知事定例記者会見(2010年10月27日)

平成22年10月27日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約42分) ※MPEG4形式

  

1 水木しげる氏の文化功労者受章について 

●知事

 皆さま、おはようございます。私どもが敬愛してやまないふるさと鳥取県の水木しげる先生が見事に文化功労者を受章されることとなりました。県民こぞってお祝いをさせていただきたいという気持ちでいっぱいであり、私も代表して、お礼申し上げたいと思います。

 先生は妖怪のマンガ、あるいは戦争のマンガなどを通じまして、文化芸術の世界に乗りだされてこられた長い人生があります。その中で地域の発展も導いてこられたわけでありまして、私どもの方として本当にお祝いを申し上げたいと思いますし、ご家族揃ってご健勝のこと、お祈り申し上げたいと思います。




2 国際マンガサミット鳥取大会準備委員会設立委員会の開催について 

●知事

 このように私どもは、「まんが王国」としてのその礎を築いてきたわけでございますが、その「まんが王国」を花開かせるために、国際マンガサミット[鳥取大会]の準備委員会を立ち上げようと考えております。10月30日にその準備委員会の設立[委員会]の会議を開催をさせていただくことにいたしておりまして、これに漫画家の先生がた、ビッグ錠様はじめ、漫画家の先生がたにもお越しをいただくことになりました。

 この席で、いろんな議論をさせていただこうと思っておりますが、例えば、PRのポスターをまずは作り始めて、全国や世界に向けて発信をしていこうということでありますとか、これは1つのアイデアでありますが、国際マンガサミットの成功に向けた応援団を結成してはどうだろうか。この応援団を県内の皆さんはもとよりでありますけども、県外の皆さんにも呼びかけて、そういう国際マンガサミット応援団を組織することとしてはどうかなというふうに考えております。

 こういうようなことを通じまして、ぜひとも賑わいと、それからマンガを通じて地域やこの国の活力が生まれるようなことに貢献していければ有難いなというふうに思っております。




3 ガイナーレ鳥取JFL優勝とJリーグチェアマンヒアリングについて 

●知事

 また、お祝いとしては、つい先だってでありますが、JFLでガイナーレ鳥取が見事に優勝をさせていただきました。選手の皆さんやサポーターの皆さんにお祝いを申し上げたいと思います。私自身も興奮のるつぼの中で、その優勝という二文字を体験させていただきました。

 明日は上京して、そして、大東[Jリーグ]チェアマンのヒアリングに臨むことになります。竹内[鳥取]市長も一緒でありますし、塚野[(株)SC鳥取]社長も一緒でありますが、これからJ[リーグ]に上がるというその資格があること、また地域としての応援の姿勢があることを理解をしてもらって、11月末と言われていますが、J2昇格の決定の大きな材料を引き出していければ有難いなというふうに考えております。




4 拉致問題の早期解決に向けた国への要望活動について 

●知事

 この機会に、上京の機会に合せて、拉致被害者の対策の知事会議[北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会]を組織しておりますが、新潟県の泉田知事と一緒になりまして、東京都も副知事さんがお見えになるかなと思いますが、柳田[拉致問題担当]大臣の方に要請活動をさせていただこうと考えております。

 大臣が変わりましたし、それから北朝鮮で新しい動きが出てきている最中であります。ぜひとも、こうしたことを本当の意味の機会に変えて行くように政府に強く求めたいというふうに考えております。




5 「地方発の分権型社会を考えるフォーラム」の開催について 

●知事

 喫緊の課題として、経済雇用対策がございますけども、あと、地方分権を何とか実現に向けて進めていく必要があると思います。今週末の10月31日に若手の知事や、あるいは北川正恭先生、これは地域主権戦略会議のメンバーでもいらっしゃいますけども、それからコラムニストの勝谷[誠彦]先生などもお招きいたしまして、そして、皆で分権の将来像について語り合う機会を持ちたいと考えております。

