知事定例記者会見(2019年1月4日)

2019年1月4日(木)午前10時30分~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約51分) ※MPEG4形式

  

1 第30回全国「みどりの愛護」のつどい 

●知事

 皆さま、明けましておめでとうございます。[県政]記者クラブの皆さま、県民の皆さまにおかれましては健やかに輝かしい新春をお迎えのことと心からお慶びを申し上げたいと思います。今年は平成の御世が終わろうという年であります。新しい時代をともに開いていくように奮闘努力を県庁挙げてやってまいること、先ほども年頭[仕事始め式]の訓示で職員に申し上げた次第でございます。ぜひこの一年、すばらしい輝かしい年、発展の年になることをお祈りを申し上げたいと思います。今年はさまざまなことが予定をされています。平成が次の時代へとバトンをタッチをされる頃には[第30回全国]「みどりの愛護」のつどいがここ鳥取県で行われることになりました。ぜひグリーンパワー鳥取の緑のすばらしさ、自然との共生のすばらしさを我々謳(うた)い上げて全国へ発信をさせていただければと思います。


 今日[1月4日]発表になりましたが、鳥取市が住みたい田舎ランキング[宝島社「田舎暮らしの本」2月号「2019年版住みたい田舎ベストランキング」]でナンバーワンに選ばれました。その中でもこういう自然環境と親しめる所[自然の恵み部門]もナンバーワンにランキングをされていました。その地でまさにみどりの愛護のつどいが開催をされるわけであります。ぜひ新しい時代、私たち鳥取からつくっていけるように、これも[鳥取]市と協力をしながら成功を期してまいりたいと思います。





2 山陰道鳥取西道路の開通 

●知事

 ちょうどその時期になろうかと思いますが、[山陰道]鳥取西道路も開通を見ることになります。この鳥取西道路ができ上がりますと一気にはわいインターチェンジまで全国の高速道路ネットワークが県内をつらぬいて繋がることになります。山陰道の北条道路はバイパスが既に整備をされていますので、そういう意味ではかなり快適に鳥取県を東西へ動くことができるようになります。


 このようなことを機縁としまして大交流時代を開いていかなければなりません。観光客の皆様にもアクセスしやすい鳥取、山陰、それをアピールしていく必要がありますし、県内の観光資源、国内外の皆様にお伝えをしていかなければなりません。昨年[2018年]、相次いで航空路線の充実が図られ、海外との門戸も大きく開かれました。これを生かしていくのが今年[2019年]の役回りになってくるんではないかなというふうに考えます。





3 国の制度改正に対する県の対応 

●知事

 国のほうの制度改正もいろいろと続くことになります。特に消費税の引き上げが[2019年]10月に予定をされていまして、これは社会保障の制度改革も合わせて行われることになります。国、地方を通じた財政赤字が膨らんでいく中で、これは国民の負担の下にこの国を立て直していくという重要な機軸になると思います。それと合わせまして、私ども現場で大切なのは経済の停滞を招かないように、これ、国の施策をフォローしながらやっていくことが一つには大事でありますし、さらに、この子どもたちの保育料無償化、あるいは高等教育の一部無償化等々、こういうところを私どもでも速やかに、円滑に実行していく、そういう環境づくりをしなければなりません。これは国のほうの動きであるかと思いますけども、それと合わせて鳥取県としてどういうことができ得るのか、それも今後考えていく必要があり、市町村との協議も急いでいかなければなりません。


 さらに、制度改正としては外国人労働者の門戸も開かれることになる。働き方改革[関連法]も大企業を中心としまして施行が順々にされるようになりまして、この4月に一部施行ということになります。こうした制度改正に対応した地域の労働環境、あるいは生活環境づくりも進めていかなければなりません。





4 東京オリンピック・パラリンピック 

●知事

 東京オリンピック、パラリンピックが近づいてくるわけでありますけども、今年[2019年]はセーリングのレーザー級の世界選手権がここ鳥取県で開催をされることになります。これは事実上、東京オリンピックへの登竜門の役割を果たす大会になります。世界の強豪たちが一堂に介するわけでございます。また、[東京オリンピック・パラリンピック事前]キャンプ地誘致もこれから一層進むと思われますし、そのほかにも障がい者の関係では、聴覚障がい者のスポーツ大会[第53回全国ろうあ者体育大会]も開催をされる、ワールドマスターズゲームズ[2021関西]に先がけまして関西[シニア]マスターズ[大会]といわれる関西一円の方も含めたスポーツの、生涯スポーツの大会も鳥取県で開催をされることになりました。このような形でスポーツをとおして地域の発展に取り掛かっていく、2020年を見越したその重要な土台づくりの年ということにもなると考えております。



