知事定例記者会見(2008年4月2日)

平成20年4月2日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約50分) ※MPEG4形式

  

1 米子-ソウル便について 

●知事

 皆様、おはようございます。平成20年度も昨日よりスタートいたしまして、心機一転、新時代を開く鳥取の次世代改革に向けたスタートを切らさせていただきました。

 昨年度、いろいろとばたばたとした懸案の多い年であったと思います。その筆頭格の一つが米子-ソウル便の問題だったと思いますが、この米子-ソウル便につきましては、3月31日まで山陰圏域の皆様に大変な御努力をいただき、関係者の方の御尽力がいろいろといい方に作用をしてきたと思っております。

 おかげさまで、結局アシアナに対する緊急運航支援につきましては、予算額、今 900万[円]持ってましたけども、 529万 2千円という幅にとどまりそうだということになりました。最終的な換算の搭乗率も67.8%でございますので、実態の搭乗率64%ぐらいでありますけども、現実には70%にかなり近い水準になったと思っております。この点、皆様にまず感謝を申し上げたいと思います。

 それから、江原道との交流の再開につきましても、いよいよ私どもも職員を送り出し、向こうからも職員をお迎えをするということになりまして、正式交流の実が上がり始めるだろうと期待をいたしております。

 このように、いろいろと懸案の多かった日韓関係にまつわること、正常化に向けて動きつつありまして、4月の4日からは、いよいよ県内の大山におきましてゴルフの韓国プロゴルフツアーが開幕をするということになります。私自身もその表彰のセレモニーなどお伺いをさせていただきたいと思っております。

 このような動きが今後も相乗効果を持って、米子-ソウル便の搭乗促進などにつながっていきますように、本日、副知事を筆頭として米子-ソウル便の搭乗率向上対策について改めて総括をし、これからの対策を練っていくと、そういう会議も予定をしているところであります。



2 鳥取県版ハローワークの設置について 

●知事

 それから、ハローワークにつきましても、年末に大騒ぎになりました。正直、国の方の労働行政には反省していただきたいというか、見直していただきたい点は多々あると思います。特に、全国一律で労働行政を展開しようというのにはやや無理がありまして、私どものように雇用が恵まれないところに対して配慮をしながら、地域間格差を解消するような雇用対策も考えていく、そういう必要があるんですけども、行政改革のあおりを受けて2つのハローワークが閉鎖されるということになりました。

 しかし、昨日、市町村の皆さんも出てきておられましたけども、[鳥取]労働局と市町村と私ども県とで協力をして、相談機能を充実して拡充してやっていこうというふるさとハローワークの開設をすることができました。まずはスタートしてみて、いろいろと問題がまた出てくるかもしれませんが、これは分権的に地域で話し合って処理をしていくことが望ましいと思いますし、国にも引き続きこの応援を求めていくことといたしたいと思っております。



3 暫定税率の期限切れについて 

●知事

 ただ、今年度に引っ張り込んで今非常に苦慮をいたしておりますのは、暫定税率の課題でございます。これについては、国会の本質的な議論がいまだ参議院で行われていないことに対して、いら立たしさを禁じ得ないです。しかも、本来その審議をすべき昨年度中に何ら委員会審議が開かれていない。そのあおりを受けまして、例えば地方税の審議をストップさせる関係で地方交付税法まで止まってしまっている。

 このような決めるべきときに決められない、審議すべきときに審議しないということは、国会は今後我が国民主政治の基本をもう一度見詰め直して、やり直していただきたいと思っております。

 そういう課題を抱え込みながらでありますが、ぜひ与野党間で今後の協議をしっかりとしていただいて、私どもの願いとしては、財政に穴が空かないように、それから、あわせて鳥取県の特殊性として、鳥取県は現在高速道路を整備しなければならない、また、その順番がようやっと回ってきたところでありますので、地域の特殊性を理解してもらった解決を望みたいと思っております。

 昨日、順次回りました。現場の方も回ってまいりましたし、いろいろと声も寄せられてきております。それについて、一つは、一番ショッキングといいますか、我々として今憂慮しておりますのは、案の定、公共事業の執行、特に道路の執行のところでありますが、道路の執行について、かなりストップがかかった状態になってきているということであります。

