議員派遣の状況(平成19年度)

台湾訪問団

1 派遣期間

平成20年1月28日~2月1日

2 主な日程

1月28日(月)
関西国際空港発-桃園国際空港着
1月29日(火)
台北第一卸売市場視察、日本観光協会台北事務所訪問、財団法人交流協会台北事務所表敬訪問、鳥取県産農産物の販売状況の調査、台湾輸入会社との懇談会
1月30日(水)
台中県政府表敬訪問、台中県政府議会表敬訪問、石岡郷公所並びに農会との懇談会
1月31日(木)
台北市内視察、桃園国際空港発-仁川空港着
2月 1日(金)
仁川空港発-米子空港着

3 派遣議員

小谷 茂、野田 修、藤縄喜和、米井 悟、斉木正一、石村祐輔、安田優子、内田博長

4 随行者

鳥取県議会事務局 主幹 上川元張 、 副主幹 山口 博

5 報告

 今回の台湾訪問は、鳥取県産農産物の台湾への輸出拡大を図るため、現地の輸入業者や農業団体などの現場の生の声を聞き取り、農産物輸出の現状と課題を調査すること、また、観光交流の拡大を図るため、台湾人観光客のニーズや動向について調査することを目的に実施した。

 まず、鳥取県農産物の台湾への輸出については、現在、鳥取県では、二十世紀梨をはじめ、あたご、王秋、あんぽ柿、富有柿など果物を中心に輸出しており、特に大玉の梨は、台湾では中秋節や春節の贈答品として高く売れる。昨年11月からは、コシヒカリの輸出も始まったところである。

 台北第一卸売市場や太平洋そごう等の有名百貨店では、鳥取県産のあたご梨は韓国産梨の5倍近い値段で販売されていたし、王秋や西条柿なども高値で取り扱われていた。今後は、梨の栽培面積が減少する中、いかにして出荷量を確保するか、とりわけ台湾で重宝される大玉の出荷量をいかに確保するか、生産対策が課題である。

 また、台湾には韓国等の外国や日本の各地から多くの農産物が既に輸出されており、今後、輸出をめぐる産地間の競争が激しくなると予想される。梨に続く農産物の輸出を模索する上で、台湾の消費者のニーズを十分に把握し、台湾にないもの、他と差別化できるものを求めることが必要である。その際、現在のように国内消費の余剰分を輸出に振り向けるという考えでは難しいと考えられる。事前にマーケットを調査し、人員の派遣も含め、市場開拓のための集中投資を行うくらいの意気込みが必要であろうと感じた。

 一方、台中県へは石岡郷を中心に、本県から赤梨の穂木を輸出しているが、石岡郷農会等との意見交換の中で、現地の梨農家の間で鳥取の穂木に対するニーズが非常に高いこと、約束した輸入量が確保できず農会が対応に苦慮していることがわかった。栽培面積の減少や当局の輸入規制など穂木の出荷量の確保には難しい問題もあるが、関係機関で十分に話し合い、解決に当たる必要がある。

 次に、観光交流については、日本観光協会台湾事務所で現状と課題について聞き取り調査を行った。台湾人は海外旅行好き(人口比で日本人の約2.7倍)で、旅行先も、ここ数年、日本が伸びていることから、台湾人観光客の誘客のポテンシャルは高いと考えられる。台湾人観光客は、雪、日本食、温泉文化、紅葉等四季折々の美しさなど台湾にないものを日本に求めるといわれている。また日本のアニメ、特にコナンは台湾の子供や若者に大変な人気である。大山、温泉、日本海の幸などとうまく組み合わせてアピールすれば、台湾人観光客にとって鳥取県は魅力的な観光先と評価される可能性が十分にあると思われる。

 その際、鳥取県単独での取組ではなく、例えば台湾との定期便が就航する広島空港等と結んで面的な広がりを持つ観光ルートをつくったり、島根県など近隣県と連携したプログラムチャーター便の運行を目指すことは非常に有効と思われる。とりわけ、台湾国内では、台湾新幹線の開業による国内航空路線の廃止・縮小により機材に余剰が生じており、こうした追い風を活かして、民間のエージェントやNPO法人等とも連携しつつ、チャーター便の誘致を行っていくことが大切である。

 最後に、今回、議会団として初めての単独の訪台であったが、台中県政府、台中県議会、石岡郷公所、石岡郷代表会等と親密な交流を図ることができ、互いに理解し合う絶好の機会となったことは、台湾訪問の大きな成果であった。これを機に両県の間で農業や観光の面はもとより、文化芸術、青少年等の更なる交流が深まることを期待したい。県議会としても様々な交流活動を支援したい。

 今回の訪問を通じて、日本と台湾とは歴史的にも関係が深く、地理的にも近い上に、親日派が多く、日本文化に対する理解も深いことを改めて実感することができた。国と国との間に国交はないが、今回の訪問で培った地域と地域とのつながり、人と人とのつながりを大切にしたい。今回の訪問を、今後の議会活動に活かしていきたい。

 

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