平成23年 給与に関する報告及び勧告並びに人事管理に関する報告 

職員の給与等に関する報告・勧告の概要

平成23年11月1日
鳥取県人事委員会


  本日、11月1日に、県議会議長及び知事に対して、次のとおり、職員の給与等に関する報告・勧告を行いました。

 なお、勧告に当たり、お忙しい中、職種別民間給与実態調査に御協力をいただきました民間事業所の皆様には、この場をお借りし、改めてお礼申し上げます。


本年の給与等報告・勧告のポイント

●月例給を引き下げ、ボーナスを据置き(平均年間給与は△28,749円)

1 月例給の引下げ
  • 全給料表・全号給の引下げ(現行給料表から△0.6%)
  • 管理職手当の引下げ(△0.6%)
    ※医療職(1)を除く。
2 特別給(ボーナス)は据置き(3.90月分)

●給与構造改革における経過措置額の廃止等

  • 給与構造改革における経過措置額は、平成24年4月1日に廃止
  • 廃止により生ずる原資を用い、現行給料表の構造を是正

1 給与決定の原則

 地方公務員法第24条第3項は「職員の給与は、(1)生計費並びに(2)国及び(3)他の地方公共団体の職員並びに(4)民間事業の従業者の給与(5)その他の事情を考慮して定められなければならない」と規定しており、これらの判断基準を調査し、総合勘案した。

2 給与を取り巻く状況

(1) 民間事業所従業員の給与の状況

 人事院と共同で県内の企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の203事業所のうちから140事業所を抽出し、従業員の個人別給与を実地調査して県職員と比較した。

<月例給・特別給の比較>

区分

県内民間(A)

県職員(B)

公民較差(A-B)

月例給
(平成23年4月分)
338,672円 340,605円 △1,933円(△0.57%)
(経過措置額なし) 338,672円 338,004円 △668円( 0.20%)
特別給(平成22年8月~23年7月) 3.95月分 3.90月分 0.05月分
(注)月例給は、ラスパイレス方式による比較。

(2) 国家公務員の給与の状況

  • 本県においては、国と概ね類似の給与制度をとっている。
  • 人事院においては去る9月30日に、月例給(50歳台を中心に40歳台以上を念頭に置いた俸給表)を引き下げ、ボーナスを据え置くこと、給与構造改革における経過措置額を廃止すること等を内容とする報告・勧告を行った。
  • また、国と県との給与を4月1日現在で比較した国公ラスパイレス指数において、本県では、わたり廃止の経過措置の縮減等により当該指数の差が拡大している。
  • なお、国では、人事院勧告とは別に、本年6月に「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」が国会に提案されており、成立後は、国家公務員の給与減額支給措置が採られる予定。

<国公ラスパイレス指数(国=100)>

平成14年

15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年

97.6

97.3 95.7 95.5 96.5 97.3 98.8 95.3 94.8
 

(注)平成14年から19年までは職員の給与カットを実施しており、そのカット後の額で比較

(3) 他の都道府県の職員の給与の状況

  • 他の地方公共団体においては、本県と同様に国と概ね類似の給与制度をとっている。
  • 本年の給与改定については、これまでに勧告のあった都道府県等の状況を見ると、概ね地域の実態をより反映したものとなっている。

(4) 生計費及びその他の事情

  • 勧告後の給与は、生計費を充足している。
  • 民間における経済、雇用情勢等は、改善を示す指標も見受けられるが、依然として厳しい状況が続いているところであり、今後は、より一層の経済・雇用情勢の悪化が懸念されるところ。

3 勧告に当たっての考え方

 県内民間の状況、国や他の地方公共団体の職員給与との均衡、職員の士気の確保、公務への有能な人材の確保、職員の労働基本権制約の代償措置であるという給与勧告制度の趣旨等を総合的に勘案し、次のとおり判断した。

  • 月例給については、各種手当を含めた本年の解消較差を△0.57%とし、当該較差を給料表、管理職手当等で解消するため、これに見合う△0.6%を給料表、管理職手当等から引き下げることとした。
  • 特別給については、地域の民間事業所の実態を反映させるという観点から、近年、国及び他の地方公共団体の支給月数と大きく異なることがあっても本県の民間事業所の支給月数と同じ支給月数としてきたところではあるが、本県の厳しい経済・雇用情勢等にかんがみ、納税者である県民の理解と納得を得るという観点から、今回は引き上げる状況にないと判断した。
  • また、給与構造改革における経過措置額を廃止し、これにより生ずる原資等を用い、昇任・昇格に伴う給料額の引上げが十分に行われない現行給料表の構造是正を進めることとした。

