知事定例記者会見(2022年9月1日)

令和4年9月1日(木)午前10時~
 災害対策本部室(第2庁舎3階)
  
  • 9月1日記者会見資料 (pdf:3630KB)
  • ※定例記者会見時点での資料となります。

    録画配信 知事記者会見動画(約92分) ※MPEG4形式

      

    ●知事

     皆様、おはようございます。本日も聴覚障がい者の皆様に分かりやすいように距離を取って、マスクを外して、大きな声を出さずに説明をさせていただきたいと思います。今日は防災の日でございます。私ども鳥取県では昭和18年9月10日に鳥取大震災もございました。1,000人以上の方も亡くなったわけであります。これからしばらく、この9月というのは、そうした防災、特に台風を初めとした水の害について注意を要する機会だと思います。今、台風11号が沖縄の南のほうに進んでおります。それによりまして今後、本県への影響もないとは限らない状況になってきました。今現在もこの台風から送り出されます温かく湿った空気が秋雨前線、秋雨前線を刺激をしておりまして、それによる雨が本県でも降っておりまして、未明には洪水警報も一時発令されました。こうした状況はここしばらく続くかと思います。

     さらに警戒されますのは、来週に入りますと、くびすを返して台風11号が週末から北上してくる可能性があり、日本海のほうに向かってくるルートも想定されるようになってきました。現在、非常に強い勢力を保っていますが、この後、さらに温かい海域を通るために猛烈な台風に再び発達する恐れもあります。それが今後、来週入ってきますので、ぜひ御注意いただきたいと思いますし、県のほうからも適時適切な情報を御提供申し上げたいと思いますし、気象台の情報等にも十分注意をしていただきたいと思います。全国的にも九州を初めとした影響、沖縄等もございますので、交通機関などの影響もぜひ御覧をいただきたいと思います。






    ●知事

     

     同じように今、人間界を襲っている災害がこの新型コロナ[ウイルス]という問題でございます。これにつきましては、本県のまず感染状況をちょっと御説明申し上げたいと思いますが、本県は急速に引き上がることを何とか食い止めてきました。それで、このように週を追って徐々にこう階段を上るように上がってきております。それで、これが8月の20日に過去最多を記録いたしましたが、それを挟んで大体1,000人ぐらいのベースのものになっていたと思います。

     

     今週に入りまして、これが600[人]台でありましたが、昨晩のデータでは551[人]であります。東部、西部が多いんですが、中部も100[人]近くございまして、そういうことで551[人]というベースでありまして、ある程度ベースが若干下がったかもしれないと、それで、実効再生産数(ある時点において1人の感染者が全感染期間に新たに感染させる人数の平均値)で見ますと、8月の27日に1を切りまして、0.99となりました。それで、8月27日以降、全体としては下がる傾向が本県の中でもようやく見え始めたということです。

     

     実効再生産数、全国のいろんなデータもありまして、よく国の中央のほうに行きますと8月の頭頃にもう実効再生産数1を切ったよという話がありまして、現場の感覚は全然それ違いますよと、恐らくそれは大所の数字を足したんだと思いますが、そこの数字が必ずしも感染の拡大傾向を示さない場合には、そこ、データ狂ったと思います。

     

     ただ、現在は恐らく全国的に抑制傾向に入ってきているのではないかと思われますし、昨日の[新型コロナウイルス感染症対策]アドバイザリーボード、厚労省の委員会のほうでも同様のことをおっしゃっておられます。ただ、学校の感染なども気になるところでありまして、引き続き警戒を要するレベル、このレベルというのは、この7月のこの後半のところのレベルでありまして、このレベルも過去から考えますととんでもなく高いレベルであります。1日にそれだけの感染者が出ますので、医療現場や保健所に対する負荷も当然ありますし、また、社会生活、濃厚接触者も含めて行動が制限されることにもなりますし、子どもたちも含めてせっかく通った学校を通えなくなってしまうということにもなりかねないわけでありまして、十分な注意が必要なレベルだということはぜひ御承知おきいただければと思います。

     

     そういう意味で西部の[鳥取県版新型コロナ]特別警報、東部、中部の警報は医療のベッド数の利用状況に応じましてこのレベルはいまだあまり変わっていないということです。なぜ変わらないかということですが、これ見ていただきたいんですが、この紫のところが極端に今、多くなっているんですね。大体、クラスターの半分ぐらいがこの紫、これは高齢者の施設です。それで、そうしたところに実はクラスターが今、集中をしています。それで、この状況を何とかしなければならないというのが、恐らく全国においても同じような状況が本来見えるんだと思うんですね。それで、最近、亡くなられた方の数が急増していまして、昨日も[日本国内で]300[人]を超えるレベル、過去最多レベルというのが続いているわけですね。それで、それはやはりお年寄りを中心としたリスクの高い方々のところに感染がどこでも入り込んできていると、それで、それがやはりこうした状況を生んでいまして、[変異株]BA.5の恐らく特徴ではないかと思います。

     

     それで、それは恐らく感染力が強いので、そういうことになるということもありますし、いろいろと構造的な問題もあるのかなと思っていまして、後ほど申しますが、やはり対策を一段強化する必要があるだろうと思います。それから、皆様も御関心あるかと思いますが、昨日もBA.2.75が岡山[県]で見つかったという報道がありました。本県の場合は今、100%BA.5系統と思われます。ですから、BA.5の独占状態が続いているということですね。それで、岡山のケースもあれ、7月のあの株の分析でありまして、もしかすると本県と同じようにここにBA.2.75とか入っていたとしてもBA.5が今、優勢になっているのかもしれません。それで、この辺がちょっとまだ解明できていないですが、今後もこの遺伝子の系統の検査ということは本県も継続してまいりたいと思います。


    ●知事

     それで、国のほうの事情で明日スタートとなったわけでございますが、本県もこういう感染が依然としてこの高い水準にあると、それから、今後もまだ予断を許さないということもございまして、新たな体制へと移行していこうというふうに考えております。BA.5対応型安心確立進化系システムというふうに私どもは考えております。本県の大きな違いは誰一人取り残さないというところを重点に置いています。これは陽性だというふうに分かった場合ですね、登録をしていただきまして、健康のフォローアップに皆さん入っていただこうということです。もちろん、どうしても入りたくないという方は抜けるでしょうけど、普通の人は当然そのフォローアップに入ってこられると思います。

     

     それから重症化リスクのある方が優先レーンに乗っかって早くできるようにしましょう。これは多分各県も共通したところだと思います。あと、これも3番は本県の独自のところですけど、クラスターチーム、これ前回申し上げたと思いますが、機能別クラスター[対策]チームを編成したりして、感染抑制を一定レベル図っていかなきゃいけないというふうに考えております。それで、それから適切な医療、これを早期に実施をするということ。こういうことを言わば大きな柱として、私どもBA.5に対応した安心を確立をする進化形のシステムとして入っていこうというふうに考えております。

     

     コンタクトセンターでいろいろと物資を配布をするとか、それから医療機関と連携しながら重点的対応というものをさらに強化をしていくとか、それからクラスター等を調査をする。さらにはクラスターが大きくならないように支援をしていく。また、医療の関係でいえば、このたびエバシェルドという新しい薬剤、これは筋肉注射で投与する薬剤が昨日、これはアストラゼネカ製でありますけども、政府のほうで承認をされました。これ非常に我々も期待をしております。それでこういう新しい薬剤も含めて、速やかに治療に役立てていくように、これを我々としても大きな目標にさせていただきたいと思っております。



    ●知事

     

     それで具体的にどういうふうになるかということですが、県民の皆様が非常にそこ御心配もあろうかと思います。重症化リスクの高い方と認められる方、例えば65歳以上の御高齢の方ですとか、入院が必要な方ですとか、それから、そのほかリスクが高いと思われる方、妊婦の方、こういうような方がいらっしゃいます。それで、この辺をお医者さんのほうで、最初に御覧いただきます。それでこのお医者さんのほうで御覧いただくというのが本県のまず特徴です。

     

     本県の場合は内科系のお医者さんの93%が協力していただいていますので、これ、おととい、さきおととい医療機関向けの説明会もやり、御協力をいただけること呼びかけをさせていただき、御賛同いただいたところでありますが、皆さんちゃんとこうした検査ということを最初にやっていただけると。それで、そこでこの人はという方は登録をされるわけですね、それ、お医者さんのほうで流れます。これは従来どおりです。それでそういう方はその後、保健所サイド、我々行政サイドのほうから連絡がいきますので、それでいろいろと事情をお話をいただいたりして、入院等などあっせんなどいろいろと進んでいくということになります。

     

