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平成24年6月27日午前11時
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「しぜんの宝箱」自然保護監視員だより

    清らかな水、深い緑、露に輝く花々…。鳥取県日野郡の自然はまるで宝箱のようです。
 ここには、大山隠岐国立公園、比婆道後帝釈国定公園、奥日野県立自然公園、神戸上県自然環境保全地域があり、とても自然豊かな地域です。また、サクラソウやブッポウソウ等、希少な動植物も多く生息しています。
 自然保護監視員の藤原文子が、活動を通して魅力いっぱいの日野郡の自然を楽しく紹介していきます!
  

2018年6月20日

クリの花が咲いています

 白っぽい長い尾状花序がたくさんぶら下がっています。昆虫を呼び寄せているのでしょうか、特有の臭いが周囲に広がっていました。クリの属するブナ科の植物の多くは花が地味な風媒花(風により受粉する花)が多いのですが、クリやシイは花が目立ち、虫を呼び寄せる虫媒花(虫により受粉する花)のようです。
 ツキノワグマが一番好きなのは、クリの花の蜂蜜だと言われています。 

kurikajo

白い花がたくさん咲いていますが、花序(かじょ:花のついた枝全体および花のつき方を合わせたもの)につく花はほとんどが雄花です。基部に雌花が数個つきます。下の写真中央には雌花が見えます。

kurimebana

 

kuriobanamebana
雄花が段々と落ちていき、やがて雌花だけが残ります。

kurisouhou 
成長を始めたばかりの様子です。雌花は殻斗(かくと:椀状の総苞)の中に3個入っています。花柱(かちゅう:雌しべを構成する部分で、柱頭と子房をつなぐ部分)は長さ3mmくらいの針状で、9~10個あり、殻斗の外に飛び出ています。

kurikajitu
クリの実はその年の秋に熟します。殻斗は球形で、外側に長さ1cmくらいのイガが密生します。

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 成熟すると、殻斗は4つに割れます。中にはふつう2~3個のクリの実が入っています。

 クリの実は、古代から重要な食糧として利用されていたようです。青森県山内丸山遺跡(4,000~5,000年前)では大規模なクリ栽培の跡が見つかっています。
 材はタンニンを含むことから耐久性があり、昔は家の土台材や線路の枕木、彫刻用材、漆器木地などに利用されたそうです。
 葉や樹皮、イガはタンニンを含み、消炎作用があり、あせも、かぶれ等の薬に利用されるようです。

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 クリの葉は天蚕(ヤママユ)の飼養に使い、天蚕はクヌギやコナラの葉も食べるそうです。写真左は天蚕の繭で、高級シルクの原料になります。写真右は、ヤママユの成虫です。

日野振興センター 2018/06/20

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