知事定例記者会見(2016年11月1日)

平成28年11月1日(火)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約68分) ※MPEG4形式

  

1 鳥取県中部地震の被害状況及び復旧・復興への動き 

●知事

 皆さま、おはようございます。去る10月21日午後2時7分、マグニチュード6.6の強い地震が鳥取県中部を震源として発生をしました。以来、県民挙げて、地域を挙げて、この復旧、復興に歩み始めたところであります。初動におきましては、さまざまな関係者が大変な状況の中で、いわば夜を徹して昼夜を分かたず作業をされたところでありますし、避難されるかたがたが3,000名にも及んだところでございました。翌朝早くに何本か私の携帯にも電話が入ってまいりましたが、地元で行方不明になっていたお年寄りを発見したという喜びの電話が、そういう中で印象的でありました。幸い人命にかかわることなく済んではおりますが、21名のけがをされたかたがいらっしゃいます。今なお200名を越える避難者がそれぞれの市町村で身を寄せておられるという状況が続いております。
 
 被害の規模はかなり大きな規模であるといわざるを得ません。そういう中、特に住宅につきましては、昨日[10月31日]段階で8,500棟の家屋被害ということになっていますが、これはまだ増えるだろうと思います。私ども災害対策の進め方として数を数えるということも確かに大事かもしれませんが、それよりは目の前にいる困った人を助けなければならない、避難所の開設であるとか、そのための資材の調達、さらには被災した道路の応急復旧、また、果実を初めとした農業被害、企業のがんばりの支援、そうしたことを優先的にさせていただいておりまして、数字の方はまだあとからついてくる状況で、被害の棟数も増えるかと思います。現在まで3万枚を超えるブルーシートがすでに交付済みでございます。このブルーシートの調達には熊本の被災地の方から7,000枚も私どもの方に提供があるなど、各地の友情の支援が本当に力強く私たちのところに届きました。人的な支援としてもそうでありまして、発災直後から徳島や兵庫などヘリコプターの応援が来たり、大阪からは警察のヘリもやってきたわけでありました。DMATの受け入れをさせていただきましたり、また、教育の支援、今も兵庫県の方から来ていただいている、そういう状況もあります。

 このようにいたしまして、私ども地域の力、総力を挙げて取り組んでおりますし、全国のかたがたから大変な厚い人的、物的ご支援を賜りましたところでございます。そうしたご支援に心から感謝を申し上げたいと思いますし、必ずやこの鳥取中部地震から復旧、復興を果たしていくことを県民とともにお誓いを申し上げたいと思います。そういう中、どんどんと災害のフェーズ[段階]は変わってきております。これまで鳥取県西部地震など、鳥取県も地震を経験をしてまいりましたが、応急危険度判定につきましてはすでに終了をしております。以前の鳥取県西部地震ですと、宅地の[危険度]判定などひと月以上かかったものでありますけども、1週間程度で終えることができました。その結果として292棟の危険な建物として立ち入りが制限された建物ができました。また、210[件]の危険宅地が我々の方として把握をしたところでございまして、注意を呼びかけているところです。余震活動などの場合のことを考えた上でのこういう緊急の応急危険度判定をまずさせていただいたところです。

 また、り災証明の受付につきましては、発災3日後の日曜日から受付が開始をされていまして、やり方は各市町村若干の差異はありますけれども、そうしたかたちでそれぞれのやり方でり災証明の受付が始まっています。倉吉の場合はり災証明の受付以前に家屋調査を登録してもらうというやり方をしておりまして、これらを合わせますと、すでに9,000件を超えるり災証明ないしそういう家屋調査の登録願い、そんな意味でり災証明に向けてはすでに9,000件以上が、市役所、町役場の方へ寄せられているという状況になっております。それで、恐らくこれが災害支援のボトルネックになる可能性がございます。と申しますのも、り災証明が出て初めて、例えば税の減免措置であるとか、それから、業者への発注、業者に発注してそれでそれに対する行政の支援ということもあるわけです。

 税につきましては、昨日[10月31日]、県の方の税金について私どもの通達と言いますか、取扱いを、発出をさせていただきました。個人事業税の減免措置、それから不動産取得税につきましては被災の程度に応じまして20%~100%の減免をするという措置を発出したところです。こういうようなさまざまなことの対象となるためにり災証明が必要にもなります。国税についてもそうです。そして、県としては火曜日の日にすでに私どもの方で措置を取らせていただきまして、先週、1週間前になりますか、住宅については県の市町村との共同の基金を発動することと合わせて、一部損壊のある程度、程度の小さなものについても5万円以下の支援金を出しましょうという、そういう制度を作ったわけです。国の住宅再建の支援も検討してもらいたいと国に要望しておりますけども、国の方が例えその支援を行わないということになっても県は市町村と共同して支援をする、そのための予算を作らせていただきました。

 この予算に基づく補助を受けるためにはり災証明ということがやはり前提にならざるを得ないものでございまして、そんな意味でもやはりこれが優先して行わなければならないところであります。市民・町民のり災証明を早くという非常にご希望が強いところでございまして、それで、その対策をしなければいけません。また、仮設住宅にするのか、いわゆるみなし仮設と言われるような既存の住宅を活用した住宅に入居してもらう、そういう避難所後の生活ですね、生活づくりに着手しなければなりません。こうした住宅対策が今いま急がれると思います。それで、恐らく今月[11月]り災証明の山場になると思いますし、それから来月[12月]くらいまでできれば年内に、雪が降るような前に仮の住居に入っていただくみなし仮設か、あるいは県営住宅等のそうしたところを提供する。あるいは仮設住宅が棟数として必要ならばそれを建設して入居してもらうということを急がなければなりません。