5 TPP11発効 

●知事

 こうしたことのほか、TPP[環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定]、あるいはEPA[経済連携協定]というようなことなど大きなターニングポイントが今年[2019年]のテーマになるわけであります。ぜひこうした転換点を捉えて新しい時代をともにつくっていく、そういう役割を鳥取県庁も果たしてまいりたいと思います。そういう中、TPP11につきましては12月30日に発効をいたしました。6カ国[日本、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア]がまず加盟をして動き始めたわけでありますが、残る5カ国[ベトナム、ペルー、チリ、ブルネイ、マレーシア]も、マレーシアなど結構協議の続いている所もありますが、順次加わっていくと思われますし、さらに、これに続いて韓国とか、あるいはタイとか、そのほかの国々も興味を示し、EU[欧州連合]からの脱退が見込まれていますイギリスも、これに興味を示すということになっています。


 そんな意味でこれは正と負と両方影響は考えられるわけでありますが、これに我々としても懸命に対処していかなければなりません。そういうクレバーな[賢い]対応をする必要があるのとあわせて農林水産業への影響調査、このフォローアップも進めていき、必要な対策があれば機動的にやっていかなければなりません。そういうわけで、今朝[1月4日朝]、関係部局にも指示をさせていただきましたが、来週[1月9日]こういうTPP、EPAさらには日米協議を踏まえた私どものほうでプロジェクトチーム[国際経済変動対策チーム会議]がありますが、これを来週開きまして、今後の対策を話し合うことにさせていただいております。





6 外国人労働者の受入れ 

●知事

 また、海外との関係では外国人労働者の移入が始まります。これまでも研修生[外国人技能実習生]という形などで鳥取県内でも働いておられる方々はいらっしゃいました。しかし、4月からかなり急ごしらえということにはなりましたが、この外国人労働者が本県で生活をし始めることになります。まだどれだけの数になるかとか、不透明なことはいろいろと多いわけでありますけれども、例えば総合的な相談窓口、相談センターを設置することなど、地域として取り組まなければならないことがあります。教育のこともございますし、それから災害の対応のこともございますし、これは県庁の中の各部局にまたがるところでありますし、警察[本部]、教育委員会とも協調していかなければならないところでございます。


 そこで来週の[1月]7日に新しい組織を設置させていただこうと思います。外国人労働者受入れ共生プロジェクトチーム、これを1月7日に設置をし、副知事をトップにしまして、各部局横断的な組織をつくる必要があるだろうと思います。結局[2019年]3月いっぱいまでに準備すべきことを準備していかばければなりません。そういう意味でかなりタイトなスケジュールの中でありますので、プロジェクトチーム方式がよいであろうというふうに考えます。そこで外国人労働者受入れ共生プロジェクトチームを週明け7日に設置をすることといたしました。ここでいろいろと現状分析、これは国の方の施策が十分まだ私たちの所で情報収集できておりません。国との折衝などを進めていかなければなりません。先ほど申し上げた総合的な相談センター、これを本県としてもぜひ設置をしたい、例えば現在[公益財団法人鳥取県]国際交流財団のほうで、例えば外国人の方に対する日本語講座を開設したり、そういう役割も果たしていますし、人材やパイプも一定程度あります。例えばこういうところを強化することなどで、そういう総合的な相談窓口センターを開設できないだろうか、これをちょっと急遽検討する必要が生じてきたというふうに思います。また、全国の動向ともつながっていかなければなりません。


 今、外国人労働者の方々入ってくるといっても、結局大都会で集中してしまうんではないかということも言われます。それぞれの業界ごとに受け入れの管理団体も設置をされて来ていますけども、まだできていない所もあります。そういう中にはこういう受け入れに興味を持っておられる業界や企業もございまして、問い合わせも今までも来ているところでございます。こうしたことで、円滑にこの4月以降の制度移行が進められるように、こういう労働関係、商工関係体制をとる必要があります。同じことは、今、農業の現場や水産業の現場でもこういう外国人の方が働いておられます。そうしたことが4月以降どういうふうに移行していくべきなのか、この辺も詰めていかなければなりません。


