知事定例記者会見(2010年5月28日)

平成22年5月28日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約50分) ※MPEG4形式

  

1 口蹄疫への本県の対応について 

●知事

 皆さん、おはようございます。来週の6月1日から6月県議会が開会することになります。24億円の予算など各種の議案を提案することといたしました。

 最終的な精査の段階で、特に口蹄疫対策などを充実をさせていただく予算を入れさせていただきました。だいたい2,200万円余という予算になっておりますけど、既定の予算もありますので、併せて機動的に執行していける体制が整ったと思います。6月中旬までの消毒体制を秋まで延ばせるとか、そういうようなことになってこようかと思います。

 この口蹄疫対策でありますが、こうした予算繰り以外にも必要なことがあると考えております。できれば来月に入りまして、ある程度情報が総括できるとか、あと、私どもの方で口蹄疫関係のマニュアルのようなものを作ろうと今やっている最中でありまして、それがまとまってくれば、市町村だとか、農業関係者の代表者のかたとか、そういう皆さんにもお集まりいただきまして、県として口蹄疫対策に万全を尽くそうと、そういう動きをする必要があると考えております。

 そうした関係者対策会議のようなものを、従来から庁内などを中心にして精力的にやっておりますけども、もう少しレベルを上げたものも、来月の議会中になるかと思いますが、開催させていただき、意思統一を図っていく必要があるだろうというふうに考えております。

 それから、こうした農業関係だけでなくて、商工関係でも影響を懸念する声が上がってきております。現実の売り上げ影響などが顕著に出ているわけではありませんけれども、その辺も必要だと思います。例えば、飲食店などで口蹄疫の関係で宮崎牛の入荷が困難になるとかいうことの影響とか、風評被害というのが出てくればということでありますが、そういう影響だとかも懸念される状況だと思います。

 そういう意味で、県の商工関係の融資も、これは今の予算の中で制度拡充をしようと思います。できるだけ速やかに体制を整えるように指示をさせていただいているところでありますけれども、口蹄疫関係で例えば直近の1ヶ月で売上が対前年でずいぶん落ちたというようなことがあれば、そういう融資の対象にしていくとか、特別金利を適用して現在の1.66[%]から1.43[%]に引き下げた融資を適用するとか、未曾有の口蹄疫の被害が出るような状況でございますので、我々としても商工関係も含めた手当も必要だろうと考えております。

 それから、まだ県内で影響が出ているわけではございませんけれども、これからの動きに注意する必要があると思っています。来週の頭には中国地方知事会議がありますけども、私の方から、今、九州の方が大騒ぎになっているわけでありますが、中国地方全体の問題でもあると思います。

 中国地方への口蹄疫が拡大することがないように連携を強めようと、お互いに連携を強化して中国ブロック全体で出来る限りでの相互応援などの体制を作っていく。国に対して財政要望をしていくとか、そういう共同歩調をこの際、呼びかけさせていただこうと考えているところであります。

 また、宮崎県の方で非常に深刻な被害が出ていることは、誠に残念でならないと言いますか、見ていて忍びないところであります。県内からも若手の農業者が声をあげてきていたり、その他にも募金の動きが広がってきていたり、いろんな状況があります。我々としてもそういうものを下支えをするというか、応援をしていきたいと思います。

 また、宮崎県の畜産試験場などにも我々の方から、今呼びかけをさせていただいておりますが、種牛造成で何かお困りのことがあれば、我々の方からも支援をしていきましょうということも申し上げてきております。

 先方の方は、今だいぶ混乱もありますので、私どもの方で話を持ちかけても涙されるばかりで、とても協議をするというような状況ではないんですけれども、ただ、先方の方から、何らかの思いがあれば、この点について我々としてもご援助を申し上げる。

 種牛のことで、49頭処分するという話が報道されています。主力牛は残っているとは思いますけれども、我々の方でも、和牛のルーツの鳥取県でありますから、できる限り共同でやっていけることを考えていこうと思っています。

 何だったら、宮崎と鳥取とで一緒になって、これから種牛を作っていこうというようなことに話をまとめてもいいかなと思う気持ちがあるぐらい、今回のことを非常に憂慮していますし、県内でも宮崎の状況を心配する声が強まっているということだと思います。




2 臨時全国知事会議の開催結果について 

●知事

 それから、2点目でありますけども、昨日は全国知事会で上京させていただきました。状況につきましては、いろいろと報道もなされたので、ある程度は伝わっているかなとは思いますが、鳩山総理[大臣]の方から、沖縄の負担軽減について分かち合っていただければというようなお話がありました。

