今年７月で勤続30年。「入社した頃から変わらず、働きやすい職場です」と話します。
　
　福本さんの転機は13年前。事務職として働いていましたが、担当者がすぐに対応できない際にお客さまの自宅に集金などに出掛けることもあり、お客さまと会話することに楽しさを感じていました。思い切って社長に外勤希望を伝えたところすぐに聞き入れてもらえ、それからガス関連や宅建の資格取得にも取り組みました。
　
　福本さんには娘さんが２人います。「外周りになった頃、上の娘は大学受験、下の娘は高校受験を控えていて、一緒に頑張ろうという気持ちで私も資格取得の勉強に励みました」と笑顔で振り返ります。
　

　外周りの仕事はガスの配達、営業、メーター検針、集金など。工務店に行って新築先のガス供給をお願いしたり、時には直接飛び込みで新築の家に営業にも行きました。同社での女性の営業は福本さんが初めて。「飛び込みで営業した際、「けんもほろろ」に断れ、暗い中泣きながら帰ったこともあります。でもいきなりの営業にも関わらず、仕事がいただけたことも。その時はほんとにうれしかったです」と話します。
　
　当時は資格取得のための講習や会合などに出ても男性ばかりで、男社会を痛感したことも。「ガス器具などは主婦が主導で使うことが多いこともあり、現在では業界的に女性の営業も増えています」と外周りで活躍する女性が増えていることを喜んでいます。
 
　福本さんは５年前から取締役総務企画課長を任されています。現在は経理関係の総点検をはじめ、企画の提案・具体化、新規の営業、ガス料理にぴったりの琴浦町魚のアゴを使っただしのＰＲで北海道から九州までプレゼンやガス展への参加など県外出張もこなしています。
　
　「一番は家族の理解と応援。あとは上司の理解で、どれだけ女性に可能性があると信じて伸ばしてくださるかだと思います。私自身、家族、上司の理解があったのがとても大きいです」と自分らしくのびのびと仕事ができる環境に感謝しています。
　
　「今は商品のＰＲに役立つよう、ポップデザインの勉強をしたいです。あとは後輩の育成も私の大きな役目だと思っています」ときっぱりと話す福本さん。さらにもっと仕事の幅の広がりを望んでいる女性に対して、「何事にも怖れず、思い立ったら思い切り挑戦してほしい。悩み、踏み止まっているより、まずは行動をしてみてください」とエールを送ります。
 
※掲載内容は、平成27年3月現在のものです。