 そこでまずは11月1日付けで鳥取県庁内に鳥取県中部地震住宅支援本部を立ち上げることにいたしました。り災証明ですとか、住宅の確保、これを市町村、現場と共同してやっていくためにさまざまな隘路が生じると思います。それを機動的に対処していくために部局横断的な本部を作り、その本部長には生活環境部のくらしの安心局長を指名しまして、また現地の中部の方の県税事務所であるとか、そうしたところ等々一緒になりまして、従来のラインとあわせたそういう総合的な対策の執行を図る部局を臨時に設置をすると、緊急に設置をするということをやらせていただこうと思っています。この新組織は今日[11月1日]付けで、10名規模で発足をさせることにいたしました。また、各方面にいろいろお願いをしてきていたところでありまして、り災証明はどうしても人材の確保が必要です。それで奈良県に参りましたときに関西広域連合に出席をいたしましたが、そちらの方からぜひ送らせてくれという話がありました。明日[11月2日]から関西広域連合の増強部隊が入って来ることになります。また、政府の方にもり災証明の早期交付を[安倍晋三 内閣]総理[大臣]をはじめお願いをしたところでありまして、そちらの方での若干お声掛けもいただきながらではありますが中国知事会、四国知事会の方から、今、応援の要請をさせていただいておりまして、これも今週中になんとか人を寄こしていただくということをお願いをしております。

 もちろん県内の人材は活用しながら、それから従来、その前の段階から宮城県であるとか、徳島県それから三重県といったそうした重点的にうちの方からお願いをした県からも派遣していただいています。これによりまして明日[11月2日]以降、順次立ち上げていきますが、51チームのり災証明対策チームを作りまして、市町村と共同して市町村の方で要は指揮を取ってもらうかたちになりますが、市町村の方に人材を送り込み、合計51チームで罹災証明を行っていくことといたしたいと思います。チーム的には約130名くらいを、それを増強していくということでございまして、これによって私どもの気持ちとしては、市町村によっていろんな事情がありますが2週間~3週間程度でり災証明を上げてしまいたい、そういうスピード感のある対策をやっていきたいと思います。

 前の鳥取県西部地震のときはり災証明で2カ月~3カ月時間がかかっております。また、[熊本県]益城町でも、政府の応援を得ながらということでありましたが30~35チームを編成をして1カ月かかっています。それで、私どもとしてはそれをさらにスピードアップするために、重点的に災害対策の人材を投入をする、それで他県の応援を求める、これに踏み切たいと思います。これによってその後それぞれのお家において自分の家を直す、それでできれば雪に間に合えばという気持ちもございますので、そういう被災者のお気持ちにお応えをしてまいりたいと思います。また、まずは県営住宅等で今募集をかけていますが、すでに30名以上のかたの応募がございます。私どもの用意した数をオーバーすれば抽選等考えることになりますけども、こうしたかたがたには避難所生活を早めに切り上げていただいて、そうした住宅に入っていただく。これは今週中に入居できるようになると思います。さらに、これ雇用促進事業団の住宅がございます。これが80戸とか、数十個単位で使えるんじゃないかと今精査をしているところでございまして、そうしたところも入居できる住宅として使用可能ではないだろうか。さらには民間のアパートなど、被災を免れているところなどをみなし仮設住宅として使う手もあるだろうと思います。

 今、倉吉市を初めとして被災地において避難所でこれからどういうふうにされたいか、その希望を聞いております。それで、こういう対策はそれぞれのご本人のお気持ちに応じた対応が必要になってくると思います。そういう意味で、そうしたご希望を、集計をしながら、果たして仮設住宅を早急に立てる必要があるのか、あるいは今の既存の住宅で間に合わせて早めにそうしたところに、言わば畳の上で寝ていただけるような環境をつくるのか、そこを早めに見極める必要があるかなと思います。本日[11月1日]午後に、市長さん、町長さん、被災地の皆さんと住宅対策で緊急にそうした話し合いをさせていただこうということになりました。今申し上げたような、り災証明の、我々県として用意をした案があります。それから、また市町村の方のいろんなご事情があると思います。それで、これからの仮設住宅等へ向かう方策なども含めて市町村と考え方をすり合わせをして、こうした対策を速やかに本格化させる必要があるだろうと思っております。そのことで今日[11月1日]の午後話し合いをして、これからの11月大切な月になると思いますので方向づけをしてまいりたいと思います。

 農家の皆さんの悩みは梨でございました。一気に晩生の梨が落ちてしまった。特に王秋梨はもう収穫時期を迎えていたということでありました。幸い報道機関の皆さまにもこの被害の深刻さについてご報道いただきました。全国からも支援の話がやってきました。東京の港区などで使おうというお話であるとか、この落ちてしまった梨を売るということ、そうしたことが考えられました。それで、私どもでもそれに協力をしながら、王秋梨の販売、落ちてしまった梨の販売の促進を図ってまいりましたが、これがきちんと売れる、売れた格好になりました、お陰さまをもちまして。大体単価的に本来の値段の7割程度ぐらいの非常にご配慮のあるお値段で消費者の皆さまにお買い上げをいただけたということになりました。本当に感謝を申し上げたいと思います。さらに残った梨、この手当が必要であります。この残った、地上に残った梨の選果がいよいよ東郷の選果場、被災をしましたけれども、昨日[10月31日]動き始めまして、これ、いよいよ販売するという段になりました。私ども産地側としては、今回被害が大きかったもんですから、できるだけ有利な販売につなげられればいいなということで、県も販売促進の支援をしまして、今そうした有利販売の方策を産地やあるいは農業団体の方で手配をいただきつつあります。