4 勧告の内容

(1) 月例給について

ア 給料表

  • 現行の給料表から△0.6%引下げ
  • 給与構造改革における経過措置額についても同様に引下げ
イ 諸手当
  • 管理職手当を給料表と同じ引下げ率を乗じて引下げ(△0.6%)
    ※医療職給料表(1)は、除く。

(2) 給与構造改革における経過措置額の廃止と給料表構造の是正について

  • 経過措置額は、平成24年4月1日で廃止
  • 経過措置額の廃止により生ずる原資等を用いて、現行給料表の構造(行政職2級相当と同3級相当部分)を是正

(3) 実施時期

  • 月例給  平成24年1月1日実施
  • 給与構造改革における経過措置額の廃止等  平成24年4月1日実施

5 主な提言事項

<給与制度関係>

(1) 給与制度の見直し
ア 公民給与の比較方法(役職対応関係)の見直し
 労使との協議結果を踏まえ、今年は現行の役職対応関係は変更しないで公民の給与較差を算定。今後、人事院の見直し状況を注視し、労使の意見も聴きながら、引き続き慎重に検討。

イ 教育職給料表の一本化
 円滑に一本化を行うための条件整備が整っていない中、この度は勧告を行うことは適当でないと判断。

<人事管理関係>

(2) 仕事と家庭生活の両立支援
  • 仕事と家庭生活の両立支援のための環境整備が進み、支援制度の利用が着実に増加
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の着実な実行のため、制度の周知、代替職員の配置、各職場における両立支援への理解促進、育児休業等を利用しやすい雰囲気の醸成、職場内の相互協力体制の整備が重要
  • 男性の育児休業取得促進の一助として、短期間の取得者の期末手当の支給割合を見直し

(3) 時間外勤務の縮減対策
  • 管理職は、業務の進捗管理、業務の見直し等所属のマネジメントに努め、職員に不要不急の時間外勤務を行わせないことが重要
  • 時間外勤務縮減のために勤務実態の正確な把握が不可欠であり、ICカード職員証など情報技術を活用した客観的な出退勤管理のためのシステムの整備を進めることが必要

(4) 労働災害の防止
  • 法令遵守のみならず、快適な職場環境の実現と労働条件の改善に取り組むことが必要
  • 職場の職員全員が意識を高め、日頃から危険因子の発見に努め、災害防止のための活動に参画し、安全確保のための活動の定着を図ることが重要

(5) 職員の健康保持
  • 長期療養者に占める精神疾患の割合は依然高く、メンタルヘルス対策への取組は不可欠。引き続き、職員のストレスチェック等のメンタルヘルス対策に力を注ぐことが必要
  • 職員の心の健康の保持・増進のため、管理職員、健康管理担当スタッフ、産業医等による総合的な支援が重要。特に、管理職員は、日頃から所属職員のストレス状態の把握やその軽減に努め、職場環境を良好に保つなど様々な方法でメンタルヘルスに取り組むことが必要長期療養者に占める精神疾患の割合は依然高く、メンタルヘルス対策に取り組むことは引き続き重要

(6) 高齢期の雇用問題
  • 国においては、本年、人事院が、公的年金の支給開始年齢の引上げに合わせて、平成25年度に60歳に達する者から3年に1歳づつ段階的に定年を引き上げるなど意見を申出
  • 本県においても国の動向を注視しながら給与水準も含めた高齢期の雇用問題について検討することが必要

(7) 非常勤職員等の処遇及び障がい者の雇用
  • 非常勤職員等の任用に当たり、勤務条件についての十分な理解を得ることが重要
  • 障がい者の雇用を促進するための諸課題について、引き続き検討が必要

    報告・勧告の資料

    職員の給与等に関する報告・勧告の概要(PDFファイル、184KB)


    職員の給与に関する報告及び勧告並びに人事管理に関する報告の本文

    • 別紙1 職員の給与に関する報告
    • 別紙2 職員の給与に関する勧告
    • 別紙3 人事管理に関する報告
    (PDFファイル、659KB)


     参考資料(表紙) (PDFファイル、25KB)
     参考資料(PDFファイル、969KB)

     


     勧告のポイント (PDFファイル、295KB)
     給料表改正のイメージ(PDFファイル、81KB)
     知事への勧告時委員長コメント要旨(PDFファイル、125KB)

     

     

     

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