全部が壊れたときなのですか。それからもう1つ大きいと思うのは、福島原発の場合は使用済み核燃料が無事だったわけですけれども、もしプールの水が漏れればメルトダウンを起こすわけで、そういう危険があるわけですから、どういう想定がなされたのかをお聞かせいただきたいです。これが1点目。
 2点目は、16ページの(1)で原子力発電所に立入検査するとなっているのですけれども、先日報道されましたが、島根原発の周辺にも活断層があるのではないですか。中電はない、ないと言ってきましたけれども、幾つかの指摘があったので、それについて島根県が調査に前向きな姿勢を示したという報道がありました。そうするとやはり原子力発電所だけではなくて、調査点や関連施設なども含めて立入調査ができたほうが、県民の安心・安全にはつながると思うのですけれども、どうでしょうか。
 もう1点は、25ページのオフサイトセンターですけれども、今、島根県のオフサイトセンターは原発に非常に近いという問題があります。(4)で継続できなかった場合には、移転等についてもあらかじめ定めておくとあるのですけれども、本来は、この防災計画など、オフサイトセンターの見直し等についてもここは言及していいと思っているのですけれども、その点はいかがでしょうか。
 まずそこまで。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 想定でございますが、まず、国が行った拡散シミュレーション等は30キロで想定しておりまして、本計画でも重点的に防災対策を実施するのは30キロだと。ただし、これについては、そのときの必要な範囲に応じて、例えば20キロの避難や40キロの避難があれば、そのときに実施していくと。ただ、これは計画ですので、その対象はあらゆる事態に対応して避難できることに焦点を当ててつくっております。つまり、どのような事態が起きても避難するオールハザードな計画という考え方でつくっております。これは後段に述べます避難計画等も同じでございます。
 ちなみに拡散シミュレーションは、島根原子力発電所3機が同時に福島県の事故並みに被災したという想定でやられておりまして、30キロは妥当なものだと理解しております。
 何度も繰り返しますけれども、30キロだけ避難、あるいは防護措置するという意味ではございませんので、よろしくお願いいたします。
 立入検査につきましては、現在、国のほうで新安全基準を検討しておりまして、例えば宍道断層等についての扱いがどうなるかは今のところ不明ではございますが、国にはその扱いについて要望しているところでございますので、その結果を見守りたいと思います。
 25ページのオフサイトセンターにつきましては、現在のオフサイトセンターは原発から9キロというところで、国の基準では5キロのオフサイトセンターについては全て移転ということで、それらのオフサイトセンターは来年から移転工事が始まります。この9キロにある島根県のオフサイトセンターにつきましては、フィルターなり窓の交換等を含めまして、放射線が入らない防護措置を実施するとともに、食糧等の備蓄でオフサイトセンターが頑張れる仕組みをつくっていくと。ただ、これだけではなくて、代替オフサイトセンターなども計画していくと。これについては原災法に基づいて島根県が指定していくことになろうかと思いますが、このオフサイトセンターに頼ることなく、さらに代替拠点などもつくっているとお聞きしているところでございます。

○砂場副委員長
 まず1点目の1、2、3号機の事故でも、福島原発のときは非常に過酷な事故ではあったけれども、全ての放射性物質が吹っ飛んだなり、家屋のほとんどが吹っ飛んだという状況ではないのです。一番大きいのは、使用済み核燃料についてはプールの中で守られていたわけです。普通、使用済み核燃料のプールというのは、中国電力もはっきり答えてくれないけれども、ちまたでは原発で稼働している10倍から20倍の放射性物質が貯蓄されていると言われているのです。そうすると、島根原発でまた福島原発と同じように、核燃料プールがメルトダウンを起こした場合には原発の10倍なり、20倍の想定もあるわけですよ。ですからそこは、計画を18日までに作成ということはあるけれども、計画の中にはテークノートしておいてやらないと、何か大きな災害が起こったとき、国の基準に従ってたから私たちは知りませんでしたとは言えないと思うのです。ですからそういう形で考えると、期日も迫っているからこれでいいかもしれないけれども、次の見直し時点では、本当の過酷事故はどういうものなのか、最悪のシナリオを一旦考えてみてほしいと思います。
 次に宍道湖断層のもっと近くにオフサイトセンターがあることについて、広島大学の中田教授の指摘があったように聞いておりますので、そういう場合は立ち会ってほしいのです。国がやるから、島根県がやるから聞いていますではなくて、実際に行って確認してほしい。情報共有もきちんとしてほしいわけです。島根県とはいい関係にあるのだから、調査があったら、国がどうのこうのではなくて、島根県の原発担当者と情報共有していくなどをしていってほしいと思います。
 オフサイトセンターについても、5キロ以内は国がやりますから、9キロ以降にフィルターをかけるって、でも福島県だったら30キロの中で使っていない地域がいっぱいあるではないですか。いまだに避難して帰られない地域がありますよ。それでいながら、「窓にフィルターつけるから、はい行きます」というのではやっぱりまずいので、やはりそこも含めて少し島根県と一緒に協議していただきたいと思います。今の話を聞いていると、国が、国が、規則が、規則がとしか言っていないです。国の規則が正しければいいけれども、それがだめだったために今回の福島原発で原子力神話が壊れたのだと思うのです。ですから、国の基準などを参考にしてもいいけれども、あくまでも危機管理局の人たちが一生懸命考えた一番いい案を出してほしいと思います。国の範囲内でつくればいいというものではないと思う。もちろん法治国家だから国の法律は守らなければいけないけれども、危機管理に関してはできる限り上乗せしていく発想に立ってもらえないかと思うのですが、いかがでしょうか。

●城平危機管理局長
 今、全体的な考え方について御指摘いただいたのだと思いますけれども、私どもも国のほうには、通常の地域防災計画はまず被害予測をして、それをもとにして対策をつくっていくということを要望してきております。例えば地震であれば、鳥取県内の3つの活断層についての被害予測をしてきております。そのようなときに、島根原子力発電所については、鳥取県と島根県が共通の被害想定でない計画では整合性のとれたものになりませんし、それの上位にあります国の計画との整合性もとれませんので、これは引き続いて要望してまいります。現時点では国で示されたものは、先ほど説明させていただきました福島原子力発電所事故において起こったことが島根原子力発電所で起こったときにどういうふうになるのかと。それをもとにして国のほうも基本的にUPZを30キロと決められていますので、その中で今回は、実際に起こったときにはこれをベースにしながら運用できるものにしていくことを前提に、計画をつくっていこうと進めているところでございます。そのような状況についても、御理解がいただければと思います。
 活断層などについてどうしていくかということですけれども、今ここで書き込んでいる立入検査は原災法の範囲内での立入検査でして、これについては引き続き島根県といろいろ相談したり調整していきたいと思います。いずれにしても、原子力防災については情報共有が非常に大事なことだと認識しております。
 オフサイトセンターについては、今現在、島根県でサブのオフサイトセンターを設置しようと、これは島根県内になると思いますけれども、それの予算措置をされたいということで、議会のほうにお諮りされておられます。まだこれは決定されておりませんので、そういう状況ですけれども、今のオフサイトセンターの放射性物質からの防護を図るとともに、もしだめなときにはかわりになるものを設置しようということで検討しておられますから、合同対策協議会を開くのは非常に大事だと思っていますので、ここは連携していきたいと思います。