 実際に古川佐賀県知事や、あるいは高知の尾崎知事もお見えになりますし、その他若手の知事からもビデオメッセージを届けていただくような、今、協力を求めていまして、ぜひとも、今、地方側からは頓挫しかけているように見える、地方の出先機関、国の出先機関を都道府県の方に委譲していくこととか、具体的な地域主権、地方分権の推進を世の中に訴えていきたいと考えております。




6 関西広域連合にかかる設立許可申請について 

●知事

 これに関連をしまして、関西広域連合という1つの受け皿づくりもございますが、11月1日に、また上京をいたしまして、総務省の方にその許可申請を出すというような段取りを考えています。

 これには、関西広域連合関係の知事が集まってくるだろうというふうに考えております。私として、もし可能ならその[山陰海岸]ジオパークについての話を京都[県]や兵庫[県]ともさせていただければ有難いなというふうに考えているところであります。




7 吉本興業所属芸人の知事表敬について 

●知事

 関西のつながりでいきますと、きちんとしたPR戦略を立てていく必要があると思っておりましたが、吉本興業の協力を得まして、コラボレーションで鳥取を売り出そうということに乗り出し始めました。

 その第1弾として、11月2日、3日に渡りまして、吉本[興業]の島田珠代さんだとか、そうしたタレントさんが鳥取の方に来られることになりました。目的としては、ブログや、それから月刊誌でPRをしてもらうことであります。

 そのライターになってもらうという趣向でございますけれども、鳥取の温泉だとか、あるいはカニだとか、そうした魅力を対外的に発信をしていく、そのための機会とさせていただきたいと思います。




8 ラムサール条約湿地登録5周年記念事業について 

●知事

 それから、環境関係も大きな節目がやってまいります。ラムサール条約[登録]の5周年がこの11月にやってくるわけでございますけども、それを、記念を申し上げまして、今週末にラムサール条約[登録]5周年記念イベントを米子のコンベンションセンターで行い、関連イベントも併催して順次行っていくことにいたしております。

 これには、溝口[島根県]知事も来られますし、それから、[NHK連続テレビ小説]「だんだん」で出ておられました吉田栄作さんとか、あと、米子出身の松本[若菜]さんなんかもそうでありますけども、そうしたタレントさんにも来ていただきまして、環境についてメッセージを出していただきたいと思います。

 もちろん子どもたち、韓国に飛んで行ったりしていろんな交流や環境推進活動をしていますが、そうした子どもたちのメッセージも皆さまに聞いていただきたいと思っております。




9 芝生化シンポジウムの開催について 

●知事

 また、環境関係では、芝生化で鳥取方式というものが商標登録されるなどして、そのステータスを得つつあります。これに共鳴して全国でも運動の輪が広がっております。鳥取県としては従来方式の芝生の整備によります校庭の芝生化などと併せまして、こういう、いわゆる鳥取方式と言われる方式も推奨して、全国に向けて発信をしているところであります。

 この芝生化のシンポジウムを11月2日に行うことにしておりますが、これについては全国の賛同を得まして、鳥取方式の芝生化のネットワークを全国で立ち上げようということにさせていただきました。東京とか、各地から今回集まってこられますし、[(財)日本]サッカー[協会]の川淵キャプテンも加わりまして、このネットワークの立ち上げを推進していこうということになった次第であります。




10 山陰海岸ジオパーク110kmウォークについて 

●知事

 その他にもいろんなイベント、これから目白押しでございます。例えば、[山陰海岸]ジオパークが世界[ジオパーク]ネットワークに加盟をしたことを記念をしまして、山陰海岸[ジオパーク]110kmウォークがいよいよ始まります。

 10月30日からスタートをしますし、11月3日には、鳥取砂丘から浦富[海岸]というコースがそのサイトにも選ばれることになります。私もこの11月3日のウォークには参加をさせていただこうというふうに考えているところであります。ぜひとも、多くの皆さまにもそうした秋を満喫する行事を楽しんでいただければというふうに考えております。




