知事定例記者会見(2010年2月10日)

平成22年2月10日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約50分) ※MPEG4形式

  

1 国際マンガサミットの誘致について 

●知事

 皆さん、おはようございます。いよいよ[平成24年の]国際マンガサミットにつきまして、国内の候補地選考が大詰め段階に入ってきているという、重要な局面に入ってきているようでございます。

 そういう関係で、来週、急きょではありますけども、16日にアジアMANGAサミット運営本部というんですが、これを主催している事務局の方に改めて鳥取県の開催の招致要請に行こうと考えております。この機会にその他のところも回ってくる必要があるかなと考えているところであります。

 私どもといたしましては、この鳥取県の西部におきまして、水木しげるロードが年間200万人近いような集客を集める年も出てくるなど、非常に活発にマンガを素材とした地域づくりが進んでいること、青山剛昌先生の「名探偵コナン」でありますとか、谷口ジローさんでありますとか、そうした著名なマンガ家も輩出していること、それらが地域のいろんなまちづくり活動にも結びついていることなどがございます。

 特に国際的にも通用するネームバリューを持ったマンガの素材がありますので、私どもとしては鳥取県が相応しいと考えております。そうした考え方で招致要請をしていきたいと思っているところであります。




2 地方自治法施行60周年記念貨幣の発行について 

●知事

 また、平成23年度になるわけでありますけれども、地方自治法施行60周年で各県をモチーフにした貨幣の鋳造を順次採択をされてきております。鳥取県としては、かねて国の方と掛けあってきたところであり、私自身もその選定の委員会の中に入ってはいるんですけども、平成23年度にいよいよ鳥取県での貨幣鋳造ということになります。

 記念貨幣でございますので、デザインとして、地域の特色を生かしたものに、ということでありますが、国側とのこれまでの折衝の過程で山陰海岸ジオパークをモチーフにしてほしいという話がございます。ただ、2種類の貨幣が鋳造されますので、[山陰海岸]ジオパークに必ずしも限定されるわけではないと考えております。

 専門的なデザイン性が高く求められております。すなわち、小さな貨幣でございますので、この小さな貨幣の上で限られたデザインしかできない状況が、当然あるわけでありますので、なんでもかんでも写真のように載せられるものではありません。むしろ、貨幣としてすばらしいデザインというのは、写真で撮るのとまた違ったものになるわけでありますから、デザインのモチーフが大切になるということです。

 例えば、[鳥取]砂丘とか、浦富海岸とか、あるいは大山とか、そうした貨幣の中に描いて、何か分かりやすくて、インパクトがあって、地域性の高いものっていうものをこれから考えていかなければならないわけであります。

 そうした関係で、1つには、県民の皆様のご意見を伺う機会を持つようにしたいと思いますし、それから、専門のデザイン関係の有識者のかたに加わっていただきまして、検討の委員会を発足させたいと思っています。今のところ、22日にでも発足できればということで調整しておりますが、場合によってはもうちょっと早く招集できるかもしれません。今、その辺の最終的な詰めを急いでいるところであります。




3 道路整備について 

●知事

 道路関係でありますが、3月の14日に[一般県道]河原インター線4キロが開通をすることになります。そのための記念式典をしたり、その1週間前の3月7日に私どもの方で、地元の市町村が中心でありますけども、ウオークラリーをやるとか、そういう関連イベントをやっていこうと思っております。鳥取自動車道の方も順調に開通に向けて工事が進んでおりますので、3月末ごろに臨める状況ではないかと思っています。




4 平成22年度国土交通省実施予定の直轄事業について 

●知事

 こうして、順次、大交流時代に向けた道路整備が進んでくることになりますが、昨日、急きょですが、国土交通省の方から内示といいますか、仮配分の数字や状況が示されました。かねて、民主党県連を通じていただいていたものとは内容はもっと詳細にわたるものでありまして、違うものであります。

 国の方はあまり公表してほしくないということを言っているようでありますけども、鳥取県の流儀としては、報道機関のお話があれば、当然お出ししても良い資料ではないかと思っております。

