平成29年度議事録

平成29年6月30日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(35名)
議員 市谷 知子  
銀杏 泰利  坂野 経三郎
島谷 龍司  中島 規夫
浜崎 晋一  濵辺 義孝
福浜 隆宏      藤縄 喜和
前田 八壽彦 山口 享
稲田 寿久  内田 隆嗣
斉木 正一  澤 紀男
錦織 陽子  野坂 道明
浜田 妙子  松田   正
森 雅幹   興治 英夫
川部 洋   長谷川 稔
浜田 一哉  安田 優子
広谷 直樹  西川 憲雄
福田 俊史  伊藤 保
藤井 一博  横山 隆義
上村 忠史  福間 裕隆
内田 博長
欠席者
(1名)
木村 和久
 
説明のため出席した者
 防衛省中国四国防衛局 宮川企画部長 企画部地方協力確保室 坂梨室長外
 航空自衛隊美保基地 北村司令 管理部渉外室 須田室長外
 平井知事 林副知事 野川統括監 井上総務部長 高橋地域振興部長外
職務のため出席した事務局職員  細羽事務局長 中山次長 竹内調査課長

開  会     午前11時1分
休  憩     午前11時59分
再  開     午後0時8分
閉  会     午後0時30分
会議録署名議員  浜田(妙)議員 上村議員
司  会     稲田議長
協議事項     別紙協議事項のとおり

会議の概要

午前11時01分 開会

◎稲田議長
 それでは、ただいまから全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に、浜田妙子議員、上村忠史議員を指名いたします。
 本日の議員全員協議会の議題は、C-2輸送機滑走路逸脱事案の原因及び再発防止策等について及び航空自衛隊美保基地のC-2輸送機の安全確保についてであります。
 本年6月9日に、美保基地所属C-2輸送機が模擬離陸を行うために滑走路に進入する際、滑走路を逸脱する事態が発生いたしました。この事態への対応に当たり、知事より議会への説明及び意見を聞くために全員協議会開催の依頼がありました。本日は、県議会としてこれらの議題について理解を深めるため、知事との意見交換会に先立ち、まず航空自衛隊美保基地よりこの事態の原因及び再発防止策等について説明を受けたいと思います。
 航空自衛隊美保基地より北村靖二司令、また中国四国防衛局より宮川均企画部長を初め、関係者の方々にはお忙しいところをおいでいただきました。本当にありがとうございます。
 なお、本日の予定ですが、この後、航空自衛隊美保基地の説明と質疑、その後に知事にこの事態に対する対応状況等の説明を求めることとしております。
 それでは、航空自衛隊美保基地から説明を受けますが、質問に際しては、先日の幹事長会議で取り決めたルールにより行っていただきます。
 まず、北村靖二司令より、概要説明をお願いいたします。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 航空自衛隊美保基地司令の北村であります。本日は大変お忙しいところ、議員全員協議会を開催していただきまして、我々美保基地で発生いたしましたC-2輸送機の滑走路逸脱に対します御説明をさせていただく機会を与えていただきましたこと、大変うれしく思います。ありがとうございます。
 本日は、美保基地より私以下、運用試験班長の横田、須田渉外室長、田村基地対策専門官、また中国四国防衛局より宮川企画部長、坂梨地方協力確保室長、北崎美保出張所所長、以上の者が参加させていただいております。
 説明に入ります前に、まずは今月9日金曜日早朝に発生させてしまいましたC-2輸送機滑走路逸脱に際しましては、基地周辺地域の住民の方々を初め、県民の皆様方に大変な御心配、そして御不安を抱かせてしまったこと、並びに美保基地を共用飛行場として利用しております民間航空機の運航に影響を与えてしまったことに対しまして、深くおわびを申し上げます。申しわけありませんでした。
 今回、速やかに事故原因の究明を開始することができ、事故の原因を特定することができました。この後御説明させていただきますが、特定された原因に基づきます再発防止策、こちらの徹底を図り、しっかりと安全を確保し、引き続き県民の方々から信頼を得ながら、地域に貢献し、そして地域との共存共栄を果たしてまいりたいと考えております。どうか御理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
 それでは、細部の説明につきましては、基地渉外室長の須田のほうから説明させていただきます。

