鳥取県警察における警察改革の推進状況(10年間の検証)(鳥取県公安委員会・鳥取県警察)

警察改革の推進状況

  国家公安委員会・警察庁が平成12年8月に策定した「警察改革要綱」及び平成17年12月の「警察改革の持続的断行」に基づき、鳥取県警察が鳥取県公安委員会の管理の下、平成22年まで取り組んできた各施策の推進状況(10年間の検証)について取りまとめたものである。
  

新たな時代の要請にこたえる警察の構築

暴力団犯罪その他の組織犯罪との対決

推進の概要

  •   平成16年4月、組織犯罪対策課を設置し、暴力団犯罪、薬物・銃器犯罪対策等を一体的に推進している。
  •   関係機関と連携した水際対策の推進及び合同捜査等により暴力団犯罪、薬物・銃器犯罪捜査を推進している。
  •   平成22年、鳥取県の全ての行政事務から暴力団排除に関する合意書を締結した。
暴力団排除活動

評価

  暴力団等による銃器発砲事件が平成15年以降発生しておらず、暴力団等に対する取締りや暴力団排除活動等の強化により効果があったものと認められる。

今後の方向性

  引き続き、摘発、押収に向けた情報収集や内偵捜査の推進、関係機関との連携を強化する必要がある。
  また、平成23年4月に施行された「鳥取県暴力団排除条例」の内容の周知徹底を図っていくとともに、その積極的な活用を通じて、暴力団排除活動を強化する必要がある。

サイバー犯罪等ハイテク犯罪対策の抜本的な強化

推進の概要

  •   平成12年4月、サイバー犯罪担当の警視(管理官)を設置して、サイバー犯罪捜査に関する指導能力の向上を図った。
  •   平成15年4月、警察本部内にサイバーテロ対策プロジェクトを設置し、同プロジェクトにより重要インフラ事業者への個別訪問を実施し、連絡体制を確立した。

評価

  •   サイバー犯罪担当の管理官を設置するなどサイバー犯罪対策室の体制を強化したことにより、各警察署が行うサイバー犯罪捜査に関する指導・調整、広報啓発活動、相談対応等の施策等サイバー犯罪の捜査と予防に関する施策を警察組織として一体的に推進することが可能になったと認められる。
  •   サイバーテロ対策プロジェクトと重要インフラ事業者とのセキュリティ連絡会が開催され、サイバー攻撃に関する情報提供や事案発生時を想定した共同訓練が実施されるなど、サイバーテロ対策が進められているものと認められる。

今後の方向性

  •   インターネットの普及により、サイバー犯罪も急速に増加していることから、警察において取締りの強化を図るとともに、県民・事業者に対して注意喚起を行い、サイバー犯罪に強い社会づくりを目指す必要がある。
  •   サイバーテロ対策を一層推進するため、重要インフラ事業者への個別訪問、セキュリティ連絡会の開催及び共同訓練等を積極的かつ継続的に実施する必要がある。

広域犯罪への的確な対応

推進の概要

  •   他府県に波及する広域犯罪等に的確に対応するため、広域機動捜査班等による広域捜査訓練を実施したほか、府県間を跨ぐ広域窃盗事件等に対応するため、共同・合同捜査を積極的に実施した。

 【広域捜査訓練の実施状況】

 

12年度

13年度

14年度

15年度

16年度

17年度

18年度

19年度

20年度

21年度

22年度

実施回数

0

2

4

2

4

3

4

4

2

4

3

 

 【共同・合同捜査の実施状況】

12年度

13年度

14年度

15年度

16年度

17年度

18年度

19年度

20年度

21年度

22年度

実施回数

2

2

8

7

6

3

2

2

3

4

3

 

  •   自動車盗や自動車を利用した犯罪を迅速かつ確実に検挙するため、平成7年から自動車ナンバー自動読取システム等の整備を推進している。

 【自動車ナンバー自動読取システムの整備状況】

 

12年度

13年度

14年度

15年度

16年度

17年度

18年度

19年度

20年度

21年度

22年度

合計

整備状況

1

0

0

1

1

1

1

0

1

12

0

23

 