11 DV被害者支援計画の見直しについて 

●知事

 また、県としても近々、DV(ドメスティック・バイオレンス)[防止・被害者支援]の計画の見直しをしようと思っております。

 DVについては、鳥取県は先進的な施策ということで、全国にも知られるようになってきましたけれども、このたびは若い人向けのPR、啓発活動を重視をするとか、それから[親子]同伴でDVシェルターに、言わば隠れておられるような、そういう子どもの手当て、子どもに対するサポートの措置を充実をすることなど、新しい施策も盛り込みまして、DV計画のパブリックコメントを近々11月に入ったら実施をしようと考えております。

 いろいろと、これから秋本番ということになってきますけれども、県民の皆さまにも、ぜひとも健やかな紅葉のシーズンを楽しんでいただければと思います。私の方からは以上です。




12 知事選への出馬について 

○日本経済新聞 青木志成 記者

 来春の知事選なんですが、島根の溝口知事が出馬する意向を固められたようですけれども、知事は、お考えは固まりましたでしょうか。


●知事

 これは、今、[ガイナーレ鳥取が]JFLも優勝しまして、県民の皆さまへのこの4年間のプレゼントは、1つはできたかなと思いますけれども、自分自身、いろんなかたのお話も聞きながら、考えをまとめようといたしております。もちろん、次期に積み残した課題もございますので、その責任も感じておりますし、それから県民の皆さんと一緒に県政を作っていくという、そういう使命感も自分の中に強く持ってはおりますけども、今少し時間をいただいて考えているというのが今の正直なところであります。


○日本経済新聞 青木志成 記者(幹事社)

 各社さん、ありましたらどうぞ。




13 国際マンガサミット鳥取大会準備委員会について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 マンガサミット、漫画家って言うか、この準備委員会っていうのは鳥取県の準備委員会ですか。


●知事

 これは、国際マンガサミット[鳥取大会]自体の準備委員会です。ですから、本体はどちらかというと漫画家の先生がたかもしれません。コラボレーションですけども、地元と漫画家の先生がたとのコラボレーション組織だと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 そうすると、これからテーマを決めていかなくちゃいけないと思うんですけども、そのテーマを決めたり、ということになってくるんですか。


●知事

 はい。それもこれから時間はかかると思います。漫画家の皆さんの意見集約もありましょうし、我々としては、前回お話が、実はその打ち合わせをしたときに、この先生がたから出た、「食」っていうのは1つポジションとして面白いんじゃないかというお話もございまして、今回も、鳥取の食を見てもらおうと思っていますが、そういうようなテーマをこれから選定をしていくということになると思います。

 それもこの会議で行うことになると思いますが、まず今、中国[北京]の国際マンガサミットが、まだ1年後ということでありますし、この準備が進められている真っ最中でありますから、鳥取がその次でありますので、そうした中国の動きも横睨みしつつ、話し合いをしていくことになるんじゃないかと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 多分、北京が来年あるとしましても、テーマっていうのはある程度決めておかないと次の準備ってやっぱり。


●知事

 ですから、北京もまだ、そこは明確になってないと思います。ですから、北京、その次は鳥取ということでどういうテーマを最終的に設定していくかというのは、もう少し時間がかかるんじゃないかなと思います。ただ、我々としては、いずれにしてもいろんな材料が鳥取にございますから、現場も見ていただいて、サミットも盛り上がるし、鳥取県だとか山陰のPRにもなるような姿を目指したいなと思っています。その辺の想いはこれから話し合っていきたいと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 準備委員会ということですけども、スケジュール的なものと、今回来県される漫画家のかたっていうのは、どなたになるんでしょうか。


●知事

 漫画家はビッグ錠さんと、それから倉田よしみさんと犬木加奈子さん、女性の。その3人が今来られることが決まっていると思います。ただ、その他の先生がたとも連絡を取りながら来られていますので、言わば、お忙しい中ですから、代表して来られるということだと思います。ビッグ錠さんというのは、「包丁人味平」の先生ですね。はい。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 ちょうど「食」ですね。