●須田航空自衛隊美保基地監理部渉外室長
 では、基地渉外室長の須田から、本件につきまして説明をさしあげます。資料がございますので、着席して御説明させていただきます。失礼します。
 資料、A4横の資料でございます。C-2輸送機滑走路逸脱事案の原因及び再発防止策等についてであります。
 まず初めに、こちら、逸脱の事案と記載しておりますけれども、航空自衛隊では航空自衛隊安全規則という規則がございまして、航空機の損壊の程度、人員の負傷の程度により、大事故、中事故というように事故のランクづけがされております。本件につきましては、航空機の損壊の程度や人員の負傷がなかったことから、事案と記載しております。こちらにつきましては、公文書となりますので事案と記載しておりますが、航空自衛隊美保基地としましては、本件につきまして、重大な事故と同程度の扱いで取り扱っておりますので、こちらについては御理解いただきたいと考えております。
 では、2枚目、事案の概要から説明してまいります。
 2ページ目、発生日時については、平成29年6月9日金曜日の午前6時42分であります。発生場所、美保基地内でございます。発生の事象、第3輸送航空隊所属のC-2輸送機が、運用試験での緊急発進手順による模擬離陸までの一連の操作確認のため、管制指示に基づき、滑走路手前の誘導路で停止後、誘導路から滑走路に進入しようとしたところ、操縦者のステアリング操作及びブレーキ操作を機体が受け付けず、同機はそのまま滑走路を南側に横断、逸脱し停止したものであります。
 下に注釈がございますが、運用試験につきましては、新たに開発または取得した装備品等を運用し、運用、後方支援、教育等に係る基礎的データを求めるために行う調査、試験ということで、岐阜基地で行われておりました技術実用試験については航空機の性能や運用性能を満たしているかというような航空機としての基礎的な性能を確認する試験でございますけれども、こちらは運用試験ということで、実際に航空機を運用する部隊において、使用法であるとか、マニュアルが適正であるとか、そういった内容を確認するための試験を実施しているところでございます。
 また、その後の緊急発進手順とありますが、こちらについては、災害派遣、有事等緊急を要する任務を実施する際に、短時間で離陸する際に用いる手順であります。
 また、その後、模擬離陸とありますけれども、こちらにつきましては、離陸することなく滑走路に進入し、離陸に至るスピードまで加速し、減速をし、そのまま離陸しない手順でございます。
 また、赤字で操縦者のステアリング操作とありますが、ステアリングについては、自動車でいうハンドルであります。航空機につきましては、おおむねコックピットの下にあります前輪の角度を変えることによって地上走向の際の向きを変えることをしますけれども、飛行機につきましてもコックピット内にあります小さなハンドルのようなものがございます。こちらを使って前輪の角度を変えて地上走向いたします。
 また、ブレーキ操作。航空機のブレーキにつきましても、自動車と同様に、足元に垂直尾翼の舵面を動かすためのラダーというペダルがございますが、そちらの爪先の部分を踏むことによって地上でのブレーキをきかすことができます。こちらの操作を記載しております。
 3ページ目、お願いいたします。民航機への影響です。当日、約3時間滑走路を閉鎖することとなり、民間機3便の欠航、2便の運航遅延を生じさせることとなってしまいました。
 また、これを受けての調査の実施ですけれども、当日6月9日から16日までの間、第3輸送航空隊副司令を長として調査を実施しております。
 なお、本件発生以降、基地のC-2は飛行を自粛しております。また、冒頭でも説明いたしましたけれども、機体の損傷、乗組員の負傷、滑走路施設の破損等はございませんでした。
 続いて、4ページ目です。当日の航空機の移動経路でございます。右下、航空機4番スポットというところに航空機は駐機しておりました。左側に慣性基準装置(IRS)に位置情報入力とありますが、こちらが今後の本件の原因の一番核となるところでございます。4番スポットの地点で航空機の慣性基準装置に、北緯何度、東経何度という数値を入力しまして、自分の航空機が基準点としてどこを出発したかを確定させる操作がこちらの慣性基準装置に位置情報入力というところでございます。その後、管制機関の指示により、地上走向を開始しまして、管制指示による一旦停止(1)というところで、前方の誘導路を使用する航空機があったため、管制の指示により一度ここで機体を停止させております。ここで停止させたときに、右上の、停止(1)の最中に慣性基準装置(IRS)の準備完了操作とございますが、後ほど説明してまいりますが、本来4番スポット出発地点で行うべき操作を、B5番の位置で実施しております。その後、管制の指示により、主誘導路を走向いたしまして、90度右に曲がり、A2の誘導路上で、こちらも前方の滑走路を使用する航空機があったため、管制指示による一旦停止をしております。滑走路を使用する航空機がクリアになったために、管制指示により滑走路に進入の許可をもらい、滑走路に進入を開始しております。こちらの赤矢印のところですけれども、滑走路に進入を開始したところ、前のページで説明さしあげましたステアリング、ブレーキがきかない状態で滑走路を逸脱しております。
 なお、本事案に際して滑走路逸脱の際にブレーキがきかない状態でしたので、操縦者はスラストリバーサー、逆噴射装置を働かせたのですけれども、こちらについてはきき出すまでに時間がかかりますので、きくいとまがなかった。そのためにエンジンを停止させて、惰性で草地の中に進入して、低速であったためにとまったということでございます。
 続いて、5ページに入ります。操縦者の誤操作、こちらが主因と考えております。
 慣性基準装置、IRSですが、こちらは、機体の位置や速度などを計測し、航空機システムに信号を送る装置であります。三次元の加速度を検出し、位置、速度などを計測しており、正確な情報を計測するためには、安定した、動かさない状態での作動準備完了が必要とされています。先ほど言いました4番スポットと言われる位置で、とまった状態で作動準備の完了までさせなければいけません。
 3項目め、作動準備完了まで数分を要し、航空機の移動を待つ必要があります。こちらは、自己位置を確定して、コンピューターがウオーミングアップするような時間が必要だという意味でございます。通常、自動で作動準備が完了するように設定されているものであります。
 下の赤い四角の中ですけれども、今回につきましては、緊急発進手順を検証する訓練であったため、短時間での離陸が必要とのことで、短時間で作動準備が完了する手動モードで作動準備を開始しておりました。上の四角の最後の4項目め、通常自動で完了するとございますが、通常は自動で作動準備が完了して、作動準備から完了に自動的に移行するのですけれども、今回は緊急発進の手順の検証ということで、手動モードで使用していたために、パイロットが手で完了というボタンを押さなければいけないのですけれども、この完了させる操作が抜けていて、それをする前に地上走向を開始してしまったという状況です。
 6ページ目、お願いします。では、操縦者のステアリング操作、ブレーキ操作を機体が受け付けなかった原因ですけれども、先ほど申しました慣性基準装置、IRSの完了操作をしていなかったことが原因です。正しい操作としましては、再三説明しておりますように、機体を動かさず、本件の場合であれば、4番スポットの位置で機体が地上走向を開始する前に完了操作する必要がありました。本事案の手順の下向き矢印の下ですけれども、慣性基準装置、IRSの初期位置に誤差が生じ、本来存在しないはずの加速度情報を検出しております。つまり、ゼロ地点で速度がゼロ、加速度ゼロの状態で完了しなければいけないところを、位置をずらして完了操作をしてしまったがために、ベースとなるゼロの加速度が、プラスの加速度を生じた状態がもとの計算値となっております。ですので、4ページの地図で、Bの5からAの2まで誘導路を走向しておりますけれども、民間機が誘導路を走向するようなゆっくりとしたスピードで、一定の速度で走向しているのですが、機体のコンピューターは10、11、12、13というように一定の速度にもかかわらず、速度がどんどん加速しているという信号をこのIRSが発生させております。