 昨日、内示が国の方からありまして、国関連の国庫補助事業も含めた公共投資、道路の事業見込みが当座出てまいりました。それによりますと、直轄関係ですね、高速道路関係、山陰道だとか鳥取自動車道といったところでありますが、ここは65億[円]の内示状況でございます。それから補助関係、補助事業ですね、これは県が半分出すというような話のものでありますが、これも20億[円]という内示の状況でございまして、下蚊屋バイパスだとか東浜居組道路などでございます。

 これらはいずれも昨年度のうちに約束をしていたような、債務負担を打っていたようなことでありますとか、どうしても支出しなければならないものばかりでございまして、例えば鳥取自動車道であれば65億[円]の中に入ってはおりますけども、これは今やっているところの話でありまして、次に工事をするというようなところは一切入ってないという今状況でございます。

 国の方の説明としては、やらなければならない義務的なところだけ今回内示をしているんだということでございまして、新規的なところといいますか、これから着工していくところ、延ばしていくところについては入っていないということでありますので、その基準からすればやむを得ないと思いますし、現在の国政の状況からすれば、国の考え方もわかるところもあるんですけれども、その結果自体には、今はまだ満足できる状態ではないと思いますし、残念な状況が続いていると思っております。

 それから、補助関連でもこうした同じ考え方の限定的なものにとどまっておりまして、総じて国の直轄や補助関連での事業費では、85億[円]今回内示をされたということを申しましたが、 425億[円]程度内示されずに残ってしまっているものがあります。ですから、85対 425でございますので、もう大部分はストップさせられた状況に今、国関連がなっているという分析でございます。

 こういうことでございますので、県の方もとりあえず様子を見ながら、国の方の国会の審議の様子を見ながらということになりますけども、地元の経済に対する影響なんかも考えれば、単独事業で50億[円]ほど道路関連が予定をされておりますけども、これは、4月中は自然体である程度進めていく必要があるんではないかと思っています。

 ですから、国は今ストップをしていますけども、県が単独でできる範囲のところは、4月に相当する分は自然体でやってみて、また5月以降様子を見て、あとは削減をするかストップをするかということはいずれは考えるにしても、当面は、単独事業のところはむしろ自然体にするという調整をした方がいいかなと思っています。

 それから、債務負担行為ということで前年度から送り込んできているものを積極的に活用したり、そのほか河川とか砂防だとか、他の公共関連のところを契約を一生懸命やるということにしたいと思っています。

 道路も、国の方の認証内示はないにしても、それが出次第すぐに私たちが対応できるように4月中も準備をしておくということで、余り大きな影響が出ないようにいたしたいと思っています。

 ただ、それでも既に影響は出始めている。特に鳥取自動車道の開通時期について遅れる可能性も出てきたという、今の内示状況だけではそういう状況だと思いますし、それから、例えば岩美道路など新しく調査にかかろうとしたところも国の方の認証がストップしておりますので、これについての扱いなんかも問題になってくるだろうと思います。

 場合によっては1年遅れとかいうような影響も出かねないわけであります。そういう意味で、影響が極小になるように、極めて小さくなるように、国に対してその計画的な執行ができるよう所要額を内示してほしい、確保してほしいということを、これは緊急に要請に行く必要があると思っております。

 結局、地域間格差を置き去りにした今回のガソリン狂騒曲になっているのではないかという危惧を持っています。本来、どれだけ道路に事業費がかかるかということを見込んで、それに対する税率をいかに設定するかというのが本来の財政論でありますが、それがすべてすっぽかされてしまいまして、結局ガソリン代を下げるということだけがクローズアップされる。

 じゃあそれに伴って事業をどうやって執行していくかというところには余り焦点が当たらないという、あるいは目をつぶっているというのが現在の野党主導の議論の展開ではないかと思っていまして、もう少し現実を直視した議論にこれからぜひ転換をしていただきたいと思っております。このことも国政に訴えかけを緊急に行っていく必要があるだろうと思っております。

 それから、ガソリンスタンドの方から御要望がきのうもありました。軽油引取税で、結局、今、免税店と特約店とで課税に差が生じています。特約店の方は17円安い税金に4月1日の午前0時からなりましたけれども、特約店以外の販売店につきましてはそういうことになっていない。こういうことがありまして、私どもとしては国の方の指導も受けて、これについて不公平だという声がきのうも上がっていましたので、これについては速やかに対処措置としてですね、特約店の委託で販売をするというのが通常でございます。

