議員提出議案第1号

鳥取県歯と口腔の健康づくり推進条例

 この議案を別紙のとおり提出する。
  平成25年12月17日 

  • 藤井 省三
  • 内田 隆嗣
  • 福田 俊史
  • 浜崎 晋一
  • 広谷 直樹
  • 小谷 茂
  • 山口 享
  • 稲田 寿久
  • 藤縄 喜和
  • 上村 忠史
  • 斉木 正一
  • 安田 優子
  • 前田 八壽彦
  • 福間 裕隆  
  • 坂野 経三郎
  • 森  雅幹
  • 興治 英夫
  • 伊藤 保
  • 浜田 妙子
  • 横山 隆義
  • 砂場 隆浩
  • 国岡 智志
  • 森岡 俊夫
  • 伊藤 美都夫
  • 銀杏 泰利
  • 濵辺 義孝
  • 澤  紀男
  • 市谷 知子
  • 錦織 陽子
  • 長谷川 稔
  • 谷村 悠介

鳥取県歯と口腔の健康づくり推進条例

 

 

第1章 総則 
(目的)
第1条 この条例は、歯科口腔保健の推進に関する法律(平成23年法律第95号。以下「法」という。)の趣旨を踏まえ、県民の歯と口腔(くう)の健康づくりに関する基本理念、県の責務及び県民等の役割を明らかにするとともに、県の行うべき基本的施策を定め、これを総合的かつ計画的に推進することにより、歯科疾患の有病率の一層の低下を図り、県民の生涯にわたる健康の保持増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 歯と口腔(くう)の健康づくり 歯科疾患の予防、歯科保健指導、歯科医療等によって、歯及び歯肉等の歯周組織の健康を保持し、及び増進し、並びにそしゃく、嚥下(えんげ)等の口腔(くう)機能を維持向上することをいう。
(2) 歯科医療等業務従事者 歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療又は保健指導に係る業務に従事する者をいう。
(3) 保健医療福祉関係者 保健、医療又は社会福祉に係る業務に従事する者であって、歯と口腔(くう)の健康づくりに関する指導、助言、医療行為その他の活動を行うもの(前号及び次号に掲げる者を除く。)をいう。
(4) 教育保育関係者 学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する学校、専修学校及び各種学校並びに児童福祉法(昭和22年法律第164号)に規定する保育所その他の保育を目的とする施設(以下「学校等」という。)において、乳児、幼児、児童、生徒及び学生の歯と口腔(くう)の健康づくりに関する指導を行う者をいう。
(5) 食生活・食育関係者 地域及び学校等において栄養指導、食生活の相談等の食育推進活動に携わる管理栄養士、栄養士、食生活改善推進員その他の者をいう。
(6) 医療保険者 介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第7項に規定する医療保険者をいう。
(基本理念)
第3条 歯と口腔(くう)の健康づくりは、法第2条の趣旨を踏まえ、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。
(1) 県民一人一人が、歯と口腔(くう)の健康づくりについて、生涯にわたる健康の保持増進に欠くことができないものであることを深く理解し、歯科疾患の予防、早期発見及び早期治療に主体的に取り組むこと。
(2) 県民が、その居住する地域にかかわらず、その年齢、心身の状況等に応じて適切かつ効果的な歯と口腔(くう)の健康づくりのための保健及び医療に関するサービスを受けることができる環境が整備されること。
(3) 歯と口腔(くう)の健康づくりが、健やかで質の高い社会生活の実現に資するものであることを踏まえ、保健、医療、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連施策及び取組の相互の連携を図ること。
(県の責務)
第4条 県は、第1条の目的を達成するため、県民の意思を尊重しつつ、前条に定める基本理念にのっとり、歯と口腔(くう)の健康づくりの推進に関し、本県の実情に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
(市町村との連携等)
第5条 県は、前条の施策を策定し、及び実施するに当たっては、市町村との連携に努めるものとする。
2 県は、市町村が歯と口腔(くう)の健康づくりの推進に関する計画を策定し、又は施策を実施しようとするときは、その求めに応じて情報の提供及び専門的又は技術的な支援を行うものとする。
(県民の役割)
