知事定例記者会見(2007年11月20日)

平成19年11月20日(火)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

1 日程等について 

●知事

 どうも皆さん、おはようございます。私のほうからは4点ばかりお話を申し上げたいと思います。
 
 一つは、先週日曜日まで出張をしてまいりまして、まず東京のほうにまいりました。目的は全国知事会、それから首相、あるいは閣僚との懇談会、また、5県の知事会などやってまいりまして、さまざまな主張をさせていただきました。

 特に関心を持って私のほうから訴えましたのは、今、税源配分の是正の問題がございます。これについて、かねて申し上げておりますけれども、私としてはですね、ぜひ地方消費税と法人事業税、法人住民税を交換するような、そういう中でですね、それで税源偏在の是正を行っていただきたいという話でありますけれども、ただ、特にですね、私ども鳥取県として大切なことは、その税源偏在是正の方式について法人二税方式なども議論されておりますが、いずれにせよ交付税に影響を与えないようにということを、これを主眼として主張をしてまいりました。

 その趣旨はですね、結局、税源が偏在是正されたとしても、交付税で75%割り戻されてしまったのでは何の意味もないわけであります。地方全体としては大都市が、疲弊といいますか、余剰財源を減らし、その分でさらに国も交付税の減収といいますか、交付税の配分を減らすという奇妙な結果になるわけでございまして、これだけは地方として論理が通らないだろうと、これを主張させていただいた次第であります。

 また5県の知事会議からはですね、医師の不足問題、それから治水事業など、生活の安全のための事業を行うための地方裏負担問題などについて訴えをさせていただいた次第でございます。

 その東京での会議などの後ですね、その後、上海のほうに行ってまいりまして、上海のほうで商談会などをやってまいりました。食のみやこ鳥取県として素晴らしい食材があるわけでありますが、上海、そして中国という大きな市場に挑んでいく、そういう民間の方々の力を伸ばしていこう、そういう思いで行ってまいりました。併せまして、境港のポートセールスも行って帰ってまいった次第でございます。

 途中、韓国に立ち寄りまして、旅行エージェントの方、マスメディアの方、それから鳥取県ゆかりの韓国の方々とお会いをしまして、米子-ソウル便の活用問題など、お話し合いをさせていただきました。以上、出張についての報告でございます。

 それから2つ目ですが、このたび11月の議会が開会をいたします。私どもで今練っております議案を提案をさせていただこうと考えております。例えば、青少年健全育成条例を改正をしようと思っております。この主眼の一つはですね、今、インターネット社会に入ってまいりまして、子どもたちが健全でない情報に触れたり、あるいは、いかがわしいサイトに触発をされまして、そうして犯罪に巻き込まれる、それを防止する必要があるだろうということでございます。
 
 ですから、ご家族の方とかですね、保護者の方だとか、あるいは学校関係者だとか、あるいは青少年が手に触れるような端末を持っている民間の事業者の方とか、携帯電話などの販売事業者の方とか、いろいろな方々に対しまして、義務としてフィルタリングというソフトを使うなどして、不健全なサイトへアクセスできないような工夫をしてもらうことといたしたいと思っております。すべてではありませんが、一部は罰則も含めてですね、そうした措置を考えてはどうか、こういうご提案をいたそうといたしております。

 また、職員の給与につきましては、このたびの人事委員会の勧告に基づきまして、職員[の]給与[に関する]条例[等]の一部改正を行う、このご提案もさせていただこうとしております。職員組合との協議もし、先方の理解も得まして、このたびの提案となるわけでありますが、他県に比較しますと、人事委員会の勧告自体がですね、独自の勧告になっておりまして、給料表を国などとは違って据え置くということにいたしましたり、また、期末勤勉手当のところで月数を下げるとか、他県よりは厳しい内容になっているかと思います。そうでありますが、職員組合との協議も整った状態で提案することとなりました。

 それからあと、予算関係ではですね、例えば、今私どもが苦慮しております農業対策。今、品目横断的経営安定対策になかなか乗れないということがございます。ですから集落営農を促進をするという観点でですね、集落営農をされようという協議をしていただいて、そこで例えば機械の共同利用くらいから始めようじゃないか。これを私どもとしてもご支援申し上げるような予算、債務負担を提出をさせていただいたり、あるいは先般のですね、8月、9月と頻発をいたしました集中豪雨災害に対する治山による復興事業など、所要の額を計上させていただくなど、予算も編成をさせていただきまして、このたびご審議いただこうと考えております。

 それから3点目でありますが、このたび県の封筒にですね、広告を掲載をさせていだだくということといたした次第でありますが、さらに併せまして、[鳥取市]布勢の[県立布勢]総合運動公園と、それからそこの県民文化会館、この2つをですね、まずはネーミングライツの募集をかけてみようと考えております。

 このネーミングライツ、他県でも徐々に始まっておりますけれども、私どもとしては比較的規模が大きくて、企業にとっても宣伝効果のあるような、そういう施設からですね、まずはやってみたいという思いであります。募集を年明けぐらいまでかけさせていただいて、その上で厳正に、審査といいますか、その価格だとか、諸般の状況をですね、勘案して選定をさせていただくという流れで決めていきたいと思っております。
 