 我々として、今回新たに示された中で、これは評価できるかなと思っておりますのは、駟馳山バイパスの扱いでありますが、詳細の中では細川トンネルという次の工区に入ってくるトンネルについての事業費が示されていたり、駟馳山トンネルの入り口付近の整備ということが入ってまいりました。

 恐らく、この駟馳山トンネル入り口の扱いなどで6億円増額になったのかなと、前の、昨年の段階よりも。詳細はちょっとこれ以上分かりませんが、推察されるところであります。

 これが可能になれば、[平成]23年度、24年度でトンネルの穴をあけて、25年度ぐらいで、どうしてもトンネルを掘るだけではありませんので、舗装したり、設備工が残ると思います。ですから、目処が立ちつつあると言いますか、開通の見込みが立ちつつあると、そういう話になってきたなと、これは評価をさせていただきたいと思っております。

 この駟馳山トンネルの入り口の辺りの整備と併せて、県側でも県道の延伸などを図っていけば、大交流時代で関西方面からやってくる人がそのまま鳥取砂丘の方に、駟馳山トンネルを抜けて入っていける、そういうルートも設定可能になってこようかと思います。県側の方でも関係の道路整備の在り方を検討をする必要があるなというふうに考えております。

 あと、[山陰自動車道]鳥取西道路の3区といわれるところでございますが、民主党県連からのお話では、これについて1億円という事業費以外示されていなかったんですけども、今回の国[土]交[通]省から示されたペーパーによれば、用地国債という手法を取ることが明記をされております。

 ですから、用地買収に入る手筈が整ったということでありまして、先ごろ示されてきたものと合わせて考えれば、県側で要請していたものは、腹8分目程度ということでありますけども、おおむね道筋が立てられる範囲に入ってきたなという状況であろうかと思います。

 また、河川の関係で、大橋川関連で下流の堤防といいますか、堤防整備ですね、そうした護岸整備が必要であるということを我々はかねて主張してきたわけでありますけども、これについても関係先の工事個所が今回の内示の中で示されている状況になってきております。

 まだ、仮配分で県側とのコミュニケーションを取るという趣旨の情報伝達だったと思います。これから、ちょっと今回の情報も分析させていただきまして、県側で、今後どういうふうに、じゃ、関連の工事を進めるかとか、体制を組むかなどを考えていく必要があるかなと思っております。




5 日程等について 

●知事

 このたび、悲しい知らせが入って、立松和平(たてまつわへい)さんがご逝去なさったということであります。私もIJU(移住)ターンをやり始めたきっかけは立松先生との出会いでありまして、何度かシンポジウムなどの場で親しくお話をさせていただいたり、意見交換をさせていただきました。鳥取[県]のことも非常に好いておられて、大山のお話なんかをしておられたのをよく覚えております。

 県としてはIJU(移住)ターン、あるいは鳥取のふるさととしての良さを、今後もPRしていくことにいたしたいと謹んで申し上げたいと思います。11日には大阪[市]でIJU(移住)ターンの[鳥取県IJUターン]Big相談会を開催をすることにいたしております。

 今日は、これから山陰ロハスという本を、鳥取島根両県の県職員が作る運びになりまして、近々春に出版したいということであります。この出版に向けまして、執筆作業が本格化するということで、そういう両県職員とも会って話を、意見交換をしようということにしております。

 恐らく、複数の県を跨って、県職員がともに地域の良さをPRしていく本を出すというのは、全国的にもきわめて珍しい取り組みではないかと思いますが、両県の共同戦線が本格化をするという、その一端になるんではないかと私は期待をいたしております。

 因みに、本のターゲットは、山陰ロハスということをテーマにして、主として女性層のかたに読んでいただけるような本にしていきたいなという、そういうお話も聞いているところであります。内容に期待をさせていただきたいと考えております。私の方からは以上です。


○テレビ朝日 後藤龍彦 記者(幹事社)