 7ページをお願いします。今私が説明しました誘導路を走行中、それからその先のAの2番で停止中についても、下のグラフのイメージです。実際の速度に対してコンピューターはどんどん加速した信号を発生させております。右下の赤枠の中なのですけれども、操縦者が気づかないところで航空機は高速移動を認識した状態となってしまいました。
 続いて、8ページ目、お願いします。では、この信号がどのように影響を及ぼしてステアリングがきかない、ブレーキがきかないという状況を生起させたかということですけれども、機体が高速移動をしているものと認識すると、赤矢印の下です。機体損傷や事故を防ぐ保護機能というものが作動します。(1)ですけれども、高速時における急激な進行方向を変える操作を回避する機能とございます。機体の速度が遅い場合、特に駐機場で航空機が90度曲がるときや、誘導路等をゆっくり走る際には、前輪の動く角度が約80度というように広い角度動くようになっておりますが、機体が高速で移動しているときに大きな角度で車輪が動いてしまいますと、急激なスピンであるとか、状況によっては機体がひっくり返るというような事故を発生させてしまいますので、速度が出れば出るほど前輪の角度を制限する機能がついております。今回の事象ですと、A2の場所から移動を開始するときには、実際に走っている速度は非常にゆっくりとした、民間機が滑走路に進入するようなゆっくりとした速度だったのですが、機体の慣性基準装置、IRSについては、離陸滑走を始めるような速い速度と認識しておりました。そのためにステアリングの前輪の角度が約3度に制限されていたということで、パイロットは一生懸命ハンドルを切っているのですけれども、コンピューターが、速い速度でこんなにハンドルを切って車輪の角度が出ると危ないよということで制限している状況となっていました。
 続いて、では、ブレーキがきかなかった理由ですけれども、(2)番、着陸接地時におけるタイヤパンク防止のためにブレーキの圧力を抜く機能とあります。こちらのアンチ・スキッド機能、よく自動車についているABS、アンチ・スキッドと同じようなものと考えていただければと思います。飛行機が着陸進入する際は、時速200キロから250キロ程度の速度で進入してまいります。この際にブレーキの系統のふぐあい等でブレーキが固定された状態、もしくはパイロットが誤ってブレーキを踏んだ状態で着陸してしまいますと、着陸した瞬間にブレーキがロックして一瞬にしてタイヤがバーストという破裂的なパンクを起こす事故が発生してしまいます。これを防止するために、たとえパイロットがブレーキを踏んだ状態で着陸しても、そのブレーキ操作を無効にするために圧力を抜いてしまう機能がございます。今回の状況では、そのパイロットがブレーキを幾ら踏んでも機体を保護するためにブレーキの圧力を抜く機能が作動してしまっている状態。そのために、パイロットは一生懸命ブレーキを踏んでいるのですけれども、慣性基準装置、IRSの信号を受けたブレーキのコントロールがブレーキの圧力を抜いているという状況に陥っておりました。
 続いて、9ページでございます。では、その原因となりました慣性基準装置、IRSを作動準備完了させないまま地上走向を開始した原因ですけれども、操縦指令書、取り扱い説明書のようなものですけれども、こちらに慣性基準装置、IRSの作動準備完了前に機体を動かしてはならないという記述はございました。ところが、慣性基準装置、IRSの操作手順、チェックリストには、作動準備完了を確認せよという記述がございませんでした。操縦指令書、取り扱い説明書につきましては、A4の大きなファイルで何冊にも及ぶようなものでございまして、コックピットに持ち込むことはできません。操縦者は、いわゆる操作手順書、チェックリストと言われる操作手順の部分だけを抜き出した小型の冊子を持ってコックピット内で副操縦士と機長が確認しながら手順を進めるのですけれども、こちらに明確な完了を確認せよの記述がございませんでした。
 では、なぜ出発点と異なる場所で慣性基準装置の作動準備完了操作を行ってしまったかということですけれども、先ほど申しました操作手順書、チェックリストには、操縦者が慣性基準装置の操作手順を適切に行わない場合に今回のような事象が起こり得る可能性を警告する記載がございませんでした。つまり、機体を動かしてはならないとは書いてあったのですが、機体を動かした場合に、ステアリングの作動角制限やブレーキがきかなくなるおそれがあるというような具体的な記載がなかったという状態でした。
 続いて、10ページ目です。本件を受けまして、機体の健全性の確認ということで、C-2全機の慣性基準装置、IRSの特別点検、ステアリング及びブレーキの点検を実施しております。また、本件を発生しました205号機につきましては、滑走路を逸脱しておりますので、そちらにかかわる損傷がないかどうかの点検をしております。この結果、機体については全機が異常はなく、今回の件につきましては機体については異常がなかったと結論づけております。
 続いて、11ページ目でございます。ここまで説明しました原因、副因等につきまして、安全対策を講じてまいります。
 1件目、操作手順書等の見直しです。機体を移動させる前に、慣性基準装置、IRSの作動準備完了を確認させる項目を操作手順書、チェックリストに追加しております。
 2件目、慣性基準装置、IRSの操作手順を誤った場合に発生する影響の大きさ及び具体的な発生事象を、注意事項、これは警告という重い形で記載しております。こちらを操縦指令書、取り扱い説明書に記載いたしました。
 また、操作手順書、チェックリスト及び操縦指令書、取り扱い説明書について、全ての記載項目及び内容について、美保基地、飛行開発実験団、こちらはC-2の開発を担当した部隊です。こちらと開発業者において総力を挙げて点検を行いました。他の記載漏れ等は発見されておりません。
 続いて、12ページです。再発防止のための安全対策その2としまして、操縦者等への教育を徹底してまいります。慣性基準装置、IRS及び関連システムに関する教育を実施します。作動原理、操作手順、作動状況の画面表示等の再教育を行います。
 2件目、機体操作に係る通常手順及び緊急手順等の徹底ということで、操作手順書、チェックリストの見直しで追加される項目、変更する項目等の教育を行っています。また、操縦指令書、取り扱い説明書に記載されている注意事項の再教育を行っております。航空機につきましては、速度の制限でありますとか、エンジンオイルの温度の制限ですとか、いろいろございます。こちらの制限の内容と、かつそれがどうしてそういう制限になっているのかという理由も含めて再確認を行っております。
 3項目め、緊急事態発生時の対処要領です。機長と副操縦士の連携に関する教育を行っております。また、今回の事象に際しまして、ステアリングがきかない、ブレーキがきかないという状況におきましても、ブレーキの別の系統を使用することによって機体をとめることができるという手順が新たに確認ができましたので、仮に本件のようにIRSの誤信号等によって事象が発生した場合にも対処できるような操作手順、それと訓練も実施しているところであります。
 これを受けまして、枠外の2つの矢印です。全ての操縦者等への教育を実施しました。あわせて、今後新たな訓練実施に当たっては、操作手順書等再確認を行うことを徹底しております。
 最後、13ページでございますが、自治体との緊急連絡体制の構築であります。今回は6時42分に事象が発生後、一番早い自治体さんで7時30分ごろから連絡を開始させていただいております。正確な情報を伝えるため、少し連絡がおくれてしまったということで、基地としては大変反省しております。これを受けまして、司令と各首長さん同士の直接の電話連絡、また、各級、担当者同士で連絡がとれるような体制をとりました。また、それぞれの電子メール等を活用しまして、一斉に第一報を送信後、細部の内容については改めて電話、ファクス等で内容を通知するということで、初動を大事にしようということで重点的な対応を考えております。
 以上で渉外室長からの説明を終わります。


