平成24年度議事録

平成24年5月11日会議録

出席者
(33名)
議長
副議長
議員
伊藤 美都夫
稲田 寿久
坂野 経三郎、森  雅幹、砂場 隆浩
長谷川 稔 、国岡 智志、市谷 知子
錦織 陽子、内田 隆嗣、浜崎 晋一
広谷 直樹、谷村 悠介、濵辺 義孝
澤  紀男、興治 英夫、伊藤  保
福間 裕隆、浜田 妙子、森岡 俊夫
野田  修、小谷  茂、山口  享
鉄永 幸紀、斉木 正一、安田 優子
藤井 省三、上村 忠史、横山 隆義
前田 八壽彦、内田 博長、藤縄 喜和
銀杏 泰利
欠席者
(2名)
福田 俊史、廣江  弌
 

職務のため出席した事務局職員
  有田事務局長 谷口事務局次長 本家議事・法務政策課長外

1 開会  午前10時04分
2 閉会  午前11時23分
3 司会  伊藤(美)議長
4  会議録署名委員  鉄永議員、福間議員
5 協議事項
   別紙協議事項のとおり
 

午前10時04分 開会

◎伊藤(美)議長
 ただいまから議会全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に鉄永幸紀議員、福間裕隆議員を指名いたします。
 それでは、議題に先立ちまして、鳥取県議会議員全員協議会傍聴要領についてお諮りします。 お手元に、さきの代表者会議で協議検討しました案をお配りしています。このとおり決定してよろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議はないようでありますので、案のとおり決定いたします。
 次に、鳥取県議会基本条例について協議を行いたいと思います。
 初めに、私のほうから条例制定の趣旨等を説明した後、議会改革推進会議各委員より条例案を説明し、その後協議を行っていただきます。
 まず、私のほうから条例制定の趣旨等について説明いたします。
 最初に、鳥取県議会ではこれまで多くの先輩議員の皆さんの御努力によりまして情報公開の推進だとか、あるいは質問機会の拡充だとか、かなり大きな議会改革に取り組んでおります。まさに県民に開かれた議会であり、知事提案議案へのチェック、さらには鳥取県議会綱領の制定など、全国の都道府県議会の議会改革に比して進んでいるのではないかという点も自負しております。
 しかし、現実の二元代表制のもとでは知事と議会の関係は対等だとか並列と言われながら、制度的にも運営的にも優位な立場にある知事の行う行政に対しチェック機能を果たし、対峙し、さらには政策提言、条例の制定を実行し、緊張した二元代表制を行うことこそが充実した地方自治の実現に必要だと思うのであります。
 そのためには、まず個々の議員だけではなく、議会としての意見、考え方の合意こそが議会力といいましょうか、これを強める一つだろうと思っております。
 次に、私が今考えておりますのは、議決責任の重さであります。かつて片山知事時代にあなた方も議決されたでしょうと何回か言われて、議会の議決の重さを指摘された経験がございます。その辺を踏まえますと私たちの自治体の事務は、すべて議会の権限、条例制定権、そしてそのことすべてについて議案に対しての議決責任を実は問われているのであります。これらを踏まえまして、県民の皆さんに信頼される議会、わかりやすい開かれた議会を目指し、自治体の意思決定機関である責務を議員全体の認識とすることが地方自治の本旨への道筋であるとの考え方で議会基本条例の制定を目指すに至ったのであります。
 このたびの議会基本条例は、昨年10月から10回にも及ぶ議会改革推進会議において協議決定され、作成されたものであります。特に各会派から選定された委員が合意するまで議論を繰り返してきました。さらに会派に持ち帰って意見を聞き、それをもとに再び協議を繰り返し、合意にこぎつけたものでありまして、時間はかかりましたけれども、多数決で決定したということは一回もございません。そのことは今後の議会運営や知事へのチェック、政策提言にも必ず生かされてくるのではないかと信じているからであります。
 この議会基本条例(案)は、制定の経緯や鳥取県議会としての決意を前文ということで表明させていただきました。
 1章では基本条例の目的、基本理念を明らかにして、さらに2章では議会としての責務、機能を明確にし、第3章では議員の果たすべき役割及び活動内容、そして政治倫理に関しても明記しました。また、第4章では議会と県民との関係を明確にし、第5章では議会と知事との関係において二元代表制のもとで対等かつ緊張ある関係としての議会の役割と責務を明記しました。第6章は、議会事務局の機能の強化と、この点について知事に適切な対応を求めることを掲げました。第7章では、議会に関する他の条例や規則等はすべて基本条例の趣旨にのっとり整合性が図られるという最高規範性を掲げたこと等の構成となっております。
 本日の全員協議会では、そのような趣旨のもとに委員がそれぞれ手分けをして説明し、個々の委員の考え方ではなく、全員合意の考え方としてそれぞれの責任を持って説明することにしております。
 今後におきまして、本日の議員の皆さんの意見や提案を踏まえ、1カ月間のパブリックコメントを実施するとともに、執行部との意見交換を行った後、議会改革推進会議において所要の修正を加え、条例案を6月定例会に上程したいと考えてございます。
 続きまして、前文及び第1章の総則について、稲田寿久副議長お願いします。