 学校のほうで外国人の家族が住まれるということになったときの対応等も考えなければなりません。恐らくは家族を連れて来られる[熟練技能が必要な業務に就く特定技能]2号のほうについては、当面は始まらないのではないかというふうに思われますが、簡単にできない話でもありますので、準備は始めていく必要があるのではないかと思います。そんなような意味で、来週、鳥取県庁としてもこの外国人労働者対策についてスタートを切らせていただきたいと思います。





7 働き方改革 

●知事

 同じように[2019年]4月から法律が一部施行されるのが、これが働き方改革[関連法]でございます。大企業のほうでの導入[残業時間の上限規制等]などが始まるわけであります。これに向けて、これも庁内でのワーキンググループ、ワーキングチームをつくらせていただこうと思います。これも来週[1月]8日か9日くらいに起動させていただこうと思います。こちらのほうは統轄監をトップにして、今まで、これ、働き方改革については積み上げてきた実績や施策もございますので、そういうものも動員をしながら4月以降円滑に進むようにしていかなければならないというふうに考えます。



8 地理的表示(GI)保護制度登録 

●知事

 年末[12月27日]にはGI[地理的表示 保護制度]の指定がなされました。大山ブロッコリー、そしてこおげ花御所柿、これがGI指定されたわけでございます。花御所柿はシーズンが終わりましたけれども、ブロッコリーはこれからまだシーズンが続きます。ですから、県としてもこのGIというものを武器にして、先ほどTPP11やEPAの話もございましたけども、世界にも通用するブランドとして、まずは国内市場での販売促進、PRなどをやっていきたいと思います。これについては食のみやこ関係だとか、農業のブランドづくりの事業などもございまして、早速ですね、農業団体等とも協議をさせていただき、梃(てこ)入れのため、PRイベントなども含めて、早々にこれもスタートを切る必要があるのではないかなというふうに考えております。



9 株価下落、為替変動への対応 

●知事

 今日[1月4日]は役所だけでなく、この経済界もスタートの日になりました。大発会を迎えています。現在のところ、既に2万円を株相場[日経平均株価は]割り込みまして700円以上下げているという状態であります。驚きましたのは昨日[1月3日]1ドル104円台[の為替レート(外貨との交換比率)]ということに一時なりまして、今朝[1月4日朝]は107円台で推移をしておりますけども、昨年末[2018年末]から考えますと市場が閉じている間に円高が一気に進みました。これは企業の想定レート、今朝[1月4日朝]も金融界の方とお話を、意見交換したんですが、大体[1ドル]110円ぐらいで本県の場合、円レートの設定をしながら経営戦略を立てているという実情にありまして、107円台ということ、これがまた円安のほうに振れるかというと、どうもなかなか短期的に見込みにくいのかもしれません。そういうふうなことでございますので、この円高対策、経済の激変対策について、ファイナンス[財政]を考えておく必要があるんではないかなというふうに思います。


 そこで年始早々ではありますが、今、庁内のほうで準備を始めておりますけれども、[鳥取県]地域経済変動対策資金を発動しようというふうに考えております。これは[融資利率を年]1.43%の優遇レートで組むわけでございまして、金融機関と調整が整えば、早ければ[1月]9日にでもこの資金発動をさせていただきたいというふうに思います。先ほど申しましたように、国際的な経済情勢の変わり目の年になります。それは米中間の関係がどうかということもありますし、それから日米の投資貿易の協議、これは物づくり、物品の協議ということになっていますが、年末[2018年末]アメリカが提示したのは、もう少し広い範囲で議題を設定しようという提示が来ています。かなりシビアな折衝が年明けから始まるのではないかとも思われます。それに比べまして、EU[欧州連合]のイギリスの脱退も世界経済の波乱要因でございます。こんなようなことがいろいろと続きそうな気配がございまして、地域経済変動対策資金を発動して備えておくということをさせていただきたいと思います。