評価

  •   年間2回以上の広域捜査訓練を実施することにより、身の代金目的誘拐事件等の広域犯罪への対応力が向上したと認められる。
  •   自動車ナンバー自動読取システムの整備により、自動車盗、ナンバー盗あるいは自動車利用犯罪の検挙に効果が認められた。

今後の方向性

  •   犯罪のグローバル化に的確に対応するため、引き続き、広域捜査訓練の反復的実施や共同・合同捜査の積極的推進を図る必要がある。
  •   広域犯罪に引き続き的確に対応するため、自動車ナンバー自動読取システム等の整備を推進する必要がある。

警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化

情報公開の推進

推進の概要

  平成18年6月、「鳥取県警察の施策を示す訓令・通達の公表基準」を制定し、警察の施策を示す訓令・通達の県警ホームページでの公表数は大幅に増加した。
訓令・通達の公表数

評価

  公表基準を整備し、積極的に取組を行っており、警察行政の透明性の確保が図られていると認められる。

今後の方向性

  今後も警察行政の透明性の確保と説明責任の遂行を図るため、施策を示す訓令・通達の公表を継続する必要がある。

警察職員の職務執行に対する苦情の適正な処理

推進の概要

  苦情の取扱いに関する規程の整備により、苦情の受理・処理状況が組織的に一元管理され、公安委員会への報告が確実に行われている。
  また、事案ごとに業務改善を行い、職員への意識改革が図られている。
【苦情受理件数】
14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年
公安委員会あて

15

12

8

8

5

4

3

4

4

警察本部長あて

116

148

116

121

78

28

24

78

74

評価

  苦情案件については、公安委員会や警察本部長に適時適切に報告されており、公安委員会や警察本部長が第一線の実情を把握する手段として機能が果たされていると認められる。
  また、指摘事実があった場合はもとより、指摘事実がない場合でも、その留意事項等について指導教養が行われるなど業務改善が行われ、職員への意識改革が図られていると認められる。

今後の方向性

  苦情申出制度は、警察職員の不適切な職務執行、非効率な業務運営の改善を図るための重要な手段の一つであることから、引き続き、苦情担当主管課による巡回指導、業務点検を通じて、制度を適切に運用する必要がある。
  また、警察職員の不適切な職務執行等指摘事実がある事案を減少させるため、苦情主管課はもとより各所属において継続的に指導教養を推進する必要がある。

警察における厳正な監察の実施と非違事案の防止に重点を置いた監察の強化、非違事案に対する厳正な処分

推進の概要

  •   平成12年に「鳥取県警察の監察に関する訓令」を制定し、非違事案の未然防止に配意した厳正な監察を実施するとともに、監察の実施状況については、四半期ごとに公安委員会に報告している。また、職員に対して監察の結果等を踏まえた各種執務資料を発出し、非違事案の未然防止を図っている。
  •   平成16年度に首席監察官を地方警務官に格上げするとともに、平成17年3月、警務部監察官室に監察第二係を新設し、警部1人、警部補1人を増強配置した。
  •   警察庁制定の「懲戒処分の指針」を全職員に対して通知し、周知徹底を図った。

評価

  •   毎年度、全警察署を対象とした総合監察のほか、随時監察を実施するなど、監察の強化が図られている。
  •   首席監察官を地方警務官に格上げしたことにより、警察本部各部や警察署に対する指導力が強化されるとともに、監察の立場からの意見が反映されるなど効果が認められる。
  •   非違事案を認知した場合には、「懲戒処分の指針」等を参考にして厳正な処分等を行うとともに、「懲戒処分の発表の指針」に沿った適時適切な発表が行われている。

今後の方向性

  本県警察においては、ほぼ毎年非違事案が発生していることから、非違事案の絶無に向けて、今後とも非違事案に対しては、厳正に対処するとともに、非違事案の未然防止に重点を指向した厳正な監察を実施し、警察の能率的な運営及びその規律の保持を徹底する必要がある。