○稲田議員
 今議長から御指名を受けましたので、議会基本条例(案)の前文と第1条と第2条について、その立法の事実並びに立法趣旨の御説明を申し上げたいと思います。
 主な論点は、第1点、なぜ議会基本条例を制定するのかということがまず論点の第1であります。2点目は、今まで我が鳥取県には議会基本綱領というものがございました。この議会基本綱領をなぜ今回条例に持っていくのか、その変遷の意味、推移というものを御説明申し上げたいというように思います。3点目が、前文を掲げておりますが、前文の法的拘束力ということについての御説明を申し上げたいと思います。そして最後に、1条、2条各条についての説明を申し上げたいと思います。
 最初に、まず、なぜ議会基本条例を制定するのかということでございます。これはかつて皆さん方の中にも議会改革推進会議のメンバーの方もいらっしゃいましたので、その推移は御存じの方もあろうかと思いますが、鉄永議長時代にこの話が起こりました。しかし、条例というところまでは至らなかったわけであります。なぜ至らなかったかといいますと、要するに条例化する、条例を制定するということの意味づけ、その理由というものが、私もそのときのメンバーでありましたけれどもいま一つ十分に理解ができていなかった。そしてその意味が探し出せなかった。むしろ探し出せなかったというところに大きな根拠があったのだろうというように思っております。今回その根拠を曲がりなりにも探し得たということで、今回のこの条例化に至ったということであります。
 今、世間というのは非常に条例化ブームと言っても過言ではないぐらいであります。あらゆる自治体でこの条例の制定ということをやたらにやるわけでありますが、この条例を制定することによって、またさまざまな大学が各自治体を調査いたしまして、条例を制定していると、さもその議会が非常に活発に活動しておるかのごとき錯覚を受けるような、そういう評価の文言がたくさん出てまいっているわけであります。しかしながら、条例というものは皆さんもよく御存じのように、これは法律であります。法であります。したがいまして、やはり法としての確信がない限り、この条例は制定すべきではない。そして条例というものは、県政を推進をする上でのツールでなければならない、道具でなければならない。道具として使えないような条例を幾ら制定しても、それは何の意味も持たない眠った条例になってしまうということであります。したがいまして、できるだけプログラム規定、あるいは理念法、あるい宣言規定といったこういうようなたぐいの条文を外していくという作業も今回のこの議会改革推進会議の中で行ったところであります。
 2点目としましては、ちょっと長くなりますが、なぜ議会基本条例を制定しなければならないのかということで、他の都道府県はどうなっているのかということで、2つではありましたけれども、今回鹿児島県と大分県とに視察に参りました。鹿児島県も大分県も理由は不明確であります。なぜ議会基本条例を制定するかということに明確に答えてはいないのであります。
 ただ、その動機だけは明確であります。鹿児島県につきましては、自治法制定か鹿児島県制定から100年に当たるのだ。だからその記念の日に合わせて条例を制定しましょうという理由でありました。
 大分県につきましては、教育委員会で事件が起こりました。トラブルがありましたので、その事件の防止のためにこれを制定しようということであります。これは明らかに法律事実というものが存在しますから、条例を制定する意味はあったかなというぐあいに大分県については思っているところであります。
 事ほどさように、なぜ議会基本条例を制定しなければならないのか、このことは大変難しい問題であります。地方自治法というものが厳然と存在しているわけでありますから、地方自治法を十分に解釈していけば議会の運営ということはできるはずであります。しかし、自治法が制定されましてからもう60年以上の年月がたちましたので、今日の議会のあり方に合わない部分というものが出てきていることもまた確かであるということでございます。
 条例といえども、先ほど申し上げましたように法令であります。したがいまして、法律と条例と一体どちらが優位かというような問題がありますけれども、ともかくも法律と肩を並べる重い法的な拘束力を持ったものであるという認識のもとに、やはり地方自治法との解釈の整合性ということをまず考えていかなければならないということを念頭に置いたようなことであります。例外的には横出し規定でありますとか上乗せ規定とかというのがあって、地方自治法を超えた条文をつくっておられる自治体もあるようでありますけれども、我が県といたしましては、極力地方自治法との整合性のもとにこの基本条例をつくっていこうということを考えたところでございます。
 なぜ今までありました議会基本綱領から議会基本条例に変遷したのか、変遷させなければならなかった理由について御説明を申し上げたいと思いますが、先ほど議長が冒頭で申し上げましたように、要するに議会の議決の重みということであります。そして議会の議決の重みということは、ひいては議員それぞれ個々人の議案に対する議決意思の重みということを十分にこれからの自治体の運営で考えていく必要があるのではないかということに着目いたしました。これが綱領から条例に至る直接の大きな動機であったことは間違いないと思っておるわけであります。
 そしてその議決を強固ならしめんとするという理由から、我々が決めた議案が将来どういうぐあいに執行部によって政策実現されていくのかということをしっかりと我々議員が見きわめる必要があるわけでありまして、その使命を法的な効果にまで高めていく、そのためには、法の淵源から申し上げますと、いわゆる綱領という法的な効果のないものよりも条例という法的効果のあるものに高めようというのが今回の大きな動機であります。
 したがいまして、言葉が重複いたしますけれども、綱領という道徳的、倫理的、道義的なものから法の淵源としてのいわゆる分離を図って法的な効果に高めていくと、そのためにはこの議会基本条例というものをきちんとした形で制定をしていこうという意味を持つということでございます。
 これからの社会のあり方に対応するべく個々の条文が議会の運営や、あるいは行政の執行という面において一つのツールとして、道具として、あたかも大工さんが家を建てるときにかんなやのこや金づちを使うように、この一つ一つの条文が我々議会の基本となる、道具になる、ツールになると、そういう意味で十分にその条文が活用できるようにしていくということが不断の努力として我々に求められるものではないかというように考えております。
 資料を見ていただきますと、これからはこの資料に入るわけですが、前文を見ていただきますと、国法秩序の体系というものがあるわけですから、その頂点は日本国憲法であります。日本国憲法の前文に倣いまして、通説判例どおり、この前文には法的な拘束力はありません。法的な拘束力はありませんが、いわゆる各条文の解釈の指針になるということだけは確かであります。したがいまして、各条文の解釈に窮したときには、もとに戻ってこの前文を読み返して、この前文の趣旨に沿うた形で各条文の解釈をなしていく、そのための指針になるのがこの条文であるということであります。
 憲法では、皆さんも御存じのように、国民主権と平和主義と基本的人権が前文の大きな柱でありますが、我が鳥取県議会の基本条例につきましては、この条文を見ていただきますと2つの大きな柱があるわけであります。その2つの大きな柱は、監視機能、政策立案のさらなる充実強化、これがまず1点大きな柱であります。
 そしてもう1点は、県民に信頼をされ、わかりやすい議会の構築、これがもう1点の柱であります。この2点の柱を中心に前文が構成されているということであります。
 皆さんも御存じのように、そもそも前文と申し上げますとそれぞれの自治体の歴史でありますとか由来でありますとか決意でありますとか基本方針、そういったようなものを書き連ねるのが通常であります。鹿児島県なんかにも鹿児島県の議会基本条例にも多少歴史的、由来的なものが載っておりますが、我が鳥取県はそういう歴史的、由来的なもの、情緒的なものを除いて、まさに法的な根拠、法的な意味合いの濃い前文にしたということであります。
 各条の逐条に入っていきますけれども、1条、2条あわせて説明を申し上げたいと思いますが、私の担当はこの1条、2条それぞれの目的、それぞれの基本理念ということでありますが、この目的のいわゆる立法の趣旨は地方自治の本旨の実現ということであります。この地方自治の本旨という言葉は、憲法にも出てまいりますし、地方自治法にも出てまいるわけでありますが、この内容は住民自治、自分たちのことは自分たちで、住民の手で決めていこうというのが住民自治ということであります。もう1つが団体自治ということであります。団体自治というのは、自治体のことは自治体全体で決めていこうというのが団体自治ということで、この地方自治の本旨は住民自治と団体自治の2つの要素から成り立っておるわけですが、このことを明らかに明記をしたものが第1条の基本的な根拠になるものであります。
 第2条の理念につきましては、いわゆる議会というものが最高の議決機関である。最高ということを余り問題にいたしますといろいろ国法秩序の体系上、憲法、他の法律、法令といったようなものとの差しさわりがありますので、さりげなく最高の議決機関ということをうたっておるわけでありますが、これこそまさに先ほど議長が申し上げましたとおり、議決の重みということであります。議決の重み、あるいは議員の議決に対する責任、政策執行に対する責任、そういったようなものをこの2条の中の意味に含めておるということであります。そしてそのことは翻って考えますと、我々が住民の方々、県民の方々から負託を受けたその住民の方々に対する責任をどのように負うていくかということの意味合いがこの基本理念、短い文章でありますが、2条に含まれておるということで、私の担当の説明を終わりたいと思います。