     それでこれの件数が大きく減りますので、ここは早くなる、従来よりも早くなるというふうに我々期待をいたしております。それから重症化リスクの低い方、低いと認められる方ですね。それで、それはお医者さんのほうでペーパーが渡されます。それで、そのペーパーの中に、実はこの陽性者コンタクトセンターの御案内が入っています。それで、できればQRコードで登録をしていただければ、これ24時間いつでも登録できますので、電話をかけるよりもこちらのほうが確実だと思います。

     

     ただ、少々こういうのはお手間だなという方も、もちろんいらっしゃいますし、電話でも構いません。お年を召していらっしゃって、そういうの、よく分からんとか、全然問題ありませんので、[午前]8時半から午後8時までの間に、この登録相談申込みの番号のほうにお電話をいただければありがたいというふうに思います。それで、こういうコンタクトセンターを東部、それから中西部、これ多分中西部の番号ですかね、かと思いますが、ちょっと後でもしあれだったら訂正をさせていただきますが、電話番号もありますので、そちらのほうにお電話いただければと思います。

     

     それでもちろんちょっと状況が変わったなというようなときは、24時間対応申し上げますので、その辺も安心していただければというふうに思います。また、療養証明書が問題になっていますが、今、政府のほうに私ども、宮城県や茨城県、佐賀県と一緒に申入れをさせていただいております。国が検討していると思いますが、療養証明書がいるということになる場合は療養証明書が発行されます。本県の場合はその手はず整えましたので、この点についても報道と違って大丈夫だと安心をしていただければと思います。

     




    ●知事

     

     それで、これがそのちょっと模式的に書いたものでございます。先ほど申しましたように、この65歳以上などの重症者リスクがあるというふうに言われる方、こういう方についてはお医者さんのほうで今までと同じような形で発生届を出し、それがデータで保健所に送られまして、それで、個別に我々のほうで電話で聞き取りをさせていただき、入院なのか、宿泊療養なのか、在宅[療養]なのか、この辺のお世話をさせていただきます。それで、この数が減りますのでスピードアップできるでしょうというのが最大の眼目の1つです。

     

     それで、それ以外の方々は今まで同じレベルでこれ行っていました。それで、これずっと順繰り、順繰り行って、それで、最後のところで在宅療養というように判定されて初めてこの療養サポートに行ったところです。それで、この療養サポートに行くのがこの電話だとか、QRコードで登録いただくことで、一発で終わりますので、ここが全て省略をされますので、極めて早くその療養サポートにたどり着くことができるようになります。それで、もし御自宅で療養されていて、症状が悪くなったりすればかかりつけ医のほうに受診をしていただく、それで、またこちらのラインに戻るということも考えられるわけでありますし、また、療養に戻っていただくということもあると思います。

     

     それで、いずれのケースも療養証明を出します。なぜ療養証明が出るかというと、私たちここで、コンタクトセンターで受診しますが、そのときに[My]HER‐SYSのデータを入力します。それで、正確には陽性者としてのデータではないんですが、それ以外のデータ領域を活用させていただいて[My]HER‐SYSのシステムを陽性者コンタクトセンターで、私どもサイドで登録をしていくと。それで、今までお医者さんがその手間を持っていたものを私たちのサイドでやらさせていただこうということです。それで、そこのとこで[My]HER‐SYSのデータベースができますので、この療養者の方もMyHER‐SYSで自己管理をし、そのデータベースを我々県のほうでもサポート対象として把握ができます。

     

     ですから、いわゆる全数把握というこの手続ではないですが、全数管理できる状況にあります。だから、ここは多分本県独自のやり方であろうかと思います。それで、そのHER‐SYSのデータがあるものですから、療養証明というのも当然可能になるということであります。そういう本県独自のやり方を明日からというふうに考えております。それで、県庁のほうにつきましてはそのセンターを立ち上げまして、明日、運用開始をしてメディアの皆さんにも見ていただく時間というのも、先般、[県政記者]クラブのほうと調整させていただきました。


     

    ●知事

     

     それから大切なこととしてどういうふうに感染レベルを下げるか、それから感染した際の危機管理についてですね、やっぱり福祉・医療施設については、さらにその対策を強めようと思います。それで、そういう意味で福祉・医療施設感染対策センターっていうのを県庁内に設置をしまして、それで、お医者さんだとか、福祉施設のほうから陽性者の発生の御連絡をいただき、支援に入らさせていただくと、例えばゾーニングをするやり方ですね、それから一斉検査をしましょうと、それで、医療機関のほうでも当然そうしたグッズを持っていますので明日でもできますし、そういう場合であっても10分の10の検査費用の助成をしましょうと、それで、また検査キット、県の備蓄分を、これをこうした医療施設、福祉施設にすぐさまお持ちをしてやっていただくということも始めたいと思います。

     

     それからN95という防御度の高いマスクですね、95%カットするマスク、そういうものなどの支援をしたり、それから対応困難事例の相談とか、それから協力医や嘱託医、こうした方々とのつなぎのあっせんだとか、それからスタッフが足りなければ協力協定も結んでいますので、他の施設にも応援をいただいて福祉施設の支援をするということも考えられようかと思います。それで、こういうふうなことで新しい体制には移行しますが、特に福祉や医療施設は命に関わるケースが大半ここで起きていますので、こちらのほうの重点的な対応をさせていただきたいと思っております。




    ●知事

     

     それから急遽、[岸田文雄内閣]総理[大臣]のほうでこのたび御提案のありました2価ワクチンの接種であります。これについては9月中にも前倒しして始めたいというお話もございました。それで、本県は18歳以上の方、42万人います。それで、これに接種をするということになるとかなり大掛かりな接種になります。ですから、早々に本県の対応も関係機関と一緒に始めたいと思います。それで、例えばワクチン接種体制協議会を開催をしようと。それで、これちょっとすみません。間違いですが、これ全部別項目ですけども、市町村と実務上の協議をしていきましょう、それから医師会との協力要請をこれから相談をかけていきます。それから県営の大規模[ワクチン]接種会場を設置をします。それで、それに向けて会場確保を始めたいと思います。それでこういうちょっと何項目かありますが、こういうことに具体的に今入っていこうということにいたします。

     それから大学や企業などでの集団接種、職域接種ですね、これも今回されるんではないかというふうにも考えられますので、私どもでも早々に大学や商工会、あるいはJAさんなど、いろいろと前回も大規模に、全数的に接種したときなどもやりましたが、また、職域接種の働きかけをして接種の供給能力というのを増やしていきたいと思います。

     また、打ち手の問題として新たに臨床工学技士、診療放射線技師というのも国は認めようということで検討を始めたという報道もあります。前回も歯科医師さん、それから臨床検査技師さんにも援助いただいていまして、そういう方々とか、そのほかの打ち手になっていただける方々の、この確保を始めたいと思います。場合によっては研修会などをやって、新たに加わっていただく職種については養成していかなければいけませんので、そうしたことに着手をしていきたいと思います。

     それから子どもの[小児ワクチン]接種についても今月から努力義務化されるという報道になっています。また、3回目接種などもございますが、イオンモール日吉津で子どもの接種がほぼ予約が満杯になったもの、途中でこれ枠を引き上げたりしましたが、これをさらに増強しまして、今後も続けていきたいと思いますし、そのほかにもこうしたワクチン接種というのを進めていきたいと思います。

     現在はBA.5の波だと思います。これで急速に本県も駆け上がりました。恐らく全国も同じ状況ではないかと思います。それで、これが今、若干、多分ウイルスの都合だと思うんですが、少しずつ数を減らしてきていると。それで、それの後、今度は今までの経験からしますと、こういう占拠しているウイルスがいなくなってくると、今度別のウイルスが入ってきて、そこで次の波を起こすと。それで、これが今までの経験上の状況でございます。それで、そういうようなことを考えますと、今後も第8波、第9波ということが、今まで以上の規模で起こらないとは決して言えないわけでありまして、こうした意味でワクチンを早めに打っていただいて、それで免疫力を上げていただくことが非常に重要だというふうに考えます。

     

     

     



    ●知事

     

     昨日、政府のほうでは概算要求が取りまとめられました。110兆円規模で新年度予算の概算要求まとまりまして、令和4年度の当初予算のときとほぼ同じぐらいの要求があったということであります。それで本県としてはそうした新たな新年度予算、それを踏まえて、今後秋以降、特に年明けに予算編成作業やりますが、当面9月の議会に緊急のものを出していく必要があります。1つはコロナ関係で90億[円]程度ございますが、そのほかにも4050億[円]ぐらいは、今、想定をされる状況になってきました。ですから、現在のところ予算、9月補正[予算]ですね、130億円台の後半ぐらいになるのではないかと思われます。または今後政府のほうで物価高対策、生活困難対策等々、追加のもの、事業を示すという、そういうお話もありますので、そういうことも入れればまた流動化するかもしれませんが、現状では130億円台後半の予算を見込んでおります。

