活動日誌

  
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2023年4月13日

令和4年度鳥取県災害アーカイブズシンポジウム(オンライン)を開催しました。

 令和5年3月25日(土)、令和4年度鳥取県災害アーカイブズシンポジウム「過去の災害情報をどのように活用するか―データベース・アーカイブの可能性―」をオンラインにて開催しました。  
 本シンポジウムでは、まず鳥取大学工学部教授の香川敬生氏から「山陰地方で発生した近現代の地震活動と長期評価」と題する基調講演を行っていただき、その後、関連報告として奈良文化財研究所主任研究員の村田泰輔氏から「考古資料による潜在する地震ハザードの見える化と歴史地震研究」、同研究所客員研究員の西山昭仁氏から「史料データを活用した地震研究―京都での歴史地震の事例―」を、それぞれご報告いただきました。  
 香川氏の基調講演では、強震動地震学の観点より、主に戦前から2016年の鳥取県中部の地震に至る、山陰地方での地震活動が分析されるとともに、それらを勘案した、この地域での今後の地震活動の見通しが示されました。  
 また、村田氏の関連報告では、現在、奈良文化財研究所において進められている、「歴史災害痕跡データベース」の構築に関する話を軸としつつ、複雑な被災の様相を明らかにしていくためには細かなデータ収集が必要であること、その際、発掘現場での調査から得られた情報、あるいは関係する調査報告書等の丹念な読み取り・評価といった地道な作業が求められること、そしてそれらの情報を総合したデータベースを活用することで、活断層についての評価の見直しなどにもつながり得ることなどが分かりやすく説明されました。
 さらに西山氏の関連報告では、京都に被害を及ぼした3つの地震の事例が取りあげられ、歴史学的な観点からする丹念な史料の評価・分析を通じて、通説とは異なる、新たな震央の情報が浮かび上がってくるなど、文系の学問分野も防災・減災に大きな貢献をし得ることが示されました。
 今回ご講演・ご報告いただいた先生はじめ、関係する有識者の方からのご意見を踏まえながら、いよいよ本格的に鳥取県災害アーカイブズの構築に取り組んでいきたいと考えています。

災害アーカイブズシンポジウム写真
災害アーカイブズシンポジウムの様子(プライバシー保護のため、一部画像を加工しました)

公文書館 2023/04/13 in 県史活用担当,講座などのイベント

2023年3月17日

資料保存・修復研修会を開催しました【市町村等との連携・協力】

 3月8日(水)、県内の図書館・美術館・博物館等の職員を対象に資料保存・修復研修会を行いました。講師は南部町在住の修復士・秦博志さん(修復工房Hata Studio経営)です。秦さんは、県内外の紙資料の修復を手がけられ、資料修復の講師などもされています。会場は県立図書館大会議室で、参加者は13名でした。

公文書館長・講師の挨拶
左から柳楽公文書館長、秦講師


 研修の様子をご紹介します。研修では、(1)裏打ち、(2)繕い、(3)糸切れした和本の綴じ直しを行いました。
(1)裏打ち
 秦講師に手本を見せていただき、それから各自が実習しました。糊の濃さは刷毛を持ち上げた時に1本の線になって垂れる程度で、想像より薄くて驚く参加者が多くいました。また、裏打ちする和紙は、将来的に剥がすことを考えて、資料より薄いものを用いますが、薄ければ薄いほど技術的に難しいため、公文書館が使用している中厚(3匁)のものを使いました。

裏打ちの実習風景
裏打ちの実習風景


(2)繕い
 裂けてしまった資料や、欠損部分のある資料の修復方法を習いました。裂けた部分は、典具帖紙という極薄和紙をあて、上から糊を塗ります。欠損部分は、バックライトボードの上に載せ、その上に修復用の和紙を重ねて水をつけた筆でなぞり、欠損部分と同じ形になるようにちぎります。形をそろえて補修するときれいに出来上がることが分かりました。欠損部分もできるだけ同じ厚さになるように補修するのが良いとのことでした。

繕いの実習風景
繕いの実習風景


 (3)糸切れした和本の綴じ直し(四つ目綴じ)
 当初は、和綴じ本の作成を教えていただく予定でしたが、より実践的に、参加者が持ち寄った糸切れした和本の綴じ直しを行うことになりました。糸の長さは資料の対角線の3.5倍程度。既に4つの穴が開いているので、最初の穴と進む方向を間違えなければ、一筆書きのように穴に沿って針を進めていけば完成します。参加者の習得も早く、すぐにでも業務に生かせるように思いました。