 つまり普通はガソリンは上流から下流へと元売から流れていくわけでありまして、通常のこの油の流れに即していえば、特約店から個々の販売店の方に委託販売という形で流れていくわけでございます。この委託販売の分については、4月1日以降の委託販売分、すなわち販売店で売った軽油についても17円を安くした形で、暫定税率がない形で、課税当局として、鳥取県としては課税をしていくということにいたしたいと思います。

 これは全国的にも、解釈の関係でそういう解釈ができることになってくると思います。国の方もそうやって動いておりますので、そういうことで徹底をしていきたいと思います。また、これで、限界もありまして、すべて 100%拾えるかということはありますけれども、ただ、大方は、軽油引取税について不公平感は緩和されるのではないかと思っております。

 ただ、ガソリン税の方は、これは国税でありますけども、これも昨日も議論が店舗の方から寄せられていました。こうしたことに対して、国税の方でも何らかの策がとられるかどうか、これもちょっと検討してみて国の方に要望していく中に入れるかどうか考えたいと思っております。

 それから、昨日は現場を見て歩きましたけれども、おおむね今のところ、お問い合わせは確かにありますけども、この公共事業の執行ということ以外は、まだ表面化してないと思いました。ただ、これから公共事業の執行が止まっていること、特に国がこうやって止めていますので、それにあわせて影響が出てくることから、金融対策とか、そうしたお問い合わせが今後は増えてくるんではないかと思っております。

 それから、ガソリンの販売店の方から寄せられた声の中には、また税率が1カ月で戻ってしまうかもしれないと、というか、そういうふうに報道もなされていますし、こうした混乱は非常に困るという声も寄せられています。これは与野党ともに責任があるところだと思いますので、そうしたことによって経営上影響があるようなところに対する緊急的な措置、このお問い合わせも今後は増えていくのではないかと思っております。私どもとしては、相談窓口、昨日開設いたしましたが、そこをキーステーションにしまして対策をお伝えをしていきたいと思っております。



4 窓口サービス等について 

●知事

 それから、昨日4月1日から新年度がスタートいたしまして、幾つか新しい動きが出てきました。一つは、ネーミングライツ、おかげさまで鳥取銀行、それからコカ・コーラウエスト[ホールディングス(株)]と結ばさせていただきます。本日はコカ・コーラウエストさんとの除幕式ということになっております。

 また、住民の皆様に対するサービスを向上させようということで、一つは、人権相談の窓口をきのう開設をさせていただきましたし、また、旅券について、交付の時間を延長させていただき、6時半までといたしました。また、日曜日につきましても、交付については[県庁]本庁で受け付けをさせていただくということにいたしました。このシステムを活用して、そのほかワンストップサービスを行うことといたしております。

 この日曜日、4月の6日からですけれども、旅券の窓口が日曜日は開いております。本庁の中で旅券の窓口が開いていますが、そちらの方で、例えば自動車税の納税証明書を得たいというその申請書とか、一部の県に対する申請書類につきましては、そうした日曜日だとか、6時半まで延長したところで受け付けるように改めたいと思っております。平日の時間外の窓口は、[県庁]県民室、[各総合事務所]県民局の方に設けることにいたしております。

 私の方からは以上です。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者(幹事社)

 各社、何かございますか。



5 道路整備について 

○山陰中央新報 今若靖男 記者

 暫定税率の失効に伴う公共、その道路の建設についてですが、先ほど県の単独の事業、約50億ですね、これは4月中、自然体でなさるとおっしゃいましたけども、要は国の予算を、国からの金を伴う補助事業などは精査が必要なんですが、今考えとる県の一[般]財[源]というか、県の財源でなさる分は予定どおりやっていくと、穴ぼことか小規模の。


●知事

 そうですね、今ちょっと私も考えており、ちょっとこれは私の一存で考えているんですけども、国の方が今、予想以上に事業量をストップさせております。これはいたし方ないことだと思います。今後の見通しがつかないので、そこのストップかけざるを得なかったということだと思うんです。それは理解できる面はあるんですけども、ただ、その影響が余りにも大きくならないようにですね。

 県の単独で抱えておりますのは、特に県内の事業者さん向けのところです。県内の事業者さんの小規模な工事が県の単独の中心になっていますので、その県の単独でやるところにつきましては、ある程度自然体という気持ちで執行していったらどうかと。