 ちょっと施設の特殊性もあるものですから、例えばですね、若干の条件は必要かなと思います。例えば県民文化会館であれば「文化」の2文字は入れてほしいとかですね、若干の条件は付けながらも、ただ、一定のベネフィット、例えば施設の使用を一部優先的に認める部分を作ってあげるとかですね、若干魅力も付加しながら募集をかけてみたいと考えております。

 それから第4点目でありますが、今日付けでJA西部に対する業務改善命令を発出をしたいというふうに考えておりまして、これも意思決定をさせていただきました。理由といたしましては、昨年度も実は不祥事があったわけでありまして、これに対して私どものほうで改善点も申し上げて、いろいろと指導をさせていただいたところであります。しかし、改善が見られないまま、今年度に入りましても不祥事犯が出ていると。この状況は看過できないと考えております。

 ですからJA西部にはですね、今日、命令を発出させていただきたいと思いますが、12月20日、今から1月後までに、向こうのほうの改善計画といいますか、文書を出していただきまして、それに基づく業務の改善をぜひ行っていただきたいと思っております。業務改善命令を農業協同組合法に基づいて本県で出すのはこれが初めてということになります。誠に残念な事案が頻発したわけでありまして、JA西部におかれては、ぜひとも我々の趣旨を酌んでもらって改善をしていただきたいと思っておりますし、他のJAの皆さまにも、他山の石として、これからも業務適正化、気を引き締めてやっていただきたいと思っております。

 私のほうからは以上です。


○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)

 各社、どうぞ。



2 ネーミングライツについて 

○朝日新聞 井石栄司 記者
 
 ネーミングライツなんですが、これはいくらぐらいを予定されていますか。


●知事

 いくらぐらいなら手を挙げますか。少なくとも1,000万円以上はもらいたいなと思っています。施設によっては1,500万円ぐらいから提示をしてもいいかなと思っておりますが、1,000万円とか1,500万円とか、そういうラインを引いて提示をさせていただきたいなと思ってますが、なにぶん、応募があるかどうか非常に私どもも気を揉むところでありまして、私どもなりにですね、若干のベネフィットも付けてお出ししようと思ってますので、ぜひふるってですね、ご検討いただければと思っております。後ほど当局のほうからご説明させていただくことにします。



3 米子-ソウル便について 

○山陰中央新報 太田満明 記者
 
 1点、米子-ソウル便ですけれども、地元の米子市議会が140万円だったかな、予算、非常に慎重な姿勢を見せておりますけれども、以前この会見でも、地元に対する負担を求められますかと質問をしたときに、それは考えておりませんという話だったんですけれども、地元の負担ですね、市の負担ですね。今回の場合は市独自にきっとそういう促進策を図ろうとしたものに対しての慎重な姿勢ということなのかなと思うんですけれども、その辺、どう思われますか。地元の姿勢という。


●知事

 経緯をもう一度ちょっと申し上げますと、私がこの場でですね、地元の負担を求めるということにならないんじゃないかと申し上げましたのは、例の緊急運行支援のほうでありまして、アシアナ[航空]のほうに乗り込んでいったときにですね、その場でお話を申し上げたあの部分につきましてはですね、これは地元の空港の立場ということでありますので、県のほうで、これは交渉した経緯もありますので、私どもでというふうに思っておりました。

 ただ、利用促進のですね、意味で、鳥取県、県内から韓国のほうへ行くお客さんにその利用促進のベネフィットを与えまして、それをですね、利用促進の協議会[米子-ソウル国際定期便利用促進実行委員会]がございましてですね、そこに加盟している皆さんでご負担いただきながらやるということだとか、あるいは、向こうからインバウンドで韓国から日本にやってくるような誘客を、島根県と一緒に組織しております山陰国際観光協議会でやっていく。これについてはまた別枠というように、これはまたご説明申し上げたと思います。

 今回のほうは、私もちょっと詳しくは、ちょっと存じませんが、おそらくその利用促進協議会のほうの、これは負担金がありますので、県は県の持ち分、もちろん予算計上いたしましたが、あと各市もですね、それぞれにそれぞれ持ち分もございますので、その分ではないかと思います。これについてはですね、私どもといたしましては、地元として向こうに行くお客さん、つまり県民の方のベネフィットを与えるという部分でありますので、ぜひご理解をいただいてですね、これについてはご協力いただきたいといいますか、それぞれの持ち分でありますので、利用促進協議会として決めたその負担割合に沿ってですね、ご検討いただきたいと思っております。
 
 もちろん議会でありますので、その議会の中での議論はいろいろあろうかと思いますけれども、最終的にはお認めいただくように、米子市議会の中でよく議論していただきたいなというのが私の気持ちであります。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 ただ、やっぱり米ソ便って、地元が頑張らないと、これは駄目だろうと思うんですよね。そういう意味で、地元の市議会がこういう慎重な姿勢であるとすれば、県内のほかの地域で違和感が生じるんじゃないかと思うんですけれど。