 これについて、私も沖縄県の負担が過重であるということは仲井真[沖縄県]知事の表情を見ていても手に取るように分かりました。非常に悩ましい状況が沖縄にあるということは十分に理解できると思います。このことは国民全体で考えるべき課題という面はあるだろうと思いました。

 ただ、総理の方からは抽象的なお話しかなくて、どこか協力してくださるところがあれば、手を挙げてねと言わんばかりの感じではありましたけれども、そういうことで解決できないということも、これは住民に対して責任がある首長でありますから、それは難しい相談だと言わざるを得ないだろうと思いました。

 ですから、私も意見を出させていただきましたけれども、沖縄県の状況は十分に理解できるということを[全国]知事会のコンセンサスとして提示をするわけでありますけれども、まずは、政府は責任ある検討をしっかりとした上で、防衛上の観点だとか、外交上の観点だとか、そうした考慮を、熟慮を重ねたうえで、どこどこの地域のどこどこの施設が適切だと、ぜひ協力してもらいたいと。協力してもらうんだったらば、これこれ、こういうような様々な条件整備も考えたいとか、今、沖縄が悩んでおります犯罪被害者の問題だとか、それからNLP(夜間離着陸訓練)のようなそういう課題だとか、そうしたところについてもきちんと熟慮をした上で、それで、申し入れをすべきだろうと思います。まず、それが先決問題だろうと思います。

 その上で、それを受けた地域で、これは真摯に答えを出していくと。そういう意味での全国的な協力というのが本来の姿ではないかと思います。ですから、鳥取県の場合も同じような状況でありまして、自衛隊の基地もありますし、飛行場もありますけれども、それぞれにいろんな個別具体の事情があるわけであります。

 そういうものをしっかりと配慮をして検討を重ねた上で、もし、申し入れがあればその地域の方で答えを出していくということにならざるを得ないし、鳥取県もそうであろうかというふうに考えているところであります。




3 「三段ロケット型分権国家」モデルの提案について 

●知事

 それから、昨日は、私どもの方で、かねて地域主権、地方分権について検討をしてまいりましたことを成果としてまとめまして、[総理大臣補佐官の]逢坂さんの方に説明をさせていただきました。従来の三段重ねというようなイメージの、そういう行政体制はもう古いと。

 むしろこの三段重ねのようになっているところの重なった部分をきちんと整理をしていって、その三段がロケットのようになりまして、市町村は市町村のロケットとして飛び、さらに都道府県のロケットとして飛び、国のロケットとして飛んでいく。住民を一番高いところまで素早いスピードで連れてってあげると。そういう行政サービスを目指すべきだと。そういう意味での分権モデルを考えるべきだというお話をいたしました。

 また、今回、鳥取県では日野郡との協議会を設置するように規約を出そうとしておりますけども、こういう市町村と県、あるいは県と県のハイブリッドな、一緒になってやるような行政サービス、これを私たちとしては提案したいということも申し上げたところであります。原口[総務]大臣にも、これは立ち話になりましたけれども、こういうようなことで取りまとめましたという簡単なお話をさせていただいたりいたしました。

 これから、鳥取県の実情も加味したような分権モデルが国全体で議論されればいいと願っているところであります。




4 (株)ナノオプトニクス・エナジーの記者発表について 

●知事

 昨日は、ナノオプトニクス・エナジーの発表会にも行ってまいりましたが、新しく和田[智]さんがデザイナーとして加わることになりました。SWdesignの代表者であります。

 この方は、ワールド・カー・オブザイヤーに輝いたり、また、日本やドイツのデザインの各種受賞をされたり、そういう人材でありまして、いかにもこういう未来の電気自動車に乗ってみたいなと、そういうアイデアを提供していただけるんじゃないかと期待いたしたところであります。

 また、スマートグリッド、マイクログリッドということにも、今回の工場プロジェクトは踏み出すんだという発表もございまして、これも地域として連携させていただきたいなと思ったところであります。例えば、急速充電スタンドをこのマイクログリッドの中に連携して設置をするとか、そうしたことも追加的に考えてもいいかなと思いました。

 いずれにいたしましても、未来の環境先進県づくり、これを我々としても目指すいいチャンスになってきたかなというふうに感じた次第であります。




5 北東アジア地域地方政府サミットの結果について 

●知事

 それから、韓国の方に行ってまいりまして、[北東アジア地域]国際交流・協力地方政府サミットに参加をいたしました。モンゴル[中央県]、中国[吉林省]、それからロシア沿海地方、また、韓国江原道、こうしたところと重ねて協議をいたしましたし、それから、ロシア[沿海地方]、韓国[江原道]との3地域での貿易観光促進の協定も結ぶことが叶いました。