10 松葉がに漁 

●知事

 実は本日[1月4日]、会議を水産関係者で持たれるということでありますけども、松葉がににつきましては、TAC(タック)[漁獲可能量]と言われる漁業割当の90%以上、94.3%既に本県の船が水揚げを終えてしまっているという状況でございます。年が明けてから、これからまだ漁期がありますので、そこをどういうふうに乗り切っていくのか、これが急浮上してきた課題となりました。水産関係者の今日[1月4日]の話し合いを見守りたいと思いますけれども、いろんな方法論とか、工夫もあるかと思います。旅館さんなど観光関係者と水産仲買さんとかも含めた関係者など、私ども県のほうでも相談窓口をセットさせていただいて、組織的にこの松葉がにの対策につきましてもパイプ役を果たさせていただき、あと3カ月ぐらいでありますけども、このシーズンをどういうふうに乗り切っていくのか、その辺の工夫を現場でできるように、我々も状況の共有化であるとか、それから対策の関係など、我々も門戸(もんこ)を開いて、この課題にパイプ役としての役割を果たしていきたいと思います。漁業割り当て自体は、これは国全体の制度でもありますし、水産業者の皆さんで自主的にも対応なさっているところでありますので、このことについては根っこからひっくり返すというわけにはならないわけでございます。したがいまして、どういう工夫ができるか、そういうレベルで対策の円滑な推進を関係者と一緒に諮らせていただこうと考えております。



11 防災対策 

●知事

 今週末[から]は、[消防]出初式が各地で続くわけであります。そういうように防災を考えなければならないわけでございます。昨年[2018年]の災害続きの年が明けたと思えば、昨晩[1月3日]は熊本[県]におきまして震度6弱の地震がありました。気象庁のほうも同程度の地震が今後起こる可能性は否定できないということで注意を呼びかけているところでございます。私たちとしても、そういう安全対策、安心づくりをしっかりと進めていかなければならず、この鳥取県としても、水害の対応など、年末に出されました教訓を生かした安全避難対策など、着実に検討を深めてまいりたいと思います。



12 スプレー缶対策 

●知事

 そういう中、昨年[2018年12月16日]、札幌[市]で爆発事故が起きました。痛ましい事故でございましたけれども、それがスプレー缶が原因であるというふうに判明をしてきたわけであります。来週の[1月]9日に市町村と県と集まりまして、このスプレー缶の対策会議を行うことといたしました。具体的には安全な廃棄の仕方について、スプレー缶自体はなくすわけにはなりませんので、当面ですね、スプレー缶をどういうふうに廃棄したらいいのかということを住民の皆様に広く知っていただく、事業者の皆様にも正しい取り扱いを知っていただく、この広報の強化が必要であります。県としての広報媒体も活用させていただきたいと思いますが、どうやったらいいのかわからないというのが正直なところだろうと思います。厚[生]労[働]省のほうは穴あけはしないでということを呼びかけているわけでございますけども、本県の場合は、スプレー缶に穴をあけて廃棄をするようにルールをつくっている所がむしろ多い実情にあります。どうしても廃棄物の収集車両の関係などで穴あけをしないと収集ができないという、そういう難しさもあるわけであります。


 穴あけをすると本当に危ないのかということでありますが、その中の気体を全部しっかり抜いた後で穴をあければ問題がないわけです。その穴から一気にガスが噴き出して、これが引火するということが危ないわけです。ですから、まずは屋外でしっかりとガスを抜いていただく。それで、その後、抜けたことを見た[確認した]上で穴をあけていただく、こういうような手順が必要なんですが、このことがあまりご理解をいただけてないというのが実情だと思います。そもそもスプレー缶もそのまま捨てるということでいいのかなと思っている人たちも少なからずいらっしゃる中でありますので、このスプレー缶対策について、来週、緊急の会議を1月9日に開催をさせていただこうと思います。





13 風しん対策 

●知事

 さらに、この1月からスタートいたしましたのは、風しんの予防接種[補助対象者]の拡大や[風しん]抗体価検査[無料検査の対象者の拡大]でございます。本県は年末、議会[平成30年11月定例会]のほうでも予算を成立をさせまして、31歳から59歳までの男性[国の追加対象は39歳~56歳]についても抗体価検査の対象とすることにいたしました。また、予防接種についても同居されている方、妊娠希望されている方の同居されている方といったところまで範囲を広げて予防接種をするということになりました。ぜひご活用いただければと思います。それで、昨年末[2018年末]に厚労省のほうがこの予防接種や抗体価検査を拡大をするということを表明したわけであります。今日[1月4日]までいろいろ情報収集しているんですが、直ちに国が対象拡大をするということではないようでありまして、2月ごろまでに体制を整えて市町村のほうに周知をしていくと、こういうことのようであります。それで国のほうの制度ができ上がれば、そちらのほうに一部移行をさせながら、県独自の対策も含めて今後取り組んでいくというようなことにさせていただきたいと思います。このようなことで健康づくりなどにも十分に対策をとってまいりたいと思います。


