米子いただきがいな隊 会長 松原毅さん

 鳥取県西部の郷土料理「いただき」で米子市を全国にPR

松原毅さん 鳥取県西部に伝わる郷土料理「いただき」を県内外に発信しようと、各イベントへの出展や料理教室開催など積極的なPR活動をすすめ、NHKラジオ全国放送やネット新聞でも取り上げられている「米子いただきがいな隊」。
 同隊を2011年10月に立ち上げた松原会長に、その想いを伺いました。



  

できることをやって、地域を元気に!

---県西部中小企業青年中央会を母体として2010年に設立した「鳥取県地産会」で、既に様々な取組みをされてきました。

 県西部中小企業青年中央会の地域ビジョン委員長をしていた2008年に、まぐろバーガーや白ネギ料理の提案をし、その後、かにバーガーにも取り組みました。
 仕事柄いろいろな地域の地域振興の取組みを見てきたので、それらの良い部分を組み合わせて、地域を盛り上げる取組をしたいと考えてきました。
 例えば、岡山県日生(ひなせ)地区のカキオコは、人口7千人の町にカキオコを食べに190万人が訪れる。そのような取組が県西部でもできないかと。
 不景気のせいだけにせず、それぞれができることをすれば地域は盛り上がると思います。

「米子といえば?」に、自信をもって答えられるものを

---なぜ「いただき」を取り上げたのでしょうか?

米子いただきがいな隊の皆さん 米子の周りには名物が多い。松江市といえば松江城、安来市なら足立美術館、境港市なら水木ロードやマグロ、ベニズワイガニという具合です。でも「米子市で有名なものは?」と聴かれると、答えに詰まる市民が多いのでは。例えば就職活動の面接や県外の人との会話で「米子市といえば『いただき』です」と自信を持って答えられるようになれば、と思っています。
 「いただき」というネーミングも面白いと思います。聞いただけではどんな料理か検討がつかない。米を使っているので「米子」の「米」ともつながる点も面白いですね。
 米子だけでなく、鳥取県西部の秀峰「大山(だいせん)」の頂(いただき)に似ているからという由来の説があることも、鳥取県西部をPRするのに合います。

「ご当地グルメ」は地域に受け入れられてこそ

 名物を作るのに、あまりお金はかけなくても良いと思っています。
 名物料理を作るのは、あくまで地域の特産を宣伝する手段。鳥取県地産会で企画した「みなとのまぐろバーガー」「みなとのかにバーガー」も、境港が日本有数の水揚げを誇るマグロやカニがテーマだから意味があります。
 「ご当地グルメ」は地域の人に受け入れてもらえないと、うまくいかないと思います。
 その意味でも、もともと地元で愛されていた「いただき」は良い素材。昔からある郷土料理は各地域の個性が出やすいですし、米を使う「いただき」には日本海側の米文化が表れています。

一番の想いは「次の世代への継承」

---親子料理教室を開かれましたね。

 明治中期から伝わる「いただき」ですが、昭和50年代以降は核家族化の影響で家庭で作られなくなり、今いただきを作れるのは60~70代の方々です。
 親子料理教室で、子どもに「いただき」作りを体験してもらうことで、その子どもたちが生きている一世紀近くは「いただき」の味が受け継がれる。一世紀あれば、その間に次の誰かが、また受け継ぐ取組みをしてくれるでしょう。
 子どもたちが将来県外に出ても、広めてくれるという思惑もあります。
 参加した子どもたちからは「家でも作ってみたい」という嬉しい感想が聞かれました。

地元・県外から反響が

---活動を始めての反響は?

 2011年10月に米子市役所でプレス発表してから、地元紙はもちろんNHK全国放送やネット朝日でも取り上げられました。千葉県や山口県など県外からも問い合わせが来たりして、パンフレットを追加印刷しなければならないという状況でした。
 米子市内の年配の方からは「よう『いただき』をだしてごした(取り上げてくれた)。なくなるかと思っとった」と賛同の声もいただきました。
 いただきをメニュー化している店も、駅の案内所で「いただき」のことを聴いた客が食べに来られることが増えたと聞いています。
 「いただき」を認知してもらい、食べに来てくれることで街の活性化につながってほしいと思います。

「いただき」と「マンガ」のコラボで、相乗効果を!

---今後の展開は?

 2012年はマンガサミットイヤーですから、マンガと「いただき」でコラボしたいですね。例えば、「いただき」にマンガキャラの焼印を入れるとか。
 ギャルゲー(鳥取県西部を舞台にしたゲーム)のキャラともぜひコラボしたいと思っています。
 単独でPRしても限界がありますが、全く違うジャンルがくっつくことで、大きな相乗効果が生まれる。
 米子は昔は田んぼだらけでしたが、昭和10年代頃に国鉄の中四国本部が米子に置かれたのが発展したきっかけ。その意味では、トーマスのようなマンガで「鉄道の町『米子』」で売り出して、さらに「いただき」のような「食」とコラボすると面白いのではないかと思っています。
 6月の「とっとりご当地グルメフェスタ」では、あごかつカレーや鳥取牛骨ラーメンとともに、特別メニューを考えて、B-1に負けないようにがんばりたいと思っています。
 現場で炊き上げた「いただき」が一番おいしいので、ぜひともお客さんに食べに来ていただきたいですね。

 

(取材日:平成24年3月9日)