和本の綴じ方を説明する講師
和本の綴じ方を説明する秦講師


 最後に参加した方の声を紹介します。
  • 「紙資料の修復に適した糊や和紙の種類などを具体的に紹介いただき、大変参考になった」
  • 「裏打ち実習を体験し、資材だけでなく不織布やハケなど作業に使用する道具の効果も実感し、とても有意義な研修会だった」
  • 「裏打ちなどの資料の修復について、座学だけではなく、実習できたことがとてもよかった」
  • 「実際に修復を体験できたことは、本格的な修復でなくとも、応急処置などでも応用できるのではないかと思った」

  •  資料修復の方法について、インターネット上でも色々と見ることはできますが、実際に自分の手を動かして、指導を受けるのとは大違いです。日常業務に生かせる大変有意義な研修になったのではないかと思います。
     ご指導いただきました秦博志さんには、厚くお礼申し上げます。

    公文書館 2023/03/17 in 会議など,公文書担当,講座などのイベント

    2023年3月9日

    新鳥取県史を学ぶ講座『考古学研究による新しい歴史像』(第1回)「森と生きた人々-鳥取県の遺跡から―」を開催しました。

     令和5年3月4日(土)、とりぎん文化会館の第一会議室において、新鳥取県を学ぶ講座『考古学研究による新しい歴史像』(第1回)を開催しました。講師は、鳥取大学地域学部准教授の中原 計先生で、「森と生きた人々-鳥取県の遺跡から-」というテーマでご講演いただきました。参加者は43名でした(本講座は、連続講座の第1回として、昨年9月19日に開催する予定でしたが、台風のため延期となり、この度、開催することとなりました)。  
      ご講演の中では、青谷上寺地遺跡など鳥取県内の遺跡から出土した木製品の用途、使用された樹種などについてお話いただきました。高坏、椀など複雑な形状の容器にはヤマグワが、大型の桶などの直線的な材を結合させたものはスギが多く用いられるなど、樹木の特性に合わせて製作する器種が選ばれたこと、破損した木製品はすぐに廃棄されるのではなく、修繕が行われるか、あるいは再加工されて別の用途に使われることが多かったこと(例:建築材を田下駄へ加工する)など、弥生時代の人々が木製品をどのように製作、使用していたかをわかりやすく解説していただきました。  
     また、木材利用は周りの植生に合わせて、それぞれの地で独自に育まれてきたものであり、人々が森に関わっていく中で各地の文化は生み出されたものであること、また杭などの土木用材は、集落近辺に生えていた木を利用したものと考えられることから、周辺の植生を知る手がかりになることなど、興味深いお話も多く、参加された県民の方々は、考古学や鳥取県の歴史に関する関心を一層深めていただいたものと思います。  
     令和5年度も新鳥取県史を学ぶ講座の開催を予定しています。テーマ・日程等は、後日、ホームページ等でご案内します。ご期待ください。

    講座の様子の写真
    中原計先生による講演の様子

    公文書館 2023/03/09 in 県史活用担当,講座などのイベント

    2023年2月20日

    新鳥取県史を学ぶ講座(民俗)「倉吉の鋳物師」を開催しました

     令和5年2月12日(日)、倉吉交流プラザ第1研修室(本会場)と上小鴨コミュニティセンター(サテライト会場)において、「新鳥取県史を学ぶ講座(民俗)」をオンライン形式で開催しました。  
     今回は、神奈川大学日本常民文化研究所・客員研究員の石野律子先生に「国指定重要有形民俗文化財『倉吉の鋳物師(斎江家)用具及び製品』その調査を振り返る」をテーマに、昭和55年から同56年にかけて行われた「倉吉の鋳物師」調査の様子や、倉吉の調査によって全国に鋳物の調査が広まったこと、タタラの仕組みなどについて、わかりやすく解説していただきました。  
     参加者は両会場合わせて49名で、「原料となった鉄は、地元のものか」「倉吉千歯と鋳物師の関係」などの質問をいただきました。

    民俗講座写真
    講座の様子

    公文書館 2023/02/20 in 県史活用担当,講座などのイベント

    2023年2月7日

    「占領期の鳥取を学ぶ会 令和3年度活動報告会(第2部)」をオンラインにより開催しました。

     令和4年7月17日(日)、「占領期の鳥取を学ぶ会 令和3年度活動報告会(第2部)」をオンラインで実施しました。

     小山富見男さんは『戦後の食糧危機と鳥取県&GHQ』と題し、鳥取県立公文書館所蔵の歴史的公文書『供出関係綴(食糧)』(農政課)や統計資料を調査した成果を発表されました。米の供出、気象災害(冷害と風水害など)による戦後の全国的な不作、海外からの引揚者、ヤミ取引等、戦中戦後の食糧事情についての報告でした。また、同綴りの中で発見された文書(『Letter of Commendation』(昭和22年2月15日発 第46号))は、鳥取軍政隊から県知事に宛てた英文資料で、当時の鳥取県が全国的にみても優秀な供出状況であることを称えるものでしたが、この表彰文の中で鳥取県の事を“this fair prefecture”と表記し、「…供出100%の目的に向ひかくて人口集中地方の食糧不足を救う意味に於て、『この晴朗なる鳥取県』を全国供出第一位たらしめるべく努力すべし」と称賛激励していると紹介されました。

