第144号(H29.6.15)


  とっとり教育メルマガ-第144号 
平成29年6月15日(木)

 鳥取県教育委員会  http://www.pref.tottori.lg.jp/kyouiku


●心とからだ いきいきキャンペーン●
      ~はじめよう!明日につながる生活リズム~

【キャンペーンの6つの柱】
・しっかり朝食を食べよう  ・じっくり本を読もう  ・外で元気に遊ぼう
・たっぷり寝よう ・長時間テレビを見るのはやめよう ・服装を整えよう
http://www.pref.tottori.lg.jp/ikiiki/


【内容】
 1.巻頭コラム     教育委員会委員 鱸 俊朗 
 2.県教委メッセージ  県立図書館
 3.イベント情報      船上山少年自然の家、むきばんだ史跡公園


1.巻頭コラム ◎教育委員会委員 鱸 俊朗
     
         インクルーシブ教育の目指すところ
      “障がいをどうとらえるか”  

 「国家百年の計は教育にあり」人づくりは国づくりの根幹であるといわれる。
岡山藩主池田光政が儒教を教育理念にすえ、開設した庶民の学校である閑谷(しずたに)学校の歴史的成果が、それを物語る。今日のグローバル社会においても、米子出身の経済学者/宇沢弘文氏(故人)は、社会的共通資本という視点で「人間にとって、社会にとってもっとも大切なものは医療と教育をすべての人にとっての共通財産として大事に守り、それに加えて自然環境の大切さにも目を向けること」と強調している。情報化社会、多様化する社会の中で、日本の将来を託す子供たちには、学校教育が、違いを持った人と人が共に生きていくための知恵が学べる場であってほしいと考える。

 障害者の権利に関する条約(障害者権利条約 平成26年2月発効)にある「インクルーシブ(共生)教育システム」にはいくつかのポイントがある。○人間の多様性の尊重等の強化(道徳としての人権教育)○障がい児が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させる(療育:小児リハビリテーション)○自由な社会に効果的に参加することを可能とする目的での教育(特別支援教育)○障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組み(通級制度、特別支援学級、特別支援学校)○個々の障害に必要な教育的ニーズに対する「合理的配慮」が提供される等(障害者差別解消法)。つまり、教育現場では同じ空間で共に学ぶ、個別の障害のある子どもたちに対して、自立と社会参加をめざし、障がいの違いや、成長の過程での教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが求められる。

障がいをどうとらえるか?

 近年、二国間の歴史認識、文化、宗教の違いによる領土問題や、テロをふくめた紛争に関しての記事が新聞を賑わしている。それは文化摩擦の結果ともいえる。その解決法として、領土問題での摩擦解消においては外交で、両国が容認し相手国とのすりあわせが行われる。大辞泉によると文化とは、『世の中が開けて生活水準が高まっている状態や〈人類の理想を実現していく精神の活動〉を意味する場合と、〈弥生文化〉というように〈生活様式〉を総称する場合とがある。』とある。障がい者の支援者の中には、障害児・者のことを“異文化の中で生活する少数民族”と呼んでいる人もいる。言葉の読み、書き、会話ができない国に一人で外国旅行をすることを想像してみる。異文化のなかでの生活は、異文化に触れる楽しみよりも不安が先に立つものである。その時、言葉、生活のルール、金銭管理など異文化に対する“すり合わせの作業”が必要となる。障がい児・者の社会参加を進めようとする中で起きる文化摩擦は、互いが理解するうえで必要なプロセスであり、理解し合える
基となる。肢体、知的、精神等の障がいに加えて、発達障害者支援法の成立(平成16年)により発達障がいも障害者基本法、自立支援法において支援対象として明記された。発達障害のこどもは、発達に凸凹があり、生来の特性、気質と後天的な環境要因により適応障がいとなり、“障がいを持った子”として位置づけられる。そして、その子の持つ認知特性の理解不足から、いじめにあったり、自己肯定感の低下から不登校になる子もある。しかし、障がいのある子供たちをみていると、多数派の子供にはないきらめきを感じることが多く、発想の豊かさ(芸術性)、飾らない素直な思い、を感じる。また、成人して社会参加のなかで、優しく、規則正しく、忍耐強い性格から福祉施設で就業したり、細かい数字記号に集中できることで、医療材料などのロッド番号の確認など、医療安全関係の医療職として、産業界で品質管理に成果を出している方の話も聞かれる。障害のある幼児児童生徒の自立と社会参加を実現するには、特別支援教育専門職が他機関と協働して、子供の持っている光るところを伸ばす努力:よいところを見つける(異文化とのすり合わせ作業)を行うことが必要だと感じる。この文化交流=支援を通した成果が、地域社会で障がい者が如何に過ごしやすくなったか(生活の質の向上)につながると確信する。
 また、長年にわたる障がいとのすり合わせ作業と科学の進歩と支援者の情熱により、すばらしいコミュニケーションエイド、補装具(例えばロボットスーツHAL、車椅子など)補聴器 ITリハビリ機器等が産まれた。そしてそれぞれの障がいの特性から形付けられる生活環境(様式)の深化は、高齢化により増加しているロコモ症候群、認知症患者にとっても、非常に役に立つモノであり、障がいの無い人にとっても便利である。結果、バリアフリー、ユニバーサルデザインとしての町作りにもつながっている。まさに、障がい児・者文化が、ノーマライゼーション理念を後押ししている。言い換えれば、インクルーシブ教育が生み出した成果の一つかもしれない。

