平成24年度議事録

平成24年11月13日~11月14日・所管事項に係る県内調査

1 調査日時・箇所・内容

平成24年11月13日(火)
○西部総合事務所
  大山町・日南町・日野町・江府町の地下水保全条例について、米子市・米子市水道局における採水の現状等及び企業誘致における水の利用状況等について
○ニッポン高度紙工業米子工場
  工場の概要及び採水の現状等について
平成24年11月14日(水)
○王子製紙株式会社米子工場
  工場の概要及び採水の現状等について
○サントリープロダクツ株式会社天然水奥大山ブナの森工場
  工場の概要及び採水の現状等について
○コカコーラウエスト大山プロダクツ株式会社大山工場
  工場の概要及び採水の現状等について

2 調査委員

浜田委員長、砂場副委員長、山口委員、小谷委員、野田委員、市谷委員、横山委員、濵辺委員、森委員

3 随行者

鳥取県議会事務局調査課 梅林係長、西村主事

4 調査報告

 今回、9月定例会で継続審査となった「とっとりの豊かで良質な地下水の持続的な利用に関する条例(案)」の検証に資するべく、県内で先行して地下水条例を定めている町(大山町・日南町・日野町・江府町)、県内最大量の採水を行っている米子市水道局及び米子市、大手採水業者(ニッポン高度紙米子工場、王子製紙米子工場、サントリープロダクツ奥大山ブナの森工場、コカコーラウエストプロダクツ大山工場)について調査を行った。
 県西部総合事務所において、4町の条例の概要及び制定の背景等を聴取。外資による乱開発防止や、誘致企業との協働等、それぞれ様々な思惑の元で条例を制定されたものの、地下水は「県民共通の財産」である旨の理念は共有できるとのことであった。米子市水道局及び米子市より、採水の現状及び企業誘致における地下水利用の考え方を伺った。局は2市1村を給水区域としており、18万7000人に給水。年間取水量は2436万トンで、湧水、伏流水、地下水の3つで取水しているとのこと。米子市では企業誘致に際して清涼な地下水を売りにしており、今年9月に操業を開始したニッポン高度紙工業米子工場も、この点が決め手になったとのことである。県条例が制定された場合、多少なりとも今後の誘致活動の障壁となることは考えられるが、一方で優れた水環境を永続的に保全することも必要であり、規制もバランスの問題との意見であった。水道局を条例の対象とすることについては、県民・市民の命の水を提供しているとはいえ、水道局が最大の取水者であることは事実であることから、そこは止む無しとの見解であった。製紙企業であるニッポン高度紙米子工場、王子製紙米子工場では、製品の製造過程において多量の水を必要とし、その多くを井戸から採取している。ただし、水は工場内でできるだけ循環させ、無駄のないように節水しているという。併せてカーボンオフセットや森林購入等、いずれも何らかの形で環境保全に取り組んでいるとのことであった。サントリープロダクツ奥大山ブナの森工場、コカコーラウエストプロダクツ大山工場も、商品にするために地下水を採水する一方で、洗浄等商品以外の部分はリサイクルで節水に努めるとともに、自らの企業活動を守るため、水位や採水量等を常時監視するとともに、共生の森活動に参画する等、様々な涵養活動に取り組んでいるとのことであった。 この他、意見交換が活発に行われ、県内の地下水利用の現状及び課題等について各委員の認識が高まり、条例案の検討に際し大いに示唆を与えられた。今回の調査結果を十分に生かし、本県の宝である優れた地下水の保全等を確保していくため、11月定例会において、よりよい内容とした条例の制定に繋げたい。

 

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