青谷上寺地遺跡の集落北辺と考えられる2地点で、ボーリング調査を実施しました。ボーリング調査とは、金属の筒で地面をくりぬいて土を抜き取り、土がどのように堆積しているかを調べる調査です。今回は、地表から6メートルの深さまでの土を採取しました。
青谷上寺地遺跡は、他地域で作られた豊富な品々が出土することから、弥生時代の交易拠点であったと考えられていますが、港の跡はまだ見つかっていません。今回のボーリング調査は、港の姿を明らかにするための将来の発掘調査に備えて、港のありそうな地形、すなわち陸地と内湾(海)の境界線がどこにあったのかを探るために行ったものです。
2月17日には、古環境学がご専門の先生に採取した土を見ていただきました。その結果、集落内よりも標高がかなり低い位置に、弥生時代中期(約2100年前)頃の人々の活動の痕跡を残す土が堆積していることが確認されました。標高が低いということは、内湾に近いことを示している可能性が考えられます。今後の調査で、港の発見にさらに近づくことが期待されます。
土を抜き取っている様子