14 とっとりジビエのPR 

●知事

 今年[2019年]はイノシシ年ということになりました。最近、鳥取県が他県から注目もいただいていますのが、ジビエ料理であります。イノシシにつきましても上質なイノシシができるように、イノシシ牧場[日本猪牧場(倉吉市)]も本県の中に開設[鳥取県版HACCP(ハサップ)認証を取得]されました。そういうことでありますので、[2019年亥年(いーとし)]「とっとりジビエおいし猪(いの)キャンペーン」をやろうということにさせていただきます。各消費地など、あるいは本県の中でもそういうことでイノシシを、シカとあわせて前面に出してこのイノシシ年に若干便乗商法で乗っかっていけないかなとこういうことであります。実は、このお正月もその先行をしていまして、お節料理にイノシシを出すということをしていただきました。これは料理関係者[鳥取県調理師連合会]の惣和会(そうわかい)という料理研究会があるんですけども、そちらとタイアップしてこのイノシシお節料理[とっとりジビエおせち]を販売したんですが、大分、好評で予約殺到というような形になりました。こういうようなことで商品性、市場性もあるんじゃないかなというふうに考えております。また、本県の中でも県版HACCP(ハサップ)をとられた所もございまして、1月8日にはそういうイノシシ料理の研究発表会[新メニュー開発試食会]ということもしてみようかというふうに考えております。今後イベント等も通じて鳥取県のジビエの販路拡大、これを今年[2019年]展開させていただければというふうに思います。

 本年[2019年]一年皆さまに取りましてすばらしい年となることをお祈りを申し上げ、弥栄(いやさか)をお祈りを申し上げて新春の記者会見とさせていただきたいと思います。私のほうからは以上でございます。


15 為替変動への対応  

○日本海新聞 北尾雄一 記者


 各社質問があればお願いします。

○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 知事、先ほどの為替相場の件で、短期的には円高基調が続くとおっしゃっておられたんですけど、その点で、例えば鳥取県内の産業ですとか、どういう部分に一番影響を及ぼすのかというお考えでいらっしゃるでしょうか。



●知事


 例えば[国内の]部品工場[で生産された部品(商品)]など[を]海外に出している、そういうときに[為替]レートの問題が直結をしてきます。国内で製造して向こうに売るということであると、円高基調というのはその分収益を減らすことになります。割と想定レート的には、もう少し安いところで想定レートが組んであって、そこで経営計画を立てているわけですね。ですから、この[1ドル]107円くらいが続くと打撃につながってくる、そういう会社も出てくるだろうと。そういう意味で、繋ぎ的資金も含めて融資を開いておく必要があるのではないかなと、こういうことでございます。



○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 その円高の影響は、大体例えば1カ月間でどのくらいの額になりそうで、それと、対策資金の規模というのは大体どのくらいなるかということを教えていただけませんか。



●知事


 じゃあ、その詳細、まだ今、検討始めたところですけど、担当部局のほうから後ほどご紹介を申し上げたいと思いますけれども、やはり企業によってバラバラでございまして、影響のある企業もあれば、ない企業もあると。今回、円高というのを1つのテーマでこの地域経済変動対策資金を発動しようと思いますけれども、先ほど申しましたように、これ以外も例えばTPP絡みであるとか、それから米中[アメリカ合衆国と中華人民共和国]の関係が悪化しますと市況に影響してくる可能性があるわけです。今回の株[価]の[値]下がりもアメリカ発でありまして、アップル[社]が起点になっています。それでアップルの場合、中国での製造拠点ということがございまして、それが米中協議の行方に絡んで株が大幅に下がっているというような状況があります。それで、中国がくしゃみをすれば本県のさまざまな企業も影響が出てくるということもございまして、円高だけでもないと思うんですね。そういう意味で備える意味も含めて地域経済変動対策資金を発動状態にさせていただくというふうに考えております。





16 外国人労働者の受入れ  

○毎日新聞 園部仁史 記者


 外国人受入労働者の件で、まず、国のほうの施策が十分ではないということをおっしゃっていましたけども、特にどういった点が十分ではないのかなというふうな、考えていることを教えていただきたいのと、あと、外国人日本語講座を強化して受け入れセンターを開設できないかということだと思うんですけども、現時点でどういったふうなセンターが開設できたらということを考えているのかを教えていただきたいです。