◎稲田議長
 それでは、ただいままでの説明に対しまして、御意見、御質問があればお伺いしたいと思います。
 意見、質問に際しましては、申し合わせどおり、基本質問は2項目以内、そして追及質問は1回、加えて時間的な制限もあり、できる限り重複を避けて行っていただきますようにお願いいたします。
 まず、県議会自由民主党、安田議員。

○安田議員
 県議会自由民主党、安田優子でございます。あわせまして、私は、美保基地を支え発展させる議員連盟の会の会長も務めさせていただいております。そして、私の家は、父親も母親も生まれ育ったのは、現在の美保基地の敷地の中でございました。基地建設に当たりまして、強制移転により移転して今日に至っているわけでございますが、大変私ごとで恐縮ですが、私の祖父は、当時県議会議員を務めておりまして、自分の所有する農地を提供するのみならず、誘致に大変尽力したと聞いております。また、このC-2の前のC-1配備の際には、境港市長を務めておりましたのが私の父親でございました。そういう意味で、我が家は本当に美保基地とは切っても切れない関係にあるということを、まずもってお話させていただきたいと思います。
 このたびの美保基地における、この事案というふうにおっしゃいまして、規則上は事案であっただろうと思いますが、私にとりましては、やはり事故であったと受けとめております。そして、この事故が不幸中の幸いであったのではないかと思います。それは、基地の中での事故であったと。これが一歩フェンスの外における事故であったならば、道路、鉄道、そして民家等に多大な影響、災害を与えていたのではなかろうかということ、まずもって懸念する次第でございます。
 美保基地というのは、皆さんも御案内のとおり、地政学上、大陸に大変近い地理にあったがゆえに建設され、今日に至り、そして今改めて大陸の厳しい環境の中で、今後ますます基地としての任務、そして日本における防衛の要衝になっていくのではないかということは、大きく私も捉えて認識しているところでございます。そういう意味におきまして、そのような美保基地であるがゆえに、やはり地元との信頼関係、そして安全性の確保、そういうものの重要性というものをしっかりと御認識いただきたいということが、最大の希望でございます。
 よく防衛というのは国の専権事項であると言われてまいりました。今も言われております。しかりでございましょう。しかしながら、今、北朝鮮の情勢等を見るに、それだけでは語れない。自治体にとっても、国民一人一人にとっても、どのように国を守り、我が身を守るのかということまでもやはり考えねばならない。そういう厳しい状況に至っているのではないかと考えます。そういう意味で、私たち行政におきましても、地域におきましても、私どもの福祉と同様に、防衛ということも語られねばならない。そういう時代に至っているのではないかと考えておる次第でございます。
 このような時期に当たりまして、このような事故が起こったことを、本当にまことに遺憾に思いますとともに、二度と再びこういう事態が起きないようにしっかりと安定運用を図っていただきたいということを、まずもって申し上げたいと思いますし、もう一点申し上げておきたいのは、このたびは残念ながら報告がおくれたということを指摘しておきたいと思います。速やかな地元に対する報告、説明、これを第一義に今後は考えていただけたらということを重ねてお願いさせていただきまして、私からの質問というか、お願いというか、そういうことにさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

◎稲田議長
 それでは、北村司令。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 基地の北村のほうから少しお話をさせていただきます。今、安田議員から御指摘を受けました点につきまして、基地司令として大変重く受けとめております。本当に長きにわたり地元の皆様方との信頼関係に基づきまして、この基地の安定的な運用を行ってきたわけであります。今回そういった信頼を損ねかねない事態を起こしてしまったことに関しまして、真摯に反省しなければいけないと思っております。
 今回我々は、そのためにもこの原因を早期に究明し、その安全対策をしっかりとつくり、そしてそれを徹底することをしてまいらなければいけないと強く認識しております。今後、これまで以上にやはり信頼を得られるよう、我々が今策定しました再発防止策を徹底するとともに、安全を確保しまして、市民、そして国民の安心、安全をしっかりと確保し、そして地域と共存共栄できる基地としていきたいと考えております。今以上に緊張感を持ち、そしてさらに皆様から信頼をいただけるよう誠心誠意尽くしてまいりたいと考えております。

◎稲田議長
 安田議員、追及はいいですか。

○安田議員
 結構です。

◎稲田議長
 それでは次に、民進党、森議員。

○森議員
 それでは、私のほうから質問させていただきたいのですが、きょうのお話は、人為的な操作ミスだったということが判明して、それについては手順書を直したり、それに伴っての教育をするのだということで安全対策をするのだという説明でした。私、若干それが納得できないところがあって質問します。
 きょうの資料4ページです。このB5のところで一旦停止して、最終的にIRSの完了操作をしたと。その後、また発進して動いてですね、B2のところからA2に曲がって、そこで一旦停止しているのですね。その後今度はきかなくなったということですけれども、このB2からA2に曲がるときにステアリングが動いて、ここでもブレーキを多分踏んでいると思うのですよね。ここではなぜそれが動いて、ここのA2から滑走路に入るときにはそれがきかなかったのか。私はここにも大きな問題点があるのではないかと思うのです。単純に今のお話から聞くと、それだけが問題で、手順書どおりにやらなかった操作だけが問題なので、それをやればこれは全部解決でおしまいですよというようなお話なのですけれども、そうではないのではないのかと私は疑念を抱いています。このところを一つ質問させてください。
 それとあわせて、こういったことが起こらないような仕組みづくりが私は必要ではないかなと思うのですね。手順書を直して、教育して終わりということではなくて、やはり機体がこういうことでは動かないのだと。まずそこで発進しないとか、この操作を完了しないと発進しないとか、あるいはどこかで警告音が出るだとか、そういう具体的なことがやはりなければ、またこれが起こるのではないか。それからまた、手順書を全部チェックしたともおっしゃいましたけれども、ないことの証明はできないと思うのですが、大量の指令書の中から一応点検されたというお話ですけれど、まだまだそういう記載されていないものがあるのではないのかと思うのですけれども、どれぐらいの検証ができたということなのか、お願いいたします。

◎稲田議長
 北村司令。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 基地の北村のほうから御回答させていただきます。
 まず、1点目の御質問であります。4ページにありますように、出発地点からA2と書かれている点までは、ブレーキ、ステアリング操作、どちらもきいていたのに、A2以降なぜきかなくなったのか、そこら辺に疑念があるということでありました。
 7ページをごらんいただきたいと思います。実はC-2という航空機は、民間機と同様に、最新の航空機につきましては二重三重のフェールセーフ機能、要は何かミスがあった、あるいは機材がトラブルを起こしても、それを二重三重に補うシステムというものがついております。今回このA2を出た後、ステアリング、それからブレーキがきかなくなった、このことも、本来は航空機の安全、そして航空機を保護するために機能するものでありました。
 実は、説明にありましたとおり、そのIRSの作動を正確に行わせなかったがために、この慣性基準装置から出す信号が加速していくという信号を出していたわけであります。実はこのステアリングの操作、それからブレーキのこの2つの保護機能につきましては、ある一定の速度以上になったときにこれが機能するようになっておるわけであります。したがいまして、当初B5からA2に行くまでの間、これも少しずつ速度が加速していって上昇しているのですが、このA2でとまっているまでのときには、その一定の速度まで達しておりませんでした。しかしながら、7ページにありますとおり、この速度は加速を既に積算し、速度が上がっていきます。このA2を動き出した以降、そのステアリング及びブレーキの保護機能が作動する速度以上に達しました。したがいまして、このA2以降から、今まできいていたステアリング、ブレーキといったものの操作がきかなくなった。航空機のもともと安全を確保するための保護機能が働いてしまったということであります。
 2点目の御質問でありますが、慣性基準装置、こういったものがしっかりと作動完了するまでは航空機を動かさないようなシステム、こういったものが必要ではないかといった御質問であったと思います。
 今回、実はこのC-2には慣性基準装置の作動がまだ完了していませんといった表示がしっかり出るようになっております。パイロットはその表示をしっかりと確認しておりません。また、確認したかもしれませんが、それを認識することができなかったということであります。
 また、仮に地上におきまして慣性基準装置が完了しなければ強制的にブレーキをかける、あるいはエンジンを始動させない。そのようなことを仮にシステムとして組んだ場合については、詳細にシステム設計自体を全て見直さないといけないかもしれませんが、一般的な見解といたしましては、地上において動かすもの、2次元のところであればそういったことは可能かもしれません。しかしながら、航空機というものは空中で飛行するわけであります。仮にそういった地上で作動をとめるような機能にした場合に、空中でもしもそれが誤作動を起こしたり、何かのふぐあいを起こした場合については、上空で危険な状態にさらになってしまう可能性があることも考えられると思います。
 したがいまして、必ずしも航空機を動かなくすることが安全に結びつくかというと、それは十分な検証が必要ではないかと思います。
 3点目でありますが、済みません、もう一度お願いできますでしょうか。