     公文書館の担当者(杉内)からは、当時の日本海新聞の記事から県内の米穀検査員の供出四方山話(よもやまばなし)として各地域の苦労話などを披露しあった座談会の記事を紹介しました。

     最後に特別報告として、『進駐軍接収住宅のトイレ』の題目で鳥取大学理事・副学長の細井由彦さんに報告していただきました。
     鳥取市西町の米軍情報部の事務所兼住宅として接収されていた木村家に当時設置されていた浄化槽(30人槽)跡で、この度、その敷地の改修をすることになったため、鳥取市歴史博物館の横山学芸員、石井学芸員、会員の西村さんとで昨夏、掘り起こし調査を実施しました。
     掘り起こしてあらわになった浄化槽の専門的な調査は鳥取大学の細井さんに行っていただき、今回の特別報告の運びとなりました。まだ浄化槽のほとんど普及していなかったと思われる時代に「第一腐敗槽」、「第二腐敗槽」、「予備ろ過槽」、「酸化槽」、「消毒槽」からなる本格的な浄化槽が作られていたこと、またそれぞれの槽の役割等を講義されました。当時、浄化槽を作る必要性に迫られて職人が技術を習得し、その後の鳥取の下水道の発展へとつながる一助になったとも考えられるかもしれないと受講者からも意見が出ました。

     一般報告では、行政資料、統計資料、そして当時の新聞記事など、いくつもの資料を重ね合わせることで、戦後間もない頃の鳥取県の姿があらわになりました。
     また、特別報告で、現存する貴重な当時の遺構を、今回のように失われる前に調査することで、現在に至るまでの歴史の軌跡をたどることが出来ました。古い町並みにはまだまだ未発掘の発見がある可能性を感じました。  

     「占領期の鳥取を学ぶ会」では月例会で「鳥取軍政部マンスリーレポート」の翻訳の活動を続けています。ご興味のある方は是非御参加下さい。

    問い合わせ先:鳥取県立公文書館県史活用担当
          (〒680-0017鳥取市尚徳町101番地 0857-22-4620)

    公文書館 2023/02/07 in 県史活用担当,講座などのイベント,調査

    2023年2月7日

    「占領期の鳥取を学ぶ会 令和3年度活動報告会(第1部)」をオンラインにより開催しました。

     令和4年6月18日(土)に、「占領期の鳥取を学ぶ会 令和3年度活動報告会(第1部)」をオンラインにより開催しました。会員3名が報告しました。

     澤田晶子さんは、『鳥取軍政レポートの翻訳―その特徴と課題-』というテーマで翻訳学の視点から分析した鳥取軍政レポートの翻訳の特徴や、他県の軍政レポートの翻訳状況などを発表されました。軍政レポートでは受動態が多用されており、行為の主体が曖昧であるということの他、当時の日本の固有名詞を英訳されたものの逆翻訳に多大な調査が必要であること、また、他県の軍政レポート翻訳の取り組みでは、県史に掲載がある例に加えて、論文で引用される例も見られることなど、報告をされました。歴史的文書である軍政レポートの翻訳を様々な分野で活用される可能性についても言及されました。

     森悟さんは『占領期を生きた人々:山根敏子、足羽喜代子、平川唯一』という題目で発表されました。日本人女性初の外交官試験合格者である山根敏子さんが27歳の時1年間鳥取で働いていたお話、美保基地で通訳・翻訳をして働いていた足羽喜代子さんが、当時基地内での洋装を求められた際に手作りして着ていたアッパッパーという服のエピソード、NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』でも紹介されたラジオ英会話の最初の講師である平川唯一さんの様々なエピソードや実際の放送の録音など、貴重なお話や資料を提示されました。

     また西村芳将さんは、『各国公文書館の占領期資料の調べ方』というテーマで報告をされました。コロナ禍で今までよりぐんと取り寄せやすくなった各国の図書館や博物館資料、国立国会図書館の蔵書について、求める資料にたどり着くにはどのように検索をかけていくと良いか、請求記号の構成を知って検索を絞っていく方法など、プロジェクターを使って実演さながらに分かりやすく紹介されました。