公安委員会の管理機能の充実と活性化

推進の概要

  •   平成15年2月から、定例公安委員会の開催回数を月3回から4回に増加した。
  •   平成15年度に警務部総務課に公安委員会補佐室を新設し、平成21年度からは同補佐室を附置機関に格上げとして、補佐体制を整備した。
  •   公安委員会定例会議の議題事項及び重要案件については、公安委員に事前説明を行い、十分な理解を得た上で審議に臨むなど公安委員会の管理機能の充実強化のための取組が行われている。

評価

  公安委員会の専従補佐体制が整備、強化されるとともに、定例会議における審議の充実と議事録の公表、警察署等第一線現場に対する視察・督励の積極的実施等、公安委員会の管理機能の充実強化が図られたと認められる。

今後の方向性

  公安委員会がその管理機能を十分に発揮できるよう、引き続き、公安委員会の意見をきめ細かく聴取するなど補佐機能の充実に努めるほか、県警察全体に公安委員会の管理機能の趣旨を十分理解させる必要がある。

「国民のための警察」の確立

国民の要望・意見の把握と誠実な対応

警察安全相談の充実

推進の概要

  警察本部に警察総合相談室を設置するとともに、各警察署に警察安全相談所を設置し、警察安全相談の受理体制を整備した。
相談件数
 ※相談件数は、平成16年をピークにその後も高い水準で推移しており、平成22年の相談件数は、平成12年と比べ2.5倍以上の件数となっている。

評価

  警察安全相談窓口の設置、相談体制の強化、広報活動の展開(「警察相談の日」の実施や警察相談専用電話「#9110」の周知等)、関係機関との連携等により、警察安全相談が充実し、県民から寄せられた相談に対する効果的な解決事例が見られた。

今後の方向性

  相談主管部門のみならず、専務部門、交番・駐在所又は当直のいずれに持ち込まれた相談についても、その内容、取組状況等の記録化、所属長への報告等を徹底し、相談業務の組織的な管理の徹底を図るとともに、相談業務の更なる充実強化を図る必要がある。

警察署協議会の設置

推進の概要

  平成13年6月、各警察署に警察署協議会を設立し、警察署の業務について地域住民の意見を聴くとともに、理解と協力を求める場として活用している。
  平成14年以降の警察署協議会の1回当たりの開催平均時間は100分以上、年間開催回数は3回以上、委員の出席率は85%以上が維持された状態で運営されている。
  平成22年は、八橋、境港警察署協議会に公安委員が参加し、意見交換を行った。

評価

  平成22年2月から3月までの間、警察庁が全国の警察署協議会委員に対して実施したアンケートの結果、本県では、警察署協議会における議論等が、警察署の業務運営に反映されていると思うと回答した委員が83%を占めるなど、警察署協議会が地域住民の意見要望を警察署の業務運営に反映させる場として機能し、警察署長の諮問機関としての本来の役割を果たしていると認められる。

今後の方向性

  警察署協議会が、今後も地域住民の意見要望を警察署の業務運営に反映させる場として有効に機能するよう、引き続き、警察署長自らがその運営に積極的かつ主体的に取り組む必要がある。
 

国民の身近な不安を解消するための警察活動の強化

空き交番の解消、駐在所の再評価及びパトロールの強化

推進の概要

 交番相談員を全交番(16交番32人)に配置した結果、警察官の警ら、立番等の街頭活動の時間を確保するなど、警察活動を強化した。

評価

   地域警察官による街頭活動が強化され、警ら時間が大幅に増加し、また、地域警察官の街頭での職務質問による検挙活動が推進された結果、刑法犯検挙人員に占める地域警察官による検挙人員の割合について、平成21年の74.3%を最高として、継続的に60~70%台の水準を維持する等、犯罪の抑止と検挙に一定の成果が認められる。
警らの状況

今後の方向性

  犯罪検挙等に一定の成果が認められるものの、凶悪犯罪の発生が跡を絶たないなど、治安に対する住民の不安感が解消されないため、地域警察官による街頭活動の強化を更に推進する必要がある。
  また、地域の実態に応じて地域住民との連携を強化し、地域住民の安心感の醸成を図るための警察活動を積極的に推進する必要がある。