◎稲田議長
 いやいや、2点で結構です。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 そうですか。

◎稲田議長
 それでは、ありますか、追及。(「いいです」と呼ぶ者あり)森議員、いいですか。(「結構です」と呼ぶ者あり)いいですか。
 次に、会派自民党、内田隆嗣議員。

○内田(隆)議員
 失礼します。会派自民党の内田でございます。北村司令におかれましては、先ほど来、安田議員の質問にも答えていただきましたが、21日にきちんと調査を完了して、26日にはもう既に地元説明に入って、それを皮切りに、地元境港市議会、そして米子市議会ときちんと丁寧な説明をしてこられたのだと思います。きょうもきちんと事故原因を特定された上で、再発防止策についてこのようにしていくのだということがありました。これは大変に評価されるべきだと思いますし、今後そういうことがないように、先ほど北村司令みずからきちんと徹底していくということでしたので、それは評価をしたいと思いますが、ここまで来れたことというのは、やはり今までの信頼関係が非常に大きかったのだと思います。ともすればこういう事案があると、さまざまなことがあって、地元説明についても、そして議会説明についても、そこに向かうまでが非常に困難な場合が往々にあります。これは、今まで我々が、美保基地さん、そして航空自衛隊さんとともに、県民、そして地元自治体の住民とともに築き上げた信頼関係があったからこそ迅速な説明会が開かれ、そして対応策が検討され、C-2の今後の運用についても前向きな議論ができるという段になっているという、大きな先輩方、そして先代方からの遺産の結果であります。
 今回の事案がこのようなすばらしい遺産を崩すことがないように、今後さらなる信頼関係を構築していくこと。ここからまたさらなる信頼関係の構築が必要だと考えます。それについて、具体にどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。

◎稲田議長
 では、北村司令、お願いします。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 基地司令の北村のほうからお答えをさせていただきます。今、議員からありましたとおり、本当に長きにわたりこの美保基地は地元の住民の方々の深い御理解、そして御支援により、またその信頼関係により安定的に運用してきたものと私も強く理解しているところであります。
 したがいまして、今回のことによりまして、今まで皆様方が築き上げられてきたそういった信頼関係を崩すということが決してあってはならないと思っています。
 しかしながら、今回の事案におきまして、事故におきまして、やはり地元住民の方々に不安を抱かせてしまった。また、信頼を損ねるような事態になってしまったということは、これはしっかりと信頼を回復しなければいけないと思っております。
 私は常々、やはり我々がこの基地の安定的な運用を行うためには、我々がまずは地域に対して貢献しなければいけないということを隊員には申しております。したがいまして、今後も引き続き地域との交流、そして何らかの貢献をすることをしっかりと隊員には徹底するとともに、やはりそういったことをもちまして地域の方々の信頼を少しずつ回復していくということを地道に積み上げていかなければいけないのではないかと思います。まずは同種な事案をまた再び繰り返すことのないように、しっかり行うために、今回の再発防止策を徹底し、そして皆様の信頼を早期に回復したいと考えておるところであります。

◎稲田議長
 次に、公明党、澤議員。

○澤議員
 では、お伺いします。C-2の運用に当たりましては、パイロットの方も多分相当なベテランの経験を積んだ、フライト時間もたくさん積んだ、そういう方がしていらっしゃると思うのですが、私がお聞きしたいのは、この慣性基準装置ですかね、IRS。これが、通常は自動で大体していたと。今回は、問題なのはやはり手動だったということだと思うのです。
 それで、まず1点お聞きしたいのは、これは私もよく認識していないのでお答えいただければいいのですが、手動で、こういう訓練をしたのは今回初めてなのかどうなのかと。それがまずお聞きしたい。
 それともう一つは、システムが安定するまでにちょっと時間がかかると。自動ですから、きちっとそれができましたよとか、そういう信号か何か来るかもしれませんが、大体それについてどのくらいの時間がかかるか。今回、もちろん手動で最後きちんと終了の操作ということをしていらっしゃると思うのですけれども、手動の場合は大体どのくらいの時間が、安定させるまでにかかるのか。安定しないと物事は進まないというのが基本だと思うのですが。
 それで、それを前提にしまして、一度間違って、間違ってというと失礼ですけれども、入れたわけですよね。先ほどいみじくもおっしゃいました、途中で気づいてセットし直したと。そのときに、そこできちっととまって、やり直したのかと。そのやり直す時間が安定させる時間だったかどうかという認識はあったのかどうなのか。
 多分、そこで先ほど認識しておられたときに、警告音とか、そういうものがあったということを言われたのですけれども、私が言いたいのはこの手動に対する訓練というものが、今まで何回かされているのだったら、その学習といいますか、何ていいますか、人それぞれによって体制があると思います。例えば操縦する人が、チームはこの人、この人と。どういう体制になっていらっしゃったのかなということがお聞きできたらなというのが1点目。
 それともう一つは……。