 もちろん4月以降、暫定税率が依然戻らなかったということになれば、今度5月以降調整局面に入るかもしれませんが、4月は激変緩和の気持ちも込めて自然体で執行していくと。全体のロットにしますと50億[円]程度の話なんで、やはり国にかかわったところの方が圧倒的に多いんですけども、そういう配慮措置をむしろ考える必要があると思っております。


○山陰中央新報 今若靖男 記者

 そうすると、5月以降またもとに戻るかどうかも見ながら、 100本道があったら、1から 100までの優先順位をつけたわけじゃなくて、とりあえず県単独事業については4月は予定どおり執行したいというお考えということで。


●知事

 そうですね、4月は予定どおりの気持ちでまいりたいと。その中で優先度の高いもの低いものは当然ありますし、それは見きわめながらということです。ただ、片方で、先ほど申しました国の直轄分含めて 425億円止まっている格好になっていますんでね、そちらの方の解除といいますか、計画どおりの執行を国に対して求めていきたいと思います。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 先ほど砂防とか道路以外のものを積極的にという、それどのくらい事業規模あるんでしょうか。


●知事

 まだちょっと数字にはなってないですけども、そこはやや前倒しぎみにやってみてはどうかと思っております。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 4月自然体という話ですけれども、国の分がストップしておるんであれば、逆に自然体じゃなくって増やすというのが普通じゃないのかなと思うんですけれども、ちょっと逆に自然体とおっしゃるんで、ちょっとぴんとこないんですけども。


●知事

 それはですね、これは考え方によると思うんですけども、私どもも5月以降について確たる自信が持てる状況ではないんです。これは国政の停滞ゆえのことでありまして、自分たちもいら立たしさを覚えるんですけども、ここで通常以上に大盤振る舞いをというような状況では、逆に財源が5月以降の状況によっては見えなくなりますので、まずは自然体でやってみようという気持ちです。ただ、そういうことで、後でまた復元されてくればまた戻ってくるとは思うんですけども、今の段階では、ちょっとそれ以上の自信は持てないですね。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 4月に自然体にやった場合に、50億のうちどのくらい。


●道路企画課 長本敏澄 課長

 そこのところはまだ、必要なものから発注していこうという考え方ですので、それをまだ出してはおりません。

●知事

 12分の1が基準でしょうね。


○日本海新聞 荒木隆宏 記者

 先ほど鳥取自動車道開通状況が遅れる可能性、国の認証内示の関係で。その後に、場合によっては1年遅れの影響が出かねないという、これは。


●知事

 岩美道路につきましてはちょっと特殊でして、あそこは自然環境の調査が必要になります。自然環境の調査は、季節があるもんですから、その季節にやらないと意味がないということになります。現在国の方から来た内示には岩美道路入ってません。この時期に自然環境の調査ができなくなると、そうすると丸々1年計画が遅れてしまうと。

 そこを順番にクリアしていかないといけないもんですから、まだ今、岩美道路は、つち音を響かす段階ではなくて調査の段階でありますので、調査自体の日程が1年ずれ込んでしまうと。あとで工期で取り戻すとかいう局面はあるかもしれませんけども、ただ、すぽんと自然環境のこの時期に行うべき調査が抜けてしまいますと、影響が出るということですね。すごく特殊です、岩美道路のケースは。


○日本海新聞 荒木隆宏 記者

 それでは、鳥取自動車道の方が、例えば2009年の県内区間開通というのが遅れるという、2009年度ですか、その可能性はないんですか。


●知事

 ですから、そういう可能性が出始めたという、出てきたということを言わざるを得ないと思いますね、今の段階で。つまり暫定税率の取り扱いによっては、国直轄事業はどうなるかわからない。それを見越して、今回の内示では、新しい箇所に、その65億円の中では入っていないわけでございます。

 ですから、本当だったら今ごろこうやって事業進捗して、最優先でやっている道路でありますので、4月時期に当然リリースしてそれを執行していくという段階になるんですけども、これも不透明感が出てきたということです。国の意思表示ではないかと思いますね。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 逆に言うと、姫鳥線を09年に開通、予定どおりするためには、いつまでがタイムリミット。


●知事

 ですから、最短で5月に暫定税率戻って、通常ベースに復すれば、影響は最小限になるかもしれないと思っています。そういう意味で、もう一度財政論と組み合わせた税の議論ということで立て直してもらう必要はあると思いますね。