◎伊藤(美)議長
 次に第2章、議会の役割及び機能につきまして、前田八壽彦議員にお願いします。

○前田議員
 2ページをお願いいたします。第2章、議会の役割及び機能ということを説明したいと思います。
 第3条ですけれども、先ほど副議長からありましたように、地方自治の本旨であります住民自治と団体自治を執行する上での最終的、あるいは最高の議決機関としての意思を確定するというのが3条でございます。
 4条ですけれども、基本的に二元代表制に伴いまして執行部を監視するというのが第一義的な義務でございまして、責任でございます。さらに2項では、事務執行の効果及び成果について評価し、適切な対応を求めていくというものでございます。
 第5条ですけれども、執行部提案による追認機関ではなしに、私たちみずから政策提言を積極的に行おうというものでございます。2項は、議員提案ということにおいては知事等の意見を聴取するということでございますが、これにつきましては私たち議会は立法機関でございまして、執行機関ではないわけでありますから、執行の上での問題点等を聞き取りをしていくというものでございます。
 第6条でございますが、積極的に議員相互の討議に努めると表現しておりますが、私たちは多様な意見を受けて議員になっておりますので、十分議員相互の討議に努めていこうというものでございます。
 第7条は、委員会は県政の課題に対応した機動的な運営を行うというものでございまして、議会の中心的・基本的なコアであります委員会がもっともっと県民の側に立ったような機動的な運営を行うというものでございます。
 第8条につきましては、引き続き不断の努力をして議会改革に臨もうというものでございます。

◎伊藤(美)議長
 続いて、第3章でございます。議員の役割及び活動についてでございます。興治英夫議員、お願いします。

○興治議員
 第3章、議員の役割及び活動について趣旨説明をいたします。
 まず、第9条は議員の職務について書かれております。議員は、選挙で選出をされる高い独立性を持っておりまして、県民全体の奉仕者、あるいはその代表者、そして合議体の構成員としてその職責を果たすために1号から7号までの職務を行うものというふうに規定をさせていただきました。地方自治法におきましては、この議員の職責や職の明確な規定がありません。それで本会議や委員会などへの出席等の議会活動以外の議員としての調査研究活動あるいは住民意思の確認、その他の活動を明記して議員としての役割を積極的に果たしていこうとするものであります。
 第10条は、議員の調査活動について書きました。これは個々の議員からの資料提出要求に対して知事等の対応義務について定めたものであります。地方自治法におきましては議会の検査であるとか、あるいは議会の調査というものが明記されておりますが、個々の議員について調査権を付与するものになっておりません。しかしながら、議員が議会の基本的な役割である議決を行ったり、あるいは県政に関する政策立案、政策提言を行うためには知事等が有する県政に関するさまざまな資料の入手、あるいは説明等を通じて判断のもととなる必要な情報を入手することが不可欠であります。それでここに書いております中身は、知事が鳥取県情報公開条例の趣旨にのっとって議員の求めに応じなければならないとしておりまして、この情報公開条例の中には県の諸活動を県民に説明する責務を全うし、県民参加による開かれた公正な県政の推進に資することを目的として情報公開条例が定められておりまして、その中で公文書の開示をするほか県民に対し必要な情報をわかりやすく積極的に提供するよう努め、情報の公開の一層の推進を図ることが明記されておりまして、この規定の趣旨にのっとって知事が求めに応じる義務を果たすべきということを明記したものであります。
 次に第11条、政務調査費であります。この条は、監視、政策立案等の機能強化のため政務調査費を交付することについて定めたものであります。政務調査費は、地方自治法に基づいて交付されているものでありまして、それに基づいて鳥取県政務調査費交付条例が定められて交付されておりますが、その基本的な方針を述べたものであります。
 12条は、政治倫理について書いてあります。まず、第1項で議員は県民から県政に関する権能を負託された代表として高い倫理を守る義務があり、高潔性及び公正性を保持しなければならないことを規定しました。そしてその政治倫理の具体的な内容については、2項におきまして、この条例とは別に定めることを規定したものであります。
◎伊藤(美)議長
 続きまして、第4章、議会と県民との関係について、砂場隆浩議員お願いします。