 私どもの方で主張いたしました[2012国際]マンガサミットを応援してもらいたいとか、そうしたことを盛り込まれましたし、いい議論ができたかなというふうに思っているところであります。




6 韓国テレビドラマ誘致について 

●知事

 それから帰ってまいりまして、「アイリス」に続く韓国ドラマの制作をしようという動きの誘致がございましたが、これは、チョン・テウォン社長と直接面談をいたしまして、鳥取でやってほしいという申入書をお渡し申しあげ、説明をさせていただきました。

 お答えとして、しばらく要請書を読んでおられましたけども、開口一番、「ロケは鳥取でやります」と、こういうように通訳を介しておっしゃっていただきました。大変に嬉しい話でありまして、喜びもひとしおだったわけでありますが、ぜひその誘致をした以上はこの受け入れ態勢を整えていく必要があるだろうと思っています。

 早速、観光関係者ですとか、皆様の方でも喜びの声も上がっているところでありまして、ムードは大変に盛り上がってきているなというふうに感じます。

 来月の早い段階で、まず庁内でいろんな情報収集も必要になりますので、緊急プロジェクトチーム体制を作っていきたいと、構築していきたいと思いますし、それから、先方とのいろんな折衝をしながら、全県的な市町村だとか、あるいは関係市町村だとか、あるいは観光関係だとか、そうしたところにも入っていただき、誘致を実行する、誘致と言いますか、ロケを推進する、そういう受け皿組織をこしらえたいと思います。

 ボランティアの皆さんにも、韓国語が分かるかたも鳥取県にはたくさんおられますので、そういうボランティアのかただとか、そうしたかたにもいろんな形で参画してもらってもいいかなというふうに思っておりますが、今後、制作側、韓国側とよく相談もさせていただいて、速やかに推進体制を構築してまいりたいと思います。




7 親水公園警報発令システムの運用開始について 

●知事

 あと、6月10日に供用開始をしようと思っておりますが、平成20年の夏、7月に神戸市で集中豪雨で多くのかたの命が失われたという大惨事がありました。川の親水公園について、安全点検をして、危険個所をあぶりだして、その対策を進めていたところでありますが、県内では、9ヶ所、この対策を取りました。それがいよいよ完成して動き出すということになります。

 これは、上流の方のセンサーなどと連動しまして、危ないということが判断される状況になれば、サイレンを鳴らすとか、それから警告灯を回すとか、そういう施設をその親水公園の方に設置をするということであります。例えば、これは[安徳の里]姫路公園(八頭町)とか、そうした親水公園、県内9ヶ所を対象に行ったところであります。これで河川の安全がまた向上するのではないかというふうに期待をいたしております。

 これから、水のシーズンになりますので、気を引き締めて県民の安全安心のために我々も体制を整えてまいりたいと思います。私の方からは以上です。


○日本海新聞 河崎誠 記者(幹事社)

 各社、質問がありましたらお願いします。





 


8 口蹄疫への本県の対応について 

○共同通信 仲嶋芳浩 記者

 口蹄疫の関係なんですけど、宮崎県と一緒に種牛を作ってもいいと考えておられるというふうにお話がありましたが、それは、今現在、具体的な案として考えておられるのは、どういった。もう少し具体的におっしゃっていただけますか。


●知事

 実は、宮崎の牛は鳥取がルーツになっている気高系と言われるものが色濃く血として入っています。宮崎の方で非常に厳しい状況が出てきているわけでありますが、あそこは和牛王国と言ってふさわしい地でありました。鳥取県で平成19年に和牛博覧会(第9回全国和牛共進会)という和牛のコンテストをやったんですが、その時には宮崎牛がすべて独占するかの如く、賞を凌駕したというのは、県民にも深く印象を与えています。ただ、その宮崎が、和牛の屋台骨である宮崎が、今、沈みかけているのは、和牛全体の苦しみであろうかと思います。

 元々、遺伝子的にも共通性のある部分もありますし、宮崎からある程度の距離がある鳥取でありますから、お互いサテライトというか、そういうような形で、その種牛行政に協力関係を構築していくというのは1つのアイデアかなと思います。