 各社、質問ありましたらお願いします。




6 平成22年度国土交通省実施予定の直轄事業について 

○日本海新聞 田村彰彦 記者

 道路の関係なんですけども、民主党県連が示した仮配分と国交省が示した仮配分の総額は違っていますか。


●知事

 違っていますね。若干違っています。


○日本海新聞 田村彰彦 記者

 増額なのか減額なのか、そのあたりは。


●知事

 ただ、これは、我々なりに分析してみますと、河川の方で額が違います。これは恐らく、業務取扱費という事務費の扱いではないかと思います。道路環境は、この辺が既に整理をされた状態で、前回、民主党県連さんから内々いただいた資料では整理されていたと思います。

 ただ、今回、河川などもそういうことで整理なされたんだと思います。その意味では、額は違いが若干ございました。ただ、これは、実質上の差ではないんじゃないかと我々は見ております。大体、対前年同額ぐらいの事業費は確保されていると読み取れると思っています。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 道路の関係なんですけど、昨日内示された国の資料があるんですけども、それを見ると鳥取西の2期のところとか、埋蔵文化財調査で上積みを求めてた部分で、用地国債がついてたり、あるいは名和・淀江のところで橋梁工事費も入ってたりするんですけども、それはそれぞれ埋蔵文化財調査以外でも認められてるっていうふうに解釈しても。


●知事

 そこのちょっと、去年、国[土]交[通]省から最初に示されたものとの違いは、その詳細まで分からないんです。我々としても、分析はさせていただきたいと、まだ思っているところであります。昨日、我々もいただいたところでありますので、今わかる範囲で整理をし始めたというところです。ただ、その橋梁が入っているなど、きちんとミッシングリンクを繋げていこうという、そういう国の決意は見えてきたなというように思っております。

 例えば、さっきの駟馳山バイパスの話でも、細川トンネルの方も明示をされておるんです。これは、要は、関西側から来て砂丘の入り口の所よりも先の部分、鳥取側の所にもきちんと繋げていくよというメッセージの表れだと読み取れると思っています。ですから、ミッシングリンクを繋げていこうという思いが示されたことは評価していいかなと思っています。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 国会の方ではこの問題を巡って財政法違反じゃないかとか、あるいは、機密漏洩じゃないかっていう野党の方が攻撃しているんですけども、知事はそういうことに該当するとお考えでしょうか。


●知事

 これは今、国会でこれから委員会だとか、審議で整理をされていくと思います。私どもは、情報を末端で受け取った立場でありますので、あんまりこの点でコメントすべき立場ではないかなと思っております。


○山陰放送 秦卓史 記者

 先ほどの関連ですけども、民主党がこれまでに公表というか、一部途中経過を公表したということは、県にとってもプラスである、マイナスであるという評価などもされないということですか。


●知事

 我々は求めているのは結果ですから、結果としてきちんと事業を進めてもらうということが大事だと思っています。1つのサービスとして、情報提供をいただいたことは我々としてもいろいろと情勢判断して動いていかなきゃいけませんので、その意味で活用させたというところではありますけども、一番我々が求めているのは結果のところでありますので、今回、正式に役所ベースの数字なり、内容が出てきたことで安心したというのが正直なとこです。


○日本海新聞 田村彰彦 記者

 民主党県連が示した仮配分と国交省が示した仮配分の違いなんですけども、先ほど評価された点はおっしゃられたんですけども、逆に、課題として残った面とか、そのあたりはどう感じておられますか。


●知事

 我々は、誠実に県民、地域のために仕事をしている立場でありますので、あんまり政治のごたごたにこの話を巻き込んでもらいたくないなというような感じはいたします。

 今回は混乱したのは事実だと思いますので、次年度以降はスムーズに事が運ぶように国としても考えていただきたいなと、これは、政府与党に対してもでありますけども、いろいろと整理すべきは整理し、改善すべきは改善すべきことは残っていると思います。


○日本海新聞 田村彰彦 記者

 具体的に、さっき、駟馳山トンネルの整備、目途がたったということなんですが、逆に予算が減らされたとか、そういう箇所はなかったんでしょうか。


●知事

 ただ、それは、河川系だけです、河川の方で。これは、もともと事業費の中に業務取扱費という事務費部分が入っていて、これを[国]直轄[事業]の方で減らして計上して今回持ってきているというだけなんで、これは事業費そのものには影響してないと思います。事業内容を見ても、だいたい想定されるものでありましたので、問題ないかなと思います。