6 訪韓について 

○日本海新聞 荒木隆宏 記者

 話は変わりますけども、来週韓国に訪韓されて、大統領とお会いになるという予定が入っておりますけども、どのような目的といいますか、どのような話をされるんでしょうか。


●知事

 現在、韓国は選挙戦に入ってまして、4月の9日が選挙の日だったと思います。ですから、まだ大統領の日程とか、きちんとまだ固まってはいないようです。私は、もし会うチャンスがあれば、当然ながら、今、環日本海航路を目指していますので、その構想について、大統領の地元、浦項(ポハン)の企業がかかわっていることでもありますし、実現を働きかけしたいなと思っているところです。

 いずれにしましても知事会議が韓国で開かれますので、その際は、江原道のキム・ジンソン知事が向こうの知事会長さんです。ですから、キム・ジンソン知事とも面談を個別にさせていただきまして、この環日本海航路の実現についても働きかけをしたいと思っておりました。まだ、その選挙の状況がどうなるかということもあるんでしょうね、韓国側の日程がまだきちんと確立できてないと伺っています。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 境港も船の方で大統領に実現を働きかけるということなんですけども、先日の出納長の会見等でも、遅れている原因というのが、為替レートの変動で船の調達コストが上がっているというのが原因だということなんですけども、ということであれば大統領にどういう働きかけをされる、求めていかれるのか。


●知事

 その構想について、側面的に国策として支援をしてもらいたいということを訴えたいと思います。と申しますのも、結局韓国もそうなんですが、ソウル一極集中型で国土開発が行われているわけです。それとあと、せめて釜山とが軸になりまして国家軸ができているような感じなんですけども、ちょうど大統領の地元である韓国の東海岸のあたり、これが日本の日本海側と同じように、どちらかというと地域間格差に悩んでいる地域だと思います。もちろん浦項(ポハン)なんかは、鉄工所なんかもあって状況は若干違うかもしれませんけども。

 そういう意味で、こうした海を取り囲んだ環日本海の地域で共存共栄でやっていく、そのツールとして、ばねになるような航路だというように御説明申し上げて働きかけようかと思っていました。これも、向こうも国政が、多分9日の選挙でばたばたすると思いますので、実現するかどうかはわかりませんが、もし会えれば、もちろんそういう働きかけをしようと思っていました。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 逆に、大統領の話とは別に、企業側、大亜(デア)[高速海運]の方なんですけども、船の調達コストが為替レートの影響を受けないとしたら、韓国国内で調達するというのが、普通に考えれば最善の策じゃないかと思うんですけども、北東アジアフェリージャパンというところにちょっと問い合わせたら、中国と韓国の間の航路というもの自体がなくなっていたりする部分があって、韓国内にフェリー、貨客船が余っているという情報もあるんですけども、そういうのを大亜の方に求めていったり紹介していったりするようなことはされないんでしょうか。


●知事

 そうですね、そこは大亜も当然考えながら動いているだろうと思います。恐らく日本船をというのは、もともと目をつけていた船があるということじゃないかと私どもは思っておりました。大亜側には、また引き続きまして実現を働きかける中で、現実的な航路運営について提案はしていきたいと思います。




7 道路特定財源の一般財源化について 

○山陰中央新報 今若靖男 記者

 ちょっと道路に戻ります。首相が、09年度からの一般財源化と道路の中期計画の10年から5年の短縮ということを言っておられます。これまで鳥取県初め地方は、まず暫定税率の維持をずっと訴えてきたわけで、それとはちょっと異なる見解が出てきたわけで、知事はそれを、局面打開の状況の中ではセカンドベストと確かおっしゃったはずで、今後で、知事この前おっしゃったように、国会の審議が、これからまた道路のむだ遣いなどを指摘するような道路予算への攻撃が高まるのではないか、今はネタ振りだというふうにおっしゃいましたけども、実際に鳥取県の特殊性を理解してもらうために、例えば5年間の整備計画に、鳥取県の道路予算はこれだけは必ず必要なんだと、そういう訴えがこれから非常に必要になってくると思いますが、これの理論武装とか考え方とか手法とか、どの点に力を入れてやっていかなきゃいけないというふうにお考えなんでしょうか。


●知事

 私どもは地域間格差に悩んでいるということだと思います。民主党さんが参議院の選挙を戦って多数派を得たとき掲げたのは、地域間格差の打破であったと思います。それから、自民党も与党として当然ながらそうした地域間格差の解消には理解があるだろうと思っております。