 東京の大手の百貨店であるとか、それから首都圏の有名フルーツショップであるとか、そうしたところで言わば縁起物の梨、場合によっては受験生であればかつて台風19号災害のときに落ちないりんごで有名になりましたけれども、ああいうようなこともあるのではないだろうか、今その方策を緊急に、今お話し合いをさせていただいているところであります。こうしたかたちでできるだけ農業被害をマイナスにはなっても食い止めて、そして、全国の皆さまのお力をいただくことで農家も、「よし、また来年生産しよう」と、そういう気持ちになっていただく、そんな方策が必要だと思います。また、農業の選果場であるとか、カントリーエレベーター[穀物の貯蔵施設]といったような、そういう諸施設の破損箇所等の、復旧も必要でありまして、先般政府の方にも要請をさせていただきましたが、農林[水産]省側にも今後強く働きかけをしていかなければならないと思います。

 商工業につきましては、倉吉の商工会議所も元の建物に戻られまして、通常の業務を始められました。信用保証協会も今NTTの倉吉の旧の庁舎におきまして事業を再開をしております。徐々にこうして中小企業の皆さまの支援体制が戻りつつあるところであります。県として中部地区でこの被災地域に立地しておられました、主力50社の緊急調査を昨日[10月31日]まで行いましたが、9割の企業さんは再開、事業再開をしておられます。ただ、その再開の中身には限定的な操業であるとか、そうしたこともあります。やはり事業場が被災をされてしまったということで、非常に深刻な課題を抱える企業さんも出てきております。私どもは先週用意をさせていただいた県の予算によりまして、無利子、無補償料による災害対策の融資をさせていただくことといたしておりますが、国の方でもこうしたことでスピーディーな対応、あるいは支援策を考えていただけないだろうかなというふうに考えておりまして、これは担当部長ですね、政府の方に要請に行かせることにいたしておりますし、今後も政府への働きかけをしていきたいと思います。

 それで融資はありますけども、ただやはり中小企業、特に中小企業で資金的に融資を借りることに躊躇される向きもあります。そういうことから、現在県として県版の経営革新制度というのを制度して持っております。それで、この県版経営革新制度の運用としてですけども、こうした鳥取県中部地震対策枠をこのたび作らせていただいて、それで、県版経営革新のスキーム[仕組み]を使って、この災害からの立ち直りにご支援申し上げる、これを考えていきたいと思います。これ今、現在担当部局の方に指示をさせていただいておりまして、これ現計の予算でも対応可能になると思いますので早急に取りかかってまいりたいと思います。今回の被害8.88ha[ヘクタール]という農地に広がりますし、また産業面でも厳しい爪痕が残る結果となりましたが、それぞれの農家や企業さんで頑張ってもらわなきゃいけないところでありますが、それをサポートしていく体制というのが大事であります。今日[11月1日]の午後にはこういう商工業関係でのサポートネットワーク会議[第1回震災対策企業支援ネットワーク会議]を倉吉で急遽開催をさせていただくことになり、商工団体や関連団体に集まっていただいて、そうした対策について現在用意しているもの、これを周知徹底して活用してもらう。それから被害状況に応じた今後の施策等が必要であれば国に要求したり、あるいは我々の方で用意をしたり、こうしたことを考えていかなければならないと思っております。

 観光の風評被害と言われるものにつきましては、これ、昨日[10月31日]までに1万3,200泊の延べ宿泊が消えて飛んでしまったということになりました。これはキャンセルの話でありまして、さらに新規の予約等々となると本来入るべきものがというものもございます。ですから、結構ダメージのあるかたちにこの災害がなってきているということです。県としても[10月]27日には[安部晋三内閣]総理[大臣]に対する要請活動も含めて東京でJATA会[一般社団法人日本旅行業協会]と言われる旅行業者の会や全日空[ANA]さんなど要請活動をしたり、またその翌日の28日には大阪においてキャンペーン[「とっとりで待っとり(鳥)ます」鳥取県中部地震風評被害払拭・被災生産者応援トッププロモーション]を行ったりいたしました。おかげさまで報道機関の皆さまもこうした鳥取県のがんばりを、PRも電波や紙面にも載せていただきまして、現状、旅館さんから聞こえてきますのは、個人のキャンセルがもうどんどん減っていったものが、今その勢いが止まってきたというようなお話がおかげさまで出てきております。ただ、本来入るべき予約がまだ正直入ってきていない状況もあるということであります。

 ただ、旅館街に観光客の姿が戻り始めているのは事実でありまして、キャンペーンを急遽打ったそうしたことでの効果は表れ始めているのかなと思います。それで、旅行業者さんなどにも要請活動をした結果として、今、既に[株式会社]JTBさんと[株式会社]日本旅行さんはそれぞれの会社のご奉仕で鳥取県の支援をするということを組んでいただくことが決まりました。具体的にはお買い物を宿泊先でされるときの買い物券であるとか、それから宿泊割引を社として独自に設定をしていただく、こういうことも進んでくるようになりました。本当にそうした業者に感謝を申し上げたいと思います。また、JTBさんだとか、ANAさんだとか、そうしたところにも特別の支援を呼びかけているところでございますし、このほかにもそれぞれの旅館のサービスであるとか、何とか鳥取の元気をアピールをして、また観光のお客さまに来ていただく、そういう足が向く、そういう活動につながればなと思います。

 この風評被害だけは私たちがいくら徹夜してがんばっても結果が出ないところでありまして、全国の皆さまが心を私たち被災地に向けてくださる、それで、足を向けてくださらないと、これは変わらないわけであります。非常に難しい災害対策の1つでありますけども、これに今、果敢に私どももチャレンジしているとこでありまして、全国のご理解とご支援をいただければと思います。政府の方には安倍総理を初め、要路の方に今、例えば「ふっこう割」といったような特別の観光風評被害対策、そういうものを考えていただけないだろうか、これをお願いをしているところでありますが、いずれにいたしましても11月、12月書き入れ時でございまして、政府の対策が来ないから何もしないということでは物事解決しませんので、私どもでできる範囲のことを今取り組み始めているところでございます。