◎稲田議長
 澤議員、今までで2点、もう3点を超した。

○澤議員
 済みません。

◎稲田議長
 最後の3点目は、一応追及の質問ということで取り扱わせていただきたいと思います。

○澤議員
 わかりました。済みません。

◎稲田議長
 それでは、3点、お願いいたします。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 では、基地の北村のほうからお答えをさせていただきます。まず、今回の緊急操作手順、これが初めて行われたものなのか否かということでありますが、結論からいいますと、今回運用試験において初めて実施した手順であります。当然ながら、実機で行う前に地上でどのような手順になっているかということを確認してさせたわけでありますが、初めていたしました。
 理由につきましては、技術実用試験、岐阜で航空機の基本的性能を検証するための試験運用のときには、我々運用、任務に関係する部分については、航空機の基本性能とは関係ありませんので、そういった手順を確認することはありません。まさに今、美保基地で行われています運用試験の間に、今後我々が任務飛行を行っていくことにおきまして、必要となる手順でありますとか、そういったものを今まさに検証、確認しているところであります。したがいまして、今回の緊急発進手順の訓練の中で、そういったものを検証しようと思ってしましたので、今回が初めてであります。
 そして、システムが完了するまでにどのぐらいの時間がかかるかということであります。通常のモード、自動モードでありますが、この場合おおむね5分を安定するまでに要します。今回の手動であります緊急手順の場合につきましては、一旦この自動でのモードで一回安定させます。その後、その状態で電源を落としまして、そしてパイロットがコックピットで待機する。そして、指示があった場合にそこからすぐに飛行機を動かすという手順になるのですが、その場合に手動操作で新たに立ち上げる場合には、45秒でシステムが立ち上がることになります。ただし、その最後には、自動モードではありません、手動モードでありますので、幾ら45秒で立ち上がっていたとしても、人間の手で作動完了のボタンを押さないといけない。今回は、立ち上がっていたのですが、最後の完了の操作をしていませんので、最終的には確定がされていない状態で動かしてしまったということになります。
 それと、途中でやり直せばよかったということが、関連して質問があったと思います。B5の地点でとまって、そしてまだ完了していないことに気づいたわけであります。気づいたときに、その場でなぜそこを押してしまったかということですが、これはそのマニュアルの不備のところにありますとおり、その違った点で完了操作をした場合に、今回のような事象になるということをどこにも記載がなく、また知り得ていなかった。また、あわせて、今回は離陸することを想定しておりませんでした。地上を走向して、そのまますぐに駐機位置に帰ってくるということでありましたので、ここで何か操作したところで大きなふぐあいはないだろうという、そこまでの知識しかありませんでしたので、今回、その場で入れてしまった。ただし、今回、そういうことをするとステアリングがきかなくなる、ブレーキがきかなくなるということがわかりましたので、今後につきましてはそういったことがわかった、仮に動かしてしまった場合については、気がついた時点でとまる。そしてその時点で一度慣性基準装置をオフ、リセットし、とまった地点の地点情報を入力し、そこの位置から慣性基準装置を立ち上げる。このことによりまして、慣性基準装置が正しく正確な作動を始め、正しい情報を送ることになるということを再認識したところであります。

◎稲田議長
 次に、希望、川部議員。

○川部議員
 特にございません。

◎稲田議長
 それでは、共産党、錦織議員。

○錦織議員
 今回の事故ですね。規則上は事案だということですけれども、私は今回の事故ですね、民間航空機との共用基地であるという認識が非常に薄いのではないかなということをまず指摘させていただきたいのですが、当日の、C-2の乗員の人数とそれぞれの役割を教えていただきたいと思います。
 それで、聞くところによると、操縦されていた方は300時間を超える操縦の経験があると、飛行時間があるということですが、初めて搭乗していきなりこのC-2の操縦について、本人がされたのか、それとも副操縦席で一定の訓練の時間を、今回されていたのかということですね。
 それで、初めて搭乗していきなり緊急発進手順の検証訓練ということはあり得ないと考えるのですけれども、そこら辺のところがまず1点と……。

◎稲田議長
 いや、1点って、ちょっと……(「いや」と呼ぶ者あり)錦織議員、1項目の中にたくさんの質問が入っておりますので、整理していただいて、今でももう2項目になっておりますので、御協力をお願いいたします。それではその2点について。(「協力と言っても、安全の問題だからね」と呼ぶ者あり)どうぞ。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 美保基地の北村からお答えをさせていただきます。まず、錦織議員のほうから冒頭、共用飛行場としての認識が薄いのではないかという御指摘があったと思いますが、我々は、当然ながら共用飛行場であるという認識を強く持っております。我々も当然24時間航空機を動かさなければいけないという任務がありますので、24時間365日この美保飛行場を運用できるような体制に維持をしているところであります。今回のように3時間にわたり飛行場を閉鎖させてしまったことにつきましては、もう本当に真摯に反省しなければいけないと考えておりますので、しっかりとしてまいりたいと思います。
 今回6名の搭乗員が当該機に乗っていたということであります。この役割ということで御質問がありました。まず1名につきましては正操縦者であります。コックピット、左右席がありますが、左席に座っております。もう一名につきましては副操縦士であります。こちらは右席に座っております。そしてまた、空中輸送員というものが2名乗っておりました。これは、通常でありますと、人員でありますとか、あるいは貨物、こういったものを搭載するときに、誘導したり、また貨物室内の安全等を確保するための要員としております。今回、人員ですとか、お客様ですとか貨物、こういったものは乗せてはいないのですが、やはり基本的な編成で訓練はすべきであろうということで搭乗させておりました。残りの2名につきましては、航空機整備員であります。こちらも緊急発進をして外へ行った場合、違う基地に行った場合については、このC-2を知っている整備員が乗っていませんと、整備等ができませんので、そういったことでそういった人間も緊急発進のときには乗っていく必要があることから、今回2名も一緒に航空機に乗せていたところであります。
 3点目になるのですかね。操縦時間につきましては、パイロット300時間でありますが、このパイロットにつきましては、いきなり左席ということではなく、美保基地に来ましたのはこの3月末、C-2が美保基地に配備されたと同時期に岐阜基地より転勤してまいりました。以前は岐阜基地におきましてこのC-2の技術実用試験を担当していたパイロットであります。

◎稲田議長
 福浜議員。

○錦織議員
 ちょっと追及……。

◎稲田議長
 もう3点。3点に……。

○錦織議員
 追及を。いや、2回しか聞いていないですよ。

◎稲田議長
 いや、今お答えは3点になっております。私も一応つけておりますが、3点の要点があったように思いますので、一応追及もひっくるめて3項目ということでお願いいたしたいと思います。
 福浜議員。

○福浜議員
 きょうは本当に、北村基地司令初め、お疲れさまでございます。ありがとうございました。先ほどから御対応をお聞きして、非常に真摯に、全て丁寧にお答えいただいて、大変感謝しておる次第でございます。
 その上で質問させていただきます。航空機というものはハイテク化の最たるものだと認識しているのですが、これは航空機に限らないかもしれませんが、家電も含めて、どんどんIT技術が発達するに伴って、人的になかなかマニュアルとかアナログ対応ができないものがますますこれから拍車がかかっていくのではないかなと。
 今御説明の中で、ブレーキがロックしたりとか、それからステアリングがロックした場合に、別系統で必ず手動でできるものがあったという説明があったのですけれども、本来ならばそういうハイテク化がどんどん進んでいく一方に、特に自衛隊の機器というものは非常に劣悪な状況で、場合によっては戦闘というところに巻き込まれる可能性もあるものですから、そういうITの部分が支障を来すというのは十分考えられると。だからこそ、アナログ対応、手動対応ができるということをまず大原則にしながら、C-2に限らないと思うのですけれども、これを省庁として改めて徹底していただきたい。そういうことにしていかないと、同じようなことがもしかしたらほかの飛行場とかでも起こり得るのではないかなということを一番今回懸念をいたしました。これは美保基地だけの話ではないのではないかな。徹底していただきたいということを質問いたします。

◎稲田議長
 では、北村司令、お願いします。

●北村航空自衛隊美保基地司令
 基地司令、北村のほうから御回答させていただきます。大変貴重な御意見だと思いますので、こちらの御意見につきましては中央のほうには伝えたいと考えております。

◎稲田議長
 以上で航空自衛隊美保基地からの説明は終わりたいと思います。
 航空自衛隊美保基地及び中国四国防衛局の皆様には、本当にお忙しいところおいでをいただき、丁寧な御説明、答弁をいただきました。まことにありがとうございました。お礼を申し上げます。
 暫時休憩いたします。再開は10分後といたしますので、12時10分に開会いたします。

