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県内最古の旧石器発見!(西伯郡大山町下甲退休原第1遺跡)

 
  • 遺跡の場所 西伯郡大山町下甲(しもぎ)
  • 遺跡の時代 後期旧石器時代後半期初期(約35,000〜33,000年前)、後期(約20,000~15,000年前)
  • 発掘調査した機関(年度) 鳥取県埋蔵文化財センター(2012)
  • 「お宝」の保管機関 鳥取県埋蔵文化財センター
  • この遺跡は中国地方最高峰の「大山」から北に延びる丘陵にあり、県内最古の旧石器である台形石器(やじりのような使い方が推定されています)が出土したことで注目される遺跡です。下層では南九州の姶良カルデラから噴出した火山灰(約30,000~28,000年前)の下層で、三つのブロックから46点の石器が出土。うち1点以外は隠岐産の黒曜石製でした。製品としては台形石器2個のみで、当地での後期旧石器時代初期における石材の希少性や石器製作技術の不安定性がうかがえる「お宝」です。一方、上層からは黒曜石製の石器46点が出土。こちらは13個の母岩から小石刃(しょうせきじん/彫器やナイフ形石器などの素材)をつくりだしています。三瓶山の噴火に伴う火山灰(約21,000~20,000年前)の上層から出土しました。大山山ろくでは、この遺跡のほか殿河内ウルミ谷遺跡、門前第2遺跡、豊成叶林(とよしげかのうばやし)遺跡の4遺跡5石器群からそれぞれ時期が異なる旧石器が出土していて、後期旧石器時代を通してのこの地域における石器の変化、変遷をたどることができるようになりました。大きな成果です。(左の画像が下層出土の台形石器、右の画像が上層出土の小石刃)     下甲退休原第1遺跡で出土した台形石器 下甲退休原遺跡

旧石器時代の人々~大山山ろくで石器づくり~(西伯郡大山町殿河内ウルミ谷遺跡)

 
  • 遺跡の場所 西伯郡大山町殿河内(とのがわち)
  • 遺跡の時代 後期旧石器時代後半期後半(約20,000〜15,000年前)
  • 発掘調査した機関(年度) 鳥取県埋蔵文化財センター(2012)
  • 「お宝」の保管機関 鳥取県埋蔵文化財センター
  • 中国地方最高峰の大山から延びる丘陵と丘陵の間の谷部分にある遺跡です。旧石器は斜面の中にわずかに広がる平地から118点が見つかりました。このうち112点までが黒曜石を原材料とします。原材となる母岩は7個確認でき、このうちおもに4個の母岩を剥離しながら石器製作をしています。その中心は「母岩3」と呼ぶものでガラス質で黒色を主体に白い縞模様が入る質の良い黒曜石です。この母岩を中心に、狩猟用の尖頭器(やり先)、加工具としての掻器(そうき/皮なめしの道具)、彫器(骨角器をつくる道具)、多目的に使われたと推定する小石刃などの石器をつくり出しています。約3mの空白部とそれを取り巻くような遺物の分布から、空白部が石器製作者が作業をした空間だったことも推定でき、石器製作空間の復元にも好適な「お宝」です。(左の画像がおもな石器、右の画像が石器や薄片を接合して復元した「母岩3」です。)                    殿河内ウルミ谷遺跡で出土した旧石器                 殿河内ウルミ谷遺跡で出土した旧石器の母岩                                                       

南原千軒遺跡出土の土偶(東伯郡琴浦町)

 
  • 遺跡の場所 東伯郡琴浦町光(みつ)
  • 遺跡の時代 縄文時代後期後半(約3500年前)
  • 発掘調査した機関(年度) (財)鳥取県教育文化財団(2004)
  • 「お宝」の保管機関 鳥取県埋蔵文化財センター
  • 「土偶」というと皆さんは、東北地方で出土する宇宙人のような「遮光器土偶」をすぐ頭に思い浮かべるのではないでしょうか。けれども「土偶」は縄文時代を通じて日本列島の各地でそれぞれの地域特有の姿をしたものが作られました。「南原千軒遺跡」で出土したのは「土偶」の足の部分ですが、多くの「土偶」はこのように手足や胴体をばらばらに破損されて出土します。また「南原千軒遺跡」で出土した「土偶」は東海地方から近畿地方にかけて分布する顔表現がないものと似ていますが、なにぶん、足の部分だけの出土なので確定はできません。しかし、県内でこれまで出土している「土偶」は、時期は「南原千軒遺跡」とほぼ同じですが、かたちは平べったい「分銅型」と呼ばれるものが6例中3例ともっとも多いです。もし「南原千軒遺跡」の土偶が、東海地方から近畿地方に分布の中心があるタイプのものだとすると日本海側の分布の西端になるものになる可能性が高い「お宝」です。
    「南原千軒遺跡」出土の土偶(東伯郡琴浦町)