 例えば、私どもの方で一定程度、我々の作った材料を提供することも、ある程度やっていくとかいうこともあってもいいかもしれません。これはお互いにそうした協力関係で研究を進めて、和牛のレベルを上げていくということでありますから、向こうの方の、先方の宮崎県側のお考えも、もちろんお聞きしながら、そうした相談をしていきたいなという気持ちです。

 我々の方で、ある程度、今[話を]持ちかけかけているんですけども、先方もまだお忙しい状況でありますので、私どもの方では先方の反応をみているというとこです。機会があれば、東国原知事とも話してみたいなと思っているんですけども、まだちょっとそのタイミングが図りかねているという状況にあります。

 それから、あと、我々のところで種牛を確保していかなきゃいけないということがあります。今は九州側での問題になっておりますけども、我々の方も、もし、これはという時は、種牛の分散を図らなければいけないかもしれないと思っています。

 私どもで、今、内々検討しておりますのは、我々の方の種牛造成を安定させる意味で、状況を見て、今の[鳥取県の]畜産試験場から一部、種牛を分散させることも、今、検討しております。場所は鳥取市国府町の岡益のところに、今、目星をつけて、いざという時はそこに移すことも考えようかということも視野に入れ始めました。

 いずれにいたしましても、どこの地域もそうでありますが、この種牛をどうやって守っていくか。そして、将来に向けて和牛を発展させていくかというのは、私は共通な課題だと思っていますので、その意味では協力関係も考えていったらいいかなというのが、私どもの鳥取県側のアイデアです。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 口蹄疫関係で、マニュアルを作るという背景、これはどういうスキームでお考えでしょうか。


●知事

 これは、もちろん防疫のこともございますし、それから風評被害対策とか、そういうこともありましょうし、今現在進行中でありますけども、事態の進展を見ながら共通理解として、市町村のトップのかたがたとか、危機管理として共有しておくべき情報を、今、まとめているところだということです。これは農業関係者の皆さんも、もちろん共有していただきたい情報を、今、取りまとめているということです。




9 環日本海定期貨客船の実証実験について 

○日本海新聞 田村彰彦 記者

 サミットのことでお聞きしたいんですけども、サミットの場所で定期貨客船の振興策に絡んで、今後、中国を視野に入れて新たなルートを開拓する。そうした実証実験を行いたいというようなご発言がありましたけども、今の時点で具体的な実証実験を、いつ頃からとか、そういう構想でもありましたら聞かせていただけますか。


●知事

 これは今、荷物の問題ですので、関係先と折衝中であります。我々としては、中国の王儒林(ワン・ルーリン)[吉林]省長もおっしゃっていましたけども、日本海を通して吉林省など中国東北部に荷物を運んだ方が遥かに速いですし、値段的にも安くなる可能性が高い。

 ただ、いろんな障害があって、障害というのは、すなわち国境を越えながら、物を運ばないといけないという、そういう隘路でありまして、ここが非常に厄介な点でありました。

 今回、我々の方ではウラジオストクまでの航路は出来ましたので、この航路を活用して、そこから中国東北部の方へ荷物を移動させていくと。これを、県の方でのパイロット的に支援をさせていただいて、そして、成果を見ようじゃないかというのが我々のアイデアです。

 具体的な、ある程度大きな荷主さんと今、折衝をしておりまして、もし実現すれば、今年度半ばとか、どこかでそういう実証実験が出来ればいいなというふうに思っております。

 この点につきましては、今、サミットから帰ってまいりましたけども、サミットの席上でも更にいろんな各国間の協議の場でも、中国側、ロシア側に協力を求めたところであります。あと、併せて、グレーター図們というんですが、図們江広域開発がございます。GTI(Greater Tumen Initiative 広域図們江開発計画)というプロジェクトで国連の関連プロジェクトであります。これが、中国の政府、中央政府の許可も出まして、動き出すタイミングが出て来たと思っています。

 このプロジェクトにも、鳥取県の関係するこうした航路を1つのルートとして位置付けてもらえないだろうかと、活用することも選択肢で考えてもらえないだろうかということを主張しましたし、その広域図們江開発の中に、鳥取県側も参画をするようなことは可能だろうかと、この辺も吉林省などに打診をさせていただいたわけであります。

 吉林省の王儒林省長は、ぜひ参加してもらえばありがたいというお答えがございまして、これは、どういう形で我々が関われるかというのもありますが、協議を吉林省の方とやっていきたいというふうに考えております。