午前11時59分 休憩
午後0時8分 再開

◎稲田議長
 それでは、少し時間前ではありますが、再開いたします。
 重ねて申し上げます。意見、質問に際しましては、幹事長会議での申し合わせのとおり、基本質問が2つ、そして追及が1回ということでお願いいたしたいと思います。
 終了時間をほぼほぼ12時45分ごろ。昼にかかりますので、ちょっと無理な時間帯ですが、行いたいと思っております。議事進行にぜひとも御協力を賜りたいと思います。空腹でいらいらされる方もあろうかと思いますが、ひとつ御容赦のほどをお願い申し上げたいと思います。
 それでは、航空自衛隊美保基地のC-2輸送機の安全確保について、知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様、こんにちは。先ほどは本会議のほうでいろいろと諸議案をおまとめいただき、ありがとうございました。
 ただいま基地司令などのお話をお聞き取りいただいたと思います。6月9日のこのたびの事故は、私どもにとりましてまことに遺憾な事態と言わざるを得ません。したがいまして、こうしたことの再発防止を徹底して求めていかなければなりません。
 実は、事故後、私どものほうでいろいろと聞き取りももちろんさせていただきましたし、また市におきましても、両市で住民の説明会、あるいは議会での議論もございました。そういう中、昨日、私は伊木市長や中村市長とも話し合いまして、中村市長も実際にお出かけいただきましたが、防衛省のほうで要請をさせていただきました。それは、やはり今回の事故というものは、信頼を失いかねない重大なことである。そのことを強く申し入れるとともに、私どものほうで安全が確保されなければいけないと考えている。それを徹底すること、また、さらにはシステム改修など、次の段階のことも考えるべきではないだろうか。住民に対する説明、信頼回復、こういうことが重要であると。そのような話をさせていただきました。昨日応対されましたのは、航空幕僚長、それから向こうの局長級の方でございまして、全面的に本県の立場に沿った話を向こうもしました。そして、杉山幕僚長からは、もし準備が整っていなければ、表示されるような、そういうシステムの改修というものを考えてみたいという話もありました。昨日の申し入れに当たりましては、赤澤代議士からも強く地元の意を酌むようにという話もございまして、従来よりも踏み出した内容が出てきたかなと思っております。
 そのようなことで、きょう議会も閉会日を迎えることとなりましたが、これからこの試験運用をどうするかが課題になります。
 そこで、いろいろと条件を付しながら、試験運用自体は、先ほどお聞き取りあったかと思いますが、マニュアルを改正する。それから、搭乗員の教育を徹底し、同じことが起きないようにする。基本は人為ミスだったという説明でございまして、そこを考えれば了とする考え方でどうかなと思います。
 しかし、安全確保ということが大事でありまして、それを徹底することを強く申し入れなければなりません。また、システムにつきましても、これから導入される新しい機材も含めまして、こうしたシステム改修を速やかに検討し、実施することを申し上げる必要があろうかと思います。
 また、今後、ふぐあいといいますか、機器のいろいろな課題などが発生した場合、当方として聞いていかなければならないこともあろうかと思います。したがいまして、そういう場合には、住民への説明も含めまして、地元にしっかりと連絡すること。そしてそうした関係市も含めた了解が得られて、また訓練を復帰するというような、そうした新しい手順を我々としても申し入れる必要があるのかなと。
 いずれにいたしましても、今回こうした事象が発生しましたので、信頼回復を図ることが大事だと考えており、これも条件とすべきではないだろうかと思います。
 そうした意味で、4項目条件も付しながら、試験運航の再開については了とすることでいかがかと考えております。
 詳細につきましては、担当部長から御説明を申し上げます。

◎稲田議長
 それでは、詳細の説明を求めます。

●高橋地域振興部長
 それでは、航空自衛隊美保基地のC-2輸送機の安全確保について、県の対応を中心に、これまでの経過と対応方針について補足の説明をさせていただきます。
 1ページをごらんください。これまでの経過でございます。(4)にございますが、平成29年6月9日、逸脱事故が、県としては事故が発生し、知事から美保基地司令及び中国四国防衛局長に対し、原因究明と安全対策、住民説明等について申し入れし、(5)にありますが、20日に美保基地から回答を得たものでございます。これを受け、美保基地のほうでは、関係住民、市及び議会へ説明いたしました。(6)の主な意見のところにございますけれども、やはり市民の皆様、議会の皆様からは、しっかりと安全対策の徹底をしてほしいという多くの意見が寄せられたところでございます。
 これを受け、2番になりますけれども、知事が申し上げたとおり、昨日、知事と境港市長が防衛省を訪問し、鳥取県、境港市、米子市の連盟で防衛大臣に対し、住民の意見をお伝えした上で安全対策の徹底を要望し、万全の再発防止策に加え、さらにシステム上の安全対策を講じる旨の回答を得たところでございます。防衛省の回答としましては、そちらにございますとおり、操作手順書の見直し、操縦者への教育の徹底により安全確保は図られると考える。しかし、住民の不安を払拭し、さらなる安全安心を高めるために、システム改修についてもなるべく早く実施するというお答えでございました。
 こうしたプロセスを経まして、3番にございますが、県の対応方針として、以下の(1)から(4)のことを遵守することを条件に、了としてはどうかというところで議会の皆様にお諮りし、御意見を伺いたいと思います。(1)につきましては、このような事故が二度と発生することのないよう、操作手順書の改正、操縦者等の教育を初め、安全対策を徹底し、万全の再発防止対策を実施すること。(2)今後配備する機体も含め、システム上の安全対策を速やかに検討し、実施すること。(3)は、今後ふぐあい等が発生した際には、速やかに地元自治体に連絡するとともに、地元に誠意を持って説明し、対応するほか、その後の運用試験については、鳥取県、境港市、米子市の了解を改めて受けること。それから(4)としましては、住民の不安の払拭と信頼回復に向け、全力を挙げて説明責任を果たすこと、以上でございます。

◎稲田議長
 それでは、今までの説明、なかんずくお手元に配付しております資料の3項目めの(1)、(2)、(3)、(4)、この4項目につきまして、御意見、質疑があればお伺いいたしたいと思います。
 今般は挙手にてお願いいたしたいと思います。いかがでございましょうか。

○錦織議員
 昨日、知事も議会日程の合間に行かれたということで、とてもよかったなと思っています。
 それで、今後の安全について、再発防止策とともに、システムの改修の必要性にも言及されたということでは、私もすごくその点はよかったなと思っております。
 ただし、先ほど北村司令でしたか、防衛省とのやりとりの中で、森議員が、こういう人的操作ミスの対応とともに、完了ということがしないままに機体を発進をさせてしまったということなので、そういうことにならないよう完了させないと発進しないとか、そういうふうに出かけたときにアラームが起きるとか、そういうシステム改修が必要ではないかというふうにおっしゃったときに、回答の中で二次元ならそういうことができるかもしれないけれども、空の三次元のところではかえって危険な場合があるというふうにおっしゃったのです。ただし、今回の場合は、地上をまだ動いているわけですから、そこでとまっても、動かなくても危険がないわけなので、そこら辺のシステム改修というものは絶対私は求めていただきたいですし、今回はこの4点で了としたいということをおっしゃったのですが、私はこのシステム改修について、ぜひしてもらって、その上でこの試験運用を再開すると、そのことを私は条件にすべきだと思いますが、その点について、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