 ですから、ストーリーとしては、私どものようなところは、産業の立地にしても、あるいは人口の現在の減少を食いとめるという手だてとしても、基本的な大動脈を欠いていると。このことが地域間格差の原因になっているんで、これを打開してもらいたいと、そういう訴えかけをやっていく必要があるだろうと思っています。この点では、宮崎県だとか島根県だとか山形県だとか、いろいろと同じ悩みを持っているところは全国にもあります。そうしたところとこれから歩調をいろいろと合わせながら運動を展開していくということになろうかと思います。

 4月が一つの議論のスタートになるんではないかと思います。特に4月の暫定税率が復活するかどうか、それに向けた議論が国会でなされると思われますが、その時期にこの議論は展開されると思います。ですから、私どもとしては、まず来週でも、政府だとか、それから与野党に我々の声を上げに行こうと思っておりますし、可能であれば他県とも連携していきたいと思いますが、ただ、ちょっと4月のこの緊急事態のときに間に合うかどうかはあります。

 ただ、多少私は、一つの観測でありますけども、中期の道路計画を与野党で協議をしてつくり直していこうということになりますと、これは4月の決着は多分無理だろうと踏んでいます。ですから、その後の一定の期間をかけて与野党協議というのが通常の流れかなあと思うんですが、その時期に、それだけのスパンがあれば、こうした地域間格差に悩んでいる、高速道路の整備を必要としている、そういう意味で他県とは違った状況にある地域で共同して訴えかけをしていくという戦略も、私は可能ではないかと思っていまして、今後そうした展開を模索していきたいと思います。

 通常の件であれば、今、福田首相もおっしゃい始めていますけども、地方財政には穴を空けないと。ですから、地方の現在の暫定税率が下がったところ、これを補てんをするという措置はまず出てくるんではないかと思います。これはもちろん訴えかけをしていきますけども、これは出てくる公算はあるだろうと思います。これは与野党とも同じことを言っていますので、実現可能だろうと。ここのところは、余りそういう意味で心配は少ないのかもしれません。

 問題は、そこから先でありまして、私どものところは、国が直轄事業で高速道路整備をしているというところであります。これは国の方の問題だというふうに整理されますけども、国が事業をやること自体が県にとって不可欠なことでありまして、同じような事情を抱えたのが東九州自動車道だとかそうした地域でございますので、こうした特殊事情を抱えたところが声を上げていかないと、この問題はすべて忘れられてしまって、とりあえず地方の暫定税率引き下げ分、道路特[特]財[源]引き下げ分に伴う財政補てんだけやっておしまいとなってしまわないようにしなければいけないと思っています。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 特殊事情を抱えたところというところでいくと、5県知事会議のほかに、宮崎とか和歌山とか高知とか北海道とか、そういう高速道路の整備のおくれた地域で一緒になって声を上げていくというような、声かけはされていかれるようなおつもりはあるんでしょうか。


●知事

 今、急に3月31日に事態が展開しましたので、そこまで準備ができているわけではありませんけれども、5県知事会の取り組みとしては呼びかけていきたいなと思いますが、あわせてそうした宮崎[県]とか和歌山[県]だとか、共闘できるところがあれば一緒になってやっていきたいと思います。それはこれからの状況を見ながらの展開だと思っています。




8 軽油引取税について 

○読売新聞 北島夏記 記者

 軽油引取税の関係なんですが、先ほどおっしゃった販売店が17円安く売って、その分、課税当局が配慮するということなんですが、これはどの程度の額を県として出したのか。その分の補てんというのは国からおりるようなものなんでしょうか。


●知事

 これは、国から出てくるということには多分ならないと思いますね。これは経過的なものでございますので、まあやむを得ない部分かなと思っています。ちょっと額はまだ見込めてないと思いますね。額はどのぐらい。


●税務課 越智浩明 課長

 額は、税率相当額になります。             


●知事

 まあまあそうだけど。この間、実は仕組んでありまして、 3月31日に調査をしているんですね。どれだけ油を店で持っていますかという調査をしています。

 それから、今、国全体でこうした解釈でやろうという動きになってきてますので、石油取引を行っている販売業者さんの方も協力してもらって、私ども、税務調査させていただき、申告もしていただき、それで額を確定していこうかということでありまして、まだ始まったばかりの話なので、ちょっとわからないですね。