     

     それで、その上で現在、今精査中でありますが、例えばやっぱり今コロナとか、物価高で皆さん困っています。それで、この第7波、物価高、物価高騰対策支援補助金というのを事業者向けにつくらせていただこうかと思います。それで、従来のコロナ補助金は売上げ10%以上減だとか、ここで実は支給していました。しかし、今、新しい、例えば燃油高などがあって、経費のほうが大きくなる。それで儲けが少なくなるということが見られるのではないかと懸念しています。そこで従来の売上げ10%以上減に加えて、これ多分本県としては初めてですけども、売上げの総利益、いわゆる粗利が、これは経費をざっと除いたとこですね。それでその粗利ベースで10%以上減であれば150万円、補助率2分の1での補助制度をつくろうと。

     

     それから粗利が30%以上減ってくるというような場合には200万円上限で3分の2の補助率ということを考えております。これによって例えば消費者向けのキャンペーンとか、それから作業効率を上げるための事業だとか、そういうようないろんなものに幅広く使えるように、これは設定をさせていただきたいと思います。従来、審査を経てごく一部の事業だけ採択しているという事業パターンではなくて、これ幅広く採択し得るものとして今想定をいたしております。

     

     それから燃油原材料価格高騰・円安対策の金融支援でございますが、従来の枠を倍増しまして60億円まで枠増し、今9月末までだった融資の申込みの期限を3月末までに延長させていただこうと、年度いっぱいに延長させていただこうと思います。それで、従来のスキームと同じように実質無利子化を市町村と共同してやっていける、そういうスキームで融資枠の30億円増を図る。また、伴走支援も行っていくということにいたしたいと思っております。

     

     それから交通事業者がやはりコロナ等で打撃を受けている状況は続いておりまして、若桜鉄道や智頭急行に対して、1か月分の運行経費相当額の支援を沿線自治体とともにやっていく、こういう事業も考えております。それから、これもちょっと本県としては初めてのタイプの事業ですが、やはり賃金アップということが言われます。特に最低賃金がこのたび鳥取県で854円というふうに設定をされました。こういうような賃上げが円滑に行われる環境づくりをしようと。それで、こうやって賃上げをしようという企業さんの支援の補助金を創設をしようと思います。それで、国のほうで884円以下の事業者については別の補助金もあるので、885円から1000円の賃金単価の事業者、こちらの方々について、これの賃上げをしようという場合には環境づくりのための資金として助成制度を組ませていただきたいと思います。

     

     また、生活困窮世帯対策としてエアコンなどの光熱費代、これについても市町村の支給の半分を鳥取県のほうでも助成する制度をやらせていただき、プレミアム付きお食事クーポン券もありますが、これも今のBA.5で長く事業停滞の傾向が続いていると考えられますので、11月の末まで延長をして追加の配分を店舗側に行っていきたいと考えております。


    ●知事

     

     それから企業誘致関係ですが、若干の進展がありましたのでお知らせをしたいと思います。自動車EV対応ですね、それについての部品です。本県、割と部品産業が発達しているところです。それで、その部品関係で[株式会社]三朝製作所さん、こちらはこの業界大手の[株式会社]浅野歯車工作所さんの系列の企業さんなんですが、こちらのほうでEV向けのギアを生産をしようと。これをこのたび着工をして、12月に完成する予定ということで12億円の投資を見込んでおられます。それで、雇用も20名見込んでおられまして、私どもも2割助成、これはこうした企業さんの応援の枠組みとしては高い方の率を適用できるかなと思っています。

     

     それから同じように、NOK[株式会社]さんですね。これ、南部町のほうでありますが、こちらはトーショナルダンパ(防震部品)での大手企業です。その主力工場の1つが鳥取県のほうにありまして、NOKさんとか、[株式会社]TVCさんとかそうした企業さんがございますが、もともとはガソリン車に対応するようなそういう部品ではあるんですけども、EVでもこういうEVのモーターの防振ゴムというものもありまして、こちらのほうにジャンル拡大をしていこうということであります。それでこれにつきましても5億円の投資が見込まれて、私どもも2割程度は支援をしていけるかなというふうに考えております。それで、こうした事業について、このたび話がまとまってまいりました。

     




    ●知事

     いよいよ10月に日本女性会議[2022in鳥取くらよし]が迫ってまいりました。1028日~30日まで倉吉で行われることになり、全国から関係者が集う非常に大きな大会です。それに向けまして、これは県の主催のほうになりますが、今週末にパネルディスカッションなどを行う、そういうシンポジウムを行うことといたしております。また、最近の子育て関係では、アンケートを昨日まで取りまとめをさせていただきました。それで、結婚をしない理由は、56%ぐらいの方が適当な相手に出会えないということを言い、それちょっとここには書いてありませんが、公的な出会いの機会を望む方も3分2ぐらいいらっしゃいます。やはりそうしたほうに需要があるんだなということが見えたところであります。それから、理想の子どもの数と現実の子どもの数のギャップがあることなどが分かってきております。

     また、このたび、国が発表しました待機児童数では、鳥取県は17年連続で待機児童ゼロということになりました。こういうことも踏まえて、この後、子育て王国とっとり会議でいろいろと議論もしていただきまして、新たな事業展開、支援策というものを考えていきたいと思います。


    ●知事

     

     いよいよ蟹の季節になってまいりました。今日、ベニズワイガニとそれから沖合底びき[網]漁業、これが解禁をされることになります。それぞれ5月末、6月末までの漁期ということになりまして、ベニズワイガニも来週ですか、9月6日、7日ぐらいが初競りになるんじゃないかというふうに見込まれています。こういうようなことで、ぜひ多くの方々に鳥取の味覚を感じていただければありがたいと思います。

     

     それで、境漁港ではこのたび2号上屋がこれに間に合いまして、ここが沖合底びきの上屋だったものですから、いよいよここで初競りが実施されるということになりますが、そういうような新しいシーズンの恵みというものをぜひ皆さん感じていただければと思います。こういう蟹の魅力に裏打ちをされる鳥取県でありますので、今年も蟹取県キャンペーン、ウェルカニキャンペーンを、スタートを今日させていただきます。それで、このたびは山崎怜奈さんに加わっていただきました。それで、山崎さんとは一遍ちょっと番組で共演したこともありますが、お世話になったこともあります。それで、お引き受けいただきまして、蟹取県のイメージキャラクターにこのたびなっていただき、蟹取県アンバサダーに御就任いただくことといたしております。

    それで、蟹旅として鳥取県を売り込んでいこうということです。それで、これ、先週、先々週(818日定例記者会見)ですか申し上げました、メルカニShops、これも公式ページに9月15日にオープンをするということになりますが、蟹×旅、鳥取をもっと身近に感じてもらえるスポットというものを、これ、温泉やサウナなどテーマ別に紹介していこうと、こういう展開を今年は考えているところであります。それで、そのメルカニShops以外にも毎月100名様にお宿に泊まっていただきますとカニが当たるというキャンペーンとか、それからSNSキャンペーンですね、これも10月1日から実施をしようと思います。メルカニShops祭と題しましてTwitterで展開をしたり、それから推し旅チャレンジ、鳥取の風光明媚なところやその旅の思い出など、そういうものを発信していただきますと商品が当たると、このようなキャンペーンをまた10月から展開をすることにいたしております。

     

     こうしたことと併せまして#WeLove山陰キャンペーンにつきましても9月30日まで当面延長させていただくことといたしております。

     

     このたびは県立博物館のほうでティラノサウルス展をやりましたが、6万人以上の方が御来館いただきました。実はこれ、県立博物館としては新記録でありました。今後、いい夏の思い出ができたと思いますが、私どももこれから美術館とかこうした展示施設の充実強化を図っていくことになりますが、こういう経験を生かしながら展開をしてまいりたいと考えております。私のほうからは以上です。

     

     

    ○読売新聞 藤本幸大 記者

     

     ありがとうございました。では、質疑に移ります。質問のある人は社とお名前を名乗って質問してください。

     

     


    ○日本海新聞 佐々木駿 記者

     

     日本海新聞の佐々木です。全数把握の見直しについて、いわゆる全数把握の見直しについてですが、全国知事会の最大公約数ということで国のほうに申入れを行ったところ、実際に先行して導入をされたのは4県で、積極的に見直しを導入しないと表明している県、都県も10県あるような状況なっています。改めて知事の受け止めを教えていただけますか。