第6条 県民は、歯と口腔(くう)の健康づくりへの関心を高め、正しい知識を持つとともに、定期的に歯科に係る検診(健康診査及び健康診断を含む。第9条第2項において同じ。)を受けること及び必要に応じて歯科保健指導を受けること(以下「定期的に歯科検診を受けること等」という。)並びに県及び市町村が実施する歯と口腔(くう)の健康づくりに関する施策を活用することにより、自ら進んで歯と口腔(くう)の健康づくりに取り組むよう努めるものとする。
2 父母その他の保護者は、子どもの歯科疾患の予防、早期発見及び早期治療、健康な食生活の定着その他の歯と口腔(くう)の健康づくりに取り組むよう努めるものとする。
(歯科医療等業務従事者の役割)
第7条 歯科医療等業務従事者は、県及び市町村が実施する歯と口腔(くう)の健康づくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 歯科医療等業務従事者が組織する団体は、県民が行う歯と口腔(くう)の健康づくりに関する取組を支援するための研修を実施するよう努めるものとする。
(保健医療福祉関係者等の役割)
第8条 保健医療福祉関係者、教育保育関係者及び食生活・食育関係者は、歯と口腔(くう)の健康づくりの推進について、県、市町村及び歯科医療等業務従事者と相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。
(事業者及び医療保険者の役割)
第9条 事業者は、県内の事業所で雇用する従業員が第6条の取組を行うための機会の確保に努めるものとする
2 医療保険者は、被保険者に対して定期的に歯科に係る検診を受診させる取組を行うよう努めるものとする。
(基本的施策)
第10条 県は、第3条の基本理念にのっとり、県民の歯と口腔(くう)の健康づくりを推進するため、次の基本的施策を実施するものとする。
(1) 歯と口腔(くう)の健康づくりに関する普及啓発及び県民の意欲を高めるための運動の促進に関する施策
(2) 定期的に歯科検診を受けること等の促進に関する施策
(3) 障がい者、介護を必要とする者、妊産婦、乳幼児その他の特に配慮を要する者が、定期的に歯科検診を受けること等又は歯科医療を受けることができるようにするために必要な施策
(4) 歯と口腔(くう)の健康づくりに関する調査及び研究の推進並びにその成果の活用の促進のために必要な施策
(5) 年齢、心身の状況等に応じた歯科疾患の予防及び医療並びにそしゃく、嚥(えん)下(げ)等の口腔(くう)機能の維持向上と食育に関する施策
(6) フッ化物洗口等の効果的な歯科疾患の予防に関する施策
(7) 歯科医師と医師の連携に基づく糖尿病その他の生活習慣病の予防に関する施策
(8) 前各号に掲げるもののほか、歯と口腔(くう)の健康づくりを推進するために必要な施策
(フッ化物洗口等を行う場合の支援)
第11条 県は、市町村及び学校等が乳児、幼児、児童、生徒及び学生のフッ化物洗口等に取り組む場合は、その実施のために必要な措置を講じ、又は必要な助言を行うものとする。
(歯科保健推進計画)
第12条 知事は、法第13条第1項の規定に基づき、第10条の基本的施策を総合的に実施するための方針、目標その他必要な基本的事項に関する歯科保健推進計画(以下「計画」という。)を定めるものとする。
2 知事は、計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ市町村及び歯と口腔(くう)の健康づくりに関する学識経験を有する者の意見を聴くとともに、県民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
3 知事は、計画を定め、又は変更したときは、遅滞なくこれを議会に報告するとともに、県民に公表しなければならない。
4 知事は、計画に基づく施策の進捗状況及び次条に規定する実態調査の結果を踏まえ、おおむね5年ごとに計画の見直しを行うものとする。
(実態調査)
第13条 県は、歯と口腔(くう)の健康づくりの推進に関する施策を策定し、評価するための基礎資料とするため、おおむね5年ごとに歯科疾患の罹(り)患状況等に関する実態調査を行うものとする。
2 前項の調査対象として県が指定した者は、当該調査の実施に協力するよう努めるものとする。
3 県は、第1項の調査を行ったときは、その結果を公表するものとする。
(歯と口の健康週間等)
第14条 県は、県民の間に広く歯と口腔(くう)の健康づくりについての理解を深め、積極的に歯科疾患を予防する意識を高めるため、歯と口の健康週間、いい歯の日及び歯と口腔(くう)の健康づくり推進月間を設ける。
2 歯と口の健康週間は、6月4日から同月10日までとする。
3 いい歯の日は11月8日とし、歯と口腔(くう)の健康づくり推進月間は11月とする。
(財政上の措置)
第15条 県は、歯と口腔(くう)の健康づくりに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。

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