○砂場議員
 それでは、第4章について説明させていただきます。
 私たち議会は、県民の皆様のために県民の皆さんの負託を受けて活動するものでありますから、その議会と県民の皆さんの関係を明示したのがここの4つの条文であります。
 第13条は、まず、その県民の皆さんの意見をしっかりと把握して県政に反映していこうと定めたものであります。そして我々議会は、県民の皆様のさまざまな立場から出ておりますので、その多様な意見を把握して知事の事務執行や監視、評価等、また政策立案や政策提言の機能を発揮していこうというものであります。
 次の第14条でありますけれども、これは県民の皆様が県議会の活動に参加する機会を確保しようというものであります。利害関係者や学識経験者などから意見を聞く公聴会や参考人招致に加えまして、政策立案に対しても県民の意見の場を設けてはどうかということを規定した条文でございます。第2項ですけれども、請願と陳情は議会が県民の皆さんから直接県政について意見や要望を聞く貴重な機会でございますので、それの取り扱いについて誠実に対応することを定めたものでございます。
 第15条は、やはり議会というものは、その意思決定過程を透明化して、また公開に努めなければならないのは基本でございます。そこで、まず第1項では本会議、委員会等の原則公開、一歩進んで傍聴しやすい環境の整備までを義務づけたものでありますし、第2項ではインターネットを利用して議場に足を運ばれない方に対しても配信または会議録を閲覧に供することを定めております。
 なお、県議会では、平成23年、昨年の11月定例会から賛否をホームページで公開しておりますし、本年3月、議会、委員会の傍聴規則でも規定等を制定して傍聴環境の整備も図っているということでございます。
 続きまして、16条でありますけれども、今言いましたように透明化して公開するだけではなくて、もう一歩進んで積極的に情報公開を行うことを規定したものであります。また、議会改革推進会議の中で次の6月定例会分より議会広報紙の発行についてもやっていこうということを話し合い、決定いたしました。
 ここの第4章の議論の中では、先ほど言いました議会の賛否公開等を盛り込んではどうかという意見がありましたけれども、これはもう既にその趣旨はこの4章に包含されておりますし、現実に公開が始まっておりますので、あえて盛り込むまでは必要はないだろうというふうなところで意見の一致を見ております。

◎伊藤(美)議長
 最後に、第5章、議会と知事との関係、第6章、議会事務局及び第7章、補則について、銀杏泰利議員お願いします。

○銀杏議員
 第5章以下最後まで説明させていただきます。
 5章は議会と知事等との関係で、第17条で定めております。知事等との関係における議会活動の基本原則について定めたものでありまして、本条のほかに議会と知事等の関係を規定したものといたしまして、第4条、第5条第2項、第10条、第18条第3項等でも規定しております。
 第6章でありますが、議会事務局等を第18条で定めております。議会事務局の機能の強化について定めようとするものでありまして、第1項では議会事務局の機能の強化と組織体制の整備を図るということを規定しております。第2項では図書室について規定をしておりますが、これは地方自治法により附置することとされておりますので、このように規定をしております。そして知事の予算調製権を侵さない範囲内で知事が対応することを規定しようといたしまして、第3項を設けさせてもらいました。事務局等の機能の強化等には相応の職員配置にかかわる人件費などの予算を伴うため、知事としてもその趣旨を尊重して適切に対応することを規定をしております。
 第7章、補則であります。第19条では、他の条例等との関係を規定をしております。この条項は議会の基本事項を定めるものでありますので、他の条例等はこの議会基本条例と整合を図らなければならないということを明確に規定をさせていただきました。
 検討及び見直しの第20条でありますが、見直しについて定めたものであります。地方自治法の改正や県民の意見、議会を取り巻く社会情勢の変化等を踏まえて見直しができるようにしたものであります。
 附則といたしまして、公布の日から施行するということであります。
 以上、5章以降について説明させていただきました。

◎伊藤(美)議長
 説明はこれで終わりますが、ただいままでの説明につきまして御意見や質疑があればお願いいたします。

○藤井議員
 稲田議員と興治議員。稲田議員は地方自治法に沿って横出しも上乗せもしないと。

○稲田議員
 いや、しないとは言っておりません。

○藤井議員
 そうですか。そういうふうに聞いたので、それならなぜこの基本条例をつくる意味があったのかということを聞きたかった。
 興治議員、第10条、鳥取県情報公開条例に沿ってということですね。一遍見たのだけれども、公文書なんか真っ黒に塗られたものが出てきますね。あの程度で満足できるということなのですか。県民に示される公開範囲と議員に対する公開範囲というのは同じというふうに解釈されているか、この2点。

○稲田議員
 最初に、いわゆる条例でもって地方自治法の横出し、上乗せというのはできないのではないかというぐあいに申し上げたというぐあいに藤井議員はそういう理解だったろうと思いますが、私はそういうぐあいに申し上げたのではありませんで、そういうものもあるのだと。ですけれども、できる限りこの条例は地方自治法の本旨に従った形で整合性を保ちつつこの条例をつくったというぐあいに申し上げたと思っております。もちろんこの推進会議の中で横出し条例の問題につきましても上乗せ条例の問題につきましても議論して、思い切ってそういうものをやってみようということも前田委員とはかなり議論いたしました。ですけれども、現在のところは地方自治法との整合性というものをまず考えていこうということであります。もちろん地方自治法の至らないところ、足らないところが時代の変遷で多々あるわけですから、それにおいては多少の横出し、上乗せということはあり得るというように私は思っております。
 もう一つ、なぜこの条例を制定しなければならなかったかということにつきましては、私の説明の冒頭で申し上げました。いわゆる議会の議決の重み、先ほど来議長が申し上げましたように、議会の議決の重みということに法的な効果をできるだけ持たせていこうと、ここのところ、これが鉄永議長時代には、私自身もその当時委員でしたが、私もそこのところになかなか思い至らなかった部分であります。しかしながら、私もそれから後にいろいろな文献もあさってみたりしまして、やはりこれからの時代における個々の議員の議決の責任、そして議会の議決の重み、そういうものに法的な効果を与えていこう、そのために、ちょっと余談になりますけれども、かつて事務局には法制という言葉であったわけですが、今は法務政策という言葉に変わっております。法制はただ単なる法律を制定する、条例を制定するということだけでありますけれども、法務政策ということになりますと憲法の価値体系、法律の価値体系を体得をして、それを政策にあらわしていく、条例にあらわしていく、規則にあらわしていくというそういう意味で名称も変更になっておるのは時代の変遷だろうと思っております。