     

     

    ●知事

     

     これにつきましては、我々、7月の28の日、29の日に[全国知事会議で]主として議論しましたが、この新型コロナ対策、政府のほうにこういう申入れをしていくべきだという議論がまとまりました。そのときに大きな議論が2つありましたが、1つは、従来のいわゆるまん延防止等重点措置では闘えないので、それに代わる措置をということでありましたが、これはBA.5対策の強化宣言として国が事業化しまして、こちらのほうは、半分程度は皆さん利用されたんじゃないでしょうか。それで、あともう1つ議論が盛り上がったのが、実はこの全数把握の見直しということでありました。それで、そういうわけで、その全数把握の見直しをぜひ政府のほうで実現していただきたいということで、これは後藤[茂之厚生労働]大臣や加藤[勝信厚生労働]大臣、歴代の厚生労働大臣に度重ねてお願いもさせていただき、政府のほうでそれを実際に実行していただいたということでありまして、これは[全国]知事会の要望にまさに基づくものだと思います。

     

     そういういう意味で知事会としては評価をさせていただいております。ただ、そのときに各県で選ぶということを明確におっしゃられたことがございまして、それで、それぞれの県が自分のところの事情に照らして判断をするということだったんですが、それぞれの都道府県の事情だとか、それから厚生労働省のほうで、実は示されたスキームがありまして、そのスキームが必ずしも非常に分かりやすい形で、こうすればできるというような提示の仕方ではなくて、こういうことはしてはいけませんとか、これだけはやってくださいとかいうタイプのものでありまして、その中に療養証明書が出せないということが明確に先週木曜日(8月25日)に示されたわけであります。それで、こういうことなどがありまして、非常に実は我々困ったというのは事実です。それで、鳥取県の場合は、国は出せないと言ってるけど出そうと。それで、こういう思い切りができる自治体ってそう多くないと思います。

     

     それで、私どもはそれを実現するためにHER‐SYSのデータを使いながらという便法を考えるわけでありますが、そういうことを今、各県で工夫しているっていう実情があるんですね。ですから、この療養証明書のところというのは足かせになったっていうのはありまして、それで大阪[府]の吉村[洋文]知事も明確に、これが府民益に沿わないとおっしゃって、検討されたですけど、やめることにしたと、こういうことだったです。ですから、私も厚生労働省のほうに先週の金曜日(826日)から、これはちょっと幾ら何でも話がおかしいんじゃないということは大分言いまして、それで加藤大臣のところに村井[嘉浩宮城県]知事も我々4県(鳥取県、宮城県、茨城県、佐賀県)の今回飛び出した4県のところが共同要望させていただいたということでございます。

     

     そのような経過を今、たどってきているところでありまして、これに限りません。それで、こういう療養証明書の問題があったり、それから私どもでいうと、このフォローアップについても、こういう仕組みを考えたわけですね。それで、これは実は各県がそれぞれ考えるわけです。それでどうやったら県民の皆様に理解していただけるようなスキームになるかというのをそれぞれ考える。その際には例えば保健所さんだとか、医師会だとか、皆さんの御理解・御協力もいただかなければいけないと。だから、世情思われてるほどに簡単な作業ではありません。鳥取県はある程度想定を見越しながら若干先回りをして、[陽性者]コンタクトセンターというのを取りあえず立ち上げておこうとか工夫をしてやっていったので、何とか対応できた面もありますが、なかなかそれは各県すぐにできるわけではないと。

     

     現実にも昨日も何県か私もいろいろと電話でやり取りもしていますが、今もってまだ検討しているところは当然ございまして、近々公表したいというところもあります。ですから、皆さんそれぞれの事情を抱えながら、結構真摯にどちらに判断すべきかというのを今やっているということでありまして、これはそれぞれの地域に任された形になりましたので、ある意味そうならざるを得ないというのか、当然の帰結なのかなというふうに思います。それで、また作業している過程の中で国のほうで9月のしかるべき時期には全国一斉に移行してもらうんだという表明もございまして、これがまた検討の足を止めた感はあると思います。

     

     そういういろんな事情が重なっているわけでありますが、御覧いただいたように本県みたいに、こうやって実際やってみようというところも実例として生まれてきておりますし、これは知事会としてできるだけ早くやってくれということに応えていただいたものの成果は現れ始めるんではないかなと思います。明日から始まりますので、ぜひ、やってみたところを全国でもまた検証していただきまして、これなら大丈夫そうだと。それで少なくとも私は鳥取県のものは結構自信持っていまして、今までよりもスピードアップもできますし、例えば物資がなかなか届かないという御相談は今までもございました、正直。それで、そういうものが解消されてくるのではないかなと期待できますので、こういうやり方で間違いはないだろうと思って導入をさせていただくわけでありますが、こういうものまたできれば全国でも報道していただいて、特定の地域のやらないという、その言葉だけが走っている状態ですけども、やってみたらこうなるというのがむしろ大事だと思いますので、そちらのほう、ぜひ見ていただければいいなと思います。

     

     ただ、いずれにいたしましても、若干我々として認識を共有する必要もありますし、今後9月の半ば以降、これも知事会の要請に従ってということですが、全数把握を全面的に見直そうと、全都道府県で見直そうというのも今から出てきますので、ワクチン接種の課題なども含めて、午後に急遽全国知事会の新型コロナ対策本部を召集をさせていただきまして、皆様の意見をここで改めて一月ぶりに取りまとめようというふうに考えております。


    ○日本海新聞 佐々木駿 記者

     

     日本海新聞の佐々木です。まさにこの9月の半ばには全国にこの全数把握の見直しが導入されるわけですけれども、おっしゃられるように、仕組みのことから検討されているところが大部分でありまして、全国一律に導入するのであれば、国が何か大きなスキームのようなものを示してもいいんじゃないかというように考えてもしまうのですが、その辺り知事はどのようにお考えでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     うん。そこはちょっと分からないですね。我々も、だから、どういうことを政府に求めていくのか、今日改めて皆さんの意識合わせをする必要があるだろうと思っています。世情、報道されているところではそれに向けてシステムを組み替えるという話も出ています。ちょっとそれ以上のことはよく分かりません。ただ、それはコンピューター上の話、ソフトウェアの話だと思います。ですから、国として定番のこういう形でやりなさいっていうのを示すわけではないのかもしれませんね。私どもの感覚では、こうやって先に飛び出した4県からすれば、こうやってそれぞれの地域でこれがやりやすい形だっていうのを今、始めたところでありますので、そうした地域の個性っていうのをやっぱりそれは尊重していただかないと、今度は手戻りになりますから、我々はむしろそうしたある程度のバリエーションというのはやはり認められるべきものだと思っております。非常にそれぞれの地域の事情は異なりますので、人口が集中している地域もあれば、感染がやたら広がっている地域もあれば、そうでない地域、ぞれぞれのやっぱり事情に応じた最適解があると思いますので、それを探していただくということではないかなと思います。


    ○日本海新聞 佐々木駿 記者

     

     日本海新聞の佐々木です。この議論が7月の28日、29日から出始めて、まさにこれはこの感染のピーク時の対策、負担の緩和ということで打ち出された対策だったと思うんです。それで、これがどこまで下がるのか分かりませんが、少なくとも本県の新規の感染者数ですね、少しいいペースで落ちてきているところにありまして、これが沈静化したとか、ピークアウトしたという状態ではもちろんないんでしょうけど、例えばこういったこのピーク時の対策として考えたら全数把握の見直しっていうのは、この感染者数が落ち着いてからもずっと継続していくことになるんでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     そこはちょっと分からないとこですね。7月の28[日]、29[日]というのは実はこのレベルです。それで、今のレベルと実は一緒なんです。それで、この頃、実は皆さん議論していて、この頃から随分こうせり上がっていったわけです。それで、学者の皆さんはもう終わりだよと言い続けていますけども、実は全国がーっと上がっていったんですね。それで、我々はそれ現場で感じていますから、もう悲鳴を上げたということで医療機関の日本医師会さんもそうですし、うちもそうですが、何とかしてくれと言ってこのお盆の頃、実際、加藤[勝信厚生労働]大臣、8月の頭に、この辺り後藤[茂之厚生労働]大臣のところに行って、それからこの辺りでこう加藤大臣のところに行ったりしていますよね。

     

     だから、ちょうどこの頃、せり上がっていく状況でありまして、非常に切迫していた状況でありました。それで、今、どちらかというとそれぞれの地域が少し下がってきたところで、この8月31日を当初目指し、あるいは9月2日を目指して適用するよって言い始めたわけでありまして、それぞれ都道府県によっては、少しこう下がり傾向になるのでもうちょっと、どうせ全国でやらされるなら様子見たいという空気のところも出てきています。それで、これはやはり感染の波との影響でしょうがないことなのかなというふうに思います。