 先般、私ども鳥取県で、[東京オリンピック・パラリンピックに向けた]障がい者アートフェスタ2016が開催をされました。その折に眞子内親王殿下がお見えになりまして、全国の障がい者をお励ましいただきますとともに、鳥取の被災地に向けましてお言葉をいただきました。また、それに先立ちまして佳子内親王殿下からもお心を痛めているというお話がございまして、お見舞いのお言葉をいただいたところであります。眞子内親王殿下が米子鬼太郎空港を発たれますときに、最後のお言葉として、佳子内親王殿下がくれぐれも被災地の皆さまによろしくお伝えくださいと、こういうふうに申しておりますというお話をいただきまして正直感激をしたところであります。また、数々のかたがたから応援のメッセージもいただき、昨日は[横綱]白鵬関を初めとした大相撲の力士の皆さまからも義援金とともにそうしたお言葉もいただきまして、これらが被災地の勇気、元気になると思います。ただ、どうしても財政需要はかかると思います。

 それから、義援金等で被災地の生活をされているかたがたの手元のお金というのも、どうしても必要になります。ぜひ、全国の皆さまからそうした善意のお心を寄せていただければありがたいと思います。義援金等の窓口は県内にもできてきておりますし、口座も日[本]赤[十字社鳥取県支部]さん等々開かれてきております。ここにいらっしゃる放送局さんの中にも、そうしたことで義援金等を開かれたところもございます。ふるさと納税の方は昨日[10月31日]までにこの被災関係で3,100万円お寄せをいただきました。400件を超える寄付をいただいているところであります。今後とも温かいご支援がいただけますようお願いを申し上げてまいりたいと思います。



2 全国知事会・第1回地方分権有識者会議 

●知事

 明日[11月2日]の夕方になりますが、東京の方で私、全国知事会の地方分権の委員長をさせていただいておりますが、知事会の諮問機関として地方分権に関する研究会を立ち上げることになりました。京都大学の大石眞先生、さらに政策研究大学院大学の横道[清孝]副学長を初めとして、13名の委員の皆さまを任命をさせていただきました。知事会の会長を初め、関係の担当の知事も入りましてこの議論を進めていくことになります。地方分権も今までも例えば、ハローワークであるとか、農地の許可であるとか、いろいろと成果が表れてはいますけれども、さらに今後のことを考えなければならない。と申しますのも、地方分権が少しずつ進んではいるのではありますが、地方からの逃避、そして中央への集中という、中央集中はまだとまってないわけですね、それで[平成27年]国政調査が明らかになりましたけれども、これでも東京、神奈川等々への人口集中がとまっておらず、中央からの逃避が見られるということであります。この地方逃避、中央集中の流れを変えるための次の分権って何だろうか。こうしたことを真剣に考える必要があるのかな、税財政のシステムのことであるとか、憲法との絡みも今後出てくるでしょう。そうしたことも含めました言わば大上段の議論をしようということで、今回、立ち上げさせていただくこととなりました。



3 日本財団共同プロジェクト 

●知事

また、11月2日には、日本財団との共同プロジェクトをさらにフォローアップすることとなります。笹川[陽平]会長も米子の方にお越しをいただきまして、このプロジェクトを進めておられます有識者のかたがたとの意見交換に臨まれます。具体的に明日は、1つは在宅医療ケアをする子供たち、障がい児の中の在宅のケアが必要な、医療ケアが必要な子供たち、こうした子供さんやご家族さんが孤立しないようなサポート体制を組む必要があるだろうと、これを鳥取からモデルとしてやれないだろうかということです。それでこれの関連で、明日[11月2日]、鳥取大学の医学部の協力を得て[小児在宅支援]センターが開設をされることになりました。また、ジョブクロスというようなことでありますが、離職者が出てしまわないような、そういうきめの細かい職業斡旋であるとか、そうしたシステム[オフィス型ジョブトレーニングセンター「クロスジョブ米子」]も明日[11月2日]、立ち上げようということになっているところでございます。





4 産業振興の動き等 

●知事

産業につきまして、私どもとして地元企業の振興を進めてまいりましたけれども、来週、安田精工[株式会社]さんと調印式をさせていただくことになりました。これは1000トンプレスなどの最新鋭機器を、導入をしまして、これからの新しい需要に向かっていけるような金型プレスをする地元企業の発展の道筋でございます。具体的には10名程度の雇用をされるということでございまして、私どもとしても地域のリーディング企業としての認定をさせていただく、そういうことを、また来週、予定しているところでございます。また、障がい者の差別をなくしていく、そのための[障害を理由とする差別の解消に向けた地域]フォーラムを11月7日に開催をすることにいたしております。先般、障がい者のアートの世界、全国へ訴えかけるスタートを切りました。さらに、あいサポート運動を展開している県として、そうしたことにも乗り出していく、そのためのフォーラムということになります。





5 松葉がに初水揚げ 

●知事

いよいよこれから蟹のシーズンということになります。風評被害を払拭をして、私たちとしてまた元気な姿を鳥取から作っていかなければなりません。これからのシーズンのシンボルでありますズワイガニ、11月6日に漁が解禁になります。6日の日には網代[漁港]で、7日の日には境港[港]と賀露[鳥取港]におきまして初競りが行われることになります。多くのかたがたに鳥取に遊びに来ていただいたり、また、鳥取の産品を買っていただいて、鳥取の元気を復活させる応援をしていただければというふうに願っているところであります。私の方からは以上です。





6 罹災証明の発行 

○日本海テレビ 渡邉将史 記者

 