●知事

 当然ですね、米子の市長さんは一緒にソウルに乗り込んだ口でありますから、またそれぞれの市議会のほうからもですね、要望書も出されて、米子-ソウル便の継続ということはなされているわけでございますので、当然ながらその議会、おそらく米子市議会としてもですね、その米子-ソウル便の促進のことは特段問題視していないのではないかと思います。

 なんかちょっと記事を、私も向こうにいて、記事のファックスを見たぐらいなんですけれども、ちょっと誤解があるかもしれませんが、県のほうの緊急運行支援の分ではないと思うんですね。ただ緊急運行支援のほうについて、どうも議論があったんではないかと思うんですが、それは県議会のほうで相談していただきまして、前回の議会で認めてもらった分でありますので、この部分について今、米子市議会で議論されても、それはちょっと筋が違うとは思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 緊急支援策の分じゃなくて利用促進の分だろうと思うんですけれども、要は、利用促進の分で慎重だということは、みんなが一生懸命使いましょうと言っているときに、その使うことに投下する資金に対して慎重だということだと思うんですよね。内容はいろいろあるんだろうと思うんですけれども。ただその内容がいかんであろうと、周りから見ていると、確かに知事がおっしゃったように、市議会の中でどういう論議がされているかというのは、県民がみんな知っているわけじゃないと思うんですよ。分かっているのは、何か慎重な姿勢だということだと思うんです。そうしますと、なんで地元がそんなにやる気がないのに、周りが一生懸命やらなければいけないんだという、素朴な疑問が出てくる。その時に知事として、ソウル便一生懸命やりましょうと言っている知事として、例えば米子市に何か働きかけをされるのか、おまかせしますというかたちなるのか、そのあたりをお聞きしたいんです。


●知事

 米子市の事情、まだ私も戻ったばかりで、あまり聞けてませんので、ちょっと事情を聞いてはみたいと思いますけども。私のほうから申し上げたいのは、これは一時の問題ではないと思いますね。今回も上海に行ったりしてまいりましたけれども、東アジア全体の中で鳥取県がどういうふうに伸びていくか、それを見なければいけないときに、定期航空路線である米子-ソウル便の利用を促進することの意義というのは、大きなものがあると思います。

 その米子-ソウル便を最も使って便益がある地元の米子市でございますので、ぜひその点についてよくご考慮いただく筋合いのものだろうと思います。これは市議会の中でも今議論している最中なんですか。今、議会やっているわけじゃないですよね。常任委員会ですかね。これから本格的な審議もなされるんだろうと思いますので、よくそうした大局的な観点というものを、ご理解いただきたいと思います。




4 JA西部の不祥事について 

○日本海新聞 小谷和之 記者

 JAの関係なんですけども。西部が直近のそういう不祥事が相次いでいるということで、西部に特化してという言い方はおかしいんですけど、改善命令を初めて出されるということなんですけれども。これだけ不祥事が相次いでいるという背景には、組織体質の問題も何かしらあるんじゃないかなと思うんですけど。その辺について知事はどういうふうな見方をされますか。


●知事

 私どもは、昨年度の状況もありまして、一度改善をしてほしいという項目を作っています。例えばコンプライアンスを順守するだとか、監査体制を確立するだとか。さまざまな提言といいますか、指導をやってきたんですけども。それについての組織全体での理解が、全く行き渡っていなかったに近い状態だろうと思います。

 この体質自体の問題がありますので、今回あえて、業務改善命令という処方せんを打たさせていただこうというふうに判断をしました。これで組織自体、これはいけないことなんだと、コンプライアンスについては、お金を実際に組合員の方からお預かりをしている立場なんだという、その責任感を改めて自覚してもらったり、組織的な動きをやってもらわなければいけないと思います。

 例えばあまり長期に1つのポジションに置いておくのではなくて、一定の区切りで異動させていくとか、腐敗が起こらないような環境づくりというのを、考えなければならないと思います。これも、かねて指導しているんですが、まだ実行されていないという状況でありまして、そうしたひとつひとつの改善策を実行に移してもらう。そういう計画を、向こう一月でまとめてくださいと。そういう趣旨の命令になると思います。今、小谷[日本海新聞記者]さんおっしゃったように、体質の問題があると我々が判断した関係で、今回業務改善命令を発出せざるを得ないと考えました。


○読売新聞 北島夏記 記者

 その件に関連してなんですが、西部に限らず、ここ数年ほかのJAでも横領事案が相次いでいるケースがあります。この点について知事がどう考えるか。それから業務改善命令を今回、JA西部で初めてですけれども。それまで打ってこなかったのが、逆に不思議なような状況なんですが、これまでの県のJAに対する姿勢というのが、若干甘かったんではないかと思うんですが、その点いかがでしょう。


●知事

 ほかのところでも、似たような事案が起こっていることは、非常に憂慮はしております。ですから、先ほど申しましたように、他山の石としてこのことを重く受け止めてもらいたいと。ほかのJAの方々にも、あえて先ほどコメントさせていただいた次第であります。