○砂場副委員長
 法律上の問題の中でやらないと交付税措置がとれないなど、大変御苦労は多いと思います。そういう意味では難しい問題もあると思いますけれども、計画として出すものと考えておくものとは段階が違っていいと思うので、しっかり考えた中で、法律に漏れた分だけを計画に盛り込むという形で考えていただきたいです。発想だけは国のルールなどではなくて、一番過酷な事故で、それだけに最善の計画はどうなのだろうかと聞いた上で、交付税措置等の問題もありますので、きちんとした計画に落としていただきたいと思いますし、今回、3月18日という期限が切られていますので、引き続きその点は今言ったような視点で見直していただきたいと思います。
 あともう1点、きょう教育委員会も来られていますので指摘したいのですが、私が疑問に思うのは、67ページの病院事業管理者と県立病院と教育委員会にかかる今回の計画の中での位置づけである事務所掌部分ですけれども、県立病院は県立病院のことだけやればいいととられかねない書き方になっていますし、教育委員会についても避難所において支援することとなっているのです。それから、69ページ以下の原子力対策本部の中の救護班の中には病院などが入ったほうがいいと思うし、住民避難班の中に教育委員会が入ったほうがいいのではないかと思うのです。実は私たちは現場を見に行っていて、病院がこんな状況ではなくて、大きな拠点病院が治療や救済の最前線に立っていて、自分のところだけという状況ではないのです。被災してライフラインが切れる中で、いろいろなお医者さんたちが駆けつけて、そこが戦場みたいな状況になったので、それが県立病院への受け入れなり派遣班などではなくて、もう少し県立病院が県の防災の中心に座るような発想に立ったほうがよくないですか。だから、原子力対策本部の中核に入っていただいたほうがいいのではないかと思います。
 学校についても、まず教育委員会ですからお子さんや生徒の安全が第一なのは当たり前の話ですので、しっかりやっていただきたいと思うのですけれども、原発の事故時にみんなはどこに逃げるかと聞いたら、学校なのですよ。学校が避難所になっていなくてもそこに押し寄せてきて、それを帰れと言うわけにもいかないので、それにどう対応するのか、すごい御苦労されたのを何カ所でも聞いているのです。法律上の避難所は市町村がつくるのだけれども、地震の場合、原発が事故を起こすときは多分複合災害で起こるわけでしょうけど、そのときは当事者になってしまうので、どう対応すべきかもっと前面に出られた計画にしたほうがいいと思います。そうすると、対策本部の中にも教育委員会が避難所の担当として入る形にしていただいたほうが、スムーズになるのではないかなと思うのです。そういう意味で、この前の一般質問でも学校技能主事の皆さんをそういう担当者にしたらどうですかと申し上げたのですが、間違いなく病院の立ち位置と教育委員会の立ち位置は、もう少し中心になると思うのです。危機管理局と一緒に連携をとっていただき、考え方や発想を変えたほうがいいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 医療につきましては御指摘のとおりで、非常に重要なことと考えておりまして、原子力災害対策指針の中でも、被曝医療機関だけではなくて、通常の医療機関との連携を図ってやっていくという形で考えております。具体的には、地域防災計画の87ページで対策本部の下に下部組織として、医療救護対策本部というのを設けて、ここで医療についてはまとめてやっていこうと計画しておるところでございますので、非常に重要なことと考えております。
 避難所につきましては、我々も各種の災害等を見てきまして、学校の先生が非常に疲れながらしておられるのを見てきたところでございます。今回、後段で説明させていただく広域住民避難計画の中で、避難所についてはもっとしっかりやっていこうということで、対策本部の下に避難所の対策本部を設けているところでございまして、それにつきましては資料の6にあるとおりでございます。

◎浜田委員長
 後ほどまた計画の中で説明していただきます。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 はい。避難所の対策本部なり、先ほどの医療対策本部みたいなのを設けまして、そこで県がしっかり、例えば食糧だったら各避難所任せにはせず、県が一括して調達して各避難所に届けると。それは市町村との連携体制をつくってやっていこうと。県の施設については、県が当初は職員を派遣して支援していくという動員体制もつくっているところでして、全部で300カ所近くの避難所に、広域避難所になると思いますが、そのような形で計画しているところでございます。避難所運営は非常に困難だということを認識して計画しているところでございます。

◎浜田委員長
 避難計画の話などにも関係してきておりますけれども、地域防災計画で物の考え方、柱、基本的なところで御意見がある方はいらっしゃいますか。

○市谷委員
 砂場議員の意見とも重なるのですけれども、この事故の前提をどう設定するかがとても大事だと思うのです。それで、過酷事故ということで、原発施設のことは先ほど砂場議員がいろいろ言われましたけれども、先ほどオフサイトセンターに職員が行くなどと言っていますけれども、地震や津波の複合災害によってがらがらに壊れた状態で、本当にオフサイトセンターなりに職員が行ったり現地調査したりすることが現実にできるのかと、正直思っているのです。それはそれで大丈夫な状態を当然想定するかもしれませんけれども、一番最悪の事態を考えたら、そこにも行けない状態をまずシミュレーションしておかないといけないのではないかなと。オフサイトセンターの話もありましたけれども、それが機能しなくなるかもしれないのは先ほどの代替の話でありましたが、その点がどうなのかを教えてください。
 どうしても30キロ圏と言われますけれども、福島県のときも別に30キロという話では済んでいないですよ。アメリカやIAEAのほうでは80キロなり100キロだと。国のほうは30キロを一つの区切りで見ているかもしれませんけれども、先ほど県独自でできないのかという意見がありましたが、30キロで線引きするのではなくて、最悪の事態も想定した対応を考えていただきたいです。防災専門家会議でも指摘されていましたけれども、風向きの設定も地形も全然配慮されていなくて、今出ている30キロ圏での影響という狭い範囲で物を捉えていてはいけないのではないかなと。
 風向きのことについては、後で避難計画の話が出てきますけれども、どうして西から東に風が吹くのにそっちに向かって逃げるのかと。この間の防災訓練において、島根県の人たちは反対側に逃げているではないかと。だから本当にこの前提として、どこまでの過酷事故を想定するのか、どういうふうに放射能が流れていくのかも含めて計画すべきものではないかと考えますが、いかがでしょうか。