犯罪のないまちづくりの推進

推進の概要

  •   公共空間における犯罪を予防し、被害を未然に防ぐとともに、犯罪発生時には犯人の追跡などに迅速・的確に対応することを目的として、防犯カメラの設置拡充を働き掛けている。
  •   安全で安心なまちづくりを実現するためには、県民が防犯意識を高め、自主的な防犯活動を推進することが重要であり、防犯ボランティア活動の活性化を図るため、県及び防犯連合会と連携し、活動に必要な物品の支援、防犯ボランティアの研修会の開催及び不審者情報の発信等を実施している。
 【防犯ボランティア団体結成数】
16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年
防犯ボランティア団体数

9

130

175

193

194

199

203

防犯ボランティア人員

315

10,194

17,051

16,905

17,897

19,461

19,580

青色防犯パトロール団体数

9

21

24

27

32

34

青色防犯パトロール車両台数

48

79

86

93

103

104

青色防犯パトロール人員

625

1,288

1,479

1,693

1,773

1,965

※ 防犯ボランティアは平成16年、青色防犯パトロールは平成17年にそれぞれ開始
  •   子どもと女性を対象とする性犯罪等の前兆とみられる声かけ、つきまとい等について行為者を特定し、検挙又は指導・警告を講じる先制・予防的活動を専門的かつ継続的に行うため、平成21年4月、生活安全部生活安全企画課に「子どもと女性の安全対策係」を設置した。
 【子どもと女性の安全対策係の運用状況】
21年 22年
警告件数

23

31

警告人員

23

31

検挙件数

10

12

検挙人員

10

12

派遣事案数

195

207

情報発信

94

96

※ 平成21年は4月から12月までの間の実績

 

評価

  •   飲食街や公園等の安全・安心を確保するため、防犯ボランティア団体や警察署協議会を通じて防犯カメラの設置を働き掛けた結果、県下で平成20年2月に2か所18台であったものが、平成22年には9か所65台となり、設置が拡充された。
  •   防犯ボランティアは、平成16年の9団体315人が、平成22年には203団体19,580人と増加し、また、青色回転灯を装備した防犯パトロール団体は、平成17年の9団体車両48台625人が、平成22年には34団体車両104台1,965人と増加した。
  •   子どもと女性の安全対策係において、所轄警察署との連携の下、先制・予防的活動を推進した結果、子どもや女性を対象とした性犯罪等の前兆事案について平成21年は23件、平成22年は31件の事案について行為者を特定して、警告措置を講じ、性犯罪等の未然防止、被害拡大防止が図られた。

今後の方向性

  •   公共空間における犯罪を予防し、被害を未然に防止するため、引き続き、防犯カメラの設置拡充を働き掛ける必要がある。
  •   防犯ボランティア団体は、小学生の保護者を中心に順調に増加しているものの、子どもの見守り活動が主要となっている団体が多く、活動内容、時間帯等の拡充を図るとともに、学生、社会人等の現役世代の参加を促進し、その活動内容の充実を図るための措置を講じる必要がある。
  •   子どもと女性を対象とした性犯罪等の発生を未然に防止するため、引き続き、関連情報の把握と手口の分析に努め、その結果に基づく先制・予防的活動を推進する必要がある。

被害者支援の推進

推進の概要

  •   平成12年3月から被害者支援担当者制度の運用を開始し、各警察署に被害者支援担当者を指定して被害者支援を推進している。
  •   平成20年10月、民間犯罪被害者支援団体である「とっとり被害者支援センター」が設立され、同団体と連携して被害者支援を推進している。
  •   捜査過程において必要となる医療費等を公費で負担し、被害者の経済的負担の軽減を図っている。
とっとり被害者支援センターと連携した広報

評価

  •   被害者支援担当者により、被害者に対し「被害者の手引」を活用した刑事手続、法的救済制度等の情報提供、捜査の進捗状況、被疑者の処分結果等の連絡活動、また、被害者方付近のパトロール活動の強化等、ニーズに応じた多様な被害者支援が推進されていると認められる。
  •   民間犯罪被害者支援団体「とっとり被害者支援センター」による「鳥取県被害者支援フォーラム」等の開催に協力しているほか、同団体とともに被害者支援に係る街頭広報・啓発活動を実施するなど、被害者支援の必要性に対する県民の理解と協力を図っていると認められる。
  •   性犯罪を含む身体犯被害者が捜査過程において必要となる医療費のほか、解剖遺体の搬送費及び死体検案書料を公費で負担し、被害者の経済的負担の軽減が図られていると認められる。