 同じように、前回、民主党県連が示された時も減っていたのは5億円です。[山陰自動車道]東伯・中山道路は減っておりましたけれども、今回示されたペーパーで平成22年度供用というふうに明記がしてあります。ですから、これは事業費が実質減っているわけではなくて、数字上の、係数上の整理だと私は見ております。




7 ウラジオストクビジネスサポートセンターの開所について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 ウラジオの事務所が開設したようですけど、感想をお願いします。


●知事

 今回、私ども鳥取県の顔をロシアの中で出していこうという決意で臨んだわけであります。環日本海経済交流促進協議会の足立会長さん初め、皆様のご尽力もあり、県も後ろから支えるということをさせていただきましたが、現地[ウラジオストク]のヒュンダイホテルでお披露目の式、開所式を行い、それから、現地のお店の方でセレモニーをしたわけでありますが、いずれも、地元の方々が、重要な人物が来ていただきまして、大変に賑わいのあるものだったと思っております。

 例えば、ロシアの沿海地方の商工会議所の会頭にお越しをいただいたり、沿海地方政府からもご出席をいただいたり、ロシア連邦の通商産業省の方からも、沿海地方代表部のご出席をいただいたり、主だったところが来ていたと思います。

 マスコミも各社集まっていたようでありまして、今回のDBSクルーズフェリーを通じた貿易で、アジアに向けてウラジオストクが役割を果たしていくということへの期待感の表れではないかと思っております。

 現地は、APECを控えていますのでアジア熱が高まっていることの裏返しなのかなと思います。鏡割りをしたところ、これも日本の風習でありましたので、地元の人には大変珍しく見ていただいたようでありまして、この辺も好意的に向こうで伝えられるんじゃないかと思っております。

 これを活用していただきまして、ぜひ、山陰両県、あるいは西日本一帯の貨物の動きや人の動きに繋がってくればいいなと思いますし、鳥取の県の関係者のかたにもルートを開拓をしたり、情報を提供してもらったり、現地に行った時の案内に使っていただいたり、活用いただけることを願っております。

 環日本海交流の関係では、この週末、[県立]図書館の環日本海交流室が開設15周年という節目になりまして、その記念のイベントもさせていただくことにいたしております。いろいろと活性化を図っていきたいと思っております。




8 国際マンガサミットの誘致について 

○読売新聞 高山千香 記者

 マンガサミットの誘致の件なんですけれども、東京に行く時はどなたにお会いになるのかっていうことと、その他の所も回って行くというのは、どこを回るのか教えてもらえますか。


●知事

 今は、まだ調整中でありますが、事務局はアジアMANGAサミット運営本部という名前のところです。そこの事務局に行くと。構成者は漫画作家の皆さんでありまして、大変にお忙しい皆さんでありまして、一堂に会するような機会っていうのはなかなかないんです。それが、近々予定されるということもありますので、私どもの分析では、終盤戦に入ったかなと思っております。

 ですから、その運営本部の方に鳥取県の魅力をPRをさせていただきたいと思っています。お会いいただくのは事務局のかたということであります。それから、水木しげるプロダクションの方にも訪問させていただき、協力をお願いしたいと思っています。

 併せて、来月から始まりますけれども、「ゲゲゲの女房」という朝の連続テレビ小説が始まりますが、序盤戦は山陰からスタートすると思われます、原作を読んでる感じでは。最後、また山陰に帰ってくるのかなという期待もありますけども、そこは、ちょっとまだ分からないんですが、原作では、かなり山陰のことが伝えられる内容になってると思っております。

 そういうこともありまして、大方の舞台は東京の調布市の方だと思いますが、調布市の方にも訪問させていただき、長友市長さんと会えないだろうかという、今、調整をさせていただいております。一緒になって、この機会に、ゲゲゲの女房が放送される機会に、それぞれを売り出していこうという目論みを考えておりまして、意見交換をしたり、協力を申し合わせたりしていこうと思っています。