●知事

 食です。倉田よしみ先生は「味いちもんめ」という、この人も料亭の漫画を描いたりして非常に有名になったですね。「[包丁人]味平」のあとの世代だと思います。あと、犬木先生はホラーものとかいうようなジャンルですかね、女性雑誌ですか。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 準備委員会を31日。これ、具体的には結局また担当課に聞けばいいと思うんですけれども、準備委員会を31日に立ち上げて、その後の。


●知事

 30日ですね。30日に立ち上げまして、正式な委員会発足は北京が終わらないとできないですね。それまでは、準備委員会というスタイルでいかざるを得ないと思います。その間に、どれほど、コンセプトなり、中身を固めていくかっていうことだと思いますが、今回の準備委員会は鳥取県で出ている動きを紹介させていただいて、先生方にもその輪に加わってもらおうかなと思っています。

 例えば、アニメカルチャー「アニカル」と言われるジャンルの大会を地元の若い人が中心になってやろうとしています。こういう動きも、先生がたも非常に興味を持っておられると思いますので、そういうとことコラボレーションしながら、これから1年間盛り上げつつ、中身を詰めていこうということだと思います。




14 関西広域連合の設立について 

○共同通信 仲嶋芳浩 記者

 先程話しにもありました、関西広域連合の件なんですけど、今日、大阪府議会の方で可決される見通しになっていて、これで7府県の可決が出揃うことになると思うんですけど、それを受けて知事の方から今のお気持ちを聞かせていただけますか。


●知事

 可決されたという前提ということでいいんですか。


○共同通信 仲嶋芳浩 記者

 そうです。


●知事

 新しい地方分権のステージを作る上で、広域連合というツールを地方が得たということは大きいと思います。広域連合であれば、従来の広域連携よりワンステージ上になりまして、議会の監視だとか、住民の監視もある中で、1つのワンワールドを作ろうというものだと思います。ですから、こういう新しい試みが成功するように、鳥取県もグレーター関西の一角として努力をしていきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 それに関連しまして、鳥取県は観光と医療ですね、この2分野の部分参加ということなんですが、その中でも特に知事がこれをしたいと考えていらっしゃることはありますでしょうか。


●知事

 その2分野ですね、医療、それから文化観光で、まずは協調体制をとっていきたいと思います。その観光の中に、私は、今、明確になっておりませんけれども、[山陰海岸]ジオパークもそういう広域のいい材料ではないかというふうに考えております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 医療の方はドクターヘリが中心になりますでしょうか。


●知事

 医療の方は、当面ドクターヘリが中心であると思いますが、実際には県境で医療圏が峻別されているわけではありません。我々で言えば、兵庫県と鳥取県との間に、県境は事実上ないような状態になっています。この辺を率直に見て、これからの医療整備のありかた、体制の作りかたについて、より協調的な体制をとることも本当は必要じゃないかと思っています。この辺は、まずは、ドクターヘリをスタートさせた上で議論していくべきではないかと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 参加分野が、今2分野ですけども、これが3分野、4分野、あるいは全面参加ということは将来考えられるんでしょうか。


●知事

 そこは、まずテストケースとして、我々はこの分野での協調体制を取りながら、他に拡充できるかどうかは、広く県民の皆さんの評価もいただきながら考えていきたいと思います。ただ、原理上なかなか難しいのもあります。分野によりましては。

 例えば、職員研修だとか、いちいち向こうに行くよりもやはりこの辺でやっていた方が手っ取り早いとかいうのもあったりですね、そういうように分野によっては難しいものもあろうかと思いますので、地理的な条件もございますので、県民の皆さんの評価やお勧めに従って、この枠組みの拡充云々については、今後の課題としていきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 知事自身も広域連携委員会ですかね、メンバーの1人となられるんだと思うんですけども、その委員会で、どうどういう主張と言いますか、発言をしていきたいと思っていらっしゃるんでしょうか。