◎浜田委員長
 基本的なところについて。

●城平危機管理局長
 まず、過酷事故ということですけれども、鳥取県の場合は津波シミュレーションをしておりますので、これについては原子力発電所で何かあったときに、鳥取県で想定した津波とが重なって起こったときにはどういうふうに対応したらいいかを基本に置こうということで、国道431号線は使えない可能性が高いという前提で住民避難計画をつくっております。それをどこまでのものを想定していかないといけないかは、いろいろ御議論はあるところだと思います。3条委員会として新たに設置された今の規制委員会の中では、UPZを30キロとすることが専門的立場から検討されて示されているところです。これについて、それで本当によしとするかどうかは、国民的な議論が必要だと思いますけれども、私どもとしては、まずは専門家の方々がつくられたその基準をベースにしながら計画をつくっていく。その中で、実際に起こったことがその状況と違って範囲が広ければ、そのときにどう対応できるかをきちんと考えていく。そういうことが実際の運用面では大事だと思ってやっております。
 その中で、風向きのお話もありましたけれども、先ほどお話のありました拡散シミュレーションは、風向きについて1時間ごとに365日シミュレーションされていますので、そういう意味ではある程度考慮されているものだとは思います。統計的な分析として考慮したもので、鳥取県に一番近いのは24キロぐらいだったと思いますけれども、それであればUPZの30キロの範囲内ですから、UPZ30キロをベースに置いて、基本的な考え方、基本的な計画をつくっていくことは、今の時点ではベースとしてできるものでないかと判断して、この計画と住民避難計画をつくっているところでございます。
 もちろん風向きによって逃げる方向を違えないといけないのではないかと思いますので、今の避難ルートは3ルートということで、9号線と米子道を経由してとしていますけれども、例えば181号線を使うなり、真っすぐ南におりるようなコースなども使うことは、弾力的にやっていかないといけないと思っています。

○市谷委員
 前提部分がちょっと……。あと最後に言わせていただきたいのですけれども、全体の流れとしては、3月18日までに計画をつくりなさいと。国のほうは原発の再稼働なり、稼働する方向の動きもあるので、この30キロ圏で手を打って防災計画をつくれば、原発を再稼働していくという流れにお墨つきを与えることにはしたくないという思いがあるのです。それで、私も計画をつくること自体は否定しないのですけれども、最悪の事態を想定すると、それがいかに困難で、苦労が要ることなのかを国にも示していかないと、計画ができたということで国に対するお墨つきを与えるものにはしてはならないと思うのです。だからその前提は大事で、30キロ圏と言われているけれども、本当にそうなのかと、本当に過酷事故が起きたらやれるのかと、相当追及してやっていくという姿勢でしておられるとは思いますけれども、これは姿勢の問題として大事なことだと思いますので、よろしくお願いします。

◎浜田委員長
 わかりました。後ほどまた委員会で、どういうふうに物を考えるかについてお話したいと思います。
 先ほどから避難計画について入っております。時間のほうがあまりございませんので、鳥取県広域住民避難計画に移らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは、水中室長に説明を求めます。

○山口委員
 委員長、確かに今の市谷委員の言い分はわかりますけれども、今あるUPZの範囲内において、想定されているものについて災害計画をつくろうという形でしょう。だから、現状においてやれる範囲のことをやろうと、計画を組もうということでしょう。そういうことを区別してもらわないと、最悪の状態もいろいろありますわ。だからそれはそれとして、とりあえずということはないけれども、現状についての対応をやろうという形で認識してもらって進んだほうがいいと思います。