 ありがとうございました。各社、質問をお願いします。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 罹災証明の関係でお伺いします。先ほど、罹災証明の発行業務をこれから迅速化していくために本部を立ち上げてですね、人員も他県からの応援を得てスピード感を持って取り組むということでしたが、昨日の災害対策本部の幹事会でも市町村側から意見が出ていましたが、非常に今回、支援金の新たな制度を作ったことで、計算が非常に複雑化して時間がかかりそうだということで、それに対する対応ということを求めていらっしゃいました。これについては、今日の午後の会議で、何か、知事の方からは解決策、提示なさる予定でしょうか。

 

 

●知事

 

 実は罹災証明書については、一次判定と二次判定があります。これ、おそらく長年の災害対策の知恵の中から育まれてきたものだと思いますが、まずは建物の外観に即して、その被災の程度を判定をする、ここで被災されたかたがよしとされれば、それでもう、すぐに罹災証明が出せることになります。2次判定は家の中のことも含めてもう一度精密な検査をして、それで具体的な数字を弾いて何パーセントの被災というふうにしていく、その2段階の手続きになっています。それで、今回先ほど申しましたように、既に9,000を超えている申請がございまして、恐らく1万を超えてくるだろう。ですから、51チームというのは1万1,000を、想定をしながら2、3週間で上げられるようなそういう規模間でかなり大がかりに設定をさせていただいたわけであります。それで、このチームが滞りなく、まずは一時審査をこの2、3週間で効果を上げることが大事だと思っています。それで、もし、そこで不服があればまた2次審査の方を進めさせていただくわけでありますので、早めにもう復旧に着手したいご家族たくさんいらっしゃると思いますが、そういうところはだいたい外観で見れば皆さんも現場出られたら分かると思いますけども、ここはこの程度の被災だなというのは、想像はつくわけでありまして、そうしたことで判断ができるわけです。

 

 それで、内閣府のマニュアルはかなり細かいマニュアルになっている面がありまして、これは市町村の自治事務でありますから、市町村側と実は昨日までその判定の仕方も調整をさせていただいております。それで、ある意味スピーディーに判定できる、そういうパターン化した判定方法というものを採用して、それで早めに罹災証明に結び付けることができるように、その辺の工夫をさせていただきました。2次判定は詳細に、今、記者さんおっしゃるようなさまざまなことを含めながら判定をしていくことになるのだろうと思いますけども、まず1次判定を出させていただいて、それで急いで[復旧に]かかられたいお宅は多分多いと思いますので、まずはそうして、ザアッと2、3週間でローラーをかけて多くのかたに災害対策に着手してもらおうと思います。ですから、そういう意味である程度実質的なスピーディーに判断できる、鳥取県独自の判定基準、パターン化した判定基準を採用しながら、1次判定に臨もうというふうに、今日また話合いをしてみたいと思っています。





7 被災者住宅修繕支援金の財源及び義援金の使途  

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 それから、かなりこの被害申請の件数が増えていますけども、支援金、今回新たに設けたわけですが、財源としては募金を当て込んでいるわけですが、募金ですとか、ふるさと納税ですね、膨らんでいくことで予算的には十分足りると見込んでおられるかということですね、それから他の震災等ではこの義援金を住宅のみならず、被災されたかたにお渡しするというようなこともあるわけですが、今回そのようなことまでは想定はされてないんでしょうか。

 

 

●知事

 

 いや、そこは、まだ正直、未定の部分だと思います。まだ、集め始めたばかりですからね、先ほど申しましたように、今ふるさと納税も3,100万程度集まっただけでありまして、これからどうなるかということです。これは私の方の考え方として申し上げれば、今とにかくその初動で動けるようにしなきゃいけないことと、それから住民の皆さまが不安に思っておられて将来設計がたたない。ですから、制度のスキーム[仕組み]をはっきりさせて、それで皆さまに自分の自宅の復旧などにかかっていただきやすくする。その意味であえて異例だと思いますけども、先週の火曜日の段階で予算というかたちで成立をさせていただいたんです。

 

これ、お約束したことはお約束したことでありますので、予算枠が足らなくなったからといって打ち切るつもりはありません。11月補正以降必要額については補正をしていくと思います。ただ、そこに収まるかどうか、ちょっとなかなか私自身はもともと職員の皆さんに申し上げて、こんなんで足りるのと言っていた方でありまして、それはまた増えてくれば、鳥取のやり方ですけども、従来からやっているように必要額があれば補正をしていくというやり方をしていきたいと思います。それで、財源がそういうふうに充てられているのは、これは大分県を参考にしているわけでありまして、大分県が今回の熊本地震にあたって、住宅の一部損壊、私どもは20%~10%の幅のところは30万[円]というきちんとした支援に乗せるわけでありますけども、大分県はそこのところも含めて一部損壊について5万円の支援金を出すということを発表されました。この財源が義援金になっていたということでありまして、恐らくある程度義援金が集まった状況もあったんだろうと思います。それで、我々として、そこの義援金が届かなかったら、それやらないということにはならないと思っています。

 

 ですから、そこは、もし足らないということであれば、それはまた当然ながら一般財源等で財源を振り替えまして最終的には決算を打つということになると思います。ただ、今回私どもとしては、全国からの応援も呼びかけてできるだけ多くのふるさと納税や義援金を集めさせていただければなと思っていまして、そこでもちろん義援金のところは、共同募金会等との話し合いで決めていくわけでありまして、使途については。ですから、住宅だけに充てるというものでも多分ないと思います。そういうものをいろいろとやりながら、全体として工夫をしながら、大分[県]は多分、要は5万円、住宅に配りますよというところを補償されたんだと思うんですよね。それで、そこのところの補償としては、私どもは5万円の補償をしましょうということでありまして、義援金の如何にかかわらず最終的には調整をさせていただきたいと思っています。