○藤井議員
 とすれば横出し、上乗せは具体的に入っているというふうに解釈していいのですね。

○稲田議員
 と思います。

○興治議員
 この調査活動につきましては、まず問題意識として議員が資料請求をしてもなかなか出てこない、あるいは資料請求をする以前に、議案等の説明に必要なものは執行部側から積極的に議会に対して充実した審議を行うため提供すべきだという問題意識をみんなで共有をしました。それで、先ほど申しましたように議会としては調査権というものがあるのですけれども、個々の議員の調査権というのは自治法上明記されていないということで、それを補完する意味をもってこの10条を制定しようとするものです。今言いましたように、法的根拠が個々の議員の調査権についてはないものですから、それの前提として鳥取県情報公開条例の趣旨、その趣旨は先ほども申しましたような中身なのですけれども、県の持っている文書については原則すべて公開であるということがあります。いわゆる個人情報に関するもの等を除いてすべて公開であると。その趣旨にのっとって議員に対して必要な情報を提供しなければならないということを定めているものであります。ですから、最初に問題意識のところで申しましたように、審議のために必要な情報、資料等についてはしっかりと公開をしていただくのだと、そのための根拠とする条文であります。

○藤井議員
 僕の質問に正確に答え切れていないと思う。それはなぜかというと、鳥取県情報公開条例というものは議会も含めているのかどうかと。そうでないとすれば、もうちょっと議会に対しては深い公開規定といいますか、そういったものが必要ではないのですかという質問をしたので、これは必要にして十分なのだというふうに答えられるのかどうかということをちょっと聞いておきたかったわけです。

○興治議員
 県の持っている情報は原則すべて公開だというのが情報公開条例の趣旨だと思うのです。ですから、情報公開条例に基づいて公開をしてもらうというレベルが必ずしも低いものではないと思います。すべての情報について個人情報等を除いて議会に、議員に提供してもらうと、そういう趣旨だと思います。

○藤井議員
 もう一つ。議会事務局の職員の立場については規定されていないですね。当然ということなのでしょうけれども、議長のもとにあるという。ただ、実際に人事権を議長が握っているかどうかというのは非常にあいまいなのです。この辺は規定する必要はなかったと思われるのでしょうか。

○稲田議員
 その部分につきましては、少し議論はいたしました。別件ですが議論いたしました。それは建物の管理、例えば議会棟の管理でありますとか、そういった問題も現在は知事の管理になっておるわけでありまして、これを何とか議長の手に取り戻すという――かつてそうだったというわけではないのですが、議長の手に持ってくるというのが本来の趣旨であろう。これは地方自治法上そうなっておりますので、これを覆すというわけにはいかないわけであります。要するに地方自治法のもとに条例というものがあるわけでして、下位とまでは言いませんが、地方自治法の下に条例があるわけですから、その条例を解釈をすれば結局は管理権、それは人事もひっくるめた大きな意味での管理権という点において、やはり知事というものの力というものがそこに出てまいるわけであります。したがいまして、これは後の問題ですけれども、やはり地方自治法改正という問題に大きく踏み込んでいく必要があるだろうというように思います。あえてここで私の本音を言わせてもらえば、今藤井議員から本当に大核心の質問を受けておるわけでして、議会基本条例が果たして有効なのかどうなのか、議会基本条例を定める本当の意味は一体何なのだということを考えていくと、最終的には意味がないというところにまで到達をしかねない。これは法哲学上の問題であります。したがいまして、地方自治法の解釈で十分だということであったからこそ昭和23年、24年にこの地方自治法が制定されて、各自治体で基本条例のようなものをつくれとは時の政府がそこまでの法制度を考えていなかったということもまた事実であります。したがいまして、人事の問題につきましては、極力議長に本当は人事権を得たい。そして管理権も得たいというのはやまやまなのですけれども、そこは知事との十分な調整、話し合いのもとに妥協点を見出していくというのが一番穏当な考え方だろうというように思っております。