     それぞれが「占領期の鳥取を学ぶ会」の成果に各自の研究・考察を絡めて興味深い報告をされました。

     官民連携の取り組みとして鳥取県立公文書館と鳥取市歴史博物館やまびこ館の共催事業で開催している「占領期の鳥取を学ぶ会」ですが、今回の「活動報告会」では、県民の方と「鳥取軍政レポート」という資料を読み解く中で、会員がそれぞれ自身の研究や得意分野、体験を持ち寄る事でとても肉厚な翻訳となるという事を再認識できたように思います。
     

    報告会の様子
    報告会の様子



     次回は7月17日(土)の「令和3年度活動報告会(第2部)」についてご紹介します。  

     「占領期の鳥取を学ぶ会」では月例会で「鳥取軍政部マンスリーレポート」の翻訳の活動を続けています。ご興味のある方は是非御参加下さい。

    問い合わせ先:鳥取県立公文書館県史活用担当
          (〒680-0017鳥取市尚徳町101番地 0857-22-4620)

    公文書館 2023/02/07 in 県史活用担当,講座などのイベント,調査

    2022年11月14日

    「新鳥取県史を学ぶ講座『考古学研究による新しい歴史像』(第3回)「白鳳・天平文化の華-因幡・伯耆の古代寺院-」を開催しました。

     令和4年11月6日(日)、県立博物館講堂において、新鳥取県史を学ぶ講座『考古学研究による新しい歴史像』(第3回)を開催し、米子市経済部文化観光局文化振興課専門官の中原斉先生に「白鳳・天平文化の華-因幡・伯耆の古代寺院-」というテーマでご講演いただきました。  
     ご講演の中では、因幡・伯耆の豪族が仏教文化を速やかに受容したこと、寺院の造営にあたっては建築・造像・装飾などに最新技術が用いられていたこと、古代寺院の多くは平安時代中・後期頃に消失したことなど、鳥取県内の古代寺院の歴史や特徴について、わかりやすく解説していただきました。  
     また、軒丸瓦の蓮華文様のキズによって、同じ笵型(文様の型、粘土を押し当てて同じ文様を大量に制作する)から作られた瓦を判別することができ、そのキズの形状や数から瓦の作成順、さらに同笵瓦の出土する寺院の先後関係を知ることができることや、上淀廃寺の塔跡では、焼けた瓦の層の下に焼けていない瓦の層があることから、伽藍炎上の前にすでに瓦が堆積するほど荒廃していたと考えられることなど、興味深いお話も多く、参加された方々には考古学や鳥取県の歴史に関する関心を一層深めていただいたものと思います。
     なお、開催を延期しておりました第1回の講座「森と生きた人々-鳥取県の遺跡から―」(講師:中原計氏〈鳥取大学地域学部准教授〉)を、令和5年3月4日(土)午後1時30分から、とりぎん文化会館の第1会議室にて開催します(定員80名、先着順)。参加希望の方は、専用フォームからお申し込みください。

    第3回講座写真
    中原斉先生による講演の様子

    公文書館 2022/11/14 in 県史活用担当,講座などのイベント

    2022年11月7日

    職員対象の資料修復研修会を開催しました。

     公文書館では破れや虫喰いなど修復を必要とする紙資料について、軽易なものは職員が修復作業を行っています。
     そのスキルアップのため、10月26日、27日の両日、南部町在住の修復家・秦博志さん(Hata Studio経営)にお出でいただき、講義と実務指導をしていただきました。

    講師・秦博志氏(修復家・修復工房Hata Studio経営)
    講師・秦博志さん(修復家・修復工房Hata Studio経営)


     はじめに、紙の「糸目」と「簀の目」(すのめ)について、それぞれの特徴や、特徴を生かした製本の仕方などのお話を詳しく教えていただきました。紙の厚さについても様々あり、修復をする際に、和紙を使い分けると仕上がりも美しいなどのお話や、欠落部分を先に補修してから裏打ちをするなど一手間かける方法なども伺いました。
     さらに、紙のPHを測る方法や、脱酸の方法なども講義していただきました。