 吉林省だけでなくて、黒龍江省も当然ながら、我々の視野に入れていいだろうと思っていまして、そうした中国東北地区に荷物を出してみて、どういうメリット、デメリットがあるか、これを実証的に探ってみようということから始めたいと思っています。




10 口蹄疫への本県の対応について(再質問) 

○読売新聞 高山千香 記者

 口蹄疫のその種牛の件でちょっとまたお聞きしたいんですが、イメージとしては鳥取の種牛を宮崎県に提供して、その後その種牛を一緒に、これから共同開発というか、育てていくというようなイメージなんでしょうか。


●知事

 どれほどの影響がこれから出てくるかを宮崎県が見極めているんだと思うんですね。それで、万が一壊滅的なことになってきた場合には、それは先方も困られると思うんです。

 鳥取県側も今までいろいろと種牛造成について、宮崎とある程度協力していただいたという過去もございますし、例えば、我々の方で保有している宮崎の血も入ったような、そういう精液を提供しながら、そして共同造成を図っていくとか、そういうふうなことは私は可能ではないかなというふうに思います。

 そうしたアイデアも含めて、先方の方には、ある意味打診はしてはいるんですが、今大変な混乱の最中にありますので、明快な協議はできる状況ではまだないかなと思っています。


○日本海新聞 田村彰彦 記者

 口蹄疫の関係で、商工関係への融資ということがありましたけども、既存の融資の条件を緩和するような形になるんですか。


●知事

 昨年の新型インフルエンザ対策で我々の方で提供させていただきました資金と同じ考え方であります。ですから、今、制度はありませんけども、その従来の制度を、いわば拡張して適用していこうということです。




11 韓国テレビドラマ誘致について 

○山陰中央新報 錦織拓郎 記者


 韓国ドラマの件なんですが、ロケ支援委員会、官民協力というのを、来月中、6月中にもという計画ですが、無事決まりまして、その後日程等、スケジュールというのは、今、お考えありますでしょうか。


●知事

 まだ関係者と折衝をしている最中であります。正直申し上げて、チョン・テウォン社長から「やるよ」と言ってもらったところでありまして、向こうも組織立っていろんなかたが関わるチームでありますので、それで、お話いただきまして、私も内容が分からないと動けないものですから、いろいろ聞きました。いつ頃のロケを想定して我々は準備に入ったらいいでしょうかと。そうしますと、そうですね、8月の末から9、10月頃その辺の時期で入ることになると思いますと。

 イタリアでのロケをまず先行されるそうでありまして、役者は共通しますものですから、イタリアロケの方をやっている間はこちらに入れません。その関係だと思いますが、8月の末以降になるだろうと。

 そうすると、私どもの方では、7月いっぱいぐらいで、だいたいこういうことで受け入れできますよというような体制を整えなければいけないと思いました。 そういうことで、いろいろこれからいろんな詰めをしていくことになると思います。

 それで、ロケ地も現在決定しているわけではありません。県内のロケ地ですね。鳥取でやるというお言葉でありましたので、それは例えばどんな所ですかと申し上げましたら、今考えているので、例えば、砂丘は良かったということを聞いているし、それから、東郷湖の辺り、温泉もあっていいロケーションだったという話も聞いていると。

 それで、私の方からちょうど秋にかかるような時であれば、これ、ロケのシーズンにもよりますけども、紅葉だとか、いろんな美しい所もありますと。そうしたら、先方の方では、これがいいという県のお考えがあればまた紹介してもらいたいというようなお話もございまして、これからそうやって、実際にどこにロケが入るのかっていうのを、先方がいろんな情報の中から選択されていくんだと思います。

 それが見えてきますと、具体的な、じゃあ、ここのロケ地っていうことになりますので、地元のかたも入ってもらったロケ支援が必要になってくるということになりますから、これから順次、情報を集約しながら、ロケ支援委員会の立ち上げに動いていくということになると思います。だいたい6月いっぱいぐらいには、遅くとも立ち上げていく必要があるだろうなと思います。


○中国新聞 円山文雄 記者

 「アイリス」のロケでちょっと聞いてもいいですか。県の誘致、いろいろ今までもあったのですが、結構、成功率が高いんですが、ドラマの誘致が成功した秘密というんですかね、どんなところにあるんですか。トップセールスとか、鳥取の魅力とか、それから、誘致の話をする時に、関係部局の話的に鳥取を舞台にストーリーを作って、先方に持ちかけたりという話なんかも聞いていまして、「アイリス」のケースの場合、誘致が成功した秘密というのはあるのかなということです。それから、フィルムコミッションとかいうのは、協力も得ているんですか。