◎浜田委員長
 枠づけの問題なので、また将来的にどうするかという問題も含めて検討したいと思いますが、では、避難計画のほうに進めさせていただきます。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 それでは、鳥取県広域住民避難計画について御説明させていただきます。
 説明については、先ほどと同じく概要を説明させていただきまして、その次にパブリックコメントの結果、それから計画本体を御説明させていただきたいと思います。
 まず、資料4の広域住民避難計画の概要について説明させていただきます。
 左上にこの計画を作成する意義がございますが、計画をあらかじめ作成しておきまして、迅速な対応が可能になるということです。仮定条件を設定しまして、その条件に基づき計画を策定するということで、もし万が一事故が発生した場合については、そのときの状況において計画を変更し、そして対応していくということで、平時に事前の準備ができると。これはゼロから準備しなくてもいいし、事故発生時にゼロから計画を作成しなくていい。必要な資機材をあらかじめ計画に基づいて準備していくことができる。それから、関係機関がどう対応すべきかという役割分担が平時からできると。こうすることによって、迅速な対応が可能になることから計画をつくっているところでございます。これはあくまでも、先ほどの地域防災計画がコンセプトの計画とすれば、オペレーションの計画という理解でつくったところでございます。
 原子力災害の特徴については左下に書いてあるとおりですが、五感で感じることができないということと、専門的知識を有することがほかの災害と非常に違うところでございます。
 次に、真ん中の上段でございますが、住民避難計画の位置づけということで、地域防災計画が前段で説明させてもらいましたように原子力災害対策特別措置法に基づいてつくられるもので、国がつくる防災基本計画、それから県の地域防災計画、市の防災計画と一貫した流れのもとでつくられて、一貫した対応ができるということで、このような計画体系にございます。
 では、広域住民避難計画はというと、地域防災計画の避難部分について、実際にどうしようかというオペレーション的なものを書いたものが広域住民避難計画です。簡単に申しますと、地域防災計画で避難に係る部分を抜き出して、さらに詳しく記述したものと理解してもらっていいかと思います。
 避難計画策定に当たっての想定条件といたしまして、これはあくまでも想定でございますが、先ほど御指摘ありましたように、UPZの住民が全員避難になったという厳しい条件を設定しております。それと、国道431号が使えなくなったという厳しい条件を設定して計画をつくっております。ただし、事故が起きた場合については、必要な範囲については全てを対象としてやっていこうということで、この計画で30キロの避難としておりますが、そのときの情報に応じて40キロ、50キロ、60キロ、必要だったら全部やると。そのときにゼロから計画をつくるのは非常に時間がかかって非効率ですし避難がおくれるので、当初から30キロ分をつくっておこうということでございます。
 計画に当たり特に重視した点につきましては、住民への避難情報の伝達をどのようにしていくか、迅速な防護措置の実施、段階的避難の実施、特に発電所に近いところから順次実施していかないと、近いところが被曝してしまうおそれがあるので、そのような方法。それから、災害時要援護者についてもきちんと考えたところでございます。
 想定する避難者数につきましては、計画上では約7.3万人です。ただ、これ以外にも、先ほど御指摘いただきましたように、観光客や通勤・通学者も対象とした計画にしております。
 なお、境港市の3.6万人につきましては鳥取市、岩美町、八頭町のほうへ、それから米子市の一部の3.7万人については鳥取市、倉吉市、東伯郡のほうに避難していただくと。これ以外にもしも避難が広がって島根県にさらなる緊急避難が出た場合に備えまして、約1.5万人分の避難先を確保しているところでございます。
 ちなみに下段はUPZの絵でございますが、30キロがUPZで、50キロはPPAと呼ばれておりますが、現在国が検討している範囲で50キロもございます。
 めくっていただきまして、概要(2)の左上の住民への情報伝達でございますが、これは非常に重要なことだと考えておりまして、オフサイトセンター、いわゆる国の現地対策本部等からの情報については、県と市で役割分担して、確実に伝えていこうと。ただ、これにつきましては単一的な方法、例えば防災行政無線だけではなくて、テレビ、ラジオ、それからトリピーメールなど、あるゆる手段を通じて使っていこうと。その場合に、県と市の役割分担をしまして、市につきましては、直接広報車なり防災行政無線をしていただくとともに、県につきましては、地元報道機関なりトリピーメールなど、多様な手段で確実に届く方法をやっていこうと計画しております。
 真ん中の上の避難経路の確保でございますが、先ほど述べましたように、弓ケ浜半島につきましては現在3つの経路を考えております。そのうち、黄色で描いてあります431号は非常に重要な道路だと認識しております。ただ、これにつきましては、県の行った津波の被害想定では脆弱なところがございますので、まず431号が使えるかどうかが非常に重要なポイントだということで、道路管理者と警察と一体となって道路を確保していこうと計画しております。
 下のスクリーニングの実施図を見ていただきたいのですけれども、主要な避難経路については、先ほど局長から説明いたしましたとおり、赤の経路1は国道9号線沿い、青の経路2は米子自動車道を通って中部に入る経路、それから黄色の経路3は米子自動車道、中国自動車道を使って津山から鳥取県東部に入る主要な3経路を考えて、そのときの状況に応じて柔軟に対応していこうと考えております。
 右上の段階的避難の実施については、発電所に近い地域から段階的に順次避難ということで、今後詰めていく必要もあろうかと思いますが、現計画では弓ケ浜半島の北から順次避難していくと考えております。
 災害時要援護者の避難については非常に御指摘いただいているところで、左の下にございますように、まずは福祉施設なり在宅の方については、避難指示が出ればUPZの地域から出ていただくことを優先的に考えております。例えば東部であれば、とりぎん文化会館に広域の福祉避難所を設置して、まずは入っていただくと、その後、福祉施設等が見つかれば、そこへ避難していただくことを考えております。もちろん在宅要援護者で可能な方については、そのまま避難所に入っていただくことも考えております。
 次に、下の図でございますが、例えば病院などの入院患者については、福島県の事故の際に双葉病院で60人、70人亡くなったことがございましたので、この教訓等も反映しまして、まずは次の病院が見つかるまでは病院にいていただいて、見つかったら避難していただく方向で考えております。
 次に真ん中の中段でございますが、スクリーニングの実施ということで、避難者全員を対象といたしまして、被服等が汚染されていないかどうかのチェックを避難経路上でやっていきたいと考えております。そのときにスクリーニング会場では総合的に支援していくということで、必要な食糧なり、安心情報、避難所情報などもあわせて提供できる形のスクリーニングの実施を考えております。
 児童生徒等の避難については、健康等を考慮しまして、優先的避難を考えております。学校等による避難ということで、もし避難等が出れば、学校が責任持ってUPZ外に避難していただくと。これについては地区ごとの避難ですので、学校がそれぞれの地区に連れていって、最後まで面倒を見ていただくという考え方をとっております。さらに、事後対策でございますが、いざというときには応急教育もやっていこうと考えております。
 課題でございますが、原子力災害対策指針がまだ改定中であるということで、それらについては今後反映していこうと。計画の実効性の確保ということで、この計画をつくったら終わりではなくて、今後、新たな知見や訓練等で得られた教訓等に基づいて、計画の実効性をさらに確保していこうと考えております。最適な避難方法ということで、現在、避難ばかりでなく、避難と安定ヨウ素剤、屋内退避の組み合わせがあるので、それについては国の現地対策本部等からの指示もあるとは思いますが、検討していき、必要な方法を住民の方に伝えていこうと。それから、避難手段の最適化ということで、自家用車や公共交通機関をどれぐらいの割合で計画に入れていったらいいのかも引き続き考えるとともに、御指摘いただいているように、船や飛行機の使い方についても検討していきたい。特に境港については、港もございますので、それらの活用方法についても検討していきたいと。避難の基準については、現在、国のほうで災害対策指針が示されておりますが、それらについても検討していきたいと。また、現在、緊急事態区分がつくられておりますので、それらについても検討していきたいと。モニタリング結果や被曝医療、プルーム、いわゆるPPA50キロについてもさらに検討していきたいということで、まだ課題はございますが、指針が具体化されれば、逐次計画の中にも反映していきたいと考えております。
 次に資料5でございますが、この計画につきましても地域防災計画と一体の計画ということで、1月11日から2月7日まで同時にパブリックコメントをさせていただきました。
 そのときの意見でございますけれども、まず1ページのUPZの件について、30キロで区切るのは無理があるということでございますが、これはあくまでも30キロでつくったということで、実際の避難に必要な範囲は防護措置の対象とすると考えております。
 実際に事故が起きれば、さまざまな状況の中で最も広い範囲を指定した避難計画を立てる必要があり、鳥取県全体が影響を受けると、鳥取県民全員が問題意識を持つ取り組みが必要であると。それから、先ほどいただいた意見と同じでございますが、風向きを考えた場合、東向きに逃げることは考えられないと、鳥取県は全域が汚染されるということでございますが、いただいた意見のとおりでございまして、そのときの発電所からの放射線の放出状況によって、あるいは気象等によって影響を受けますので、そのときの状況に基づいて、きちんと避難指示を住民の方にしていただいて、住民が避難していくことを計画では考えております。県民全体が問題意識を持つことが重要だということと、原子力災害の特徴でございますが、放射線が目に見えないということで、それぞれの住民が独自に考えていただくのは非常に難しいですので、防災対策の柱として、普及啓発に努めているところでございます。
 2ページの避難先ということで、各県が圏域を超えて相互に避難者を受けられるようにすべきだと意見をいただいております。これについては、計画の中ではまず県内でできる避難を考えておりますが、例えば兵庫県などと災害時協定を結んでおりますので、必要に応じてそういうところにも避難をしていかなければならないと考えております。それから、県としましては、約1.5万人の余裕枠もございますので、もしも島根県にさらに必要になった場合なり緊急事態の場合についても、県内で受け入れることも考えております。