8 被災者住宅修繕支援金の制度設計  

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 関連してですけども、改めて確認ですが、支援金、義援金を使った方のいわゆるお見舞い金というか、支援金については、今1~5万円というスキームでやっておられまして、損壊割合が1%違うだけで1万円違ってきたりしている。それで、そのことに対して市町村さんとしては、一律にしてもらった方がやりやすいのではないかという、昨日意見とかもあったとは思うんですけども、その点については、今のスキームのまま、それで手法について、少しこう、基準を設けて、早めにできるようにしていくということでよろしいんでしょうか。

 

 

●知事

 

 我々もいろいろとシミュレーションしているんですけども、現実に計算してみると分かるんですが、例えば1%とか2%だとか、多分そういう刻みあんまり入って来ないと思います。正直申し上げて、どちらかというとどこかで、どこの県も悩むところなんですが、一部損壊もいろんな程度がありまして、とにかく瓦1枚落ちても義援金出すんですかということですよね、どこかで言わば基準を設けて、ここまでが助成対象というようなことを考えなきゃいけないわけです。それで、それをしてもいいんですけども、ただ、一部損壊、仮に一部損壊ということになるのであれば、それはすべからく対象にした方が良いのではないかという配慮です。だから、そうでなければ、どこかでポンと切ってしまうということを考えるんだろうと思うんです。現実の被害程度をご覧いただければお分かりいただけると思うんですが、1%とか、2%だとかそういうようなことで、例えば2万円、3万円位がせいぜいだろうと思うんですね。それで、たぶん市町村がなんか心配しておられるような1万円だとか、そういうのに集中するわけではなくて、どちらかというと5万円のレベルで現実は揃ってくる。ただ、本当に極少な被害についてはそうしたものに応じた支援というかたちになるというのが実相ではないかというふうにシミュレーションをしているところでございます。

 

ですから、その辺は今後、実際に罹災証明の、回りながら答えはいろいろと出てくるんだろうと思いますけども、ご相談いただければと思いますが、大変な被害を負っているとこで、2万円なのか3万円なのかというところで、それほどがんばる県民性だろうかということですよね。ですから、どちらかというと、そこはなんらか支援として地域で住み続けませんかという、そういうレベルでの5万円の助成、若干割落としは一部ありますよという程度の話だろうと思います。ですから、そういう意味では機能し得るんではないかなというふうに思っています。

 

 むしろ心配すべきはもっと上の方ですよね。熊本の地震等々でもいろいろと罹災証明の難しさが言われるのは、熊本の場合は国の制度が適用されましたので、半壊ですね、半壊は20%損壊というんです。半壊の20%損壊にあたるかどうか、19%か21%かで助成があるかなしやになってしまうわけです。それで、こういうところを巡って非常に難しい判断になってくるということです。本当に壊れてしまった家は全壊、これ皆、当たり前のように思うんですけれども、20%前後のところで線を引くというのは正直難しいとこですね。私どもは、ですからその下のレベルのところにもあえて30万円以下という別のこともつけまして、そういうかたがたもこうした支援がありますよというかたちで、ご納得いただきながら作業に入っていただくというような工夫のつもりでもつくっているところであります。それで、例えちょっとした損害であっても最低1 万円は出ますよという、そういうようなことで、どういう被災者にもある程度、要は地域の気持ちが伝わるというようなタイプのものでございます。そういうようなことでご理解いただければ、1つの整合性のある事務の運用ということができるのではないかなと思っておりますが、もちろん今日[11月1日]午後、市町村とも話し合っていきたいと思います。




9 空家対策 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 もう1つですけど、すいません。今、手つかずとなっているのが、空き家の管理の問題だと思うんですけれども、この辺については支援本部も立ち上げられましたけれども、空き家の管理についても何か市町村に対して支援をしていくとかそういった県の関与というのは何かあるんでしょうか。

 

 

●知事

 

 これは悩ましいところで、あれは27日ですかね、[北栄町]由良宿におきまして、後から倒壊したという家屋が北栄町で発生しました。これは当時私も松本[昭夫 北栄]町長と一緒にいましたんで、東京で話し合ったんですけども、なかなか実は不在の家屋、所有者不在の家屋というのは少なからずあって、このケースもそれでありまして、ですから連絡が取れなくて、言わば町として何らかの対策を打てなかったということでありました。そこで、松本副大臣があれは土曜日ですか、土曜日の日に来られたとき、要請活動の中に入れさせていただいたんです。それが、環境省が所管している災害廃棄物のスキームを使った対策、それからもう1つは国土交通省がやっておられます不良住宅に対する対策であります。このどちらの対策も今おっしゃるような、例えば倒れかかった家があって、これを何とかしなきゃいけないというときに通常の手続きですとそれについて市町村がその所有者の方に、これ何とかしてくれといって、何もせんのであれば代執行をかけますよ、代執行の経費はあなたに求償しますよという手続きです。

 

しかし、この災害廃棄物の手続きとそれから不良住宅の手続きは、これは公共としてそこを除却するということをさせてくれる手続きなんですね。だから、これはもういつ、いずれ倒れるか危なくて分からんと。だから、こういう地震のときなんで処理しますと、処理させてくださいと、こういうものであります。これの適用を国の方に松本[洋平内閣府]副大臣に求めたところであります。具体的な回答はまだございませんけれども、こうした非常に法的に難しいところがございまして、そういう手続きを使わせていただけないだろうかということを今働きかけているところです。

 

 

○日本海新聞 今岡浩明 記者

 

 それに関連してですけども、先ほどおっしゃったように、空き家問題というのが今後もクローズアップされることになるかと思うんですけれども、一部市町などでは所有者が撤去しないなら公が取り除くというような条例をつくっておられるところもあるかと思うんですが、県としてそういう動き促進するようなお考えというのはございませんでしょうか。

 

 

●知事

 