     

     それで、この問題というのはただ、この議論した頃と現状あんまり変わってないですね。それで、これはやっぱり全国的な傾向も大体同じようなもんでありまして、やはり今は異常に多いんです、このBA.5は。それで、それまでのデルタ株だとか、当初の武漢株などと比較しますと、前は数件を追っかけていって、それで、全数こう捕まえて、それで、それぞれ1件1件に対して包囲網をつくっていくっていうのがそもそも想定されるから全数把握なんですね。ただ、今のは、今でも日に551件とかいうレベルでありますから、こんなにいっぱい出てくるとですね、その作業をじゃあ、1個で追っかけていたものを551倍でできるかっていうと、それは多分無理です。それで、我々ですらそうですから、もっと大きな感染数を抱えているところは、それはできないと思いますね。

     

     だから、そうすると皆さん、もう普通に考えていただければ、要は狙い撃ちしていくということですよね。特にここは広がりそうだっていうところをその感染拡大を抑えようと。我々で言ったら高齢者施設だとか、学校だとかを重点的にやるというような作戦を立てるわけです。それで、こういうようなことをやはりやっていくもう情勢になっているわけでありまして、1件、1件数えてそれを詳細に年齢から、性別から、そしてお名前に、住所に御家族の構成に、どこどこに何月何日に立ち寄ったか、それからどういうような薬を普段服用していますか、みんなずらずらずらっとたくさんのデータを入れることを前提としたシステムが相応しいかどうか。

     

     それでやっぱりそれは、そのまん延状況に応じて変わらなければならないのだと思うんですね。だから恐らく9月の20日とかそうした9月の後半のレベルになったとして感染状況が変わってくるだろうとは思いますけども、それでもこうした移行について議論する値打ちというのはあり得るんだろうと思います。それで、それから、もしデルタ株のように、言わば病原性の高い状況にウイルスが変化をしていった場合などがあれば、またそういうとこは切り替えていくっていうことは当然議論されるべきだろうと思います。現状のこのBA.5がまだしばらく続くということを前提として考えた場合には、これ移行させていっても大きな支障はない、むしろうまくやれば効率的に対策を実行できて、救える命が増えるんじゃないかと、今そういう局面だと理解しています。


    ○山陰放送 斎尾和之 記者

     山陰放送の斎尾です。すみません。全数把握の国からの緩和の文章の中に、療養証明を出せないという一文が明記されてたという話があったかと思うんですけども、その一文がいわゆる4府県が緩和はしないっていう一番大きな要因の1つとしてあったって感じていらっしゃるのかということと、鳥取県のようにMyHER‐SYSを自治体のほうで使用して療養証明は別途発行できるというような、その手の届いたような書き方がされていれば、もっと緩和に手を挙げた自治体が多かったとお感じなのかどうかっていうことを教えてください。


    ●知事

     そこはすごく深刻だったですね。だからそこは大分局面変わったと私は思います。それで、現に先走ってる4県がそう思っています。それで、ここでえらく苦労しています。それから今、続こうとしている県もあります。それで、それぞれに今いろんな工夫を考えています。例えばHER‐SYSが使えないという前提、だからHER‐SYSが使えないので、そうした療養証明書は発行できないというふうに言うんですよね、その先週の木曜日(8月25日)は。じゃあ、HER‐SYSが使えないというんだったら、それ以外の手段考えようとかいって、それで、例えばレセプトちゅうか、医療機関で領収書が出てきますよね、それで、ああいうのを読み解くことでどういう治療したかというのが分かるわけでありまして、それで、ああいうものを基に出そうかと、今、検討とかいろいろ皆さんされるわけです。

     それで、こういう、例えば陽性者コンタクトセンターと我々言っているところに届け出た人はお医者さんのほうである程度関与してれば、そこで責任もって証明書を打っちゃおうというような自治体も今回ありますし、皆さんそれぞれに工夫をして、何とかこれ、保険金がうちの県は出ないという事態は避けたいと、それは当然のことだと思います。それで、ただ、厚[生]労[働]省さんのほうはそこは金融庁にお話をしているのでというところでとまっちゃっているんですね。それで、金融庁に話をしたら厚労省は免責されると思っておられるんでしょうけども、それは我々現場で県民の皆さんに、じゃあ、療養証明書は要らないんですかと言われても、やあ、それは金融庁がまだ考えている途中、じゃあ、出してくださいとなるに決まっているんで、それで、正直我々には何の言い訳にもならない。それで、ほとほと困ったということですね。

     それからあと、その後の議論が展開をしまして、見落としが出るんじゃないかという議論がどうしても出ます。それで、私どものこれ見ていただいたら御理解いただけると思うんですが、我々のやり方が出るはずがないと。それで、それから多少そこ、うちほどに、言わば、全数把握ではない全数管理するのではなくて、そこはやっぱり重点管理しようという自治体であっても、かなり重症度が今回のオミクロン株BA.5は低いですから、そういう意味で悪くなったときにそれを取り込めばいいという考え方というのも、こんな膨大な感染者数になったときは有効だと思います。

     ただ、そういうような選択をされる地域もそれはあり得るだろうと思うんですが、そこのところは、実はあんまり話がないんですよね、厚労省でこうやれば大丈夫ですと、ここまでやればもう患者をフォローしたこととして考えられますよというエビデンス(根拠)に基づいた何かこう、ものが示されたかというと示されているわけではありません。ですから、我々がもう額をつき合わせてここまでやれば大丈夫だろうというのをみんな、それぞれ県ごとに考えなきゃいけなくなったわけですね。そこにお医者さんだとか、保健所だとか、皆さん入りますので、なかなか船頭の多い中で話をまとめるというのはそう簡単ではないということであります。それで、決してそれぞれの地域が何か逃げ回ったということでは全然ないだろうと思いますね。むしろ真面目にそれぞれ考えて、考えて、なかなかこれ、じゃあ、今、踏み切るかというと、今日出すんですか、いや、今日はまだ申請書出せないですよっていうことになったということだと思うんですね。木曜日(8月25日)に説明会があって月曜日(8月29日)の[午後]5時までに出すんです。普通はあり得ないですよね。それで、それを我々やったわけです、4県(鳥取県、宮城県、茨城県、佐賀県)は。それで、世間も騒ぐし、それで私なんかもやっぱりやってみせないと、誰かがやってみせないと駄目だと思いますから、職員にも大分お願いをし、関係者にもお願いをして、どんどん前向きに進めたというところはありますけども、ただ、普通のところはちょっとペースが追いつかないですよね。だから、まだ、今考え中のところが多いです。

     それで、そういうところで、また今度、9月の半ば以降かどこかの、次のステップがありますので、それがだんだん近くなってくると、今度はもう、そっちに見送ってしまうところも出てくるでしょうし、情勢はまだ混沌としてるんじゃないかと思いますが、それぞれに検討していって、我々の4県にはとどまらないだろうと思っています。

     

     

     


    ○時事通信 竹原伸 記者

     

     時事通信竹原です。すみません。さっきの関連なんですけども、では、その4県が申請したっていうその結果っていうのは、療養証明書の問題と、あと、締切りが短かったっていうのと、あと、医師会や保健所との調整が、うまく今いってないというか、そこが調整できなかったところが多いから、結果、少なかったっていうような印象なんでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     そうですね、それぞれの事情によると思います。それぞれの事情があるので、それぞれ地域の事情でそれぞれの結論を導いたと。そもそも、政府のほうの投げかけは自治体で決めてくださいときたものですから、自治体が、じゃあ、決めなきゃいけないという課題を背負ったわけで、それで、それぞれが真面目に考えた結果、やる、あるいは、もうやらないことにしよう、あるいは、もうちょっと時間をかけて考えようと。それで、もうちょっと時間をかけて考えるのが、今、多分一番多くて、それで、あとはこうやってだんだんと、今後、時間の経過とともに動いていくんだと思うんですね。ただ、いろいろ皆さん、困ったうちの1つは、療養証明書の問題は確かに困ったし、それから、安心できるシステム設計というのをどう組んでいくかというの、この辺は、いわば地域の腕の見せところの部分があるんだと思うんですけども、それで、その辺の議論にやっぱりどうしても時間がかかるし、いい知恵を出すために皆さん苦労されてるということであります。


     

     


    ○読売新聞 藤本幸大 記者

     