 避難基準について、避難に関する放射線線量の基準が高過ぎると、妊婦、乳幼児、子供など影響を大きく受けると言われている人たちは、即座に避難しなければならないという意見をいただいておりますが、今回は、規制委員会のつくった原子力災害対策指針で避難基準を設定しております。この理由については、JCOの事故等で述べさせていただいたとおり、一貫した避難を行うため、混乱が起きないようにということで、そのようにさせていただいているところでございますが、原子力規制委員会ではさらに検討しているということです。IAE等の状況や国際原子力機関の状況も仕入れて検討しているところでございますので、それらの検討結果も待って、必要であれば計画等も修正していきたいと。さらに、この計画では、乳幼児などの災害時要援護者については優先的に避難を実施することにしております。例えば安定ヨウ素剤についても優先的な予防服用をするなどを計画しているところでございます。
 段階的避難ということで、事故が起きた場合、一斉に避難が始まり渋滞等が発生すると、現実的な避難方法のさらなる検討が必要ではないかということですが、これもいただいた意見のとおりです。計画的な避難だけではなくて、自主的に避難される方も出てくるだろうということで、交通渋滞の発生も予想されるところですけれども、これは発電所に近い地域から順次避難していただくことが重要なので、段階的避難はやっていきたいと考えておりますが、避難時間推計シミュレーションを今検討しておりますので、その中でどのようにしたらどこに渋滞が起きるのかを検討して、計画に反映していきたいと考えております。段階的避難は非常に住民の理解と協力が必要ですので、まさに普及啓発等をきちんとやっていく必要があり、正しい知識と理解を持っていただくように普及啓発等を進めていきたいと考えております。
 3ページで、なぜ避難に4日間もかけなければならないのか、また、段階的避難ということであるが、避難の順番が来るまで待つというのはおかしいという意見ですけれども、先ほどと同じでございますが、発電所に近い住民からの避難、これは一番被曝の危険が高い方からの避難と考えているところでございます。ただ、4日間というのは、あくまでも計画上で4日間にしておりまして、そのときに必要な期間で避難するということですので、そのときの状況に応じて変更していくものと考えております。まずは、計画ベースで4日間としているところでございます。なお、今後、避難時間推計シミュレーションでどのように避難ができるかを検討して、この4日間という数字についてもさらに検討していきたいと思っております。
 災害時要援護者の対応ということで、県西部にはかなりの数の災害時要援護者がおられますが、現実的な避難方法を確保するということで、これは災害時要援護者の避難については大変重視しているところでございまして、福祉車両の確保、それから介護等の専門職員の確保等を含めまして、避難方法を検討しているところでございます。参考までに、約3,000人の方がおられますが、近隣住民の「支え愛」も含めまして、避難先と避難元との連携も含めて、円滑に避難できるように、災害時要援護者の避難計画も取りまとめているところでございます。
 次に4ページで、児童生徒等の避難に必要なバスの手配はどうするかという意見でございますが、このような方についても優先避難を行うことにしております。今後、各学校において作成される避難計画や県の輸送計画を踏まえながら、輸送手段の確保等に努めていきたいと考えております。
 スクリーニングに関する研修、実習ということで、医療関係者や自治体職員がスクリーニングや除染などの体制をとれるように研修、実習を積むことが必要ということで、これらについては体制整備、いわゆる必要な人員の確保や資機材の確保を含めて研修と実習を行っていくと。これは専門家会議からも、「技術的にきちんとやらなければいけない、難しいところがあるのでふだんの訓練が大事だ、実習は大事だ」とお聞きしていますので、そういうことも念頭に置いて計画等をつくったところでございます。
 避難計画のブラッシュアップということで、1月26日の広域避難に参加した。繰り返しこのような訓練を行い、課題を洗い出すことで、実際に役立つ避難計画となるようブラッシュアップしてほしいという意見ですが、まさにPDCAサイクルでございまして、訓練を継続的に実施して、教訓等を導いて、計画に反映して実効性を確保していこうということは、引き続きしていこうと考えております。
 「移住」の追記ということで、原子力事故では全く住めない地域ができる。住めないということは移住しなければならないということであり、計画策定に当たっては、移住を項目立てして表記すべきという意見でございますが、除染の事後対策、あるいは住民の復帰等を円滑に行うための対策を講ずることや被災者の生活再建支援を行うことが基本だと考えております。復旧段階における長期的な対策については、そのときの状況によるところが大きいので、計画の中では考え方を書くにとどめております。
 次に、4ページの最後でございますが、計画の策定及び実行に伴う原発施設での全ての経費の半分を原発の所有者である電力会社に負担させるべきという意見をいただいております。これについては、原子力災害特別措置法に基づく県の責務ということで、国の交付金をいただいて整備しておりますので、電力会社への経費負担は現在のところ予定しておりません。
 5ページでございますが、広域避難訓練のスクリーニング会場で放射能の基礎講座が開設されていたと、放射能は自然界に存在しており、必要以上に心配することはないという説明であり、放射能が人体に及ぼす影響について説明がなされなかったという意見をいただきましたが、当日は、放射能はどのようなものかを知っていただく研修でございましたので、今後、いただいた意見のような内容についても、普及啓発の講演会等で入れていきたいと考えております。
 要望でございますが、電力会社に対してより安全性を確認するため、活断層の調査を求めてほしいということですが、これは先ほど地域防災計画でありましたように、新安全基準のほうで検討されているものでございますので、それらの検討結果を見守るとともに、県のほうでも国のほうには断層調査については要望しているところでございます。
 鳥取県東部でも原発災害時の避難訓練をしたいと、また、災害マップに原発災害を盛り込んでいただきたいということでありますが、これについては、初めから一律に範囲を設定できるものではないため、UPZ30キロ圏内を避難対象地域として設定したところでございます。PPA、いわゆる50キロ圏等につきましては、具体的な範囲及び必要とされる防護措置の考え方を国のほうで検討しているので、その結果を見て考えていきたいと思います。
 最後に、安全な避難は困難であり、安全を保障するためには、原発を廃炉にすべきという要望もございました。
 次に資料6でございますが、これらの概要と今のパブリックコメントを反映した計画ということで、広域避難住民計画について説明させていただきます。
 表紙をめくっていただきますと目次がございますが、第1章の総則と第2章の実施要領に分けております。総則では計画の目的なり位置づけなどを書いて、実施要領ではどのように避難するのかという避難のやり方、第2章の後段では、それをやるにはどの機関がどのような役目を担う、そのためにどのようなロジスティック、例えば輸送なり医療など、どのように提供していくのかということで、そのような計画のつくりにしております。
 目次の最後に別紙計画として細部実施要領ということで、例えば別紙6の被曝医療計画はどうするかなり、広域避難所はどのように運営するかはさらに細部を詳しくして、計画をつくっているところでございます。
 めくっていただきまして、まず1ページの総則の2の計画の位置づけ(1)の計画の使い方でございますが、UPZ内及びUPZ外の地域も対象として、そのとき起きた状況に応じて当該仮定条件部分を修正して使用すると書いております。注意書きにもありますように、実際の事故発生時の対応は、そのときに必要とされる地域全体を対象とするということでつくっております。
 4ページでございますが、先ほど4日間の避難とありましたが、段階的避難ということで、そのときにどれぐらい避難しなさいという指示が国の現地対策本部から出ると思うのですけれども、鳥取県の今の計画の中では4日間で避難ということです。まず初日は予防的防護措置ということで、必要な手段の確保や安定ヨウ素剤の投与と配布の準備、2日目は、国から鳥取県内20キロ圏内の避難開始という避難指示が出ると。36時間後には20キロから25キロ、48時間後には25キロから30キロ、72時間後にはUPZの避難が完了するという計画でしております。これにつきましては、その下にありますように、今後の知見や避難時間推計シミュレーションによって修正していこうと考えております。
 5ページの避難手段でございますが、避難手段としては、最適かつ実態に即した避難手段の組み合わせをしていくということで、エの避難手段の(イ)の陸路では自家用車、バス、福祉車両、それから緊急を要する場合には災害派遣等で自衛隊車両、さらに鉄路ということでJRの利用、特に弓ケ浜半島についてはJRの利用もあるのかと考えております。今後、海路や空路についてもさらに検討していきたいと考えております。
 オの避難経路については先ほど述べたとおりでございます。
 次に20ページでございますけれども、地域防災計画でもいろいろ御指摘いただいたところでございますが、カで外国人の避難、(12)で児童生徒等の避難、(13)で観光客の避難にも十分注意を払って考えております。
 続きまして、27ページを見ていただいてよろしいでしょうか。先ほど避難所の重要性について御指摘いただいたところですが、我々も認識しておりまして、(1)のウ(ア)の広域避難所運営チームということで、県は、広域避難所の運営の総括と市町村の避難所、県の避難所の運営総括と、広域避難所の運営、いわゆる県有施設は県が運営することにしておりますので、開設、運営を行うために、災害対策本部実施部のプロジェクトチームとして広域避難所運営チームを災害対策本部内に設置して対応していくということで、それぐらいの位置づけで考えているところでございます。
 続きまして34ページでございますが、広報・情報伝達ということで、避難のときには皆さんに避難の指示はもちろんのこと、どういう状況にあるかを伝えるのが非常に重要だということで、広報・情報伝達という項目を起こして、オフサイトセンター兼市町村はどのような役割で情報伝達していくかを書いているところでございます。
 35ページの下の問い合わせ窓口の開設ということで、福島県の事故を見ましても、住民の方がどこに問い合わせていいかわからないということがありましたので、災害対策本部でワンストップ窓口を早期に設置して、相談窓口の種類を書いておりますが、総合相談から住宅全般、放射線、原子力損害賠償、住宅、生活資金、農林水産業等についての相談を一括して受けられることを当初からやっていこうと考えております。
 以上で広域避難計画のポイント説明を終了します。
 それと1カ所忘れておりました。この計画につきましては、例えば境港市の何々地区は鳥取市の何々小学校に避難というふうに、地区と小学校でマッチングしておりまして、今後、その避難所についても住民の方にお伝えできるような仕組みを考えたいと思っております。例えば米子市の何々自治会、何々地区の方は鳥取市のB小学校に行くなどという市の計画でございます。