 これは法律が改正になっていまして、今おっしゃるような手続きは今取れるんです。ただ、それは所有者側とのやり取りをしなきゃいけなくて、今回の北栄町のケースでも相手と連絡が取れなかったと町長言っていました。ですから、そのうちに倒れてしまったということでありました。それで、ただ、このスキームを使おうと思うと、1つにはそういうプロセスとして緊急時に対応しにくいということがあります。あと、もう1つは財源の問題です。公共的な事業として執行することで、要は所有者側のいわば負担がかなり軽減されることがあって、それでやりやすくなるし、もちろん公のお金はかかりますけども、国費の支援も出てくるということでありまして、本来であればこうした災害時の危ない空き家対策はそれで除却をするというのが本来だろうと思っています。ですから、その適用を、今、国の方に求めているということです。それで、これができなければ今おっしゃるような一般通則でやらざるを得なくて、そうすると権利関係の問題だとか、ちょっと例えば今思いついて明日やるというわけになかなかならないということでございまして、この辺はまた政府の方にも働きかけをしてまいりたいと思います。市町村ともそうしたことも含めて問題意識を共有して、できる限りの対策は考えていくつもりです。







10 被災者の住居に係る県外住宅の活用 

○中国新聞 川崎崇史 記者

 

 よろしいですか。避難者のかたについてなんですけど、県外の自治体も県営住宅であるとか無償提供の意向をこれまで示されているところがあるんですけれども、県としてはやはり県内でできるだけ避難所から一時的にでも移り先を確保したいという考えで進められるんでしょうか。それとも、他県との連携についてはどのようにお考えですか。

 

 

●知事

 

 規模感にもよるんだと思うんです。今の状況を申し上げると島根県さんなど県営住宅の提供をおっしゃっていただいていまして、それは我々被災地としてもありがたいことです。ただ、そこを被災者のかたが選択されるかどうか、あそこに住めと強制するわけにはなかなかならないものでございます。現実にも今県営住宅の空きを利用して、仮設住宅の身代わりで入っていただける、それを今、念頭に置いて募集中なんですね。これ、[11月]4日、締め切りが今週来ます。それで、締め切りであれば即入居していただけるというようにしているんですが、蓋を開けてみますと、皆さん中部の住宅を希望されるんですね。ですから、なかなかちょっと去りがたい事情がやはり避難者のかたにもおありなんだということは、そうした支援を行う側も認識しとかなきゃいけないところであろうかと思います。我々として、何かそうしたことでドライブかけるとか、制限するというつもりはございませんで、それは島根県さんの方で住んでみたいというかたがいらっしゃればそれはどうぞそちらで幸せにお暮しくださいと、また家が戻れば帰ってきてもらいましょうかなと、こんなようなことだと思っています。





11 観光に係る風評被害防止対策 

○日本経済新聞 舩越純一 記者

 

 すいません。観光の風評被害のことで国に参られて要請したり、大阪でキャンペーンをされてということで、予約のキャンセルが止まりつつあるというようなお話がありましたけども、この先さらにマイナスになった分をプラス、少しでもプラスにしていくための策として今、考えていることを教えてください。あと、国に要請に行かれて復興割ですね、熊本で導入された復興割のことをお話されたと思うんですが、成就しそうかどうかということで、知事の感触としてちょっとそこをお願いします。

●知事

 

 私どもとしてやれることはやっていこうということであり、また、実は旅館組合さん等にもいろんな意見があるんですけども、キャンペーンはとにかくやろうというところは最大公約数あると思います。それで、例えば岡山、広島だとか、名古屋だとかさまざまなところにキャラバンをして回ることを今、組んでいまして、私もおそらくその一部は行くことになるかもしれません。そうしたことなどと併せてさまざまな利用促進のスキームを使おうと。それで今、緊急の補正予算では9,000万円そうした関係予算を国内外向けの情報発信も含めて入れさせていただいております。また、町によっては独自の対策も組み始められて三朝町は大阪との往復バスを最盛期の11月末から出そうということを決められたり、また、お買い物のクーポンを考えられたりということも出てきました。私どもは、被災地からも声が上がっている、この「ふっこう割」、これ皆生やあるいは他の温泉地もそうなんですけども、お客さんが急減しているということで、それを求める声が非常に強く、総理含めてお願いをしてまいりました。先般、松本副大臣にも同様のことを申し上げたわけでありますけども、副大臣からはその日はそのことについては明快なお答えはなかったと思います。

 

 私も、石井大臣にも2 度ほど同じ話はしておりますが、今、それを、じゃあやろうというお話では、正直現段階ではないと思いますが、ただ、地域にそういう強い声があることは、ぜひご理解いただきたいと思いますし、さまざまなルートを通じまして、今こうした地元の願いというものをお伝えをしているところです。今後も働きかけはしっかりやっていきたいと思いますし、そうした国の対策等も緊急に何か講じられると期待はしておりますけども、その動きも見ながら県サイドのさらなる支援策等も検討していきたいと思います。



12 倉吉未来中心の建物被害への対応 

○日本経済新聞 舩越純一 記者

 

 また、観光資源の1 つとしてなっていました、なしっこ館が入っています倉吉未来中心なんですが、中部の中でコンベンション機能、十分なコンベンション機能を果たせるところがあそこだけというところが当面、年末までの閉鎖ということもありまして、その基礎の部分の調査というのがどういうかたちで進められるのかということと、現時点で判明している建物への影響等分かる部分でいいので教えてください。

 

 

●知事

 