 それから、業務改善命令がこの時期になりましたのは、非常に重い行政処分でありますので、その処分と実際に守られる法益と、牽連性というものを考えながらやってきたわけでありますが。私どもが、特に考えまして去年指導したわけですけども、それに対する実行が得られない中で、次の不祥事犯が発生しているというところでございまして。これでは放置しておくわけにはいかんだろうと思っておりました。

 これは我々のほうでは、実はJA西部側に不祥事犯が発生したということは、公表してくれということをこれまでも言ってきたわけです。ただ、それについてもなかなか改まらなかった。このまま隠ぺい体質が続いてしまうと、後々禍根を残すような結果になるかもしれないので、今回、本県としては本当にこれが初めての業務改善命令になりますが、今までにはなかった伝家の宝刀を抜く必要があると判断したわけであります。

 今までのJAに対しては、これまでも監査などを通じまして指導してきたところでありますが、今回JA西部でこうした頻発事件が起こったこともありますので、我々の監査の在り方が適切だったかどうか、今のようなご指摘も当然だと思いますので。自分たちの監査体制についても、点検する必要があるかなと思います。


○読売新聞 北島夏記 記者

 不祥事案を公表してくれというふうに伝えていたのは、西部だけでしょうか。


●知事

 それは、すべてそうだと思いますけどね。特にJA西部のことは、非常にそこのところも、なかなかやっかいだったということもありますね、印象としては。




5 職員給与のカットについて 

○山陰中央新報 弥重節子 記者

 財源確保のための職員給与のカット、当初5%だったんですけど、今は3%になっていますけど。今年度で期限切れるんですけれども、それについては、どういうふうに考えを。職員の給与のカットです。


●知事

 今職員組合と交渉させていただいたのは、この度の人事委員会勧告に基づく部分でございます。あと併せて今交渉中でありますのは、我々の給与の適正化のところであります。この給与の適正化を進めて、要は、いわゆる渡りの廃止でして、役付きの職員並に給料が出るような仕組みがあったと。それを役付きの階層の実態に合わせて、これ当然の話でありますが、そこに戻していくという改正をやろうとしています。このこと自体はもう決めまして、今最終的にどういうふうに、具体的にどこの役職者の体系をこういうふうに定めて、それに適用していくということになります。

 これは職員の皆さんには、給料の引き下げにあたるようなことになります。これは改善策として、我々はやらなければならないと思いますし、今後の給料構造をきちんと適正化していく上で、避けては通れないことだと思います。他県も似たような状況は当然あるだろうと思いますが、我々としては先頭切ってでもこれをやりたいと思っております。現在はここに総力を結集すべき時期だと思っていまして、まずはこの交渉を最後まで協議を重ねてまとめていきたいというふうに思っております。
 
 3%の給料カットはかねての職員組合との、この給与の適正化の問題とセットにしてやってきた経緯がございまして。3%のカットのほうは、今回は閉じさせていただいて、ただ将来、未来永劫に渡るような構造改革になります給与の水準是正、不適正な渡り運用の是正ということに総力を挙げたいと思っています。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 渡り見直しはいつまでに成し遂げる計画ですか。


●知事

 今年度中にすべて。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 つまり、渡りを見直せば5%カットの効果が出るというふうなことで、だんだん給与のカット率を下げてきたんですけども。じゃあ今回で、もうすでに5%カットの効果が出るというふうに見てよろしいんですね。


●知事

 効果が出るのは、実際にその給料が、これ、だんだん進行していく過程で出てきますので。今今というわけではないですけど、2年、3年という期間がたってくると、これは効果が上がってくるということであります。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 職員給与と関連してなんですけど。30人学級の財源というのは、ニューディール政策の財源で確保してきたんですけれども。それも今年度で財源が切れるということになるんですけれども。30人学級の継続というのはどういうふうにお考えなんでしょうか。


●知事

 私は継続すべきものだろうと思います。今、この間の学力テストでも明らかになりましたが、本県がやってきた教育は一定の効果があると思われます。そのうちの1つは、例えば秋田県が平均点がよかったように、少人数学級の取り組みっていうのは、少なからぬ効果はあるだろうと思います。特に我々がやっているような、小学校の入りたてとか、小学校と中学校のつなぎの部分。こうした時期に多くの教員の目が当たって、いろんな人とコミュニケーション取りながら、理解を深めていくことは重要だと思っておりまして。私はこれはやめるべきではないだろうと思いますが、予算全体の枠組の中で、最終的には判断せざるを得ないと思います。ですから、当初予算の編成の中で答えを出したいと思っています。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 もしかして財源が非常に厳しかったら、30人学級継続が難しいということも考えられるんですか。


●知事

 考えられなくはないですけども、私としては継続したいと思っていまして、その方向で調整を進めるつもりです。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 30人学級継続しようとすると、約10億円の財源が必要という試算もあるんですけれども、なかなか10億円という数字は大きいと思うんですけど。