今後の方向性

  引き続き、各種施策を適切に実施するとともに、平成23年3月に鳥取県公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体に指定された「とっとり被害者支援センター」との連携を図り、早い段階から被害者を支援するなど、より途切れのないきめ細やかな犯罪被害者支援を推進する必要がある。


警察活動を支える人的基盤の強化

精強な執行力の確保と一人一人の資質の向上

教育の充実

推進の概要

  実戦的総合訓練により、若手警察官の現場対応力向上のための訓練を実施している。
  平成22年は、模擬交番及びパーテーション交番等で24時間の交番勤務をさせながら、多種多様な警察事象を想定し、現場対応を行う「総合実務演習の日」を実施し、現場勤務に即したより実戦的な現場対応訓練を実施した。
実戦的総合訓練

評価

  職務質問から逮捕制圧までの一連の流れを体験させる実戦的総合訓練の実施により、若手警察官の現場対応力向上のための訓練体制の強化が図られた。

今後の方向性

  実戦的総合訓練等、現在推進中の施策に検討を加えながら、各種施策を着実に推進する必要がある。

優秀かつ多様な人材の確保と活用

推進の概要

  平成19年度から導入したリクルーター制度等により、大学などへの勧誘活動を積極的に実施し、優秀な人材の確保を図っている。
  平成22年は、受験年齢基準を3歳引き上げて33歳未満とし、身体基準を「正常であること」から「職務執行に支障がないこと」としたほか、人物試験(個別面接)の時間を5分延長して25分間とするなどした。
 【受験者数・合格者数・競争倍率の推移】
受験者数・合格者数・競争倍率

評価

  積極的な受験者募集活動に努めた結果、小規模県レベルの当県としては相当の水準を維持しており、多数の受験者の中から合格者を決定することができていると認められる。

今後の方向性

  大量退職期の到来により、今後も大量の採用人数が必要であるため、高い競争倍率により優秀な人材を獲得していく積極的な募集活動を推進する必要がある。

女性警察官の積極的な活用

推進の概要

  •   鳥取県警察に勤務する女性警察官は年々増加している。平成22年4月1日現在における鳥取県警察に勤務する女性警察官の総数は52人(全警察官の約4.3%)で、平成12年の約4倍に増加した。また、女性警察官の職域は、平成12年度には地域・刑事・交通部門であったが、その後、警務部門、生活安全部門、警備部門等すべての部門に拡大した。

女性警察官数・割合
女性警察官の活動状況

  •   平成17年4月、「鳥取県警察特定事業主行動計画」(前期計画)の策定により、育児等を支援する制度を導入し、平成22年3月、同計画の後期計画の策定により、制度の充実を図るなど、女性警察官の働きやすい職場環境づくりを推進している。

評価

  女性警察官の積極的採用とその職域拡大により、ストーカー行為、配偶者からの暴力、児童虐待等への取組体制や性犯罪等に係る被害者支援の充実が図られた。

今後の方向性

  男女共同参画社会の基本理念や男女雇用機会均等法の趣旨等を踏まえ、女性警察官の採用・登用の拡大を積極的に推進する必要がある。

業務の合理化と地方警察官の計画的増員

推進の概要

  管理・デスク部門を削減する一方で、実働部門が大幅に強化された。
【平成12年度から平成22年度までの実働部門、管理・デスク部門の配置基準の変化】

実働部門

管理・デスク部門

合計

974→1,000(+26)

129→128(-1)

1,103→1,128(+25)

【平成12年度から平成22年度までの部門別増加人員数】

警務  

留置管理

生活安全

地域

刑事

組織犯罪対策

交通

警備

-7

26

3

-9

-9

53

-18

-14

【平成12年度から平成22年度までの本県警察官の増員数】

政令定数

63

条例定数

73

評価

  合理化・再配置及び地方警察官の増員により、実働部門の体制強化等が図られており、効果的な人員配置が行われているものと認められる。

今後の方向性

  引き続き、徹底的な合理化と真に人員の手当を必要とする部門への再配置を行うとともに、警察官の増員によらなければ有効に対処しがたい治安課題については、増員による体制強化も検討する必要がある。