◎浜田委員長
 御説明いただきました。委員の皆様の中で御質問がありましたら。

○山口委員
 この計画はタイムリミットがあるということですけれども、どういう形で国のほうに報告されるのか、この取り扱いはどういう形になるのかという基本的な2点について。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 地域防災計画につきましては、3月18日に県の防災会議を開きまして、そこで了解いただいた上で国に報告したら、それで効力が発生するものです。なお、3月18日というのは法令上の期日ですので、それを目指しているところでございます。
 広域住民避難計画につきましては、期限はございませんが、地域防災計画と一体のものという認識ですので、それと一緒のスケジュールでつくっていきたいと。この地域防災計画と広域住民避難計画の2つが相まって効力を発すると、力を発揮すると考えております。

○山口委員
 フレキシブルということではないけれども、いろいろなことを想定しながらやらなければいけません。風向きなどがこの計画に全然入っていないですね。いつ気象状況が変わるかわからないし、気象条件によって非常にどうなるか分かりませんので、避難に当たっては非常に必要な条件だと思います。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 御意見のとおり、原子力災害の場合は目に見えないと。それから、放射線が飛ぶにあたっては気象が非常に重要な要素だと理解しておりまして、先ほどの補正予算の中でも県のほうに気象システムをつくって、気象情報がきちんと来るとともに、気象台から県の対策本部に職員を派遣していただいて、的確に情報を仕入れると。例えば、住民避難計画の23ページの鳥取地方気象台の役割として、気象状況の把握、解析ということで、気象台を調整しまして書かせていただいてもらっているところですが、その話の延長線上で、連絡員の方も来ていただけるということで計画しているところでございます。

◎浜田委員長
 先ほど山口委員に関連して、市町村も同じように出さなければいけないですね。そこのところの足並みはそろっていますでしょうか。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 市町村の地域防災計画につきましては、防災会議を経て県に報告していただければ、それで効力を発揮いたします。避難計画につきましても、これは地域防災計画と一体のものなので、市町村のうち米子市と境港市におきましても避難計画とあわせてつくっていただいて、県として一体的な住民の方への防災対策ができるように頑張っているところでございます。

○森委員
 避難計画については風向きの話がいっぱい出てきており、風向きによっては国道181号方面に逃げるのだという話ですけれども、福井県も避難計画をつくっていて、大飯原発が一番西側にあるのです。だけれども福井県は、福井圏内だけの避難計画をつくっていて、全部東に逃げるのです。あそこに住んでいる人たちは、県が幾らそんな計画をつくっていても、県の計画どおりに逃げる人はいないと思っていて、滋賀県方面にみんな逃げると思うのです。鳥取県も多くの人たちが基本的に風は西から東に吹くと思っているので、たまたまその日は東風が吹いていても、あしたやあさってになれば、基本的には西から東に吹くことを分かっています。こうやって東に逃げるという計画をつくったとしても、私は信用されないと思うのです。本当に一生懸命つくっていただいて、大事なことだと思うのだけれども、住民が信用しない計画を一生懸命つくったって意味がないと思っています。最初から鳥取県の西部は岡山県に逃げるという形で考えるべきだと思うのですけれども、そのあたりはいかがですか。要するに、これは県として誠実に、少なくとも県内でまず逃げる計画をつくることが当然だとは思いますよ。だけれども住民からすると、県なんか関係ないですよ。自分たちの命を守るためにどうするのかというところでは、生活の上には県などの自治体の領域なんて関係ないわけです。そうなると、安全な地域に自分たちの判断で勝手に逃げちゃう。それはかえって我々にとってはいいことではないと思うのです。とすれば、最初からそういう方向ではない方向の計画をつくるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 大飯原発につきましては、その地域のいろいろな事情があってそのような計画になっていると理解していますけれども、鳥取県の計画につきましては、まずは県内で避難ということで、今回の計画をつくらせていただいたところでございます。ただ、原子力災害の特徴でも述べさせていただきましたように、目に見えないものですので、国のほうで目に見える形にして、我々がそれを住民に伝えていくと。逆に委員がおっしゃられますように、独自に避難されると、もしかしたら汚染地域の高いところに避難してしまうことがあるので、こういうことはきちんと住民の皆さんに普及啓発して、行政情報に従って避難していただきたいことを伝えていきたいと思います。当然そのときの状況によって、危ない地域へ避難してくださいということはあり得ないので、そのように考えているところでございます。