●知事

 それは何に優先順位を置くかということではないかと思います。私は、片方で学力向上委員会を、教育委員会に設置してもらって、いろいろと教材の開発とか、あるいは優れた教師を慫慂して、その方にいろんなところを指導してもらうとか、いろんな手だてを講じながら、子どもたちの成長を最大限支えていくのが、我々の役目ではないかと思いますので、今やっている線から後退することには、ものすごく抵抗を感じます。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 じゃあ、最優先順位として位置付けていくということですか。


●知事

 はい。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 そのための、また新たなカットということは、あり得ないですね。


●知事

 そのためにやるべき問題ではないと思います。これは教育の問題として改めて位置付けをやり直すということは必要になると思います。ですから、弥重[山陰中央新報記者]さんおっしゃるように、財源がないじゃないかという反論はあろうかと思いますが、私としてはこの点は続けていきたいなと思ってます。





6 ネーミングライツについて(再質問) 

○山陰中央新報 太田満明 記者
 
 さっきのネーミングの話なんですけれども。1,000万あるいは1,500万、いくらで落ちるか分かりませんけど。この落ちたというか、入ってくるお金ですね、広告費で。何か使途、目的を作ってというふうなことって、考えていらっしゃいますか。あるいは一般財源の中にぽんと入れちゃうのか。


●知事

 今は我々はそれは考えていません。最終的にはまず募集をかけさせていただいて、ご了解が得られれば、当初予算でその歳入を計上したいと思っています。その段階で、まだ議論があれば考えたいと思いますが、今は、私はむしろフリーで使える財源として考えたいと思っています。




7 JA西部の不祥事について(再質問) 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 先ほどのJA西部の改善命令の件なんですけれど。昨年度、再三指導しながら、改善が全くされてないという状況なんですけれども。今日命令を出されて、1カ月間の後に計画を提出してもらうとおっしゃるんですけど、体質がなかなか改まらない中で、そういった団体が、果たして適正な計画を出してくるのかどうかというところに、はなはだ疑問に思えるような声もちょっと聞こえてくるんですけれども。その辺どのようにお考えですか。


●知事

 それは、これから1カ月の間に計画を出してもらって、その後も適時、県のほうに報告をさせようと思っております、その遂行状況について。それほどハードルの高い話を言っているわけではないんですね。コンプライアンスというのを確立しなさい。要は法令を守りなさいとかですね、あるいは異動のサイクルというのをきちんとしなさいとかですね、監査体制を確立しなさいとか、それほどハードルの高いことを言っているつもりはなかったんですが、それが今までできてないというのに我々としては業務改善命令もせざるを得ないと判断したわけであります。だから乗り越えようと思えばですね、きちんと乗り越えられる課題だと我々は思ってますんで、ぜひその履行を期待したいと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 それとですね、先ほど県の監査の在り方にちょっと問題がなかったかどうかというか、点検してみたいというふうにおっしゃられたんですけど、それはもう担当部署に何か指示か何かされているわけですか。


●知事

 今ちょっとお話があったんで、これから話をしてみたいと思います。ルールどおりの監査はきちんとやってきておりますんで、ただ不祥事犯が起こる体質のところに対するマニュアルといいますか、こちらのほうで重点的にやるようなことだとかですね、いろんな手だてはあり得ようかと思います。今のご指摘は、要は去年のうちに履行がなかなか進まなかったんであればですね、今年度に入ってしかるべき時点でベースの措置はとれなかったかと、こういうことも含めてのご指摘だと思いますんで、ちょっと検討してみたいと思います。



8 鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例について 

○山陰中央新報 弥重節子 記者

 人権条例のことなんですけれども、前、知事は検討委員会の答申を受けて、議会の意見も聞いて執行部としての考えをまとめたいみたいに述べていらっしゃいますけれども、基本的にはあの検討委員会というのは、知事に対して答申をしたわけなんですから、やはり知事はそれを受けて、知事、執行部としてどういう考え方かというのをまず提示されて、それを議会が検討するっていうそれが普通の流れじゃないかと思うんですけれども、その辺どうお考えですか。


●知事

 この間、そう趣旨を申し上げましたのは、今回の提言自体がですね、議員さんで立法された、それに対する考え方でありますので、当然ながら制定されたですね、議会のほうにきちんと説明する機会をまず持つべきだろうと。そこでの議論も当然あると思います。立法者の意思というか。その方々のご意見なんかもですね、当然聞かなければならないだろうと。その辺をキックオフといいますか、スタート台にしてはどうかと、こういうふうに申し上げた次第であります。

 現実問題としてですね、私は今申しておりますのは庁内のほうにはですね、人権局を中心として、まずはこのたびの提言を受けて、検討する委員会といいますか、場を作りなさいという指示をしております。今回、子どもたちの問題、教育委員会の問題とかですね、それから福祉の障害者の問題だとか、まずは文化観光局ですかね、あるいは企画部なんか、多文化共生、外国人の問題だとか、そうした個別の人権事象の指摘をされています。そうした部局にも入ってもらって、今回のその提言の内容をですね、説明をし、これから我々としてどういう条例なり、施策で答えを出していくか、それを話し合うことをですね、始めるように言ってあります。