○読売新聞 高山千香 記者

 その市長と会うのは、マンガサミットとはちょっと切り離して。


●知事

 そうです。ただ、周辺的には大きな要素になると思うんです。こうやって漫画家一家が取り上げられて、ドラマの題材として使われるというのは、「マー姉ちゃん」以来ですかね。あまり、ちょっと一局の宣伝をしてもしょうがないですけども。そういうことだろうと思いますんで、そんなにあることじゃありません。

 ですから、我々としては、そうしたことで漫画家の皆さんに鳥取[県]に行ってみたいという機運づくりには繋がってくるだろうと思っていますので、そういうこともありまして、番組を通じたPRと併せて訪問してみたいと思っております。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 埼玉県はどういう態度なんでしょうか。


●知事

 あちらはあちらで、動いておられるようであります。これは、椅子は1つしかありませんので、金メダルでないと意味がないという競争だと思っています。我々としては全力を尽くしたいと思います。


○読売新聞 高山千香 記者

 里中さんにお会いするわけではないんでしょうか。


●知事

 それはいろいろとですね、私どもでは調整をしようと思っていますけども、まだその辺ははっきりしないと。


○読売新聞 高山千香 記者

 未定と。


●知事

 ええ。


○山陰放送 秦卓史 記者

 知事は、今年の初詣に、このマンガサミットの願をかけた1つに挙げられていたと思うんですけども、今、ほぼ手が届いたという感触でしょうか。


●知事

 いや、まだこれからです。第4コーナーに入ったというところでしょうか。まずは、日本の中での漫画家の皆さんの理解を得ることだと思います。その後、国際的な舞台での競争ということになるかと思うんですが、日本の中で勝ち残ることが出来れば、非常に有望だと聞いておりますので、我々としては、今、大事な時期にかかったなと、もうひと踏ん張り頑張ろうということです。


○中国新聞 円山文雄 記者

 マンガサミットについて。マンガサミット、漫画を使った地域おこしの面では確かに広がっているとは思うんですけど、漫画文化の創造的な部分が課題であると思うんですが、もう時間的にはそういう課題の整理というのは、あまり時間的なもの。


●知事

 ええ。もちろんまだ日がありますので、いろんな取組が出来てくるかなと思います。まだ、ちょっと招致出来るかどうかがはっきりしない段階であります。ただ、私達は少なくとも、こういう招致運動と合わせて、マンガ王国としての地域づくりは活発に進めていけるんじゃないかと思っております。

 この話が出てきて、盛り上がってきていることもございまして、関係の市町村とか、地域のかたと一緒になりまして、マンガ王国の推進会議のようなものを発足をさせようと思っています。恐らく来月ぐらいかなと思いますが、そうしたマンガ王国の推進、受け皿づくりをまずはやっていこうという状況であります。

 もし、サミットが実現すれば、当然その受け皿とも、受け皿団体とも関わってくる話になってくるかと思いますが、地域としての連携を強めて、マンガ王国を推進しようという動きが母体でなければいけないと思います。これは来月ぐらいからスタートしようと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 具体的には対抗馬は挙がっているんですか、マンガサミットの。埼玉が今。


●知事

 というふうに聞いているんですけど、我々は淡々と。あっちも神社が流行るとか、いろんな漫画効果が出ている地域でありますので、これはあなどれないと思います。


○毎日新聞 武内彩 記者

 内示が出る目途っていうのは。


●知事

 これはよく分かりません。ただ、もう終盤戦だと、最終盤だという状況になり始めていると、我々の情報では聞こえてきておりますので。




9 山陰海岸ジオパークについて 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 マンガサミットもそうですけど、ジオパークの問題も現地の土台づくりということがありますけども。


●知事

 [山陰海岸]ジオパークにつきましては、学者さん中心のシンポジウムをやったり、今もう、取り組みがもう随時、始まって来ております。我々としては、学芸員の配置を決めたところでありまして、今募集をかけて来ております。

 山陰海岸学習館の方を作り変えて、ジオパークの拠点にしようと。これは、連休前には間に合うと思うんですが、施設整備を進める傍ら、しっかりとした学芸員のかたに張り付いていただこうと思っています。