活力を生む組織運営

推進の概要

  •   平成19年度に、地方警察官の給与の格付けで部長級(公安職9級、管理職手当2種)が従前3人であったものを、総括参事官等8人の職の格付けの改善を行い、合計11人に拡大するなど、職責に応じた級の改善を行った。
  •   ヘドロ・危険物の堆積による劣悪又は危険な環境の下において行われる潜水作業の加算措置の新設、航空手当のうち教育訓練の作業に従事した場合の支給額の引き上げなど、勤務の特殊性と実態に沿った改正を行った。
  •   過重労働対策や心の健康管理対策を推進するため、平成19年度から、過重労働者の実態と問診表による健康実態の把握に努め、産業医による保健指導を行った。

評価

  •   職務・職責に応じた職の格付けの改善を行った結果、適正な給与処遇に改善した。
  •   特殊勤務手当の支給対象を、勤務の特殊性と実態に沿ったものに改正したことにより、実態に応じた適正支給に改善した。
  •   各種健康診断、産業医及び保健師等による保健指導並びに生活習慣病対策事業の推進により、生活習慣病の予防と改善に関する職員の意識の醸成が図られた。

今後の方向性

  •   活力のある組織運営を維持するため、職場及び勤務環境の改善にも努めていくとともに、女性警察官の積極的な登用を推進するなど、女性幹部の育成を図る必要がある。
  •   警察職員の健康管理対策は、危機管理上最も重要であることから、身体の健康及びメンタルヘルス疾患対策を組織的に推進する必要がある。

治安の回復(警察改革の持続的断行)

街頭犯罪・侵入犯罪の発生を抑止するための総合対策の推進

推進の概要

  •   平成14年12月、街頭犯罪等の市民生活密着犯罪総合対策推進本部設置要綱を制定し、総合的な抑止対策を推進している。
  •   平成22年の刑法犯の認知件数はピーク時の平成15年に比べ約44%減少した。

 【刑法犯・侵入窃盗認知件数等】

 

平成12年

対比

平成22年

刑法犯認知件数

6,682件

-1,493件(△22.3%)

5,189件

侵入窃盗認知件数

771件

-366件(△47.5%)

405件

評価

  街頭犯罪・侵入犯罪の発生を抑止するための諸対策を推進した結果、上記のとおり刑法犯認知件数等が減少した。

今後の方向性

  刑法犯認知件数等が減少しているものの、県民の身近で発生している自転車盗の発生が高い水準にあるとともに、凶悪犯罪の発生が跡を絶たないなど治安に対する住民の不安感が解消されないため、引き続き、街頭犯罪等を抑止するための総合対策を推進する必要がある。

重要犯罪に係る捜査の強化

推進の概要

  •   DNA型鑑定の積極的な活用や検視体制の強化など、重要犯罪の検挙に向けた取組を推進している。
  •   重要犯罪の認知件数、検挙件数、検挙人員等は平成14年から15年ころをピークに減少している。

 

 【重要犯罪の状況】

平成12年

対比

平成22年

認知件数(件)

89

-42(△47.2%)

47

検挙件数(件)

58

-22(△37.9%)

36

検挙人員(人)

38

-9(△23.7%)

29

 【重要犯罪 認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率】
重要犯罪 認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率

評価

  平成12年から平成22年までの重要犯罪の検挙率の平均値は70.0%であった。
  また、平成20年及び21年は平均値を下回ったが、DNA型鑑定の積極的活用等により、平成22年は強盗殺人事件、広域年少者わいせつ事件等社会的反響の大きい重要犯罪を検挙し、検挙率は76.6%に回復したものの、高い検挙率を維持していくには予断を許さない状況にあると認められる。

今後の方向性

  引き続き、DNA型鑑定の積極的活用、検視体制の強化等の取組を推進し、重要犯罪に係る捜査強化を図るなど、検挙に向けた取組を推進する必要がある。

振り込め詐欺対策の強化

推進の概要

  •   平成20年6月、「振り込め詐欺総合対策推進本部」を設置して取締活動と予防活動との連携を強化し、振り込め詐欺撲滅に向けた体制の強化を図った。
  •   振り込め詐欺の被害は、平成17年をピークに、諸対策の推進により、平成22年までに大幅に減少している。