 これは正直議会にこのたびお出しして説明をしますけども、それと若干並行するというか、若干早めにその指示はさせていただいております。当面ですね、まず人権という人の存在、尊厳にかかわる問題でありますので、じっくりと検討する必要があると思っておりますが、ただ例えば当面できることはですね、ある程度はやりながら考えていくという道筋もあるかなと思ってます。例えば人権についての相談窓口をですね、今東部にしかありませんけども、中部や西部でもそうした相談が受けられるようにすることは予算上、あるいは組織上で措置することは可能かと思います。

 例えばそういうところで、拡充をして政策的な充実を図りながら、同時にですね、地域の人権についての問題状況を把握する手だてにもなりますし、そんな窓口開設ぐらいはですね、いずれ条例なり何なりできちんと位置付けなきゃならないかもしれませんが、予算上のもの、組織上のものとして、取りあえず例えば来年度からスタートさせるとかですね、いうことは可能ではないかと思っておりますが、そんなことも含めて庁内のほうでですね、まずは検討するようにという指示は出しております。

 もちろん弥重[山陰中央新報記者]さんおっしゃるように、我々として受け止めますけども、それと併せて委員会のほうでも言われましたが、県民みんなのですね、県民的な議論が必要だと、人の尊厳にかかわる問題なんで、ですからそうした県民的な議論をスタートさせる意味で、議会での説明の場というものをキックオフにしてですね、これからやっていきたいと申し上げた次第です。

○山陰中央新報 弥重節子 記者

 議会の発議して制定された条例ではあるんですけれども、それが執行できない、執行が難しいということでどうしようかといったときに、片山知事は議会に対して、じゃどうされますかと言ったら、議会側がもうお任せしますというふうに執行部に任しちゃったという経緯があるわけなんですね。ですからもう議会は議会として、この検討結果をどう考え、受け止めるかというのは、それはまた議会の立場で考えられなきゃいけないことだと思いますし、執行部は執行部で受け止めて、それできちんと1つの方式というのを出されるべきじゃないかなと思いますけど。


●知事

 ですからじっくりとですね、時間ある程度かかるかもしれませんが、その答えを出していきたいと思っております。その検討はもちろん我々のほうでも、我々のほうでもというか、我々は我々としてやります。その際に大切なことは前回の経緯もありますので、広い県民の方のですね、ご意見を聞きながら、これは議論を進めていくべきだろうと思っております。




9 地方消費税と法人二税との交換について 

○時事通信 笠谷圭司 記者

 地方消費税と法人二税の税源交換についてなんですけども、都道府県で考え方の違いがありますけども、これについてどうお考えですか。


●知事

 でもおおむねもし交換するんであれば、地方消費税と法人二税の交換がいいというのが多数ではないかと思いますね。奈良県さんとかは、あそこは地方消費税の収入額が少ないもんですから、法人二税でやるべきという議論を張っておられましたけども、この点はですね、私は交換論に立ちますけれども、若干の温度差はあると思います。

 問題なのは、地方消費税と法人二税の交換ですらですね反対だと言っている大都市の方々がおられるわけでございまして、大都市地域と我々とはスタンスは異なるかと思います。ですから前回全国知事会のときにいろいろと議論のやりとりがありました。そのときですね、大都市側の人たちはですね、税源交換も含めて税源再配分論は反対だということで知事会のほうで用意した文書をですね、修正案を出してました。

 その修正案でさらに交付税での、交付税を減らすなっていうところもあったんですけども、つまり税源交換をしたとしても交付税を減らしてはいけないと、これは断じて減らしてはいけないという文もあったんですが、それまで削除すべきというご意見が出てましてですね、私はそこはちょっとかみついたんですね。ここだけは絶対、交付税を減らすというとこだけはですね、絶対に削除してはならんということを申し上げました。

 そのときにですね、大都市の方にも理解を求めようとしたんですが、大都市の人もですね、結局その場の議論も踏まえて翌日総理には発言されてたと思いました。すなわち交付税を復元させるというのですね、第一原理的に考えるべきだというのを、それぞれ大都市の方もですね、主張されていましたから、この点についてはですね、地方団体は総意がまとまっているかなと考えております。

 あとは、税源交換も含めた税源配分を行うかどうかについて対立が残っているのは事実でありますが、いずれにせよもう早晩決着する話でございますので、国のほうの動向をですね、見守りたいと思っております。私ども若手の5県の知事の間ではですね、かつて税源偏在是正論に名を借りた交付税減らしではないかと、毒まんじゅうではないかと、こういうことでキャンペーンを張らさせていただきました。今回みんなで集まりましたけれども、本当の毒まんじゅうになるかどうかまだわからんと。前回三位一体改革でも痛い目に遭ってますんで、煮え湯を飲まされることがないようにですね、この動きは見守っていこうということにいたしております。


○時事通信 笠谷圭司 記者

 その交付税の復元なんですけども、国の抵抗とか財政が今厳しい状況の中で、どういったこう攻め方というのを今その皆さんで共有、お考えをお持ちなんでしょうか。


●知事

 私は2つ混在してる議論があると思います。1つは三位一体改革で失われた5兆円の交付税、少なくとも3兆円とかそこらのオーダーではですね、戻すべきものがあるんじゃないかと我々は分析しました。この部分を戻せというのが1つの交付税復元論です。あともう1つはですね、これは対症療法的なことが交じってまして、今回税源偏在を是正するということになります。