○読売新聞 北島夏記 記者

 軽油引取税は、その分だけ県の税収に穴があくということに。減収になりますか。


●知事

 はい。減収というか、その分は入ってこないと。ただ、これは考え方でして、課税の、税制の解釈としてこういう解釈をするということでありますので、それが本来の課税だという整理だと思います。正直、在庫分だけでありますので、3月31日現在のですね。ですから、未課税軽油がそこで莫大に発生して、年間の軽油引取税額に大穴が空くというレベルでは全然ありません。それは影響は微小だと思うんですが、ミクロでの販売店の苦悩を救ってあげるということですね。




9 地方交付税について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 地方交付税改正法でしたか、あれも今ストップしてるんですけれども、そうすると市町村の中で、この4月いっぱいの間に例えば基金が底をついたりしてショート起こすようなところというのは出てくる可能性があるんじゃないかと思うんですけれども、その場合、県としては何か対策考えられますか。


●知事

 県としても、実は25億円強、交付税が減収になると思います。非常に残念ですし、遺憾でありますけども、国政の停滞ですね、政治のツケが回ってきていると、参議院審議を放棄していることの影響が出ていると思います。それは残念でありますが、交付税の全額ではありません。

 今までも年間通じて交付税の見込みなんかも、あるいは税収の動向なんかも入れて、年間の資金計画を作りまして、それでやっているもんですから、恐らく市町村も一時借り入れをするとかいうことになるところもあると思いますが、それは財政的に立ち行かなくなるというレベルではないと思います。ですから、乗り越えられる状況ではあろうかと思います、今回の4月2日につきましては。

 ただ、これがさらに[地方]交付税法の審議がストップしたままになってしまいまして、7月交付分以降も順次出てこないということになれば、県だったら25億円が 100億円までいきますので、こういう状態になりますと非常に厄介だろうと思います。

 そこは状況を見て、市町村に対する融資制度ないわけじゃありませんので、それを発動するかどうかは状況を見て考えたいと思いますが、感覚的には、今レベルのものは一時借り入れで、銀行からの借り入れで一時的には免れ得る状態ではないかと思います。県の方は、貯金の方を取り崩しまして、その中から借り入れるような形で運用していくということで乗り越えようと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 問題は、ですから基金のない市町村、あるいは4月、5月というのは決算の支払いベースも出てくると思いますんで、そのあたりの兼ね合いだろうと思うんです。


●知事

 そうですね。資金ショートに完全になってしまわないように、そこは注意をしなきゃいけないと思います。5月の出納整理期間まで様子見て、今後、市町村の要望があれば考えるべきであろうかと思いますけども、現状では、多分乗り越えられる水準ではないかと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 そのあたりの調査というのはやっておられるんですか。


●知事

 まだやってません。きょう交付税の配分ですんで。



10 知事交際費について 

○朝日新聞 井石栄司 記者

 大阪の橋下府知事が、財政の公表状況については鳥取を見習っていきたいということなんですけども、その橋下府知事はきのうの会見の方で知事交際費をなくすということなんですが、知事としてはこれは特に追随というか、されるようなことはないんでしょうか。


●知事

 私どもは、交際費の水準はもともと随分低い水準にセットしてありますし、全部オープンになっていますので、不適切があれば御指摘いただくということにしてあります。私は、ちょっと橋下[知事]さんどういう趣旨かわかりませんが、交際費で出しているようなもの、これが完全になくなってしまうということなのか、あるいはどっかの予算に潜ってしまうということなのか、そこは実態いろいろあると思うんです。

 私はちょっと大阪府の事情はよくわからないんですが、私はむしろ、適正な、リーズナブルな規模で、本当におつき合い程度のもの、こんなとこおつき合いしてますよというのも示しながらやっていくスタイルで、特段民主主義としては問題ない、地方自治としては問題ないんではないかなと思っております。もちろん交際費の規模だとか水準是正は今後もやっていく必要があると思いますし、他県の状況も見ながら考えていきたいと思います。今はまだ追随する予定はありません。


○日本海新聞 荒木隆宏 記者

 今の橋下知事の関係で、どうもきのうの会見で、鳥取県の予算公開を模範にしたいということでの発言があったようなんですけども、常々鳥取と大阪の関係強化ということも訴えておられますし、いい機会なのかなと思ったりしますけども、それについてどういうふうに思われますでしょうか。