○福間議員
 まず最初に、大変な御苦労をされたと推進会議の皆さんに心から敬意を表したいと思っています。
 基本的に私はこれで行くべきだという思いを持っていますが、私の勉強不足もあると思いますけれども、あるいは失礼なことを申し上げる部分があるかもしれませんが、補強するという立場で何点かちょっと受けとめてもらえないでしょうか。あるいは、これはもう話にならないということならそれはそれでやむを得ませんが、今お聞きした中で疑問について何点かお尋ねしたいのです。
 1つは、この基本条例はだれを拘束するのですかという、だれに向けての文だというのがあるのです。議員を拘束するのか、知事も拘束するのかというのが何となくぼやっとしていないかという気がするのです。私の解釈不足であればそのことは言っていただければいいと思います。
 もう一つは、先ほど稲田議員のお話の中にあったですけれども、いわゆる憲法があって、地方自治法があって、そのもとでのそれぞれの条例ということになってくると、例えば藤井議員のお話とも関連しますけれども、これは地方自治法の具現化、補強というスタンスで行くのか、明確に条例としてうたうのならそのことも若干入れておいたほうがよくはないのかみたいな、それは言わなくてもいいのだろうかという気がするのです。説明を聞くと、ああ、そうかと。時には地方自治法が出てきてみたり、時には地方自治法はだめだ、昔の話だみたいな話になってくるでしょう。実際に条例を見てということにはなってこないと。それなら、県民がこれを見て時には地方自治法を引っ張り出してくるのかみたいな話になりはしないのかという気がしないでもない。
 具体的なことで第5条の2項です。知事と議会は車の両輪、逆に言うと議会は知事のチェック機能の役割を果たす。条例は、議会がきちんと拘束をかけることができるということ。その内容に関し知事の意見を聴取するよう努めるものとするというのが必要だろうかと。逆に言うとこれは県民ではないのか。県民の意見を聴取する努力をしなければいけないということのほうが必要ではないだろうか。条例を制定しようとするときに議員相互で十分に討議せよと。その内容に関して知事等の意見を聴取するとなっている。それも必要かもしれないが、なぜかというと、後段のほうで陳情や請願については非常に誠実に処理せよというぐあいに県民参画の機会確保なんかをうたい込んでありながら、私は条例という部分は法律の次の拘束力を持つ法律だと思う。そうすると、条例を制定しようとするときに、知事の意見を否定はしませんけれども、本当は可能な限り県民の声をしっかり聞くという項目をここにつけ加えるのか。何で知事の意見を聞かなければいけないとうたい込まなければいけないのかというのが何となく私はよくわからない。勉強不足なら教えてください。
 3ページの15条です。条例をつくって、公開性だ、いろいろなことを言いながら、「原則として公開」というこの「原則」というのが必要なのかどうなのか。本会議や委員会を非公開にしなければいけないということがやはりあるのかなと。条例にそのことをうたわなければいけないのかなというのが一つは疑問として出てくる。
 第6章は、さっき藤井議員からお話もありましたけれども、ここで本当は金のことまでひっくるめて権限がどうか知りませんが、議長の権限というのが非常に必要なような気がするのです。それは施設管理から人事管理から、当然財政的なことも本当は議会の中でできないのかという気がするのです。年間総予算のうち例えば5%は議会費に充当せよと条例で決めてしまって、それの管理は議長がやりますよというのはできるのかできないのかというのがあるものですから、いやいや自治法の関係でできないということになるかもしれないが、そうしておいて議会事務局の機能の強化と言ってみたって、正直言うとなかなか難しいのではないかですかという思いがする。
 最後ですけれども、他の条例等との関係。先ほどの御説明の中では議会の基本事項を定める条例だということですから、逆に言うと最優先の条例だという思いがあるというぐあいにおっしゃって、私もそうだろうと思うのですが、そうするとそのことをきちんと今まである条例、あらゆるものを超越して、この条例がまず最優先される権限を持つ条例だという決めつけというのはしてはいけないのかという気がするのです。それに伴って、今ある効力のある条例がこれを最優先の条例としてもし仮に確定ができるとするなら、それに伴っての条例の見直しを同時にやはりしなければいけないのかなという気が一つはします。
 最後ですけれども、20条、見直しの手続の具体化をうたい込んでおく必要がありはしないだろうかと。例えば社会情勢の変化とか条例の施行状況等について議会で努力しなければいけませんが、しかし、議会は残念ながら会派構成そのほかあって、例えば少数の議員が、こんなことがあるからここは見直ししようということを問題提起したとしても、議会総体で受け入れることになっていくのか。逆に、少数であろうと何であろうと必要な県民要望を踏まえて議会の改革を、例えば議員の何分の1からの要望があれば見直しをしなければならないとかというような具体的なことをうたい込んでおく必要がありはしないだろうかというぐあいに感じたものですから、以上、ちょっと長くなりましたけれども、繰り返しますが、今日までの御苦労極めて多としながら何点か申し上げました。

◎伊藤美議長
 福間議員に申しますけれども、きょうの全協は皆様方の意見を聴取しながら答えられるものは答えますと。答えにくいものはまた議会改革推進会議を開くと、そういう手順にしておりますので、全体的には稲田議員が説明して、そしてそのほかを各議員が補完するようにさせてもらいます。

○稲田議員
 まず1点目が、いわゆる基本条例の拘束者はだれなのか、だれを対象としてこの条例を定めておるのかということですが、通常の場合には、例えば刑法の場合ですと犯罪者がいわゆる拘束力の対象になります。内閣法は内閣を拘束するものであります。これは議会基本条例ですので、議会そのものを拘束するということ。したがって、基本条例という名称にしておるわけでありますから、拘束の対象者は議会であることは間違いありません。
 しかし、それに付随しまして、例えば先ほど質問が出ておりましたように、情報公開の問題につきましては多少知事とのかかわりが出てまいりますので、知事の拘束力も出てくるかもわかりません。それはざっくばらんにありていに申し上げますと、執行部のほうからの注文もついておりますので、これは話をいたします。
 2点目は、憲法と自治法と条例とあるわけですが、この条例の個別化、条例の優先性ということだろうと思います。これはさまざまな学説がありまして、法律と条例とは対等である、あるいは条例のほうが、現在地方分権推進一括法が平成12年に制定されてからはわけてその学説が台頭してきておるわけですが、法律よりも優先するのではないかとまで言われておる、そういうところを言う学者もおるのはおります。しかしながら、憲法にも地方自治法にも一応法律の範囲内で、法律という限定句がついておりますので、現在のところの通説判例は地方自治法に条例は劣後するという話になっております。したがって、地方自治法の範囲を超えるということは、これからの試みとしては大いにあるべきだろうと思って、福間議員がおっしゃいますような心意気は大いに多としたいと思っております。
 知事の意見ではなくて県民の意見をということがあるわけですが、県民の意見を聴取いたしますのは我々議員はまさに県民の負託を受けて議員となっておりますので、意見の調整ということの当事者は県民と議員であります。しかし、議会基本条例そのものにつきましては、政策の決定ということもまた同時に念頭に置く必要があるわけでして、そういう意味において議員と知事とのいわゆる政策に対する意見調整ということはあり得る、そういう意味でこの文言を入れたということであります。
 もう1点は、4点目は秘密会のことだろうと思います。秘密会というのは、法律にもございますし、その他の規則にも秘密会というのはあります。当然これはマスコミあるいは傍聴を排除して極秘で話を行わなければならないという状況は、現在のところ鳥取県議会の歴史の中であったかどうか、私もそこまでは十分に調査をしておりませんけれども、全体の法の流れとしては秘密会という存在は認められてしかるべきものだろうと思っております。
 議長がどこまでの管理をするのだということの話であります。これは今後の地方自治法に対する我々議員の改正の働きかけに一にかかっていることだろうと思います。したがいまして、例えば議長の任命権は規則に載っているのかな。本来から言うとそうなのですが、地方自治法上はそれについては詳しく説明しておりません。でも地方自治法は全体の人事にしても建物の管理、工作物の管理にしてもやはり知事の管理ということになっておるわけですが、人員というものは知事が掌握をしておるわけですから、その点では本当の意味での二元代表制にはなっていないというのが私の持論なのですが、任命権は相談をして決めて、こういう人間を配置しようということになって、最終的に議会については議長に任命権があるということ、先ほどちょっとその説明を落としましたので、多分そのことをおっしゃっているのではないかと思います。最終の任命権者は議長だということではあります。
 もう1点、この条例の最高法規性ということでありますけれども、これもよく論じられることでありまして、まさに司法試験にも出てまいりますが、シュプリームという言葉をどういうぐあいに解釈するかということにかかっておるわけでありまして、議会基本条例の最高規範性を余りにもうたい過ぎることになりますと、では法律に優位をするのか、憲法に優位をするのかということになりまして、国法秩序の体系を著しく乱すということになりますので、私の冒頭の説明でも申し上げましたように、穏やかな形で最高の議決機関であるという、こういう表現をしたということであります。
 見直しの、要するにこの条例の改正手続の問題だろうと思いますが、憲法の改正手続は憲法上定める必要があります。しかしながら、その他憲法以下の改正につきましては、法律、条例、政令、省令等々たくさんの法令があるわけですが、その改正につきましてはもちろんその法律の中に、あるいは条例の中に改正手続を定めたものもございます。しかし、条例につきましては、何人の発議でどういう形で改正をするのかということは現実に改正案が持ち上がったときに条例を定めて改正をしていくということになろうかと思います。