 これは今、順次調査を進めて対策をつくっていかなければなりません。あそこの場合は、例えば天井が落ちたというようなことがございますのと、あと、実は柱の部分の損傷のことがございます。それで、この天井の方につきましては、もう一度ちゃんと耐震的な配慮をした天井をもう一度設置をするということでありますし、また、舞台の屋根等からの落下についても同様の措置を講じていくということだろうと思います。かつて耐震にも考えながら補強はしていたんですけども、今回のようなことがございましたので、そこのグレードを考えながら手当てをするというのは1つであります。それで、これは本来であれば比較的簡単に、簡単にというか、比較的、要はやると決めれば中に進めるところであります。そこで、その前に我々としても非常に困っておりますのは、柱の構造ですね。こう少し曲がった柱を組み合わせて、それでアトリウムというドームを持たせている構造になっています。それで、この柱の鋼材が動いたと思われます。それがその回り、柱を囲んでおりますその化粧まわしのような部分[トラスの基礎のコンクリート部分]にコンクリート等の破損が見られるのは、これは動いた跡と思われますし、それからこう、ブレード[鋼材]を引っかけてクロスして、固定してあるんですけども、こういうブレードのこの先端[接続部分]のところが折れてしまっていると、折れるというか曲がってしまっていると。ですから、何らかこう、動いたと思われます。

 

もちろん鋼材ですから多少こう動くことはあり得る話ではありますが、問題なのはそのダメージがどの程度あるかですね。それで、その柱の鋼材のダメージ等がどの程度あるのか、これを確認しなければ、もう1回じゃあその化粧まわしのところを直せばいいということにならないかもしれません。ひょっとすると下から順番にその鋼材を入れ替える等のことがあるかもしれません。また、工法的に難しいのは、あれだけ大きな柱なんですけども、建設中はガラスなどで覆わない状態でつくっていますから、まず柱を組むところからですね、それで、ご想像いただければと思うんですが、入り口は小さいもんですから、どうやって、じゃあそれを引っかけるこう、クレーンなり何なりをあのアトリウムの中に入れて作業をするか。この辺だから工法的な難しさもあります。そこで、我々ちょっと今非常に悩ましい状況に入っているということです。

 

 ただ、悩んでいても始まりませんので、考えようとそれで動こうということで、今週、今日[11月1日]、明日[11月2日]ぐらいですかね、専門の事業者のかたに来ていただいて、その鋼材のダメージがどの程度のものなのか、つまりそのまま存置して大丈夫なのか、あるいは入れ替えなきゃいけないのか、そういうことがあるもんですから、これをまず調べなきゃいけません。この調査を今、今週やりましてまた来週[11月7日の週]ぐらいになると思いますが、そういう専門の関係者と今後の工法について検討するというような今、前倒ししたスケジュールを組んでいます。それであと、ホールの天井等についても、これも対策を、それよりちょっと早めに対策を考えて協議をしようとことにいたしております。気持ちとしてはできるだけ早く観光施設もありますので、再開したいんですけども、今の建物の損傷の調査とその対策、ちょっと難しい工法その辺を早急に取りまとめてそれでかからないといけないということでありますので、なかなか年内[平成28年内]というわけにはならないしろものかなというのが今現場の感覚です。





13 企業立地への影響 

○毎日新聞 高嶋将之 記者

 

 今まで鳥取県は企業誘致非常に熱心に取り組んでこられたかと思います。今回地震の影響でということで、今まで進出の理由となっていた震災リスクの少なさというのが今まで理由としてあったかと思うんですが、そういったところですね、今後この地震を受けて影響がでるかどうかというのを知事のお考え聞かしていただけたらと思います

 

 

●知事

 

 熊本さんもそうなんですけども、これまであまり地震の多くなかったところで、学者の皆さんに聞いても比較的山陰は地震のないところというふうに言われていました。最近手のひら返したようなこういうキャンペーンが始まって我々も驚くわけでありますけども、そういうことでリスク分散として来られた会社さんはおられます。私もそういう会社の内のある事業所に発災して被災したということの話を聞いて、お伺いをしたんですが、どちらかというと信頼感は維持できていますし、逆に産[業]廃[棄物]の処理を地元で手伝われたり、そういうことでボランタリーに動かれたりしておられることでありまして、これで、鳥取の立地自体が、疑問符がつくということではないとは思います。ただ、ちょっと深刻な被害が生じているような工場等で事業の拠点として流出してしまわないように、これは対策を我々としても今後考えなければならないかなと思います。企業立地支援を柔軟弾力的に適用したりすることで、そうしたもう一度施設をやり直す等、対象とすることなども検討しなきゃいけないかもしれません。

 

企業さんによっては正直な話一部創業を県外に切りとって移されたところもあります。ですから、我々としても楽観できないので、きょう午後に倉吉で会議をやってサポートのことを考えようというふうに動いているところでございます。県外からのこと[移転]でありますけども、どちらかというと今こちらに移転して来られているのは東南海地震を心配された巨大地震との関係でのリスク分散を考えられている企業さんがリスク分散の観点の移転では多いところでございまして、それは多分比較衡量だと思うんですね。私ども今回大きな地震ではありますが、こういうような程度の被害で収まったのかもしれませんし、企業さんにとってすればですね。その辺はどういう見かたをされるかだと思います。ただ、正直なこと申し上げれば、今、誘致活動してて、他地域と争っていたところが地震後すぐにキャンセルが入りまして、そういうように一定の影響は正直あったところでありまして、被災地としてはショックを受けたところでした。

 

 

○毎日新聞 高嶋将之 記者

 

 具体的にキャンセルが入ったというお話ございましたけれども、どれくらいの件数とか、また交渉中の案件が。

 

 

●知事

 

 交渉中の案件が1件です。ただそれは、要は私ども非常に競り合いながらでないと企業誘致できないんですね。いの1番に鳥取を指名してくるってまずないです。それで、本当に小さな県、田舎だと思われている県の悲哀でございまして、競争しながら取りにいくというところでありますけども、そういう中で残念ながら他地域に決めたというご連絡が即入ったところもありました。


○日本海テレビ 渡邉将史 記者

 

 じゃあ、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 

 

●知事

 

 どうもありがとうございました。

  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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