●知事

 我々は、今までも、こうした韓国ドラマ、特に、宮崎が成功した例が過去からあったりしましたし、今回、秋田が非常に効果があったということで評判になってるわけでありますが、そうした韓国ドラマの与える影響は非常に大きいと見ておりましたので、いろんなかたちで韓国側にメディア発信をしてきたのは事実です。

 例えば、新聞広告とか、旅行雑誌だとか、様々なところに売り込みをかけてきました。そういう中で、今、韓国はIT社会でありますので、そういうITを活用した情報発信も重要だろうということで、私どもの方で、そうした情報発信役をパートナーとして韓国でお願いをしていました。

 そういう関係もあって、今回の「アイリス」のスタッフの方へ繋がっていったと思っています。そういう、我々が今まで幅広く鳥取の情報発信をしようとして、いろんな仕掛けをしてきたことが、ドラマの制作側の方に直接伝わっていくきっかけになったというのは1つの要因だったかなと思います。

 また、鳥取県に実際来ていただいた時がポイントだったようでありまして、チョン・テウォン社長からも、部下のシナリオハンティングの皆さんから報告を受けたけれども、鳥取の評価が高かったと、そういうお話がありました。

 我々も受けさせていただいた時に、いろんな、誰でも、う~んと唸りそうな、評判になりそうな所を選んでご紹介を申し上げたり、また、これは鳥取県の強みでありますけども、韓国語をきちんと話せる、そういう職員がアテンドをいたしまして、言わば、かゆいところに手が届くようなかたちで、先方の要望に応えていったということもあったと思いますし、私自身も、その一行にお会いをさせていただきまして、直接、鳥取の魅力を訴えさせていただきました。 韓国のかたとしては、その辺は名誉に感じていただけたところもあったんじゃないかなと思います。

 そうしたいろんな要因があって、今回、誘致へ繋がったんだろうということを、私は印象を持ちました。今まで、なかなか、今、[中国新聞]円山[記者]さんからはお褒めいただきましたけども、鳥取県もこの韓国誘致、ロケ誘致はあまり成功ができておりませんで、今回、ようやく実を結んだと思っておりまして、県職員の関係の皆さんにも本当に労をねぎらいたい気持ちであります。

 これは、これから民間の皆さんと一緒になってやっていかなきゃいけないと思います。観光関係者は元よりといたしまして、ボランティアのかたもあっていいと私は思うんですね。そうやっていくことで、韓国人はじめ、外国からのお客様を受け入れる国際リゾートの素地が強まってくると思います。

 フィルムコミッションは、ぜひ、私の気持ちとしては、今回のロケの受け皿の中に入っていただきたいなというふうに思います。ただ、従来、[フィルム]コミッションの方でされていた日本の物とはまた違いますし、アクション物ということがございますので、これは、当然ながらフィルムコミッションだけでもできないと思います。

 ですから、県の方でも、ある程度、韓国語の喋れるスタッフもいますし、緊急プロジェクトチームというようなかたちで民間と連動して動ける体制を作ろうと思っています。




12 鳥取環境大学の経営改善について 

○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 すいません、あと鳥取環境大学についてなんですが、昨日、理事会がありまして、その経営改善策、示されたわけなんですが、これを受けまして、以前、竹内(鳥取)市長との懇談の時、話されていた合同委員会、公立化の是非を含めた、話し合いというのは、これから来月にも入っていくという格好になるんでしょうか。


●知事

 私も夕べ鳥取に帰ってきたばかりで、まだ詳しい状況を掴み切れてはいないんですが、学科の再編だとか、経営のありかたについて、大学側でお考えをまとめられたというふうに伺っております。そのご努力は、私は評価をすべきものがあるんだろうと思いますが、今日、急きょ、八村[鳥取環境大学]理事長が会いたいというふうに大学から申し出が来ておりますので、それを伺ってみて、私どもで今後どう対応していくか、考えをまとめていきたいと思います。

 その内容を聞いて、兼ねて鳥取市側と話をしておりました合同での検討委員会のような組織を設置するということも視野に入り得ると思います。まずは、今日、大学側のお話を聞いてみたいと思っています。




13 国の事業仕分け(宝くじの普及宣伝事業)について 

○時事通信 京正祐之 記者

 話は変わるんですけれども、政府の行政刷新会議で事業仕分けで宝くじの普及宣伝事業廃止って判定が出たんですけれども、地方財源として重要な部分だと思うんですが、その辺り、知事としての感想をどう持たれているんでしょうか。