     読売新聞の藤本です。療養証明書の発行についてなんですが、重症化リスクが低い方はHER‐SYSに入力して療養証明書を発行はしたいというお話だったんですが、陽性者としての登録ではないということで濃厚接触者としての登録になるのかという点と、あと、HER‐SYSに陽性者として登録されてないのに療養証明書を出すことは可能なのかというところを伺えますでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     そもそも療養証明書は保険屋さんが判断するもんです。それで、保険屋さんがこれで保険料を支払っていいかという心証を得るに足るものかどうかなわけですね。それで、なぜ先週の木曜日(825日)の段階で厚[生]労[働]省さんがそういうものは出せないと言ったのかは正直解せなくて、私も厚労省さんのほうにそういうことを言う権限、厚労省にないはずじゃないって言ったんですけど。だって、保健所が証明書を出すんですから。保健所が証明書を出すので、その[療養]証明書を出せるかどうかっていうのは保健所が自分で考えればいいことでしょっていう、そういうことも言ったんですけどね。いずれにせよ、うちの県はHER‐SYSを使おうということにしました。

     

    それで、これについては濃厚接触者のデータ領域のところはHER‐SYSを使ってもいいということが示されています。したがいまして、これを我々は借用しようと考えました。それでそこに実は、例えば保険の証明書に必要な事項というのは書いてありますよね。データとして入っているんです。それで、この事項を証明してくださいということは残らず入っています。それで、そこに、その中で、何ですかね、メッセージ機能みたいなものがあるんですね、メッセージ機能、会話をするための。それで、その当事者の方と私どもコンタクトセンターとがメッセージをやり取りする。

     

    それで、そこに、メッセージの中に我々鳥取県としていつからいつまで療養しましたよということを証明しますという文書そこに入れてあげると。そうすると保険屋さんのほうでもそれ御覧になって、これは濃厚接触者でデータ領域かもしれないけれども、中身は一緒のデータだし、それで、これは保健所が確かにそうですと言ってるから、これで保険金出せますねってなればいいと。我々その程度の証明力はそれでつくれると思っていまして、そうしたやり方を今考えたところであります。


    ○時事通信 竹原伸 記者

     すみません。また、時事通信の竹原です。療養証明書の関連で、今、生命保険の業界が新型コロナ感染者の自宅療養者、いわゆる重症化リスクの低い人に対しての給付金の対象を縮小、しないというか、外すというか、そういった方向で今調整しているということで議論があるんですけれども、これについては、民間の話なんでもちろんどうのっていう話ではないと思うんですけども、受け止めをお願いいたします。

    ●知事

     それは保険業界のほうでお考えになったり、契約者との契約の解釈の問題だと思いますので、ちょっと私がいいの、悪いのというもんではないかと思いますが、ただ1つ申し上げなければいけないのは、そういう重症化リスクがない人は保険料出さなくていいということで、療養証明書いらないというお話であれば、今この経過措置で手を挙げてるところには絶対適用していただきたくないと。それで、我々はこの県だけ保険金が出ないなんていうことは到底理解が得られませんので、やるなら全国、それこそ全国一律でどこの県でも保険金は同じように出ますよということは維持していただいた上で、それで[療養]証明書の発行について工夫していただきたいと、そこは変わらないところであります。将来的にはいずれその保険金の支払い方っていうのは変えようという、そういうメッセージなんだと思いますが、それを今、まだら模様で前倒しして、仕事のやり方変えているだけの理由で、実際にそのウイルスの状況やら、感染者が置かれている自己隔離的なその療養の状況だとかを見れば、それを地域によって区別されるっていうのは、それは耐え難いことであります。


    ○NHK 杉井浩太 記者

     NHKの杉井と申します。すみません。重ねて療養証明の発行について、ちょっと1点教えてください。陽性者コンタクトセンターへの登録というのは、感染者が自らQRコードなり電話で行うという御説明をいただいたんですけども、あまりないかもしれませんが、仮に、本当に陽性を受けてない人が登録しようと思っても登録できる、自己申告のシステムなのかなと思うんですが、偽って療養証明書を発行するということが今、できてしまうシステムになっているのか、そのコンタクトセンターに登録した人が本当に検査で陽性判定を受けたのかという、そこの確認を多分、現状のシステムだとできないと思うんですけども、そのコンタクトセンターに登録した方が本当に陽性者なのかという確認というのは現状できないということなんでしょうか。


    ●知事

     実務としては[陽性者]コンタクトセンターで、どこの診療所で判定を受けましたかというのを入れます。それで、そこは確認します。当然ながら保険屋さんがこの人、支払う、おかしいんじゃないかって言ってきたときに、その診療所と照らし合わせてもらえば、これは虚偽請求ですね、詐欺罪ですね、ということができると思います。もちろん流れとしては我々のほうで受ける形でありますけどれども、それは例えばHER‐SYSの入力であってもそのHER‐SYSに虚偽で入力したら同じようにそのデータが出てきて療養証明が出ますし、事象としては、同じことはHER‐SYS入力でも起こり得るんじゃないかと思います。

     

    ○山陰中央新報 藤井俊行 記者

     

     山陰中央新報の藤井です。すみません。今日のあれにはないんですけども、3日で知事会長就任1年を迎えるということで、まず総括をいただいてもよろしいでしょうか。

     

     

    ●知事

     

     47都道府県の皆様の御協力をいただきながら、何とか1年間会長職を務めさせていただいたことに同僚の知事の皆様に、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。人口が最も少ない県という異例の中での指名をいただいたことの重みを感じながら1年間やってまいりました。特にこの新型コロナ対策であるとか、さらに[全国]知事会を改革をしてもっとウィングを広げた知事会活動にしようと、この辺も同僚の知事の皆様の御理解をいただきながら、一定の方向性は出てきたかなと思います。奈良[県]の[全国]知事会[議]でも、過去、初めて[一般社団法人日本]経[済]団[体]連[合会]の方がお見えになったり、それから有識者等招いて分科会のようなフォーラムを開いて、例えば、地球温暖化の問題など掘り下げてお互い議論することができ、アピールを取りまとめたりということもありました。私がその一つの理想として掲げて就任時に皆さんに訴えていたことが形になってきたという手応えを感じております。

     

    ただ、今、まだ道半ばでございます。新型コロナで言えば、BA.5の第7波の真っ只中でありますし、いろいろと解決しなければならない課題が山積をしている中、さらにウクライナ情勢であるとか、物価高、生活苦、こうした問題も生じてきています。ぜひこれからも知事会として同僚の知事の皆様と力を合わせてこの難局を政府や国民の皆様とともに、打開できるように全力を挙げてまいりたいと思います。


    ●知事

     

    ○山陰中央新報 藤井俊行 記者

     

     先ほどからも出ているんですけども、全数把握について厚労省の説明などいろいろ要因があったにしても4県に留まったってことは、結果的にその足並みが、検討中のところもありますけども、そろわなかったということになって、いわゆる任意団体の長として取りまとめる難しさみたいなものというのを感じられましたでしょうか、今回のその全数把握について。

     

     

    ●知事

     

     今回も、もちろんその奈良[県開催]の[全国]知事会[議]はほとんど全ての知事、出ていましたので、議論の経過は分かった上でそれぞれに御判断されているのではないかというふうに思っています。その辺の事情は政府のほうも分かっていただけるとありがたいと思いますし、私たちも例えば、うまくいっている事例というのを横展開をしていくとか、新型コロナの解決にはこういうような実務的に役立つであろうということを我々共同で検討していくだとか、いろんな形で貢献していくことは可能ではないかと思います。全数把握の足並みの問題、よく言われますが、これが全てではありません。

     

     正直申し上げて、全数把握について選べと言われたからそれぞれの地域が選び出したわけでありまして、それで、そのときはもう正直、大分事情が変わっていたわけです、さっきの波でいきますと。おっこってきたときになって、山のときに我々お願いしていましたが、おっこってきたときに、今、この話が出てきたということであるとか、それから、提示されたその条件付けが、これ、棒を飲めというのかというのも中には混じっていましたので、私個人としてはもう少しそこの政府のほうでも配慮してもらったら、もうちょっとうまくいったんじゃないかなというふうに思いますが、ただ、数が多いかどうかというのが全てではないと思いますので、皆さんそれぞれの選択だと思います。

     