●知事


 国のほうも年末[2018年末]に閣議決定をされまして、基本方針、それから分野別の運営方針、また、総合的対応策、この3本柱を決定をされました。これで、だいぶ国会でも議論がありましたが、その国会で議論されたことに対応するさまざまな施策は予算措置も含めて今回出てきていると思います。ただ、それは例えばこれからの国の[2018年度]補正予算であるとか、[2019年度]当初予算であるとか、その内容がよくわからないところがありまして、この辺を分析していかなければならないということがあります。そういう意味で、まだ国のほうの十分な説明などがなくて、私どももやっぱり説明会など要求していかなきゃいけないかなということもございます。その情報収集のことも1つありますし、あと、やはり対策としてちゃんとできるかなというのは大都市に一局集中して労働者が偏ることになりますと、地方部のほうの人手不足との関係ではあまり効果がないということになってしまいます。

 もちろん選択するのは働かれる方々でいらっしゃいまして、賃金の状況だとか、あるいは居住環境だとか、いろいろと含めてそういうことになるのかもしれないんですけども、国も国会などではそういう地方のほうでの外国人労働者の雇用ということもできるように対策を取っていきたいというお話でございますが、その辺がちょっと今回の3つの柱では見えにくいところであります。これは県内の企業も心配しているところでございまして、むしろ取り合いになって大都市のほうの例えば、食べ物屋さんであるとか、いろんな所、工場であるとか、そういう所に取られちゃうんじゃないかということであります。ですから、その辺の対策をしっかりとやってもらうということ、あるいは情報提供を、情報共有を図ってもらうということ、これについては国に要求していかなければいけないテーマかなと思っています。


 それで、本県での[多文化共生総合相談ワンストップ]センターは、やはりいろんな相談事があると思うんです。例えば暮らし始めるに当たって、例えばお店はどこがあるのかとか、それから子どもたち保育所なんかも含めてどうやって入学させたり、預かってもらえるのかとか、それから万が一のとき、病院のかかり方であるとか、言葉もなかなか通じない中での悩み事っていうのはあると思うんです。そういうところに幅広く対応できるように[相談]窓口を開設して相談センター、総合的な相談センターをつくりたいということです。実際に人が動いてくる、雇用のところは多分[関係]業界の横串を刺したようなことになるんだろうと思うんですね。管理団体があってそれで受入体制を今度向こうの国[外国]とのパイプ役を通じて実行していくということなんでしょうけども、主に地方公共団体の場合、労働局などと違いまして労働環境のことも大切ですけども、それ以上に生活環境、そうしたことについて対応策を取る必要があるのかなと思います。


 また、県内の企業でやはり、本来これ制度としては外国人の方、受け入れるに当たって、語学研修をした上で受け入れるという仕組みになっているんですけども、ただ、ご家族等も含めてやはり外国人の方の日本語研修の需要などは高まってくると思われます。そうしたことにも地域として応えていく必要があるのかなと。こういうようなことをいろいろ考えますと、既存の国際交流財団のようなリソース、ちょっとこれから検討してみますが、そうしたところを例えば核にして全県的な組織を一つまずはつくる必要があるかなと思いますし、市町村の窓口とも協調体制、ネットワークをつくっていく必要があるのかなというふうに考えております。


○NHK 吉村美智子 記者


 外国人材についてなんですが、現時点で国際交流財団という団体があって、その団体だけがなかなかまだ難しいということですか。もし、実施されれば難しい課題っていうのもある程度想定はされるわけなんでしょうか。また、受入体制整えるに当たって、どの程度の外国人受入できるぐらいのレベルにしたいとか、希望はありますでしょうか。



●知事


 まずは動かしてみる、つくってみることが大事なんですけども、国際交流財団は、今は例えば外国人に対する日本語研修を講座としてやっていたり、日常からも、例えばイベントなどで共生社会実現のためにいろんな交流事業などを行ったりということをやっていますし、日ごろ相談も受けておられます。ただ、その専門性などが高まったり、行政とのつながりも大事になってくると思うんですね。ですから、そういう意味で[鳥取]県庁とある程度融合しながらやっていくような組織イメージなのかなと思います。だから、[国際交流]財団で単純にやるということにはなかなかなりにくくて、そこに人材の面だとか、それから他の専門人材、例えば弁護士さんだとか、それから学校関係者だとか、そういうところといざというときにここは情報を流通して、それで相談に、あっちで専門相談やりますからあっちで対応してくださいと。それで、そのとき、通訳をするとか、そういう何か仕組みづくりがやっぱり必要なのかなと思います。