 単純に交付税の今までのルールからしますと、税源偏在を是正して不交付団体、交付税をもらわない団体の税収が減りますと。といったら、これは交付税にはかかわりはありません。ただ交付税をもらっている団体が、税源偏在是正で税収は増えます。この分は交付税の交付額が減ります。これが今までのルールであります。これをそのまま実行されますと、せっかくですね、税源偏在をやって大都市部と地方部との財政格差を是正しようという意図に出たとしても、大都市部はごっそり減って、地方部はちょっと増えるというぐらいにしかならないんですね。一番得をするのは国の国家財政のほうになりますんで、こんなばかな話はあるかということでございます。

 ですから、国の国家財政一人勝ちにならないようにこの交付税については、今回は断じてこの調整をしてはいけんと、それは駄目ですということを強く主張しなければならないと思っています。この部分が我々の毒まんじゅう発言の真意でもありますし、先回の全国知事会でも私が特に主張させていただいたことです。鳥取県にとっては、税源偏在の是正よりも交付税で戻されちゃうほうがずっと大きいです。ですから、交付税を今回は地方間の水準調整の問題なのだから交付税には影響を与えるなという主張をぜひとも年末まで貫かなければならないと思います。

 この後段のほう、後のほうはこれは2つ目の交付税復元論なのですが、こちらのほうは死守すべき課題ではないかと思います。我々が毒まんじゅう発言などをやったものを、最近財務大臣なんかもここには手を付けないという趣旨の発言をするようになってきているので、その点は期待をしたいと思うのですが、ただ、江戸の敵は長崎でという言葉もありまして、こちらでは譲ったけれどもよそでは交付税がごっそり減らされるということがあるかもしれません。

 前回の三位一体改革のときも気が付いてみたら、財制需要をごっそり減らされていたわけでありまして、結果的に交付税は減ったけれどもこれは理論が通っているのだよと主張されたわけです。同じことになるかどうか、これは年末まできちんと見なければならないだろうと思っています。


○朝日新聞 井石英司 記者

 見守った結果、毒まんじゅうのような結果になった場合は何か策は。


●知事

 これは、5県はアピール行動を起こすべきだと言っています。これはすでに了解をお互いいたしました。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 でも、交付税を増やすとか、復元さすといった場合、やはり交付税はきちんと算定方式に基づいて算出されるわけですから、どういうふうにして基準財政需要額を増やすのかということだと思うんですが。


●知事

 我々が分析をしてみますと、例えば公債費、借金返しとの算入部分ですとか、福祉関係とかいろいろと基準財政需要額の中にきちんと算入されていない額があると思っています。前回も全国知事会でみんなで議論しましたけれども、そうしたデータも提出をして議論をいたしました。ですから、そうした算定の適正化をすれば当然ながら今回、例えば水準是正で交付税、地方税源が横へ動いたりしますね、その分くらいはせめて復元するとかいうくらいの財政需要は当然あるだろうと思っていますので、私はそこの算定替えをすることで可能だと思っています。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 例えば、新型交付税に今年が2年目になるのですが、中山間地の自治体にとっては人口と面積が中心ですから面積の中で山林の指数が非常に低いのではないか。今、宅地1.0に対して0.25でしかないので、もっと山林を守るという意味でもこの指数を0.3くらいに上げてもらうだけでもかなり財政需要額が増えて交付税が増えるんだという指摘もあるのですが、そういう中山間地域を抱えている首長としてどうお考えでしょうか。


●知事

 それは、中山間地域も我々もそうです。今までも新型交付税の適正な算定について要望をしてきていますし、これもきちんと要望をしていきたいと思います。今の年末までの時点はおそらく総額の問題が中心になると思います。その後で、実際に算定をする段階に入ってくると思いますので、その時期であらためて、今までも要望をしていますが、あらためて要望をする必要があるだろうと思います。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 山を守っていくのも財源が必要だということを非常に訴えておられたんですけど。


●知事

 はい。


○山陰中央新報 今若靖男 記者

 昨日の財政審議会で出た話として、さっきの5兆円なんですが、これは赤字地方債で出しているじゃないかと、大臣の諮問機関はそういう言い方をしていたのですが。それと、消費税については国の財政再建のために自分たちもほしいんだということで、それを振り分けるのはどうかという話をすると、もう増税が必要じゃないかと。地方もほしい、国もほしいというような気もしたんですが、まず、5兆円すったことで、赤字地方債ですでに出しているんだという見解についてはどう思われますか。


●知事

 我々が言っているのは現生の話でありまして、交付税というのは貴重な真水のところなんですね。とりあえず赤字地方債でつないだとして、後々その分償還を見るとか、いろいろやり方はあろうかと思います。私は詭弁[きべん]に過ぎないだろうと思います。