 併せて、外国語で案内できるガイドさんも、雇用しようと思っておりまして、これも募集を始めます。できるだけ早く、配置をしようと思っていますが、場所としては砂丘のところと、それから浦富海岸のところとか、複数個所で配置をしていくガイド、外国語が出来るようなガイドさんを作っていきたいと思っています。こういうようなこと、いろいろと積み重ねながら、春にも予想されます外国からの調査員の受け入れにあたりたいと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 岩美町がバスガイドさん相手に講習会をやったり、今回、当初予算にも県の予算で、地元住民に対する講習会といいますか、研修会のようなものが入っておりますけども、やっぱりこれから先、大事なことというのはそっちの方だろうと思うんですが。


●知事

 はい。結局、地元の人が自分たちが住んでいるところの自然景観がどういうふうにして出来たのかを理解してもらうこと。また、その自然景観の中から生まれる恵み、例えば、海の幸とか、あるいは山もそうであります。

 今まだ意識があまり高まっていないのが扇ノ山だとか、雨滝だとか、湖山池の方も本来、ジオパークエリアの中なんですけども、まだそちらの方まで波及が十分ではないところもありますし、我々としては体制づくりを急ぎたいと思っています。


○山陰中央新報太田満明 記者

 殿ダムに行った時に、殿ダムって相当、穴を掘るっていうか、下まで掘るんですけども、掘ってありますけども、あそこの地層ってもろに、それこそ、何ていうんですか、山陰海岸ジオパークの地層がもろに見えているって感じがしたんですけど。あれって、もうなくなっちゃうんですかね。


●知事

 水没の可能性は、いっぱいあると思いますね。ただ、そういうのを、今後のPRの中でも活かしていける材料には十分なってくると思います。




10 企業立地事業補助金について 

○朝日新聞 井石栄司 記者

 新年度予算なんですけども、企業誘致のところで、知事特認に、従来の助成の上限枠が、12から40億に引き上げたんですが、これまでの県の取組としては、上限額競争をしても財政力が豊かな自治体にはかなわないということで、それには参加せずに、人財力を高めるっていう方向でやってきたと思うんですが、それをあえて、財政力のあるところと競争する、同じ土俵に上がるっていうのは、目途がついているものがあって、上げるっていうことなんだと、普通には理解できると思うんですけども、何か、こう目途がついているものってあるんでしょうか。


●知事

 我々としては、今回、経済成長戦略を作りました。その中に、登場してきますエコカー関係とか、太陽光発電のメガソーラー関係とか、そうしたものが、仮に、誘致が可能になってくるとしますと、今までは、自動車部品だとか、電子デバイスだとか、いうことでありましたけれども、規模がだいぶん大きくなってくるものが出てき得るわけであります。

 ただ、それでも、関西圏の大阪[府]だとか、兵庫[県]とは青天井でやるようなところと、我々が劣るところがあるかと思うんですが、助成率が高いわけです。その20%の助成率でいくということで、助成率がいい分だけ、ある程度の規模のところまではうちの方に、競争上のメリットが生じて来ると。

 それを考えた場合に、40億[円]というのはいろんなものを積み上げて40億[円]でありますが、その40億[円]目途のところまで上げて競争条件を良くした方がいいのではないかというふうに判断したわけであります。

 現在、富山県さんが、この同じ助成率の分野では、トップの40億[円]のところでありますので、その水準以上にする必要はないと思いますが、そこで競争力を保つというのが戦略であります。代わりに関西圏の方は定率で、青天井で助成をすると。だから、100億[円]でも200億[円]でも助成をすると。

 その代わり、堺[市]のようなでかい液晶パネル工場がやってくるというようなことになりますが、鳥取県だと、そこまで雇用力があるかなというのが片方でありますので、戦略としては、ある程度の規模のところまでで、いい企業を、いいプロジェクトを引っ張ってきたいと、こういう戦略に出たわけであります。

 従来からの人材育成はやっていきたいと思いますけども、ただ、決め手のところで、やっぱり競争に負けることが多々ございますので、我々なりの分析をしてみますと、これから、ある程度大きなプロジェクトも予想されるかなと思いますので、引き上げに転じたということであります。