●知事

 私は、事業仕分けは、政治ショーではないので、ある程度冷静にしてもらいたいなという気持ちはあります。と申しますのも、宝くじの使い道などについては、これは地方6団体、なかんずく[全国]知事会が宝くじの発行権者でありますので、何故その知事会を素通りして、国が事業仕分けに選ばれたのかなというのは、説明が必要かなというふうには思っています。

 ただ、あそこで示された問題意識、それは、無駄遣いがあるんじゃないかとか、それから天下りの温床になっているんじゃないかとか、そういうところは当然ながら点検されるべきだと思います。

 天下り云々だとか、処遇がどうとかいうことは、これは、国の方の問題も当然あるでありましょうから、国の方でそこを指導をするとか、メッセージを出すということは当然あってもいいと思いますけども、宝くじの使い道の部分は、これは、知事と指定都市が共同で発行しているもんですから、その発行権者の方で、我々が事業仕分けをするというふうに委ねてもらいたかったと思います。

 無駄の点検は、ぜひ地方団体の目線で我々がやるべきではないかと思います。総務大臣の発行がいかにも、それによって制限されるかのごとき表現っていうのは、やや違和感を感じるところがあります。

 ただ、宝くじは、国民共同のものでありますから、そういう意味で、いろんなご意見が出ることは歓迎すべきものだと思います。ただ、最終決定は地方団体側に委ねられるべきだと思います。




14 親水公園警報発令システムの運用開始について 

○NHK 松本裕樹 記者

 親水公園のことでちょっとお伺いしたいんですけども、県内には親水公園って60箇所余りあったと思うんですけど、その内、この9箇所を選んだ理由と言いますか。


●知事

 はい。これは、2年前のことでありますので、そこからの遡ったいろんな経緯があります。必要でしたら、私どもの担当部局の方からご説明を、させていただきたいと思いますが、緊急性の高い危ないところを中心にして、いろんな対策を打ったわけです。

 例えば、警戒看板を設置すると、これはすぐできるもんですから、これは広くやりました。さらに危険度が高い所ですね、これをいろいろと、いろんなデータで調査をしましたところ9箇所が残ったと。それで、この9箇所については、重要度が高いわけでありますので、従来のもの以上に、ハード的なシステマチックなものを導入して安全を図ろうとしたわけです。

 それで、上流側のセンサーとかと連動しまして、直ちに危ないよというサイレン、それから警告灯が回るということで、直ちに退避してもらえる環境を整えたということであります。

 こういうことで、親水公園自体は自然と親しむ場でありますから、それを閉鎖するとか、否定するべきものではないと思いますが、安全に楽しんでいただける環境も、施設の管理者である県として、責任を持ってやらせていただいたというのが、今回の措置であります。いろんなデータで9ヵ所をあぶりだしたということです。




15 ガイナーレ鳥取の県職員ボランティア問題について 

○山陰放送 秦卓史 記者

 県職員のボランティア問題ですけれども、前回の会見では調査の真っ最中ということだったんですが、人事当局の方の調査というのはまとまったんでしょうか。


●知事

 ちょっとまだ詳細は、私まだ聞けていません。もし必要でしたら現在の状況を担当部局から、ご説明申し上げたいと思います。これは、結論を申しあげれば、改めるべきだと思いますので、改めさせてもらうということで、これ徹底しましたし、当該職場の方、西部[総合事務所]の方だったんですけども、そちらの方の職場も納得してもらって、そういう方針で、今、動いています。それと係わるいろんな人事管理上の問題があると思いますが、それはおそらくまだ、人事当局の方で整理をさせていただいている真っ最中だと思います。




16 韓国テレビドラマ誘致について(再質問) 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 「アイリス」の関係なんですけれども、8月からでしたか、ロケに入るのは。


●知事

 8月の下旬以降という表現だったですね。秋にかけて、要は秋シーズンというイメージのようでありますけれども、はい。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 ジオパークの視察が8月の1、2、3日。これは終わっていますからいいのかもしれません。やっぱり、それで終わったということにならないんでしょうね、審査が終わってから。それで、マンガ王国が9月ですけども、なんか1ヵ所に仕事が集中してしまうんじゃないかなという心配、老婆心でしょうけども、していまして、なんていうのかな、なんか対策みたいなものってございますか。