●知事

 私は、こういう県境を越えることの具体的なメリットを感じていただけるように、広域連合は主体的に動くべきだと思います。それを、私もその中に入って発言をしていきたいというふうに思います。その意味で、[山陰海岸]ジオパークは1つの材料かなと思っているんですけども、この辺は、関係県の話し合いがどうしても必要ですから、我々としても役割を果たしていきたいと思います。




15 吉本興業所属芸人の来県について 

○NHK 月岡信行 記者

 それに関連してなんですが、鳥取の方はどちらかというと関西圏に近いという、イメージというか、それはあると思うんですが、向こうから見ると、ちょっと今ひとつという面も正直あると思います。そういうのを払拭するために、どういうふうな取組を、取組というか、主張をされていくおつもりですか。


●知事

 向こうというと、関西側ですか。そういう意味で、今回、関西の中心的な存在であります吉本[興業]さんとコラボレーションをして、[関西圏の]中で、近いんだよということを分かってもらうようにしていくとか。それから、ブランド戦略ですか、特に関西向けの「食」などのブランド戦略、こういうものも徹底していきたいというふうに思います。

 恐らく壁の向こう側にいるよりは、壁の内側に入った方が関西の人は親しみを感じ易くなるんではないかなと思っていまして、広域連合の加入自体も1つのインパクトとなるだろうと思っています。


○山陰放送 入江直樹 記者

 その点で言いますと、吉本の取材というものが今度あるということなんですけど、具体的には、例えばどんなことが予定されているのか、ちょっと教えていただきたい。


●知事

 県内を、ずっと視察をされることになっています。ちょっと、まだ、交渉中ですかね。担当課の方から詳しいお話も、今、分かっているところをさせていただきたいと思います。いろいろスポットを見て歩いたり、私自身もお会いすることにしておりまして、アピールをさせていただこうと思っています。カニとか、温泉だとか、そうした魅力をまずは今回の11月2日、3日では見て歩こうということでありまして、それがそのままブログとして発信をされたりしていくことになります。


○山陰放送 入江直樹 記者

 1回だけの取材だと、まだ、11月だとカニも本格的なシーズンでもない。


●知事

 そのまた翌週か、10日後ぐらいに、また第2弾が来ます。これは、今度は男の芸人さんだと思いますけども。そっちはもっとディープに鳥取を見たいという、ちょっと意味が僕もよく分からないんですけども、そういう取材目的だと聞いています。




16 関西広域連合の設立について(再質問) 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 広域連合の話に戻しますけども、設立したとしての話なんですけれどもね、大阪が今日決めるという、広域連合に対する知事の立ち位置と言いますか、対応の仕方の話なんですけれども、2分野しか参加しないわけですけれども。

 鳥取県議会からは2人の議員が加わることになると思います。広域連合の中で他の分野についてもいろんな議論が出てくると思うんですけれども、他の分野に対する議論が広域連合の中で出た場合に、知事の立ち位置というのはどうなるんですか。


●知事

 ここは、紳士協定の範囲だと思いますね。あんまり他分野のことでかき回すだけの発言をするのは紳士協定的には避けるべきだというふうに思います。それは、実は、他の府県は逆に心配しているところでして、私も口が悪いという意味かもしれませんが。ですから、そこは、ある程度、自分の加わっている分野のことを中心に発言をしていくというスタイルで望みたいと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 知事がそういうスタイルだとしますと、議員の2人というのは、どういう立場になるのか、これは別という話になるのかな。


●知事

 これは、だから、ご案内のように、私もそうですし、委員会の委員としての立場もそうですし、それから、議員さんもそうでありますけども、自治法上、発言を制限されるものではありません。ですから、法的には、発言は自由でありますけども、あとは、円滑な広域連合の運営のために、協力していく姿勢は必要だと思いますので、そこは、自ずから判断されるんじゃないかと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 要らぬ心配かもしれませんけども、その2人の議員の賛否によって、賛成、反対が決まるようなことでもあれば、しかも鳥取県が参加していない分野のことで、なんてことになったときに、どうなのかなという、要らぬ心配をするもんですから。