○前田議員
 5条ですけれども、副議長が1点は回答されたのですけれども、もう一つ、福間議員からなぜ知事の意見を聞かなければならないのだということがありましたので、補足させてもらいたいと思います。
 御存じのとおり、国は議院内閣制でございまして、議員の中から執行部が出るわけで、内閣は国会と連帯して責任を持つわけですけれども、地方自治というのは立法府と執行部は全く独立していますので、私たちは執行機関ではないわけですから、執行機関である執行部の長の意見を聞いてみる必要があるということでこれを規定したというものです。

○砂場議員
 原則公開のことですけれども、実例をということでしたので、補足をさせていただきますと、地方自治法115条の1項によりまして議長または議員3人以上の発議により秘密会をすることができるとなっておりますが、現実には千葉県議会で収用委員の任命につき本会議で議論していましたときに、過激派からの襲撃があるということを恐れて秘密会にした例がございます。
 もう1点は、確かに情報の公開は大事でありますけれども、今は個人情報の保護も大切でありますから、個人情報の保護のために秘密会を設定した事例もございます。


○福間議員
 その5条の件ですけれども、結局僕はここで恐れるのは、そうすると執行部側に都合の悪い条例というのはつくれないのではないかという気がする。私の短絡的な見方ですけれども。結局、執行部側を拘束しようとする条例を議員発議でやろうとした場合に、意見を聞いて、いや、そんなことを言われてもそれはできませんわと仮に執行部が逃げたときに、何を言っているかと、県民のことを考えれば、執行部が間違っている、正さなければいけない、つくるぞということができるのかという気がするのです。

○前田議員
 もともと立法するときには、私たちは県民の側に立った政策を立てていると思っているのです。ですから、そのベースにのっとって執行する上での問題点を聞いてみたいということですから、都合の悪いやつはできないというようなことではなしに、全然発想が違うと思うのです。ということです。

○稲田議員
 補足をいたしますと、結局福間議員がおっしゃりたいのは、県民の意見をどういうぐあいに反映するのだということは、この基本条例の14条を見ていただきますと、14条にその旨、いわゆる県民との意見交換の場を通じて議会活動に参画して、いわゆるそういう機会を確保する、そういうところで意見聴取をやっていくということになろうかと思います。

○山口議員
 私は、この基本条例をつくられたことは多といたしまして、もともと鉄永議長のときに基本条例をつくろうと。それが綱領になってしまったと。その中でなぜという理由づけをしなければならないということで、それを探し求めたけれども、なかなか今のままではできなかった。こういう形で新しく対応されたと思いますけれども、やはりまず二元代表制であるということが基本であって、議員が果たす役割が何であるかということを明確にすると、あるいはその責任を明確にするという形なのですが、これからの問題として、知事がこれから常設型かどうか知りませんけれども住民投票制をやろうとしておるわけです。そうすると、二元代表制でありながら、また違った対応を求められるということの中で、やはり議員が果たす役割が何であるかと、こういうことをまず県民に対して明確化をしなければならないと。責任は何であるかと。先ほど言われたように、政策の立案であるとか、意思決定であるとか、果たす役割についてきちんと明確化すると、これは結構なことであると思っておりまして、住民投票制が常設化した場合において、将来を展望したような形で対応するということで、若干手直しをしなければなりませんけれども、そういうことからすると基本を守ると。もちろん議員の倫理もありますし、こういうものはやっぱり拘束ということではないけれども、きちんと明確化して対応しなければ県民から批判を受けるということになると思いますし、今そういう制定をしようという動きがありますので、議会はみずからそういうことでいち早く対応したと、こういうことで意義があるのではなかろうかと私は思っておりますので、パブリックコメントでもという形なのですけれども、やはり二元代表制としての議員というものの責任と倫理も含めて対応すると、こういうことで私は見直しを若干含めながらやられたほうがいいと思っております。

○稲田議員
 山口議員のお話は、いわゆる県民参画条例、住民投票条例ですが、これをこの基本条例の中にうたおうかという話は出ました。それについても議論もいたしました。それと執行部も呼びまして、意見聴取もいたしました。ですけれども、これはまだ確定をしておりませんで、多分6月議会か9月議会ぐらいにこの条例案が執行部のほうから提出されるのだろうと思うのですが、そのときに議論して、やっぱりそれをこの中に組み込む必要があるということになれば、改正してそれを組み込んでいくということになるだろうというように思っております。大変重要な御意見だと思っております。
 もう一点、倫理条例につきましては、これは綱領をつくるときから大変もめておりました。ですけれども、今さまざまな問題が取りざたされておる昨今でありますので、この基本条例の中に入れるのか入れないのか、これも議論いたしました。結局はこれは別に単行法として別個条例をもう一本定めようということでこの委員会の一致を見ております。