●平井知事
 この点につきましては、実は、昨日も防衛省側と大分やりとりもさせていただきました。お聞き取りいただけたかと思いますけれども、基本は人為ミスでありまして、今回のことで言いますと、本来発進する前にIRSにつきまして作動させて、完了させておく必要があったわけでありますが、緊急発進ということで、それをマニュアルで操作したときに、その手順を完了していなかったということでありました。その結果、計器的には実際とは違う形で速度が累積される形で、それが一定の範囲を超えてしまい、制動についてセーフティーネットの関係で作動しなかったということであります。したがいまして、きちんと操作していれば問題なかったということはそうだろうと思いますし、そういう説明を私どもも昨日も含めまして、これまで受けてまいりました。したがいまして、これは一定の飛行の安全ということで言えば、それを徹底するという、この(1)のところで担保されるものだと思います。
 ただし、私たちとしては、地元として今後より安心な体制というものを求めていく必要があり、先ほどの森議員の御意見や、また昨日の米子市議会での議論等もございましたけれども、やはりシステム上など機体にかかわる一定の整備も必要ではないかと、追加的に求める必要があると考えております。ですから、まずは試験運行の段階でございまして、その試験運行が終わらなければ、実際の配備すらできないということであり、今さまざまな情報を集め、また搭乗員の慣熟を図っているということでございまして、全てをストップさせてしまうのは、かえって安全上も問題があるかもしれません。したがいまして、今後も計器が正常に作動するかどうかの試験であるとか、また職員の慣熟なども図っていくことも片方であろうかと思いますので、そういう意味で、こうした安全を確保する、マニュアルを改正し、その教育を徹底するという、そうしたことで運行の再開については了とすると。
 ただし、システムの改修について、成果が得られなければ、これを条件として付すことによりまして、それについては今後我々としても約束が違うと言えるような状態にしておく必要があるのではないだろうか、そんな意味で、こういう条件という形でのシステム改修の必要性を書かせていただいたわけであります。私も正直、門外漢でありまして、どの改修ができれば、安全が図られるのかは十分わかりかねるところもありまして、専門性もあるところであります。また、昨日も防衛省と話をしましたが、当然ながら、それ相当の予算もかかり、一つ一つの機材を改めていくという意味で、お金と時間、技術も要するところだそうであります。したがいまして、そうしたことで万全を尽くしてもらうことを我々としては意思表示するのが、現段階としては得策ではないかと考えております。

◎稲田議長
 ほかに。

○安田議員
 このたびの美保基地におけますC-2試験機の事故に対しましては、県のほうですぐに対応していただきまして、昨日は防衛省にも行っていただいたそうでございまして、地元議員として大変対応に敬意を表したいと存じます。
 今、知事からお話しになりました4条件を付して再開を了とするということでございますが、その4条件が着実に守られているかどうかは、県としてはどういう形で見ていかれるのか、どこがそれを所管なさるのか、その辺をお聞かせいただければと思います。

●平井知事
 安田議員から御指摘をいただきました。昨日は赤澤代議士もかかわった形でありまして、そういう意味でこのタイミングで防衛省とも面談がとれて、機材につきましてもシステム改修の踏み込んだ話も出てきたと思っております。
 ただし、これが十分に履行されるかどうかは、我々として監視していかなければなりません。これにつきましては、従来から覚書に基づき、情報提供の義務を先方に課しております。担当部は地域振興部になりますが、私どもとして、きょうの議会のお考え、安田議員の御指摘もございますので、これら4つの点が履行されるかどうか、これから監視体制をとるように、先方と十分話し合いたいと思います。

◎稲田議長
 ほかに御意見はありませんか。
 市谷議員、短く。

○市谷議員
 先ほど知事が、機体改修にお金と時間がかかると言われたのですけれども、お金より命、安全のほうが大事なのです。ですから、機体改修の可能性があるのであれば、それが終わってから運用しないといけないと思うので、先ほどの回答というのは、私は納得しがたいですし、ぜひ待っていただきたいと思います。
 もう一つ、今回、操作としては初めてしたことをこの共用施設でしたということが、操作ミスが起こり得るということの認識が非常に欠けていたと思うのですよ。もうちょっと別のところで、初めてであれば……(発言する者あり)いや、訓練の場所ですよ、訓練の場所。だって、岐阜では、想定ではしていたかもしれないけれども、実地は初めてだったのですよ。初めてしたら操作ミスが起きるかもしれないから、こんな共用のところでしないでいただきたかったなと思うのですけれども、訓練の場所、これについても考えていただきたいと思います。

◎稲田議長
 2点。

●平井知事
 まず、お金と時間がかかるということは、昨日、防衛省側の説明もございました。しかし、我々としては、できる限り速やかにするべきだということも申し上げたところでございます。当然ながら、命が一番大切でありまして、その意味で、今回はやはり操作上のミスということがあります。車の運転でもハンドルさばきを間違えれば、それは事故がございます。それと同じことで、今回IRSの手順を怠ったということでございまして、こういうことがなければ、これは今までもさまざまな訓練と、それから各務原におきます製造過程での試験運行をされて、それが実際延びてきたのもふぐあいを一つ一つ解消してきたからでありまして、そういう意味で、機体の健全性は保たれているということが今の自衛隊側の考え方でございます。ですから、そうした意味で、安全対策の一番の基本は、マニュアルを改正し、今回マニュアル上示されていなかったがために、操縦桿を持つ人が認識していなかったことを改めて認識させ、教育訓練を徹底する、これが最大の解決策であり、命を守る道になろうかと考えております。
 あと共用部分というお話でございますが、これは制度のことなので冷静に聞いていただきたいのですけれども、これはもともと自衛隊の美保飛行場でございます。その美保基地を民港利用に、航空会社あるいは我々住民サイドでそれを使わせてもらっている、許可をもらってしているというタイプのものでございまして、こういうものが共用空港と言われるものであります。したがいまして、当然ながら滑走路は共用することなどがございますので、滑走路を使わなければ訓練自体も成り立ちませんし、滑走路を使わなければ我々も民港利用ができないわけであります。ですから、その基幹部分におきまして、重なり合いが発生するのは共用飛行場として、やむを得ない、一つの制度であると御理解いただきたいと思います。

◎稲田議長
 それでは、共通認識に立つべき基本的な御意見も尽きたように思いますので、以上で質疑を打ち切りたいと思います。
 知事からの方針説明に賛成の御意見が多かったように思いますが、知事におかれましては、ただいまの意見を十分にしんしゃくしていただきたいと存じます。
 以上で議員全員協議会を終了いたします。

午後0時30分 閉会

 
 



 

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