11 県選出参議院議員の動向について 

○山陰放送 秦卓史 記者

 鳥取県選出の参議院議員が、民主党入りをしましたけれども、これについて、県政の立場から、どういうふうなことを期待される、あるいは影響などを考えておられますでしょうか。


●知事

 私は正直、まだ、驚いたという以上のことはございませんで、先だってまで自民党さんの中におられたかたが、民主党の方に転じられる結論を選択をされたわけであります。これから県政に与える影響がどうなのかっていうのは、しばらく見てみないといけないかと思いますが、私の立場としては、県選出の国会議員である以上、ぜひ、その地域、そして県民のためにこれからも力を発揮していただきたいと。

 残りの任期は僅かではありましょうけれども、そういうことを、ぜひ、これからもやっていただきたいと思います。正直なところ、いろんな戸惑いや波紋は広がらざるを得ない、そういう転身であったかと思います。その辺は、ご自身で、周りの支援者の方々などにしっかりとした説明を尽くされていく必要があるかなと思います。


○山陰放送 秦卓史 記者

 2期、選挙区から当選なんですけども、それが比例への鞍替えというような、可能性が高いというふうになっているんですけど、それについてはどう思われますか。


●知事

 私も、伝えられてること以上のことは、情報も何もありませんし、ご本人とも、最近、顔合わせてないものですから、お話も聞いておりません。比例代表で戦われるということであれば、全国の中で票を集めなきゃいけないということでありましょうから、健闘されるのかなと思います。

 選挙の帰趨に関わるようなことは、あまり、記者会見の場で申し上げるのはどうかなと思いますので控えたいと思いますが、県政のために力を尽くしていただきたいと思います。




12 中高一貫校について 

○NHK 松本裕樹 記者

 昨日、教育委員会で、中高一貫校の設置の検討の話が、県東部の方に設置、具体的に高校名も出たと思うんですけれども、結構踏み込んだ、一気に踏み込んだ話になってきたと思うんですけど、そのへんは知事はどのように評価されていますか。


●知事

 私は、具体的な姿を示しながら検討してもらわないといけないと思うんです。今まで、中高一貫校であれば抽象的な言葉での検討はしてきたわけでありますが、局面が大きく変わりましたので、具体的に名前を上げての検討は、していただければ、それでいいと思います。

 もちろん、みんなの税金で、これからどういうふうに学校を作っていこうかという話でありますので、広く意見を聞いていただきながら、[県]教育委員会で検討してもらいたいと思います。

 また、高等特別支援学校についても、具体名として[旧]赤碕高校が挙がったと伺っております。それも1つの有力な選択肢だろうと私も思います。ただ、これも、これから議会も始まりますし、幅広いご意見を賜りながら、教育委員会の方で、子どもたちの視点に立った結論を出していただきたいなと思っています。




13 教育長の人事について 

○NHK 松本裕樹 記者

 それに関連して、昨日の委員会の中で、中永教育長の方の人事についても話があったと思う、中永教育長。


●知事

 ああ、そうですか。


○NHK 松本裕樹 記者

 今回、今年度で委員を辞められるということで、知事として、どのように感想というか。あと後任についてどのようにお考えか。


●知事

 これは、今、まだ私も熟慮中のところでございます。中永教育長は、教育委員としての任期が終了するものですから、ご自身で、再任よりも自分の生活へ戻りたいというお話も聞いております。

 ですから、それは、意向として尊重せざるを得ないかなと思いますが、非常に県の教育の改革のために力を尽くしてくださいましたので、私としては右腕を切られるような思いがするところがあります。ただ、それに代わるかたとして、どういう人材を教育長に充てるがいいか、よく考えてみたいと思っています。


○日本海新聞 田村彰彦 記者

 人材について、これまで、中永教育長は教育職であって、その前の藤井教育長が行政職だったんですけども、行政職、教育職どちらがふさわしいと現時点では、考えておられますか。


●知事

 それについては、今、まだ、どちらも一長一短、正直あると思います。それは、教育長だけで仕事をするということではないものですから、周りのサポート体制と言いますか、組織全体のこととして、1つの人材配置を考えていくということだろうと思っています。