“発達障がい者にとって、好きな活動に集中出来るとき、
苦手な行動に対し良き理解者と環境要因が備わったとき 
その時、障がいは個性になる”

井上雅彦先生(鳥取大学心理学)の講演より


2.県教委メッセージ  ◎県立図書館

 「目指せ図書館マスター!ジュニア司書養成講座」

 鳥取県立図書館では、学校の夏休み期間に「目指せ図書館マスター!ジュニア司書養成講座」を開催予定です。この講座は、小学校5年生~中学2年生を対象に、図書館の機能や活用方法を学び、情報検索の知識と技術を身に付けてもらうための講座です。講座を修了した子どもには、認定証をお渡しします。
 この講座を企画した目的は、講座を受講した子どもたちが学校や家庭・地域等で図書館の良さを広めてくれることと、将来にわたって図書館を利用し応援してくれる存在となってもらうことも期待しています。
 なおこの講座は、県内の市町村図書館にも実施するところを募集します。実施館や個別の日程については、詳細が決まりましたらお知らせします。ぜひ奮ってご参加ください。

〔問合せ先〕
鳥取県立図書館
〒680-0017 鳥取市尚徳町101番地
電話 0857-26-8155
FAX 0857-22-2996


3.イベント情報
 鳥取県教育委員会等が主催する、親子で楽しめるイベント等を紹介します。
多くの方のご参加をお待ちしています。

【船上山少年自然の家】
●船上山の夏を楽しむ(1)(2)
★要申込★
期日:(1)7月22日(土)(2)23日(日)
内容:(1)船上山ダム湖でカヌーやイカダを使っての水遊びを満喫します。
(2)船上山ふもとの滝壺を目指して谷川シャワークライミングに挑戦します。
対象:小学校3年生~6年生
定員:(1) (2)各36名
参加費用:1人1,000円程度(食費、保険料など)
申込方法:往復ハガキに申込書を貼付。または、封筒に申込書と返信用ハガキ
を同封する。電子メールによる申込みも可(電話による申込みはできません)。
※申込書はホームページからダウンロードできます。
申込期間:6月22日(木)~7月6日(木)

〔問合せ先〕
船上山少年自然の家
〒689-2525 東伯郡琴浦町山川807の2
電話 0858-55-7111
FAX 0858-55-7119
E-mail:senjyozan_syounen@pref.tottori.lg.jp
http://www.pref.tottori.lg.jp/senjyozan/

【むきばんだ史跡公園】
●むきばんだ弥生体験フェスティバル
★どなたでもご参加いただけます★
期日:7月2日(日) 10時~15時
内容:むきばんだ史跡公園で実施している弥生体験が大集合!
この日は普段できない琥珀勾玉づくりや草木染め、狩猟体験もできます。
1日かけていろいろな弥生体験をやってみよう!
参加費:無料(一部体験は材料費や整理券が必要になります)
詳しくはホームページをご覧ください。

●むきばんだ弥生のものづくり講座(入門編)「弥生土器づくり」
★要予約★
期日:7月16日(日)10時~15時
内容:「初心者でも楽しく気軽に」がコンセプト。弥生時代の土器をモデルに
土器づくりを体験。子どもから大人まで、みんなで気軽に楽しめます!
対象:小学4年生以上
定員:30名(先着順)
参加費用:700円(材料費)
申込方法:ハガキ、ファクシミリ、電子メール、ホームページの申込フォームの
いずれかで申込み。申し込み時に、
1.郵便番号 2.住所 3.参加者全員の氏名(18歳未満は学年または年齢を明記)
4.保護者名と電話番号(緊急連絡用)
5.「弥生土器づくり 希望」と明記
募集期間:6月12日(月)~7月13日(木) 
※定員に達し次第、締め切ります。

〔申込・問合せ先〕
鳥取県立むきばんだ史跡公園
〒689-3324 西伯郡大山町妻木1115-4
電話 0859-37-4000
FAX 0859-37-4001
E-mail mukibanda@pref.tottori.lg.jp
http://www.pref.tottori.lg.jp/mukibanda/

 


編集後記
 鳥取県教育委員会では、「共に学び、暮らし生きる」を合い言葉に、障がのある子どもの視点に立って、一人一人のニーズに応じた教育的支援、鳥取発の特別支援教育体制整備を進めています。
 障がいの有無にかかわらず、全ての人がお互いを尊重し、認め合いながら共に生きる社会を築いていきましょう。
 
鳥取県教育委員会事務局教育総務課
電話 0857-26-7927
FAX 0857-26-8185


 東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 鳥取県は、被災された地域が一日も早く復興・復旧されることをお祈りしております。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=154943

 また、被災地の児童生徒の就学機会を確保するため、鳥取県でも転入学を受け付けています。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=155040


 このメールマガジンは、鳥取県教育委員会が推進する「心とからだ いきいきキャンペーン」が一層定着することと、さらに多くの方に知っていただくことを目指して発行しています。
 内容を充実したものとするため、ぜひ取組状況等お寄せいただきたくお願いいたします。

ご意見・ご感想をお待ちしています。
 鳥取県教育委員会教育総務課総務企画担当 kyouikusoumu@pref.tottori.lg.jp

 バックナンバー http://www.pref.tottori.lg.jp/115319.htm

 配信停止はこちらから http://www.pref.tottori.lg.jp/115548.htm

  

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