     続いて、製本の方法のひとつとして、「くさり綴じ」を習いました。
     「くさり綴じ」は本来、綴じの初心者が習う方法ではないらしいのですが、既に裏打ちをした429丁のバラバラの簿冊はかなり厚みもあり、特別に教えていただける事になりました。7つに分けてそれぞれを仮綴じし、穴を開けてから全部合わせて4本の針で綴じていく方法です。厚みがあるので、ずれないように穴を開けるのが大変でした。
     さらに、「三つ目綴じ」の方法を教えていただきました。
     「三つ目綴じ」は穴も3カ所なので比較的簡単です。解いたりまた綴じたりも容易にできるので、すぐにも使えそうな方法でした。

    「くさり綴じ」の完成した資料
    「くさり綴じ」の完成した資料



     最後に参加した職員の感想を紹介します。
  • すべて裏打ちをすると厚くなってしまうため、欠落部のみ補修するやり方など、細かい部分まで教えていただき大変勉強になった。今後の業務に少しでもいかせたらと思う。
  • 見学時には出来そうだった作業も、実際に行ってみると、非常に繊細で細やかな作業がたくさんあり、簡単ではないことを痛感した。
  • 綴じを教えていただくのは初めてで、とても勉強になった。また、元の状態に戻せる補修を心がけることが大切と言われ、自分の作業のやり方を見直したいと思った。
  • 資料の状態によって適切な方法が異なるということ、修復するときはあとからでも元の状態に戻せるようにすることなど、保存・修復にあたっての大切な考え方、資料を適切に保存するための技術を教えていただき、学びの多い時間になった。

  •  少人数での研修だったため、細かい部分まで詳しく教えていただけて、大変有意義な研修会となりました。
     御指導いただきました秦博志さんには、厚くお礼申し上げます。

    公文書館 2022/11/07 in 公文書担当,講座などのイベント

    2022年10月12日

    令和4年度「倉吉博物館講座」で当館専門員が講演しました。

     令和4年10月1日(土)、倉吉博物館主催の講座が開催され、「昭和の合併と倉吉市誕生の歩み」と題して、当館の伊藤康専門員が講師を務めました。
     10月1日は、ちょうど倉吉市制が始まった日にあたり、30名にご参加いただきました。
     講座では、倉吉周辺町村の合併や編入に至る過程を、当館所蔵の公文書や図面を駆使して、分かりやすく解説しました。
     参加者からは「昭和4年の倉吉町と上灘村の合併から詳しく丁寧に説明いただき、倉吉市の誕生の流れがよく分かった」「林野の所有権(財産区)を残しての合併が現在も残っているとの話を聞き、興味深かった」との感想をいただき、改めて倉吉市制の歴史を深く学ぶ機会となりました。

    講座会場の様子
    講座会場の様子


    講座の様子(伊藤専門員)
    講座の様子(伊藤専門員)

    公文書館 2022/10/12 in 公文書担当,講座などのイベント

    2022年10月11日

    「新鳥取県史を学ぶ講座『考古学研究による新しい歴史像』(第2回)「因幡・伯耆の古墳時代」を開催しました。

     令和4年10月2日(日)、鳥取県立博物館講堂において、新鳥取県史を学ぶ講座『考古学研究による新しい歴史像』(第2回)を開催し、鳥取大学教授の髙田健一先生に「因幡・伯耆の古墳時代」というテーマでご講演いただきました。  
     ご講演の中では、鳥取平野の前期古墳について、顔料が塗られた遺骨や、骨の位置が上下・左右逆の状態で発見され、亡くなってしばらくして白骨化した後で埋葬されたと考えられ、さらに遺体の頭部を安定させるための土器枕が同じ棺内で複数発見されることから、一つの棺に複数の遺体が葬られた古墳が多く存在すると推測されることや、これらの習俗が弥生時代にはなく、古墳時代になってからのものであることをわかりやすく解説していただきました。
     また、古墳時代中期に農業生産や手工業生産を担う有力家族によって、70年から80年にわたって代々築かれたと考えられるイザ原古墳群(倉吉市)では、築造空間が減少するにつれ、規模がだんだん小さく、形状も歪になることから、古墳の大きさ・形から葬られた人たちの関係をうかがうことができるなど、興味深いお話も多く、参加された県民の方々は、考古学や鳥取県の歴史に関する関心を一層深めていただいたものと思います。(詳しく知りたい方はブックレット23をご参照ください)。

     次回(第3回)は米子市経済部文化観光局文化振興課専門官の中原斉先生をお招きして、「白鳳・天平文化の華―因幡・伯耆の古代寺院―」と題してお話をしていただきます。11月6日(日)午後1時30分から、県立博物館講堂にて開催します(定員80名、先着順)。参加希望の方は、専用フォームからお申し込みください。

    髙田健一先生による講演の写真
    髙田健一先生による講演の様子

    公文書館 2022/10/11 in 県史活用担当,講座などのイベント

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