     同じ知事会の中でも議論されましたまん延防止等重点措置に代わる措置として政府の方で急遽提示されたのがBA.5対策強化宣言でしたが、これについては半分の都道府県が採用して、今もその宣言を継続しているという状況があります。こういうように知事会で、みんなで議論したことが形になったことで多くの知事が参加しているものはありますので、一概に今回のことで足並みが乱れてしまったとか、対立が起きたというわけでは必ずしもないんじゃないかと思います。多分、それぞれ知事、みんな分かっていると思います。私がある意味、人を信頼するタイプなのかもしれませんが、みんな、議論見ていますので、それぞれ手を挙げて全数把握、何とか見直しください、会長、これだけは政府にねじ込んでくださいとか、皆が言っていましたのでね。それを受けてこっちは動いているわけですから、ただ、出てきたものが、じゃあ、すく乗れるものだったかというと、そこはちょっと違いがあったのかなというところもありますし、時期の問題もありますので、こういう経過になっているのかというふうに思います。


    ○日本海新聞 松本妙子 記者

     日本海新聞の松本です。コロナの学校関係の対策についてお伺いしたいと思います。夏休みが明けて西部の学校ではオンライン授業が始まりました。一方で日々の感染者数は先ほどからあるように右肩下がりになってきていて、ただ、クラスターとかでも学校関係、保育所関係がまだ多い状況だと思います。それで、今オンライン授業とかが始まってきている中で、こういうような警戒状況をいつぐらいまで続けられるっていうふうにお考えでしょうか。

    ●知事

     それは教育委員[会]のほうでも考えていただくことだと思います。実はこれですね、恐らく東中部はあんまりないんじゃないでしょうか。それで、西部は今、[鳥取県版新型コロナ]特別警報が出ています。それで、今の病床使用率が58%前後ぐらいで行き来している感じです。なぜ病床が増えるかというと、これですね。高齢者の罹患が多いので、病床が占有されているという状況であります。ですから、そういう意味で逼迫性がまだ解除されていないという状況でありまして、それを受けてそれぞれ学校現場のほうでどう対応されるか、特にこれから運動会や文化祭などがあります。

     それで本県は一律に、例えばクラブ活動やめてくださいということを言うわけではありません。基本はその感染対策をしっかり取っていただいて、それで両立を図っていただきたいということを申し上げているわけであります。それで、どうしても感染対策が取れない場合は行事の先送り、これもやめろというわけではなくて、先送りして感染の波が収まった後、つまりこの特別警報なども切れてくるような状態になった後ですね、やっていただければ結構ですという扱いでありまして、その辺は多分学校現場も、のみ込みながら、それぞれにされているんだと思います。

     ただ、保育所だとか皆さんが非常にやっぱり気を使わなきゃいけない事情は残念ながらまだ続いておりまして、これ取材もしていただければお分かりいただけると思いますけども、あちこちで今まだクラスター起こっています。ですから、それは園も大変なんですね、それで、子どもたちせっかく預かっているので、子どもたちの間で感染が広がらないようにしなきゃいけない。それで、その対策というのはやっぱり強化しなきゃいけないまだ時期でもあります。ですから、いろいろ御不便もかかるかと思うんですが、やはりそれはそうした子どもたちやお年寄りなども含めまして、大切な健康や命を守るということもありますし、それと両立を図りながら、ただ、いたずらにあっちも閉鎖する、こっちも閉鎖するではないやり方というのを、我々はこの夏は、鳥取県は模索してきているということですね。はい。

     


    ○日本海新聞 松本妙子 記者

     

     別の話をお聞きしたいと思います。県の青少年育成条例の有害図書指定を受けて、一部の大手書籍サイトで東京出版社の3冊の本をその県の条例を受けてそのサイトが販売停止になった問題がネットとかで炎上というか、皆さんが話題にしているんですけれども、まず、この問題で県の開示請求で議事録が開催概要ぐらいで具体的な指定理由が分からなかったっていうことを出版社側が主張されています。それで、県の対応についてどうだったのかっていうところが1点お聞きしたいのと、もう2点あるんですけど、もう1点は令和2年の条例改正で実際にネット販売まで影響が実際出てきた例が初めてだと思います。それで実際に規制が働いたという事例の受け止めについてお聞きしたいのと、もう1点、すみません。県がこれからも有害図書を指定すれば、そのサイトで販売できなくなるっていうことが想定される。これからもそういう状況になるっていう心配の声も上がっています。県としては、これはどうお考えでしょうかという、この3点をお願いいたします。

     

     

    ●知事

     

     はい。これについては松本[妙子記者]さんのほうで今日も書かれておられますけれども、まず1点目につきましては、今日こうして改めて記者クラブという公開の場でのお話もございましたし、世情いろいろと騒ぎがあるというようなことなのでありましょう。ちょっと説明もさせていただきながら、ちょっと方針を我々も出させていただく必要があるかなと、今、ちょっと聞いていて思いました。ちょっと説明がいると思うんですが、多くの方々御事情が分からない方、特にこれ公開されている記者会見でありますので、何があるかというとですね、鳥取県青少年健全育成条例というのがあります。それで、これは決して珍しい条例ではありません。全国にあります。

     

     それで、そこでいわゆる有害図書だとか、あるいは有害玩具そういうものを指定をして、これは売ってはいけないではないんです。子どもたちに売ってはいけないという規制です。いわゆる18禁とかいいますよね、それで、ああいうものでありまして、例えばこの本の出版を差し止めるとか、そういうことは内容として入っていません。売る際に相手が18歳未満であれば売るのはやめてくださいということです。それで、そうすると皆さんお分かりいただけると思う。映画だとかそういうものを思い浮かべていただければ、R指定なんかありますよね。それで、普通上映しています。その中にR指定で18だとか15だとかいろいろあって、それで、そういうもので年齢制限を世界的にもかけています。それで、それをできればちゃんと皆様守っていただいて、子どもたちにはそういう映像に触れないようにしましょうというものです。

     

     ですから、そこにはいろんな描写が出てきたりするわけでありますが、それをやめろ、上映するなというわけではなくて、見るときにお子さん連れていって見せないでくださいねっていうそういう呼びかけですよね。ですから、中は言わば、例えば性的描写であるとか、暴力的描写であるとか、そういうものが入っていたときに、それを基にして子どもたちの目には触れないでいただきたい、ここを判断するわけですね。それで、こういうような作業を実は伝統的に我が国どこの都道府県でもやっています。それで、有害図書というシステムがありまして、本県では青少年健全育成条例の第13条にその有害図書というのがあります。

     

     それでそこに要件があります。それは著しく性的刺激を持って青少年に対して悪影響を与えるものとか、あるいは暴力に訴えるものであって、その暴力性があるのでそれは青少年に刺激を与えるもの、見せるべきでないものっていうようなことが実は要件が書いてあります。それで、この要件に従って判断をするわけですね。それで、割と多くの県がそうだと思いますが、うちの県ではそれ有識者にやってもらおうと。それで有識者の皆さんが、職員がやるとやっぱりちょっと恣意性が入るかもしれませんので有識者の皆さん、本県では5名の皆さんがいらっしゃって、その5名の皆さんがそこの判定員になっていただいて判断をしていただくと。それで、その判断はその審議会の中にもちゃんと審査会の中の要領の中にも書いてありますが、こういう要件に合うかどうかを判定してくださいっていうもんです。それで、今、世情その我々に対していろいろ御意見をいただいている向きはここ誤解していまして、これをフリーに自分の気分で決めているっていうことを言っていますが、これは委員の皆さんに対して大変失礼です。

     

     それで我々のはその要件、性的描写のことだとか、暴力的描写のことについてこれがどうか、青少年に見せていいものかどうかという判断です。これ例えば刑法のわいせつとはちょっと違うんですね。そういうようなものとはもっとレベルのある意味低いものも含めて青少年の健全育成の観点でそこ判定するっていう仕組なんですね。それで、これを5人の委員の皆さんについてさせていただいています。それで、私もちょっと担当職員に今回いろいろとお話をいただいているというもんですから、ちょっと状況聞いてみましたけれども、要は本県での情報公開請求でいきますと、公開する際に作ってある書類しか情報公開しませんので、それで作ってある書類は全部出しているということなんですね。それで、ただそれ見てもちょっと分からなかったということではないかと思います。であれば私どものほうで追加で出させていただきます。それで克明にこういうところが性的描写であるだとか、それからいたずらに暴力性を冗長しかねない、あるいは武器の製造などにつながりかねない。

     

     例えば吹き矢の作り方だとか、それで、あるいはボーガン的なものを作るとか、それでここのサイトに言えばこれは買えますよとか、安く手に入りますよとか、それでこういうものほんとに青少年に見せていいのかどうかです。皆さんどう思われるか、私も知りたいですから記者クラブの皆さんにもこういう理由で今回はこれを採択できない、青少年健全育成条例上やはり有害図書として認めたという有識者の判断がありますけども、これがそんな疑問があるように僕はちょっと思えなかったですね、現物も拝見しましたけれども、妥当な判断だと思います。それで、ぜひ今日こうしてお話もありましたクラブの皆さんにもこういう理由だということをお示しをしたいと思いますし、先方がそれ望んでおられるわけですから、先方にもそれ当然お示しをさせていただきます。