●知事

 実は、その広域連合については、いろんな不安が事前にあります。それは、大が小を呑みこむのではないかということです。このため、小と言いますか、人口が少ない県を中心として、その辺の担保を取ろうとしてきました。恐らく、動き出すと、コンセンサス方式になって来ると思います。そのための手掛かりとなる委員会の進めかたなどの了解はお互いに取っておりますので、それ程、対立軸が鮮明になるようなことは、今はまだあまり想定されていないと思いますね。

 むしろ、その[意見を]二分するようなことであれば、それはその分野の仕事は、加わらない府県が出て来るということだと思います。ですから、そういう意味で、あまり混乱があるとはちょっと想定していないんですけれども。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 あんまり在り得ない想定してもしょうがないんだと思うんですけど、確かに。大人なんですから、委員さんはちゃんとした対応をされると思うんですけども。ただ、やっぱり、7分野だったかな、2分野しか参加しないっていうことは、そういう意味で、全体の中でいびつな形での参加になるのかなという。


●知事

 そうですね、そこは地理性もありますし、歴史的な経緯もありますから、関係府県にはご理解を得ていると思います。ただその代わり、実際、我々が参加する分野に集中して、議論を我々としては出していくということだと思っています。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 広域連合が新しいツールだと、ワンステージ上の連携だというふうにおっしゃいましたけども、今後、国に対して、こういう関西広域連合という場を通じて、どういう姿勢で臨まれるのか、またちょっとこれまでと、変わって来る部分というのは、またあるんでしょうか。


●知事

 これは、1つは、よく言うのは事務委譲の受け皿となり得るということですね。府県を越えて、県境を越えて、広域的な仕事を国がやっていると。だから、国の方が権限を渡せないといっているものに対する、アンチテーゼを作ることが出来ると思います。もちろんそれを行使するかどうかは、私の方で判断することでありますけども、そういう受け皿になり得るものが出来たということですね。

 例えば、[山陰海岸]ジオパークのことで言えば、山陰海岸全体は、大阪の環境省の事務所が管理しているんです。だから、その環境省の事務所がやっていることを、広域連合でやらしてくれということは、可能になれば、鳥取砂丘のあたりの仕事っていうのは、兵庫や京都とまたがって、広域連合で管理をするということも可能になると思うんです。

 そういうような思いもあって、私はちょっと、京都や兵庫と、一度、このジオパークの問題も議論してみたいなと思っているんですけども。これ、いろいろ関係府県とよく協議をしながら、そういう受け皿の話は進めていくことになるだろうと思っています。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 単県では出来ない部分が、関西広域連合によって出来てくる部分が生まれてくる。


●知事

 それも、国が今やっているような仕事を持ってきて、住民のために、合一的にやることが出来るというメリットはあると思いますね。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 それは、例えば、国立公園の管理っていうことになるわけですか。


●知事

 それはあり得ると思います、理論上はですね。これはもちろん関係府県で協議しなきゃいけないです。そういうような思いもありまして、[山陰海岸]ジオパークの仕事なんかは、1つ、広域連合の方である程度受けられるものは受けてもいいんじゃないかなと思っているんですね。それは、ちょっと関係府県と協議してみたいと思います。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 地方分権の進展に与える関西以外の地域に対しても、与えるインパクトというのは、やっぱり少なからずあるんでしょうか。


●知事

 昨日も中四国サミットに行きましたけれども、皆さん非常に、他の知事さんも関心を持っておられますね。それは、やっぱり今までにないスタイルの行政が出てきたということだと思います。私は、やはり自立だけでなくて、連携ということが大切だと思っていますから、こういうワンステージ上の連携事業というのは、一石を投じるものになるだろうと期待しています。


○毎日新聞 宇多川はるか 記者

 初代連合長に兵庫県の井戸知事が有力という報道、話もあるんですけども、どのようにお考えでしょうか。


●知事

 私は白紙です。まだ、そういう話も伺ったことはありませんし。それは、もちろん、構成府県の協議で事実上決まることだと思いますので、今、まだその話をするのは時期尚早じゃないかなと思います。