○山口議員
 住民参画条例をと、こういう話ですけれども、やっぱり議員が先手を打って、議員が果たす役割は何であるかと、こういうことを明確化することが私は必要であると思っておりますので、なるべくパブリックコメントも先手を打ってやっていくということで、それが条例制定の場合において、議会の基本的な立場を明確化する意味においては私は早くやるべきだと、こう思っております。

○錦織議員
 まず、委員の皆さんの真摯な話し合いを積み重ねられたことには本当に敬意を表したいと思います。
 先ほど山口議員も少しお話しされたのですけれども、政治倫理、12条についてお尋ねしたいと思います。私の記憶でも前回基本条例をつくろうとしてできなかったというのは、綱領になったということについては、かなり政治倫理に関してのいろいろ抵抗があったりとか、合意に至らなかったという認識であります。
 しかし、この間、今回の基本条例をつくろうということでかなりその他のことも整理されて深められてきたということは、綱領が間にありましたけれども、それはそれでよかったというふうに私は今では思っています。
 ただ、そのことから考えると、やはり第12条が2項で別に定めるということになってしまって、少し肩透かしを食らったかなという感じがします。というのは、やはり議員の補助金にかかわる不祥事件というか、問題がずっと連続して起こっているわけで、やっぱり県民としては一体議員は何をしているのだと、議員の自浄能力はもう図られないのかという思いというのはかなり継続しているというか、払拭できていないという現状にあるというふうに思います。委員の中で合意形成がなかなか難しいということであるならば、今後別に定めるということを具体的内容についていついつまでにやるとか、そういう担保が欲しいなというふうに思うのですけれども、そういう話は具体的にされたのでしょうか。

◎伊藤(美)議長
 この問題につきましては、非常に重要な問題として認識しております。それで会議の過程では絶えず出てきましたし、今々の課題としても大きな問題でありますし、県民の目線もございます。
 そこで、日程としては6月議会に基本条例を出し、さらに政治倫理の問題につきましての条例につきましては12月議会をめどに制定していこうと、そういう予定を組んでおります。

○錦織議員
 わかりました。

○稲田議員
 それに補足をいたしますと、錦織議員の認識に間違いがあるのは、前回条例にならなくて綱領になった理由は、政治倫理の項目について意見がまとまらなかったから綱領になったのだという認識は訂正をいただきたいと思うのです。そうではなくて、冒頭で私が申し上げましたように、本当にこの議会の議決、個々の議員の議決の問題、この問題がどのように法的な拘束力を持つのか、法的な価値に高められるのかという、ここの問題の結論が得られなかったということが綱領で終わった一番大きな理由だと私は当時から思っております。もちろん政治倫理の話は今議長が言いましたように出るのは出ましたが、そのことが理由でこれが前回綱領になった――もう過去の話なのですけれども、綱領になったというわけではありません。

○森議員
 私もこれについては基本的には賛成の立場におります。これまでの議論に本当に敬意を表したいと思います。
 一つ、9条、1条にもあるのですけれども、「議員の職務」という言葉にちょっとこだわっておりまして、この「職務」という言葉といわゆる公務災害に係る問題については、公務災害の条例で議員の公務災害についての対応は書いてあると思うのですけれども、これまで議員の職務という言葉がはっきりされずに来まして、例えば知事の職務であれば全部公務災害の対象になる、知事の職務の範囲であれば公務災害になると思うのですけれども、例えば「議員の職務」ということでこうやって明らかにされた場合に、これがいわゆる公務になるのかならないのか、またこれが19条の他の条例との関係で、合わないものについてはほかの条例も変える、改廃にあってはこの条例に沿うものにというようなことも書いてありますので、例えば公務災害に関する条例についても、議員の職務がこういったことであればこれは公務災害の関係になるのではないかというように私は考えておりまして、もともと議員の公務というのは議長の名のもとにいろいろなものがなされたときにそれが公務ということになっているというふうに思うのですけれども、ここで知事の職務あるいは議員の職務という形で職務という言葉を使うとそういったことが出てくるのではないのかというような気がして、ちょっとそのあたりの解釈をお願いしたいというふうに思います。

○稲田議員
 森議員の質問に答弁いたしますが、ここで「職務」と掲げましたのは、(1)から(7)まであるわけですけれども、一応概略的に、総括的に一体議員とは何ぞやというところからの発想でこの条文ができ上がっております。そして、しかも列挙しております7項目につきましては制限列挙ではなくて例示列挙であります。だから無限に広がるというわけではないのです。例示列挙を無限に広がらせないために県民全体の奉仕者、県民の代表者云々といういわゆる9条本文の中にその解釈の指針を示しております。
 公務災害とのかかわりですが、これは県のほうに議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例というのがございまして、これについていわゆる公務というものの概念をここで規定をしております。したがいまして、基本条例の9条には当たらないということであります。当たらないという言い方は変ですね。9条は公務という概念ではなくて、これはあくまでも議員としての職務という概念でありまして、災害になりましたときには公務ということが問題になるわけですが、それは別条で定めておる。いわゆるさっき申し上げました議会の議員その他非常勤の公務災害の補償等に関する条例で定めておるということであります。

◎伊藤(美)議長
 意見も尽きたように思います。
 本日は、本当に多様な御意見をありがとうございました。委員だけでの協議だけではなくて、このような場での意見というのは非常にありがたいと思っておりますし、これをもとにまた推進会議で再度検討させていただきまして、パブリックコメントに提示したいと思っております。
 先ほど出ました政治倫理の話も先ほど申したとおりであります。私たちは決して軽視したわけではございませんが、その辺の重さは重々承知しているつもりでございます。その制定日程さえ検討しておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、パブリックコメントの募集など所定の手続を行った上で、6月の定例会での条例制定を目指したいと思っております。よろしくお願いします。ありがとうございました。
 以上で全員協議会を閉会いたします。
午前11時23分 閉会

 

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