●知事

 また橋下知事といろいろ意見交換する機会を今後持ちたいなと思います。大阪に例えばキャンペーンに行くような機会とか、いろいろありますので、今後、そうした財政運営のことなんかも含めて意見交換してみたいなと思います。

 私ども鳥取県は、財政、予算の公開をすべての資料からやっていますし、また、それをデータベースに入れてペーパーレス化したという実績をつくってきております。こうした方式は、透明な地方自治の運営からモデルとなるものだと我々も思ってますので、大阪[府]に限らず、ぜひ取り入れていただいて、公開性の高い政治運営、地方自治を目指していただきたいなと思います。




11 道路整備について(再質問) 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 ちょっとまた道路に戻って申しわけないんですけれども、鳥取道と岩美道の話が出てたんですけれども、それ以外に山陰道というものの存在があるんですけれども、これはかなり影響を受けざるを得ないというような認識があるんですけど、知事、どのようにお考えですか。


●知事

 ですから、今回の予算は、鳥取道についても、それから山陰道についても、新しい箇所について国が認証しなかったということです。これは異例の措置と言ってもらっていいと思います。それが今後の事業進捗に影を落とす可能性は、私は出てきたと思っています。

 これもひとえに、今後、4月いっぱい国会での議論がなされると思いますが、いかに道路整備について今後形づくっていくか。全国で必要な道路、必要でない道路を仕分けをしようということなのかもしれません。その際に必要な道路として、当然こうした山陰の地の遅れた状況なんかを考慮してもらう必要はあると思いますし、それを入れた上で新しい道路整備の枠組みができてこなければいけないと我々は思っていますけども、ただ、それが我々の希望どおりにいくかどうか、これはまだまだ不透明だと思います。

 例えば暫定税率も結局上げられるかどうかということはありますし、もし暫定税率が上げられずに、あるいはそれが環境税だとか衣がえすることもなく現状のまま推移をしたとすると、これは山陰自動車道、完全にストップすることになりかねない財政状況であります。ですから、影響はまだ大きくなる可能性も秘めているわけでありまして、今回、その一つの兆候として、国の方から新規箇所について答えが出なかったということだと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 それで、一連の問題に関連してなんですけれども、知事は先週の記者会見でも、国会でちゃんと審議してこないということをかなり批判されたわけですけれども、もう一つ、政府・与党の対応というもののまずさが今回の事態を招いていると思うんですけれども、それに関して何かございますか。


●知事

 結局、現状は与野党間で協議をする、あるいは国会で決めるというのは、それは当然のことでありまして、政府・与党側でもそれをコントロールしてもらう必要が当然あったと思います。特に1月末につなぎ法案を出す出さないの議論がありました。あのときに、結局つなぎ法案出さずに、3月末までに国として一定の結論を得るんだと、国会として一定の結論を得るんだというふうになっていたんですが、我々から言わせれば、3月末に本来そこで普通に世間が考えるような一定の結論は出てないと思います。これはいかに強弁しようが。

 一定の結論というからには、今後、道路整備の水準だとか、税率のあり方だとか、一般財源化するかどうかだとか、そういうところについて全部話し合った上で、与野党で考えて、それで一定の結論を両方の合意で得るというふうに普通は文脈的には感じるんだと思うんですね。そう思っていたら、結局時間切れでありまして、出てきたのは単なる応急措置のものだけでありまして、本質のところは一切議論ができてない。これは嘆かわしい状況だと思います。その辺のコントロールといいますか、運営について、政府・与党の方でも責任を感じていただきたいなと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 最後、1点なんですけど、福田総理大臣の責任というのをどのようにお考えでしょうか。


●知事

 1月の末のときに、これでいこうというふうに最終決断されたのは、恐らく政府のトップであり与党のリーダーである福田総理[大臣]だったと思います。ですから、総理初め政府・与党におかれては、地方に一切迷惑かからないようにそこの措置を万全にしてもらいたいと思いますし、地域間格差が温存されている状況のもとでは、国による直轄道の整備が必要な地域があるということ、これを正面から取り上げて、道路の整備を政策課題として実現してもらいたいと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 ほかはございますか。ほかございますか。


●知事

 市町村のことについて、財政状況、4月2日で交付税が足りないということに対する影響は、今、今日中に調べたいと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 じゃよろしいでしょうか。

 どうもすみません、ありがとうございました。



  

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