○日本経済新聞 青木志成 記者

 関西広域連合ですが、以前、道州制への発展というのを懸念される考えを示されたと思うんですけども、その辺りの考えというのは、お変りは。


●知事

 道州制との関連はないということは明確に否定した上で、これは大阪府も含めて否定した上で、今回の広域連合が誕生しますので、私は、そこの懸念は今は持っていません。その辺は、今後、もちろん議論の展開によっては、我々は自由に論じられる立場を得ていると思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 自由に論じられる立場っていうのは、要するに、道州制の議論はまた別であると。1から道州制の議論が始まった場合は、また1から始めるということ。


●知事

 そうですね、はい。フリーであると、我々は、フリーハンドを持っていると、道州制についてはですね。これで、広域連合に加わったことで、その道州制が一歩進んだとは思っていません。




17 広島県知事の育児休暇取得について 

○読売新聞 野口英彦 記者

 広島県の知事が、育児休暇を取られまして、それについて、賛否両論あるようなんですが。「子育て王国」ということを掲げられる平井知事としては、このことについて、どう思われますでしょうか。


●知事

 私は、湯崎[広島県]知事ですね、堂々と子育てをされたら良いと思います。それは、何か1つの政策としてやるという以前に、やはり、まずは自らのことをやれない者が、子育て政策自体を論ずることもできないと思いますね。ですから、自らの責任を家の中でも果たし、そして、社会でも与えられた役職の仕組みを機能させていくということは両立できると思います。実は、みんなそうやっています。

 それで、私も別に言いはしませんけども、子どものために、長距離運転して、時間を割いてやったり、いろんなことをやります。それは、皆言わないだけでありまして、湯崎さんも、ぜひ堂々とされたら良いと思います。私は、湯崎家のお子さんが成長するのを、私自身も遠くから見守りたいなという気持ちです。




18 「まんが王国とっとり」応援団の結成について 

○毎日新聞 宇多川はるか 記者

 「まんが王国」の応援団、先程おっしゃられた応援団についてなんですけれども、「まんが王国」の何かPRを応援するようなイメージなのか、それとも。


●知事

 まずは、国際マンガサミット[鳥取大会]というイベントについての応援団というイメージで、今話をさせていただきました。それがそのあと、鳥取の「まんが王国」の応援団に成長、発展していただけるかというのは、またともかくといたしまして、国際マンガサミット[鳥取大会]を皆で作ろうと、それは県内の人だけではなくて、いずれは県外の人にも大いに入ってもらって作っていく。そこから初めて鳥取の「まんが王国」としての素地だとか、理解が広い地域で得られていくんじゃないかなと思っています。

 ですから、まずは応援団の募集をしてみてはどうかなというアイデアを持っていまして、今度、準備委員会に諮って、皆さんで議論してもらおうかと思っています。




19 知事選への出馬(再質問)について 

○読売新聞 野口英彦 記者

 たびたび知事選の関係で恐縮なんですけども、知事は県民の前の懸案があるということをおっしゃって、慎重のお考えだったんですけど、周りの周囲の団体なり、組織なりがいろいろと動きが加速しているように思うのですけども、出馬表明の時期というのは、年内ということですけど、想定より少し早まるようなお考えはあるんでしょうか。


●知事

 私は、遅くとも年内という意味で申しあげて、要は、それは周りに無用なご迷惑をおかけしないようにという意味です。ですから、そういう意味で、ある程度の期限は、自分の中で切っているつもりではあります。これからは虚心坦懐にいろいろな方々のお話をきちんと聞いて、真正面から受け止めるべきだと思いますので、お話をきちんと聞いた上で、決断すべき時期に決断してまいりたいというふうに思っております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 真正面から受け止められているというのは、逃げずに受け止めるということで。