     

     それで、だから今まではその情報公開条例なので、これが出せるかどうかと言えば、それはもう作ってない文書出せませんので作ってある文書を出していたわけであります。それで、そこで何かちょっとやり取りの誤解があったようでありますが、それで自由に何でも決めていいというふうにそれを喧伝されていますけれども、それはうそです。それは羈束裁量と行政上言われるものでありまして、こういう要件に該当するかどうかを判断するものであります。それで、よく誤解のほう、発端は自由心証主義という問題だと思うんですが、民事裁判、刑事裁判があります。それで、それは裁判官の自由心証主義でやるというふうに言われています。

     

     ただ、もちろん刑法の何罪に当たるかどうかというのは、それはみんな法律に書いてあるわけですね。その要件に合致するかどうかというのを公平な自由な何かにこう縛られないちゃんと良心に従って判断してくださいと。それが自由心証主義でありまして、それでその判断の仕方をさらに克明に法律か何かで要件づけをするということをやる法制もありますけれども、ただ、日本の法制は刑事訴訟法も民事訴訟法もそれ取ってないんです。それで同じことを実は今回の審査会の場でも取っていまして、要件に合致するかどうかはそれはそれぞれきちんと良心に従って判断してくださいと。ただ、この要件に合致しないものはだめと言わないでねっていうふうになっているわけでありまして、そこなんの問題もないし、恐らく全国それ以外にやり方はあり得ないと思います。それで、ただ、なぜそういう判断が出たかということがどうしてもお分かりにならないという御指示でありましょうから、それについてはこのクラブも含めて今日も御質問がありましたので我々は説明責任果たすべきだと思いますから、ただちょっと待っていただきたいのは、5人の委員の御了解を取った上で皆さんがどういう理由でこういう判断をされたかというのを我々も集めますので、それを定義させていただきたいと思いますし、その5人の御判断をされた方々が御了解いただかないとちょっと出せない部分もありますので、それでそこは留保をさせていただきたいと思いますが、できる限りやはり説明責任果たすべきだという骨子だと思いますので、それについては克明に見ていただけるようにいたしたいというふうに思います。

     

     また、今回の話のこんがらがった原因が1つあるのは、今申し上げましたように、これは青少年健全育成条例ですから、子どもたちに売っていただきたくないと。それでその売る手段として実店舗お店であろうが、あるいはネット店舗であろうが、これを子どもに売ってはいけませんよというとこまでしか我々規定しておりません。しかし、今回おっしゃっておられる方は、ある特定のサイトがそういうものも含めて掲載をやめたか何かだと思うんですね。それで、それはそのサイトの考え方です。それで、サイトが我々の子どもたちに売らないというふうにコントロールすれば全然問題ないはずです。

     

     それで我々はどこの県もそうですけど、こういう条例を持って子どもたちに有害なものはなるべく触れさせないという健全な発達のための手段でありますので、それに必要妥当な範囲でしかやっていません。それ以上のことは我々何も求めていません。したがいまして、それについてこれで売れなくなったというのは我々からすれば筋違いであると思います。ぜひ、これ公に議論していただいて結構だと思いますし、私どもはこれ議会でも条例審議をいただいて、こういうようなことになりました。

     

     この背景にはボウガンですね、当時ボウガンの問題が兵庫県であったんです。それで子どももやりました。それで実際に痛ましい事件も起きました。ですから、子どもたちにそういうボウガンが売られてはいけない等の課題があって、それで、今のこの[インター]ネット社会の中で実店舗でボウガンを売っているところなんてどれほどあるんですかということですね。それで、それをネットで入手されるのであれば、ネットの販売もやはり同じように禁止したいということで議会で御審議をいただいたところ、議会もそうだというふうに同意をされまして、それでネット販売も含めてだめだということになりました。

     

     ただ、重ねて申しますが、これ子どもたちに売るなでありまして、それ以外の方々に売ることについては我々は規制の埒外ですのでそのことはぜひ御理解をいただきたいと思います。

     


    ○朝日新聞 大久保直樹 記者

     お時間ない中で恐縮なんですけれども、ちょっと別件で、先般なんですけど、岸田総理が原子力発電について新増設、リプレースいわゆる次世代型の原子炉について検討進めていくというそういう方針、お考えを示されました。それで、原子力については東京電力福島第一原発の事故後、例えば民主党政権の野田元首相は当時新増設は一切認めないとか、それでそこに島根原発の3号が入るのか入らないのか。その既設を許可を出した14基については新規の原子炉ではないという話になったりとか、今度、自民党政権になってエネ基でそのベースロード電源にはするけれども、新増設については当面考えないというようなお話がある中で、国策で大きな政策だと思うんですが、これが非常に簡単に揺らいで迷走しているように見えるんですけども、UPZを抱える事実上の立地圏の知事として、今回のことについてはどのような御所感を抱いていらっしゃいますでしょうか。


    ●知事

     私どもとしては、実は東日本大震災の後、重ねて申し上げてまいりましたのは、やはり一定の緩やかなエネルギー革命が起こるべきだということを申し上げてまいりました。それは、できれば自然エネルギーなど、そうした再生可能エネルギー等が望ましいのではないかという議論を提起をしてまいりました。でも、多分、岸田[文雄内閣]総理[大臣]が最近おっしゃるのは、ウクライナ紛争が多分頭におありなんじゃないかと思います。エネルギー需給バランスという観点で、重大なこれから変更が起こるかもしれないと。それで、ドイツにしてみれば天然ガスの供給が制限される事態に現実になってきました。それで、ヨーロッパでは今まで福島[第一]原[子力]発[電所]後、原子力発電所を動かすことに消極的だった姿勢がそれぞれの国で変わってきたのもまた事実だと思うんですね。

     それで、その辺の世界の流れなども見ながら、岸田総理が今、まだ決められたわけじゃないと思うんですが、議論の提起を始められたんだろうと思います。私どもとしては、ぜひ公明正大に様々な有識者であるとか、国民の各界各層の議論を仰ぐべきではないかと思います。その上でやはり国民的なコンセンサス(コンセンサス)を得て、どういうエネルギーミックスというものを考えていくべきなのか、それを議論すべきであろうかと思います。あまり、短兵急に決める必要のない事柄だと思いますので、そういう意味で腰を据えた議論をしていただきたいと思いますが、これすぐれて国のエネルギー政策に関わるところでもありますし、特に最近ちょっと難しいのは、外交や軍事に関わるところでもありますので、地方団体でなかなか一概に決めにくくなったというか、そういう問題領域に入り始めていると思います。

     私ども鳥取県としては、そういう国の政策はいろいろあるにしても、やはり自然エネルギーというものは可能な限り推進をするなどして、従来、電力の消費県でありましたけども、大きな意味で将来的には原子力発電所等に代替できるようなエネルギーづくりにも貢献していくことは我々の地域の志として、継続してまいりたいと思っています。

     

    〇日本海新聞 佐々木駿 記者

     日本海新聞の佐々木です。先ほどの全国知事会の話題とも関連をするのですけども、知事会長としての任期残り1年残されているところで、鳥取県知事としての任期は来年の4月に選挙を迎えることになります。御自身の進退について教えていただけますか。

    ●知事

     私の任期は、県民の皆様に与えられた任期でありまして、この任期は重みがあるものであります。したがいまして、知事会の任期がそれに優先するものではないと思っております。ですから、知事会の任期の如何にかかわらず自分の出処進退については、今後よく自分なりに考えてみたいと思います。

    〇日本海新聞 佐々木駿 記者

    関連でお伺いをいたします。表明の時期なんかについては具体的なイメージは抱いていらっしゃいますでしょうか。

    ●知事

     今まで私も4回選挙出ましたが、経験的には年末までにはやっぱり表明するべきものかなというそういう感覚は持っています。ただ、いずれにいたしましても、ちょっとまだ今、コロナのことでも忙しいですし、知事会の中まとめるのも大変だと先ほどそういう趣旨の御質問もございましたが、いろいろと今追いまくられている状態でございますので、まだ正直にゆっくり考えている時間が取れておりません。しかるべき時期に、結論を出したいと思っています。

    〇読売新聞 藤本幸大 記者

      そろそろ終わろうと思いますが、ほかにありませんか。大丈夫でしょうか。はい。ではこれで終わります。平井知事、ありがとうございました。

    ●知事

    どうもありがとうございました。

     
      

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