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3 将来ビジョン策定の視点  (1)鳥取県の置かれている厳しい現状の認識
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 先に述べたように、鳥取県の人口は、自然減(出生者数<死亡者数)に加えて、社会減(県内への転入者数<県外への転出者数)が拡大しており、人口構成の変化も相まって、今後、地域社会の活力の減退が懸念されます。


 大都市圏と地方圏との間には、次のように、依然として大きな地域間格差があり、拡大する傾向にあります。また、このような地域間格差は、雇用や所得の状況などの面において、大都市圏と地方圏との間だけではなく、県内においても、市町村の間、東部・中部・西部の間や、県内都市地域と中山間地域との間にもあります。

  • 地域経済は低迷を続けています。また、本県事業者は、小規模事業者が多く、下請構造から脱し切れていないことから、期待される地域経済の活性化等の役割を果たすことが厳しい状況にあります。
  • 企業の新規立地については、もともと産業基盤がぜい弱でインフラ(社会基盤)整備も遅れており、地方自治体の財政力も十分でないことから、産業基盤が強い地域との格差が拡大する傾向にあります。
  • 有効求人倍率も低迷しており、若年層の早期退職や非正規雇用が増加し、企業の希望する条件と労働者側の希望する条件が合わないいわゆる「雇用のミスマッチ」も発生しているなど、県内における雇用の確保が喫緊の課題です。
  • 一人当たりの県民所得は、231万円(平成17(2005)年度)で、全国40位であり、大都市圏との格差は拡大の傾向にあります。
  • 高速道路ネットワークの整備は著しく立ち遅れています。
  • 地方公共団体、特に都道府県税収は法人事業税など偏在性の高い税目に依存した税収構造であることから、大都市圏との税収格差は拡大しています。また、三位一体改革による一方的な地方交付税の減額や、不透明感を増している最近の景気の動向などが厳しい財政状況に拍車をかけています。

  過疎・中山間地域では、少子・高齢化や人口・世帯数の減少に伴い、地域産業や生産活動が衰退し、地域コミュニティ(地域社会)を支える住民自治活動ができなくなるなど、日常生活を地域で支えることが困難となっている地域も見られます。

 また、携帯電話不感地区(携帯電話の電波が届かないため利用できない地区)等の情報格差、生活交通や医療の確保に対する不安等、過疎・中山間地域に居住される方、高齢の方などにとって、日常生活の利便性の確保に対する懸念、安全・安心など、生活上での不安が生じています。


 県債残高(県の借金の残高)は、行財政改革の効果もあり、以前の著しい増加傾向が現在は抑制されつつありますが、依然として予算規模の2倍近い残高を抱えています。基金残高(県の貯金の残高)は減少を続け、平成19(2007)年度末には約400億円となっています。

  
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