 それから、今の消費税のところの論理も私はひっかかりました。おっしゃるような趣旨だと思います。どうも、財務省側が今言っているのは、いずれ地方消費税と国の消費税との割合の問題が出てくるだろうと。この消費税の引き上げ論が、これから今福田総理はやらないとおっしゃっていますが、いずれ政治日程に挙がってくる可能性が高くなってきたと思います。そのときに、今の内政の状況から考えれば、消費税を国と地方とで分けるのであれば、内政において多くの支出を行っていて、福祉など消費税になじむようなサービスが多い地方側に重点を置いて、制度を組むべきだと思います。

 しかし、それに対する反論を今からやっているんだろうなという印象を受けました。だから、法人二税と地方消費税の交換論は徹底的に反対をしているんだろうなというのは、少し今回の財政審[議会]の答申の中ですかして見えた気がします。



10 北朝鮮による拉致問題について 

○山陰放送 牧田光国 記者

 北朝鮮の拉致問題なんですが、松本京子さんが拉致被害者に認定されて今日でちょうど一年になるんですが、知事のこの1年間の感想をいただけますか。


●知事

 松本さんのご家族、そして松本京子さんが遠く北朝鮮におられて抱えておられる胸の内を考えますと、本当に早期の解決が望まれるとあらためて痛感いたします。私もこの知事職に入らさせていただきまして、松本京子さんをはじめとする拉致問題の解決に筋道を付けたいと国に対して働きかけもしてきました。また、我々としても受け入れる段階になったときに直ちに受け入れられるように、この点についても米子市と受け入れ体制を考える場を作りまして、先進地の視察などをやっていこうという確認をさせていただきました。

 先日、短波放送で私自身もインタビューのかたちで松本京子さんに対してメッセージを投げさせていただきました。本当に、そのとき申し上げたのは30年という年月の長さに対する思いでありますとか、あるいは米子市と一緒になっていつでも帰ってこれるようにそういう体制を作りましたよというお話などで呼びかけをさせていただきました。松本京子さんが遠く北朝鮮で聞いておられればと願っております。

 我々は、ぜひこれはその方の一生にかかわる問題であり還暦を迎えようとされる方であります。早く解決をしていただきたいと思いますし、国のほうで北朝鮮の拉致問題が不相応な取引材料にされないように、ぜひ心がけていただきたいと思います。これは人道上の問題であり、国交上の問題を超えるものだと思っております。人間の普遍的価値にかかわるものでありますから、そうした意味で解決をあらためてお願いをしたいと思っております。




11 江原道との交流再開について 

○朝日新聞 井石英司 記者

 江原道との交流再開なんですが、前回会見後のぶら下がりの中で、向こうのほうでは、年内というのを重要視するんだと鉄は熱いうちに打った方がいいということでしたが、交流再開のめどを付けるために知事が向こうに行かれる日程調整はつかれているんでしょうか。


●知事

 それは引き続き調整中です。これから議会も始まりましてちょっと日程上の問題が出てくるかもしれませんが、先方のご都合もありますので、これは引き続き調整をしたいと思っています。今回、韓国でお会いした鳥取県ゆかりの方々の中には江原道庁の職員もおられました。率直にお話をいたしましたけれども、江原道の中の空気も変わってきているという情報もありましたので、我々としては期待を持って日程調整を続けたいと思っています。




12 JA西部の不祥事について(再々質問)について 

○読売新聞 北島夏記 記者

 JAの話にちょっと戻って恐縮なんですが、先ほど県の姿勢が甘いのではないかと申し上げたのは、西部以外で例えば東部とか中央でも不祥事があるという点について申し上げたのですが、そういうご理解でよろしいでしょうか。ほかの、東部とか中央のほうでも不祥事がここ数年相次いでいるんですが、それに対する県の姿勢が甘いのではないかと思っていらっしゃると。


●知事

 先ほど私が申し上げた我々の監査体制などの見直しのことですよね。それは東部とか中部とか含めて我々として、業務改善命令を出すほどの事態というのは異常事態なんです。ですから、ここに立ち至ってしまったことについての我々の監査体制の問題があるのではないかというご指摘だと思ったわけですから。東部、中部の問題も含めてです。


○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)

 そのほかありませんでしょうか。




13 大阪府知事の講演料について 

○朝日新聞 井石英司 記者

 太田大阪府知事が50万円から100万円という多額の講演料を受け取っていたことが分かったんですが、知事はこの半年ちょっとの間、そういった数十万円規模の講演料をいただくようなことがあったのでしょうか。


●知事

 あり得ません。


○朝日新聞 井石英司 記者

 じゃあ、それでいいです。


●知事

 うらやましいですね、そんなにくれる人がいたら。どういう思いがあったのか、それは皆さんでよくご判断いただければいいんじゃないでしょうか。私は、そういうところでも本来政治に携わる身となったのであれば、これは不相応だなと思えばそのときに通常といいますか、庶民の感覚での謝礼という範囲で考えるべきではないかと思います。


○日本海新聞 小谷和之 記者(幹事社)

 そのほか、ありませんでしょうか。ないようですので、以上で終わります。ありがとうございました。


●知事

 ありがとうございました。


  

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