●城平危機管理局長
 少し補足させていただきます。
 まず、私どもは、県内での避難をベースにして計画をつくらせていただいておりますけれども、中国知事会などを通じて、もしもの避難のときの受け入れとして岡山県や広島県にもお願いしております。ただ、島根県から避難される方の人数が非常に多いので、それについての受け入れの調整が先行されてやらないといけません。両県全体の住民のことを考えると、そういうふうにやらないといけないのではないかということで、島根県のほうが先行してされている状況になっています。
 そのような中で、鳥取県が岡山県と広島県に特にお願いしておりますのは、災害時要援護者の皆さんの施設です。やはり県内では本当に十分なのかどうかということがございますので、そういうところでは岡山県や広島などにかねてから協力をお願いしているところです。
 そのような中、県内で避難するときに、福島第一原子力発電所の事故のことがございましたので、国のほうから示されているベースは30キロから外に避難してくださいということです。今、鳥取県の計画を細かくは説明しませんでしたけれども、50キロ圏より外に避難するようにしています。それによって、福島第一原子力発電所の事故でも同一円周上に全域が広く汚染されたわけではなくて、風向きによって特定の地域が汚染されていますので、そういう場合に対応ができることを考えて、その50キロ圏内には避難先は設けなかったということと、それから、もしかすると風向きで使えなくなったりするような遠い避難所があれば、それをどういうふうに補完するのかを考えているところで、途中の住民避難計画でお話ししましたけれども、あと1万5,000人分ぐらいの予備枠は持っている状況になっています。このあたりが実際にどこまで有効に使えるのかはわかりませんけれども、もともと、地域防災計画で説明させていただきましたが、平成13年のときの地域防災計画は国から反対されながらつくりました。それは先ほどから御指摘をいただいているとおり、西部の住民の実感からすると、あそこで何かあればこちらに流れてくるという不安感があることから作成が始まっていますので、私どもはそういうことは考えながら、ただ、今の考え方では、50キロ圏を超えて全域が汚染されることは基本的にはないだろうという前提でつくらせていただいているものです。

○森委員
 福島県のことでいうと、確かに50キロ圏外に避難することは大正解で、1回避難したところをまた避難させられてといった、どんどん後追いで避難していった方向にまた来たということもありましたので、最初から50キロ以遠に避難することはいいと思います。
 ただ、今回の想定も事象が起こった日を基点にして4日間ということで計画していますよね。だけれども、またその4日間に次の事象が起こることもあるわけです。今回の福島県の事故も1回ではなくて、2回も3回も爆発が起こっているわけですよ。いつ放射性物質が一番出たのかがまだまだ特定できていない状況にあるわけです。そうすると、例えば初日に避難していった人たち、2日目に本当は一番大きいものが起こるかもしれない。3日目に起こるかもしれない。いつ起こるかはわからない。また気象がどういうふうになるかわからないという中にあっては、私はやっぱり風向きが一番想定しにくいところに最初から避難することをやっていないと、住民からこの計画が信頼されないと思うのです。この避難計画が住民のものになって初めて生きるものだと思うのです。そこのところで、住民が信頼しない計画をつくったとしても私は意味がないと思っていて、だから一番風向きで想定されにくい南へ逃げることに追及すべきではないかと思っています。それで、今、局長のほうからは、島根県の人たちが確かにたくさんおられることはそのとおりだけれども、鳥取県にもそういった人たちがいるわけで、それは中国知事会の中でも十分に話していただきたい。人数が多い少ないの問題ではなくて、鳥取県の避難民といったことについても同じように考えていただいて、調整してもらうことが大事だと思うのですけれども、いかがでしょうか。遠慮することはないと思います。

●城平危機管理局長
 まず、岡山県と広島県への避難住民の受け入れのお願いと説明について、市町村役場の方も集めた場には一緒に行ってお願いしております。そのときの検討でいくと、今現在、島根原子力発電所を中心として、そのエリアに住んでいらっしゃる方のできるだけ原子力発電所から離れようと、風向きというよりは同心円上に離れようというシミュレーションをかけると、今、鳥取県内での避難が合理的だろうということが話の中で出てきていて、今の形になっているところです。
 今おっしゃられたとおり、非常に御心配のところはわかるのですけれども、もし今のお話がそういう避難してはいけない地域だとなると、倉吉市の住民や中部の住民、あるいは鳥取市の住民全員が避難しないといけない計画になるのですが、基本的には今の国のシミュレーションではそういうことまでは想定されていないので、まずはそういうものをベースにして、そこは避難できる場所であるということでつくらせていただいています。ただ、どうしてもそこが実際のときにはシミュレーションに応じて変えないといけないのは御指摘のとおりだと思いますけれども、一番福島原子力発電所のときに問題だったのは、上空をプルームが通過するときに屋外にいて被曝することが問題でしたので、これはきちんとそのときに出される情報で、プルームのある方向に逃げないようにすることがまずは大事だと思います。実はプルームが通過をしてしまうとそこの放射線自体は薄くなるので、そこに雨が降ったりするとまた別のことになりますけれども、そのときの気象状況によってそれをどう判断していくかは、やはり住民の皆さんの安全・安心のためにやっていくことが必要だとは思いますが、現時点で周辺住民全体を考えたときにはそういうことを考えております。
 おっしゃられるように、西部地域の皆さんで、もともと岡山県なり広島県とつながりの多い方もいらっしゃったりして、そちらに避難される可能性はもちろんございますので、そういうものについては私たち事務方としても、もしものときの受け入れについては岡山県と広島県に引き続きお願いしていくことを考えております。

◎浜田委員長
 皆さんにお諮りいたします。12時になりましたが、最高10分まで延長ということで御了解いただけますでしょうか。

○砂場副委員長
 想定の話とも絡むのですけれども、では過酷事故がどういう場合に起こるのかと考えたときに、一つはチェルノブイリなりスリーマイルみたいに操作のミスや設計ミスであったことが考えられる。もう1つはテロの場合も考えられる。その場合はこの計画でいいと思うのですけれども、もう1つ、福島原発事故のような複合災害であった場合、震度6と15メーターの津波が襲ってきたときには間違いなく、現場へ行っても交通網は寸断されているわけです。そうなったときにこれをどうやって対応するかというと、東京都の地震対策は船でした。隅田川やいろいろなところを船で上がっていき、帰宅難民を帰宅させるという計画をお聞きしましたが、鳥取県に置き換えて現場を考えると、境港には海上保安庁があって、救難の専門家がたくさんいますし、美保には海上保安庁の航空自衛隊基地があって、輸送機をたくさん持っていますよね。そういう社会インフラがあるのですから、次の段階かもしれないけれども、そういうものをこの計画に組み入れることがこの計画の中でできなかったのでしょうか。時間的なことなのでしょうか。今後入れることを期待したいと思いますけれども、そこら辺はどうでしょうか。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 複合災害のときの各種輸送手段の確保という御意見でございまして、今のところ船という課題がありまして、なかなかすぐに手配できないところがあります。それから、津波なり地震などの場合は接岸できないなど、確実な手段、方法として使えるかどうかを検討しているところでございます。
 航空機につきましては、非常に限られた手段で、全員を運ぶのは難しいところがありまして、この広域避難計画の中では、緊急を要する患者等については航空機等を優先的に使っていこうと書いているところでございます。そういう意味で今後の検討課題と言っているところでございます。ただ、これらについても引き続き関係機関と調整して、確保し、使えるようにしていきたいと考えております。