 これは今の国際交流財団の現状だけで処理できるとは思えないわけでありまして、プロジェクトチームをつくって、どういう組織体制を準備したらいいのか、これを早速議論を来週[1月7日の週]始めたいと思います。また、規模感ですけども、先ほどもお話申しましたように、どれほど来るかというと未知数。ひょっとすると[外国人労働者が来るのは]大都市中心になるのではないかとも言われます。特に初動においては従来の研修生で来られている方の振りかわり、この数が主になる可能性も指摘されています。ですから、一気に何百人、何千人と[2019年]4月から増えるということにはなりにくいのかなというふうに思います。ですから、徐々にふえていくわけでありまして、そういう意味では、何か最初から大規模に[相談]窓口をつくるよりも、まずはスタートをさせる。そして拡充を図っていくというようなやり方がベターではないかなというふうに考えております。



○時事通信社 今泉悠 記者


 関連してなんですけれども、県として対策をする上で、大体どれくらいの人数の方が鳥取県に来るのかっていう前提がないと、その政策のやり方も変わってくると思います。これまでに県内の業界から大体この業界はこれくらいの人が不足しているので何人欲しいとか、そういったヒアリングされていると思うんですけれども、今の話だとどれくらいの人が来るか未知数っていうことなんですが、どれくらいの人が来てほしいと考えているかっていう数字はわかりますか。


●知事


 それについて、じゃ、また後ほど担当部局のほうから現状の調査状況もお知らせをさせていただきたいと思いますが、正直[2019年]4月にふたを開けてみないとわからないところもありますし、これから[2019年]1[月]、2[月]、3月の間にどういうパイプづくりがいくのか。それで、多分先ほど申しましたけども、一気にこう[2019年]4月になったら急にワアっと来たということには多分なりにくいのではないかなと思います。それで、我々[鳥取県]としては行政の立場でありますので、企業あるいは農業生産現場やあるいは水産関係者など、必要としているそういう対策ができるように、外国人の方もここ鳥取[県]での生活に入っていただく、これを目指したいと思います。


 そういう意味では、希望数を満たせるように我々[鳥取県]も国とのパイプ役等々果たしていけるところはやっていきたいというふうに思います。また、ちょっと多分何千人とかそういうような規模にはなかなかなりにくくて、当面は現在研修制度で来ている人たちの中の振りかわりが中心になるかなと思いますので、そこで例えばパイが一気に膨らむということではなさそうだなというのが今までの私どもの調査の手応えであります。ただ、いろいろと受け入れられるなら我々受け入れたいという新規の、例えば協同組合をつくりたいとか、そういうところも出てきています。ただこれ、その組織をつくるのにまた時間がかかるわけでありまして、組織をつくった後で来るわけでございますので、一気にこれも進みにくいところがありますが、そういう形で受け皿づくりにも県のほうで協力をして、[2019年]4月にはならないかもしれませんが、その後の受け入れということを実現できるように、そういう協力体制もつくっていかなければなりません。


 そういう意味で、ちょっと手探り状態ではあるんですけども、急に決まった法案でありますので、これから急遽、情報も集めて対策を取ってまいりたいと思います。詳細また後ほどご報告申し上げます。



○時事通信社 今泉悠 記者


 ちょっと関連なんですけれども、当面は技能実習生の振りかわりということなんですが、そもそもこの外国人材の4月から始まる制度というのは、人手不足がまずあって、それを補う上で助けていただくために来てもらうっていうそういう制度だと思うんですけれども、そもそも鳥取県ではこういった外国人の手を借りなければならないような事態、状況にあるのかどうか、この制度自体に対してどうようなお考えでしょうか、賛否をお願いします。



●知事


 私は、これ[外国人労働者の受入拡大]は必要だと思います。現状申し上げますと、これは現状の制度の中でやっているんですが、例えば水産関係者のほうでは実はインドネシアの方が入って来ています。それから縫製工場などの製造業現場でも、これも外国人の労働者といいますか、研修生[外国人技能実習生]が既に相当数入って来ておられます。そういうような形で、農業のところでも同じような、畑で働いておられる方とかいらっしゃるんです。そういうような現状にございまして、既に鳥取県でも外国人の姿は存在しているということであります。これが本格化するというのが今回の法律だと思うんです。そういう本格化して、いずれ家族も連れて来ることも制度としてもスタートするだろうと思います。そうなってきますと、やはりもっときっちりとした地域社会としての受け皿づくりが必要になってくると。従来とは大分質的にも量的にも変わってくるんではないかなというふうに思います。