 【振り込め詐欺の被害状況】

 

平成15年

対比

平成22年

被害件数(件)

36

-27

9

被害額

1,352万円

-1,138万円

214万円

評価

  平成20年に「振り込め詐欺総合対策推進本部」を設置して、警察の総力を挙げた取締活動及び官民一体となった予防活動を強化した結果、平成22年には被害件数・被害額の大幅な減少という成果が見られた。

今後の方向性

  継続的な取締活動及び予防活動を推進するとともに、官民一体となった予防活動を定着化させるなど、これまでの諸対策を持続的に推進する必要がある。

総合的な交通事故防止対策の推進

推進の概要

  •   交通事故死者数、負傷者数の状況

交通事故死者数・負傷者数

  •   非常勤職員である高齢者交通安全指導員(シルバー・セイフティ・インストラクター)を平成19年から雇用(平成22年末現在3人)し、高齢者に対して高齢歩行者教育システムなどを活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を行った。
  •   高齢者の交通事故防止のため、平成20年は「高齢者交通事故抑止100日作戦」、平成21年は「交通事故抑止100日作戦」、平成22年は「高齢者等訪問2万人活動」を実施し、高齢者宅訪問等による面接指導、反射材貼付活動等を行った。

評価

  平成12年と比較すると、平成22年の交通事故死者数(-13人)、発生件数(-1,262件)、負傷者数(-1,670人)のいずれも減少したことから、各種交通事故防止対策の効果が現れたものと認められる。

今後の方向性

  交通事故死者数のほぼ半数が高齢者であるため、引き続き、高齢者の交通事故防止に重点を置いた交通安全教育を推進するとともに、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反の指導取締りの推進、交通安全施設等整備事業など、総合的な交通事故防止対策を推進する必要がある。

総合的な国際テロ対策の推進

推進の概要

  •   平成18年、警備部警備第一課に国際テロ対策室を設置し、国際テロ情報等の収集・分析を担当する人員の増員等、体制の強化を図り、県内のテロ関連情報等の収集・分析を推進した。
  •   空港・港湾危機管理担当官を中心として空港不法侵入事案対処訓練(美保飛行場、鳥取空港)、境港テロ対策合同訓練(境港)を実施し、入国管理局・税関・海上保安部等との連携による水際対策の強化を推進した。
  •   外国人テロリストに関する情報収集や追跡捜査等を強化するため、旅館業者に対して宿泊者名簿の閲覧等に関する協力を要請し、不審情報の入手に努めている。

評価

  2001年(平成13年)9月の米国における同時多発テロ事件以降、世界各国でテロ対策が強化されているものの、イスラム過激派等による国際テロの脅威は依然として高い状況にあり、世界各地で無差別テロが発生している中にあって、国内において国際テロが発生しなかったことは、各種テロ対策が有効に機能したものと認められる。

今後の方向性

  引き続き、関係機関との連携、各種管理者対策の一層の強化等により、国際テロの未然防止に向けた対策等を推進する必要がある。

不祥事の防止(警察改革の持続的断行)

会計経理の透明性の確保と監査の強化

推進の概要

  •   監査委員による監査及び県会計局による会計検査において、原則、会計書類のすべての内容の提示に応じているほか、県会計局に対しては、警察本部の捜査報償費の使途別執行額を各四半期ごとに報告している。
  •   会計監査の実施結果を四半期ごとに公安委員会に報告するとともに、鳥取県警察のホームページに議事録を公開するなど、透明性の確保にも努めている。
  •   平成22年度から警務部に所属長の監査官を新設し、監査体制の強化を図った。

評価

  監査委員による監査等において、会計書類のすべての内容の提示に応じるなど、会計経理の透明性の確保が図られていると認められる。

今後の方向性

  今後とも県民に対する公金の適正な執行についての透明性を確保するとともに、捜査費及び物品調達等の契約事務等についての適切な取扱いを推進する必要がある。