◎浜田委員長
 きょうは委員以外の議員の方も積極的に参加くださっておりますので、発言ある方。

○安田議員
 では、2点お尋ねしたいと思います。
 1点目は今の砂場副委員長の発言に関連してですが、よもやの事態が生じたときに、住民が避難するためにこの計画ができているのですが、境港市には国の関連施設として航空自衛隊や海上保安部がございますね。それと県警境港署、米子警察がちょっと内陸にあります。その辺は現地に残るのでしょうか。それとも避難なさるのでしょうか確認させてください。
 2点目は森委員も言われたのですが、私ども地元住民の素朴な気持ちは、東には向かえません。多分南に向かうだろうと思います。以前は、最初はバスで皆さんそろって移動ということでしたが、自家用車も、個人的避難も認める方向で転換がなされたようでございます。そうなりますと、自分でどこへ向かうかといったらやはり中国山脈を越えたいわけです。風向きいかんによっては、山が防ぐわけですから。そこの発想があると思います。ただ、一つだけ、そういう個人的な思考を妨げるものは、子供がどうなるかだろうと思うのです。20ページの児童生徒の避難を読みますと、保育所、学校等の管理者は、生徒全員をUPZ外に避難させることを基本とするとなっているのです。そうすると、学校や保育所が開いている時間内に警報が出た場合は学校単位で、保育所単位で避難するのか、それとも迎えに来る親に子供を渡すのか、そのことで大きく避難も変わってくるだろうと思います。それは西部地震のときにも経験しました。これは大きな問題だし、東日本大震災のときも学校が間違った判断で全員を亡くしたということで訴訟事件も起こっています。この辺がどういう決まりになっているのか、明確にお答えいただきたいです。

●森田教育総務課長
 教育総務課でございます。
 最初に、児童生徒の避難の関係についてお答えさせていただきたいと思いますけれども、現在、この避難計画の中で児童生徒に避難指示が出た場合には、学校を単位として逃げることを考えております。最終的には保護者にお返しすることが基本だと思っておりますが、まずは50キロより遠い地域の避難所に逃げていただくことを考えているところでございます。

●水中危機対策・情報課原子力安全対策室長
 航空自衛隊や海上保安部などのお話でございますが、基本的にどのような行動をとられるかはまだ確認しておりませんけれども、原則としては、もし避難警戒区域等が設定されて、全部出なければならないという場合はいられないと思います。ただ、一般論として、住民より先に出ていくのは考えにくいところでございます。
 次に、まず、自家用車での避難を計画しているのは、福島県の事例として、自家用車で逃げられた方が7割から8割おられたということで、実態に合わせた避難方法をしていかないと計画倒れになるということで、今回、自家用車も入れました。この間の訓練でもアンケートをとったところ、高齢者の方も多かったのですけれども、自家用車についても一定の理解を得て、自家用車で避難したほうが後々役に立つというか、融通がきくという意見もあったところでございます。
 東ではなく南のほうへ逃げるという意見でございますが、計画上は東に避難するとしておりまして、もし必要であれば南に行くことと計画しております。それは、今、国と電力事業者等が信頼されない中において、我々自治体の出す避難指示については住民に理解していただきたいし、それなりの組織になれるように頑張っていきたいと考えております。本当に安全なところについて皆さんにお示しして、皆さんがそれに従って避難していただけるよう普及啓発し、放射線のことを理解していただけるよう、きちんと説明させていただきたいと思います。

○安田議員
 今、水中室長が言われたことと教育委員会が言ったことは相反するところがあるのです。それは、すぐに避難するよりも建物の中にじっとしていたほうがかえって汚染を防げるかもしれないとおっしゃった。そうならば、そんなに慌てて学校単位で避難したり、保育所の先生が子供を連れて避難したりしないで、やはり家庭で個別に対応していただくほうがよいのではないかと。その後の福島県の経緯を見ても、避難した後が大変な問題になっているわけですから。それと自家用車の問題についても、二度と帰れない人がたくさんいらっしゃる。そうすると、次の生活ステージに向かっていく場合、どこで暮らすにしても車なくしてやっていけないですよ。そのことを考えると自家用車で避難するのですよ。そういうことをもろもろ考えると、教育委員会はこの計画をもう少し慎重に考えていただき、親御さんや地域の意見も聞いていただきたい。絶対そうしていただかないと困ります。

◎浜田委員長
 御意見として。

○安田議員
 意見です。

●森田教育総務課長
 先ほど避難指示が出た場合と言いましたのは、基本的にこの原子力災害の関係は屋内退避などの段階を踏んだところで、最終的に避難指示が出ることを考えております。先ほどの説明は避難指示が出たところですので、当然その前段として屋内退避などが出ましたら、学校は屋内退避するということで、適切に対応はしてまいりたいと考えております。

◎浜田委員長
 個別の問題を上げ出すと、際限なくあるかと思います。この後は皆さんで独自で調査していただきたいと思います。
 時間がきましたので、とりあえずきょうは終わらせていただきたいと思います。
 執行部の皆様方につきましては、引き続き個別にあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。御退席いただいて結構です。
 それでは、委員の皆様は御相談したいことがございますので、お残りください。
(執行部退席)
 お残りいただきましたのは、この計画の修正などの必要性について御意見をいただきたいと思います。
 報告期限が3月18日です。早期の対応が必要ですが、委員会として何か対応するかどうか、それとも執行部にきょう意見を言いましたので、これでいいとするのかを御意見いただきまして、委員会としてもし動く必要があれば、そこのところを計画立てないといけないと考えますが、いかがでしょうか。

○山口委員
 今までいろいろ意見が出たわけですから、提出までにまとまればいいですけれども、後で修正がきくのかどうか。

◎浜田委員長
 修正するということでした。

●城平危機管理局長
 今回はパブリックコメントや訓練の結果を踏まえて修正しましたけれども、今、防災関係機関などにも照会かけないといけませんので、そういう意味ではもう1回修正をかけてまいります。

○山口委員
 修正がきくというのなら……。

○森委員
 国に出した以降も幾らでもできる……。

●城平危機管理局長
 それもやります。まず、3月18日までにその意見も踏まえてもう1回修正かけたもので決定させていただき、それ以降も随時していきます。

◎浜田委員長
 訓練等を踏まえ、その都度変えていくということでしたね。

●城平危機管理局長
 例えば先ほどの自衛隊のことを聞かれましたけれども、自衛隊も業務計画をつくられないといけず、同時並行で進んでいるので、こちらのほうで勝手に書けないところもございます。そういう事情もありますから、決まっていったことが……。

◎浜田委員長
 では推移を見守るということで、その都度必要になれば修正していただくということになりますね。
 そのようにさせていただきますので、御了解ください。
 以上で、福祉生活病院常任委員会を閉会いたします。

午後0時15分 閉会

 

 

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