●知事

 それが自分の使命だと思いますので、そういう団体とか、あるいは一定のそういう政治的な勢力などからお話があれば、それはきちんとお伺いをして、受け止めなければならない立場だと思っています。それを通じてさまざまな議論をして、自分自身これからどういうふうに地域の県民のお役に立てるかどうか、それを見極めたいという気持ちです。

 ですから、12月末にこだわってるものでも、全然ございませんで、それは決断すべき時が来たなと、自分としてもそういうふうに考えれば、そこは決めていく時期も来るだろうと思っていますが、今現在は、ちょっとその時でないと思っていまして、もうしばらく時間をいただこうかなと思ってたところです。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 県内の町村長の団体ですね、自治同志会ですか、が31日に出馬を要請されるというふうに伺っていますが、それについては、どう受け止めておられますでしょうか。


●知事

 それは週末、アポイントもいただきました。お話を伺ってみたいという率直な気持ちです。それ以上のものでもありません。


○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 光栄というか、嬉しさという部分の方があるのか、逆に困惑される部分というふうな感じなのか。


●知事

 自分自身、就任以来、市町村との関係とか、産業との関係とか、県民との関係をもう一度、県政を立て直すべきだと思ってやってきました。ですから、市町村といわばパートナーとして県政を運営していくように方向転換をしてきたつもりです。町村長の皆さんもその思いが届いたのかなという、そういう嬉しさはありますね、率直に。

 ただ、ちょっとまずは話を聞いてみないと、どういうお話をされにいらっしゃるのかなというところはございますので、まずはお話を虚心坦懐にお伺いしてみたいという気持ちです。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 正式な出馬要請というのはこれが初めてなんですか。


●知事

 ちょっとまだ私も詳細、聞いていません。地方分権のフォーラムを開く前に午前中1時間ほど話をしようというところです。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 ですが、いろんな団体があるんですけども、知事に対して正式に次の知事選に出てくださいというような要請がくるのは、これが初めてなんでしょうか。


●知事

 個人的には、いろんなかたから伺っていますし、もちろん私の後援してくださっている組織の皆さんからは、「あんた、はよう出んかい」ということで叱咤されておりますけども、町村会がそういうことで来られるんですかね。そこは団体としてはまだ推薦というのは、いただいたことはありません、今回は。


○日本海新聞 中村宏 記者

 今後も各団体から出馬要請なり、働きがあるかと思うんですが、それに対してはもう皆さんとお会いして話を聞かれるという、そういった姿勢で臨まれるということでしょうか。


●知事

 それは当然こういう立場にある者としては、当然そうすべきだと思います。皆さまからいろんなお話を聞きながら、果たして自分はどういうお役に立てるのかということを考えてみるいい機会だと思いますので、そういうことで臨みたいと思います。




20 広域連合制度について 

○時事通信 京正裕之 記者

 広域連合に戻るんですけども、話は早いんですが、周囲との連合体を目指す、昨日中四国サミットがあったということで、知事としては例えば中四国とか、この後、そのへんの辺り連合体とかというのは、アイデアとしてはこの段階では。


●知事

 それはあり得るでしょうね。例えば、中国地方だとか、5県での共同組織なんかもあり得るとは思います。ただ、広域連合はかなり手続きが大変です。今回もやってみてつくづく思いました。関西のプロパーと言われる奈良県が加わっていなかったりしているのも現実ですから、ハードルが高い仕組みであることは間違いないですね。

 だから、私はもっと広域執行連合とでもいうような、従来、[地方]自治法で協議会という連携組織がございますが、それに法人格を与えるくらいの、そういうシステム改正、制度改正があってもいいんじゃないかなと思っていまして、これは国の方にも提案をしております。

 いずれにせよ、いろんな連携の形はあるだろうと思います。ただ、道州制とそこが結び付くかどうかというと、それにはかなり温度差がありますので、道州制云々よりも、まずは連携していくということは重要性はあると思います。


○日本経済新聞 青木志成 記者(幹事社)

 他にございますでしょうか。ないようでしたら、知事、ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。


  

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