慶応元年創業の老舗の蔵元「千代むすび酒造」(境港市大正町)の岡空京子さん(58)は、専務としてお客さまの接遇やイベント企画など対外的な仕事を中心に国内外で地酒のおいしさを伝えています。
 岡空さん
 日本酒を通じて人々に幸せになってほしいというのが会社の理念。「お酒のおいしさはもちろん、酒米を作ってくださる農家や杜氏、蔵人たちの努力、酒造りへの思いまでを皆さんに伝えるのが私の役目です」と岡空さん。
 
 特に力を入れているのが鳥取県の酒米・強力で造った純米酒です。日本を代表する国酒として、また、世界の人に「鳥取」という地を知ってほしいという思いで、輸出の仕事に携わっています。

 「千代むすびというお酒が、たとえば、ご縁や地域、人、心を取り持つようなものになったらうれしいですね」とにっこり。
 

 海外の市場開拓の始まりは20年前の米国でした。当時、本醸造酒しかない米国で、おいしい地酒を飲んでもらいたいという大きな夢がありました。同時に、人口減や若者の日本酒離れ、低アルコール志向による日本国内の消費低迷が予想される将来を見据えての取り組みでした。
 
 米国へは純米酒以上の日本酒を輸出することになり、品質維持のために冷蔵輸送や冷蔵貯蔵、冷蔵販売を徹底しました。海外でも地酒のおいしさが認められ、現在では米国をはじめ、韓国や中国、シンガポール、タイ、オーストラリアなどにも輸出しています。「和食」のユネスコ無形文化遺産登録も、日本酒需要拡大の追い風になっています。
 
 岡空さんは「いろいろな人に会って、話をすることで学ぶことがたくさんあります。そういう機会に感謝しながら、新たなご縁と関係が広がっていくことが楽しい」と話します。フランスやドイツなどヨーロッパへの営業にも意欲的です。
 
 管理職の立場からは、「女性が社会で活躍するには、まず家庭の理解と職場での理解が必要」と言い、男女同権同格といっても男性と全く同じように働くことではない―と考えています。「素直な心を持ち、しなやかさや女性らしさ、自分の特色を出しながら仕事することが大切。男女問わずやる気がある人は、どんどん登用していきたい」と言う岡空さん。
 
 女人禁制だった杜氏も女性が進出できる時代となり、確実に活躍の可能性は広がっています。「大きな目標に向かうには、心身の健康と失敗しても簡単にくじけない強い気持ちが大切」と働く女性たちにエールを送りました。

※掲載内容は、平成27年3月現在のものです。
  

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