コラム

タブレット端末の家庭への持ち帰りについて

  GIGAスクール構想により1人1台端末が整備されてから3年が経過し、県内の各学校におけるタブレット活用は着実に進んできましたが、家庭学習で利用するために日常的にタブレットを家に持ち帰っている小中義務教育学校はまだ少なく、頻度も市町村や学校によってかなり差が出てきている状況です。

【令和4年8月 文部科学省 端末の利活用状況調査結果より】
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  先日の文部科学省の方の講演会資料によると、TVやゲームをする時間が1日に2時間だった場合、その年間の時間数は、学校で国語、社会、算数(数学)、理科、英語(外国語)の授業時間数を上回ってしまうというショッキングなデータも示されました。

  日常的に家庭へタブレットを持ち帰ることにより、そのTVやゲームに使っている時間の一部でも、子どもたちの興味関心がある学習動画や映像をみる時間にあてることができればと思います。

【令和6年1月  リーディングDX講演会  文部科学省講演資料より】
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  本県では現在、策定中の「鳥取県学校教育DX推進計画」の中で、これまでの一斉授業から「自ら学び取る授業」への転換を目指して、児童生徒の情報活用能力の育成を図ることとしており、ICT端末を活用して、日常的に自宅等で学習を行うことは、家庭学習の質を高めるだけでなく、自立した学習者を育成する上でも有効だと考えています。

  また、持ち帰りをするためには、家庭でのタブレット活用のルールを決めて、子どもたちの健康面への配慮をすることも必要になります。今後も文房具としてのタブレット活用がより一層進むよう、その目的や家庭学習の事例等の情報発信に取り組んでいきます。

【文部科学省「端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮等に関する啓発リーフレット」より】
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<参考リンク>

端末の利活用状況等の調査結果を踏まえた対応について(令和5年3月30日文部科学省通知) 

https://www.mext.go.jp/content/20220424-mext_jogai02-000003278_001.pdf

 

端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮等に関する啓発リーフレット(文部科学省)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00001.html

なぜ「ICT」を活用するのか?

前回、「これからの教育はデジタルを積極的に活用しながら、学習者である子どもたちが主役となる学びへと質的転換を図り」ながら「教育DX」を目指し、まずは第1段階から!というお話をしました。

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 今回は、そもそも「なぜ、「ICT」を活用するのか?」ということについて、少し前の話ですが、「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)」(令和3年1月26日 中央教育審議会)を取り上げてお話しします。

 

まず、答申では子どもたちが生きていく社会を次のように示されています。

・社会の在り方が劇的に変わる「Society5.0時代」の到来

・新型コロナウイルスの感染拡大など先行き不透明な「予測困難な時代」              

そして、このような時代を生きていく子どもたちには、

一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な 人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな 人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが必要

であり、そのためには、答申のタイトルにも示されていますが、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」しなければならないとあります。

 

では、そのような学びを実現するために、「ICT」をどう活用すべきでしょうか?

これも答申の中に基本的な考え方がありますので、一部抜粋します。(太字:筆者編集)

◇「令和の日本型学校教育」を構築し、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びを実現するためには、ICTは必要不可欠

これまでの実践とICTとを最適に組み合わせることで、様々な課題を解決し、教育の質の向上につなげていくことが必要

 

予測困難な時代を生きていく子どもたちに必要な学びには、次のような場面や活動が考えられます。このような場面や活動には、ICTはあってもなくても良いものではなく、必要不可欠なものとなっています。そして、その学びを構築していくために、教員は0(ゼロ)から授業を作るのではなく、これまでの実践とICTを最適に組み合わせた新しい授業を作っていく必要があります。

・情報や意見を共有・協働しながら価値を創造・発信する                                  

・自分のペースで自分に合った方法で学ぶ

・オンライン会議等、多くの人との対話

ICTを効果的に活用し、全ての子どもたちの可能性を引き出す、そんな授業を鳥取県は目指しています!

 

(教職員のみなさま)以下の動画もぜひご参照ください。

直山視学官からのメッセージ~これからICTを使おうと思っている皆さんへ~

(チラシ)1人1台端末で 学校が変わる!(文部科学省)

教育DXとは

 今年度から鳥取県教育センター内に「教育DX推進課」が新設されています。今回は、課名となっている「教育DX(ディーエックス)」についてお話したいと思います。
 DXとは、Digtal Transformation(デジタルトランスフォーメション)を省略したものです。ここで、「Transformation」だったら「T(ティー)」で「DT」じゃないの?と思われるかもしれません。これは、英語圏では「trans-」といった接頭語の略語に「X(エックス)」を使う習慣があるため「DX」となっているようです。
 さて、「DX」には、3つの段階があります。
第1段階
 【第1段階】
  これまでのアナログデータをデジタルデータに変換する、電子化(デジタル化)の段階を指します。2019年からスタートしたGIGAスクール構想で一人一台端末が整備され、学校においては、紙で配っていたプリント等をデジタル化することや、様々なツールやアプリを活用してデジタルで情報のやりとりを行うなど、デジタル化によって学習や校務の効率化が進んでいます。
第2段階
 【第2段階】
  デジタライゼーションは、第1段階でデジタル化したデータをフル活用して、学習や校務(業務)プロセスの効率化や最適化を進める段階です。学校では、一人一台端末を文房具のように使い、デジタル化を大前提としながら学習者主体の教育への転換を図ります。現在は、第1段階からこの第2段階への移行期に当たると考えています。
第3段階
 【第3段階】
  Digtal TransformationのTransには「超える」という意味が含まれていて、新たなものに姿を変える、デジタルによって、学校や学習モデルの構造等が質的に変革する段階と言われています。

  現代社会のあらゆる場所で、ICTの活用は日常的なものとなっています。特に先行きが不透明で将来の予測が困難な時代を生き抜く子どもたちには、これまでの学校で当たり前に紙と鉛筆を使っていたように、情報技術を当たり前に使いこなしていかなければなりません。アナログかデジタルかの二項対立ではなく、これからの教育はデジタルを積極的に活用しながら、学習者である子どもたちが主役となる学びへと質的転換を図りつつ、その先には、時代に適合した新たな価値が創出される「教育DX」を目指す必要があります。まずは、第1段階から次のステップへ!
蝶

  

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