●知事

 それは、役割分担を職員の間である程度させていただいて、乗り切っていきたいと思います。例えば、観光部局だけで全部やるというのは、それは無理なんで、その意味で緊[急]プロ[ジェクトチーム]のような形で、他部局から応援を求めると。そして、今回の「アイリス」関係は常駐的にしなきゃいけないと思いますので、その辺は配慮していきたいと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 韓国語のできる職員というのは、県庁の中、相当おられると思うんですけども、例えば、緊急プロジェクトのかたでも、そういうかたのこともやっぱり頭の中に入れて。


●知事

 はい。あります。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 それと、先ほどボランティアの話があったんですけれども、韓国語ボランティア。何年前でしたか、一昨年でしたか、ゴルフがあって、あの時に韓国語ボランティアを募集しましたよね。仄聞では非常にあれが評判が悪かったという話がありまして、ボランティアさんに対する対応がちゃんとできてなかったということがありまして、具体的にどこが何がどうとは知りませんけれども、そこのところを点検しておいていただきたいと思います。


●知事

 役所がボランティアと協働で連携していくというのが、下手な部分がね、今まであったと思います。私はそういうのを乗り越えていかなきゃいけないと、常々県庁の中で申し上げております。

 今回、せっかく、みなさん楽しめると言いますか、やりがいを感じていただける、そういうイベントでもあろうかと思いますので、その意味ではのびのびと仕事していただけるような、清々しい後味が残るようなそういう環境作りをしていきたいと思います。




17 湖山池の水門開放について 

○日本海新聞 田村彰彦 記者

 湖山池の水質問題について、分からないんですけども、水門の開放をめぐって長年、農業[関係者]と漁業[関係者]の利害関係が問題になってきたんですが、先日、竹内[鳥取]市長が水門を全面開放したいという考えを出されたそうでして、その際、農業被害が出るわけですから、そうした支援も考えておられるというようなことなんですが、ただ実際、水門を管理しているのは県であるわけで、知事としてこの水門の開放をめぐって、どのように考えておられるのか、お聞かせいただききたい。


●知事

 竹内[鳥取]市長の考え方については、正確にもう一度把握する必要があるかもしれませんが、先般、県と市で当面する課題について意見交換したうちの1つのテーマとして、湖山池の意見交換もいたしました。

 その時、市長が言っていたのは、湖山池を開ける、水門を開ける前提としては、農業の方の転換もしなきゃいけないと。だから、農業者の皆さんに、水を多く必要としないような栽培のやり方と言いますか、作物の選別もあると思います。そういう新たな特産品づくりだとかもやりながら、水門をいずれ開けていけるような環境を作れないものだろうかというのが竹内市長の主張だったと、私は理解をいたしております。

 ですから、とりあえず開けてみて、被害が出たら補償したらいいじゃないかということではなかった、多分ないんじゃないかなというのが私の受け止め方でありまして、私の方から申し上げましたのは、そういうことであれば、協力していろんな方策をやって、考えていくべきでしょうと。

 ただ、農業者のそういう作物転換だとか、簡単なことでもないものですし、それから、地元の住民の皆さんのご協力もいろんな形で必要ですので、住民の皆さんのそういう気運の醸成だとか、市の方でも汗をかいていただく必要がありますねという話をいたしました。

 これに基づきまして、県と市の間で、この問題を解決をしていく、フランクなこういうような選択肢をいろいろと考えてきましょうという、解決策を考えるワーキングチームを共同で作りましょうということで合意をしたわけであります。今、それを動かそうとしているところだろうと思います。

 この問題は、今に始まったものでもないんです。かなり長い期間にわたりまして、いろんな漁業関係者、農業関係者、もちろん住民のかた、いろんなかたのお気持ちが交錯をする中で解決をしていかなきゃいけない部分でありまして、その辺は、地元の市、鳥取市とよく協議をしながら打開策を見つけていくという姿勢であたっていきたいと思います。

 とりあえず、農業水利の問題につきましては、県として次の調査に移れるように、これは手を打ったところでございまして、段階的に解決を図っていきたいと思っています。


○日本海新聞 田村彰彦 記者

 ワーキングチームというのは、官民で作るような組織になるんでしょうか。


●知事

 それは、ちょっと、今、どこをどういう話になっているか、私もそこまでは承知しておりませんが、コアとしては行政同士で分担する部分もありますんで、まずはその行政同士の事務的な話し合いからワーキングチームへと結びつけていくという段階だと思います。


○日本海新聞 河崎誠 記者(幹事社)

 その他、ありませんか。では、以上で終わります。


●知事

 はい。どうもありがとうございました。



  

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