 今現状を、経営者の方とか、それから水産関係者とかお伺いをしますと、こういう外国の方の助力なくして本県の産業構造、立っていけない状況にあるというふうにお伺いをしておりまして、今回の法律いろいろと議論はされましたけれども、今後運用の中で改善すべきことは改善をしながら、新しい共生社会へのステップを地域としても責任を持って進めていかなければならないんではないかなというふうに考えております。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 今のことに関連しまして、総合相談センターの設置は知事としてはいつごろの設置を考えていらっしゃるかということと、それから国がその外国人労働者の窓口、これも拡充しようとしていますけども、本県ではこのこういうコーナーが未設置ということだと思います。国に対する要望にも盛り込まれていましたけども、その国に設置を求めているコーナー、窓口とのこのすみ分けみたいなことはどのように考えているか教えてください。



●知事


 ちょっとその辺は制度がまだ法務省から示されていないところもありまして、不分明なところもあり、情報収集中でございます。現状、中国地方で確か2つの県だと思いますが、国のほうの労働局ベースのそういう相談窓口設置がなされているわけでありますが、本県でも設置を求めてまいりました。これと多分ある程度融合的協調的にやっていくじゃないかなというふうに思われます。国のほうは割と取り締まり行政も片方で入っていまして、労働関係の適正化という観点が強いかなというふうに思います。私どもは生活支援、それから安心安全対策なども含めてやっていくということでありまして、得意分野というか、重点分野は若干異なるものになるのかなと思います。


 本来であれば協調してやれればいいんですけども、その辺ができるのかどうかちょっと今、不分明でございます。それで、この相談センター、総合的な相談センターにつきましては、[法律が今]春4月施行されるわけでありますから、そのときの設置を目指したいと思いますが、ちょっと来週月曜日[1月7日]から[鳥取県]庁内協議を始めて着地できるかどうか、今後見定めていきたいというふうに思います。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 それから国際交流財団でも、今でも日本語学習だとかされているわけですけども、このあたりの拡充も恐らく必要になってくるということだと思うんですが、その組織はまたそこを核にということだと思いますが、ただ、一方で国の制度でもありまして。財源を県の独自財源をつぎ込むということにも多分賛否あると思うんですが、この辺は国が第一義的にそのあたりも含めて本来すべきものかなと思うんですが、そのあたりいかがでしょうか。



●知事


 本来、国がこうした外国人[労働者の受入拡大]という状況つくり出しているのでありまして、国の財源というものを活用すべきものだと思います。現実にも[2018]年末閣議決定された[2019年度]当初予算案を見ますと、各省庁がこういう外国人労働者対策の予算を組んでいるんですね。それで、ちょっと膨大すぎてその詳細まで十分[鳥取]県庁各部局で把握しきれていないと。それで、そういうものをいろいろと使っていけば、一定の対策は取れる財源になるのかもしれません。問題はほんとに住まわれる外国人の方がご不便、あるいは不安ということにならないようにすることでありまして、現場ベースで国[制度]の杓子定規な形では対処できないことがあれば、それはともにこの地[鳥取県]で共生し、地域経済をつくっていく仲間でありますので、対策はやはり地域社会としても一般財源も含めて取っていく用意も考える必要があると思います。ただ、主流ですね、大層の所はこれは国のほうの制度を活用できるんではないかと、今は見込んでいるところであります。





17 熊本地震への支援 

○山陰中央テレビ 安部大地 記者


 知事、年頭の仕事始めでもお話されていましたが、昨日の熊本地震で危機管理局のほうと話し合いをされて、特に大きな被害はないと思われていますか、今後意向であったり、支援の方針と何かもし決まったことかあれば教えてください。



●知事


 今、向こう側[熊本県]とも連絡を取ったり、情報共有を図ったりということでありますが、当面、支援要請は来ていないという状況であります。ですから、今後の推移を見ていくのかなと思います。昨日[1月3日]は関係者若干召集がかかった形になりましたけれども、当面は様子を見定めたいというふうに思います。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 そのほかありますでしょか。では、以上で終わります。ありがとうございました。



●知事


 おめでとうございました。



  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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