 事務職の方であれば、知事部局だとか、あるいは経済界だとか、地域の市町村長とか、いろんな人たちとのコミュニケーションとりやすいかなというメリットはありますけども、ただ、教育関係の人間であれば、教育実務のことはよく分かっていますし、特にカリキュラムの在り方だとか、しっかりとしたものが考えられるところがあります。ですから、どっちがどっちということではないだろうと思っています。




14 とっとりの美しい町なみづくり事業について 

○中国新聞 円山文雄 記者

 予算の個別について、聞いていいですか。景観まちづくりの中に、街なみ、鳥取の美しい街なみづくりという事業というのが入っているんですが、昨年の時に民間主導の歴史的な建造物の購入ということで、会見の時もちょっとその動きを注視するということだったんですが、それを念頭に抱いてのそんな大きな額ではないですが。鳥取市の旧岡﨑邸の話を念頭に入れた事業だったので、ちょっと聞いてみたいなと思ったんですが、この事業をとり組んでいくのに、なんか額が少ないけど、国が支援するための施策と聞いたんですが、この事業の思いというか、それから歴史的な景観のとか、文化財保護についての行政と市民団体からの関わりについての、知事の考え方みたいなのがあれば、それを聞かせてもらいたい。


●知事

 これは、先般来、議論が続いております、鳥取市内の武家屋敷の保存の在り方に関わる内容でありまして、その辺を念頭に置いたわけであります。もちろんそれに限らないテーマ設定になっておりますけども、景観上、必要と考えられるそういう歴史的建造物のようなものに対して、県も応分の支援をしていくという、そういう予算であります。

 NPOが主導的になって、実際に寄付金まで集められて、残そうという運動が起こったことは、すばらしいことではないかなと私は思うわけであります。

 これは鳥取市の方のいろんな考え方は当然あろうかとは思いますけれども、私はそういう民間の動きに呼応して、行政も民間の皆さんがそれだけ自分たちで汗をかこうというのであれば、サポートしましょうという、そういう事業があっていいと思います。

 その意味で、歴史的景観まちづくりの一助となるような支援策を講じさせていただいたところであります。ただ、これ現実に動かそうと思いますと、どうしても地元の市町村の考え方もございますので、景観行政団体としての鳥取市の方にも協力してもらう必要があるだろうと思います。




15 企業立地事業補助金について(再質問) 

○日本経済新聞 青木志成 記者

 先程の企業立地補助金の上限の関連なんですけれども、昨今の経済状況ですと、大きいところが2つも3つも出て来るということはあんまり考えにくいと思うんですが、もし出て来た場合、基金の取り崩しでも対応するということになると思うんですけども、一方で財政誘導目標とありますよね、300億円以上という。そこら辺との兼ね合いですね。もし出来た場合、どういうふうな考え方で対応するのか、ちょっとお伺いできますか。


●知事

 財政誘導目標は、ぜひ達成したいと思っています。現在のところ、我々の方で、財政努力を続けてきた結果として、340億円ぐらい、来年度末に残すという見込みになっております。さらに、この後、出来る限り使い切りを止めて、お金を残していくという考え方でやっておりますので、そうした財源も今後出てくれば、私は今回、補助金、企業立地交付金[企業立地事業補助金]を引き上げたところでも達成可能なレンジに入っていると思っています。

 その意味では基金を崩すか、あるいは、いろんな財源を活用するかして、企業立地が本当にあれば有り難いわけでありまして、あればその時は喜んでそうした財政努力をして捻出していきたいと思います。


○日本経済新聞 青木志成 記者

 二者択一を迫られる、いろんな時というのは、どう対応したんですか。他にもひねり出す財源がないと、もう基金を崩すしかない。でも誘導目標が達成できなくなるといった場合は、どういうふうにお考えになっていますか。


●知事

 その時は、知事特認という制度がございまして、必ずしも全額でなくてもいいわけでありますから、40億円というようなことに、ならない補助の仕方もあるだろうと思います。その辺はおっしゃるように財政節度との兼ね合いは大事にしていく必要があると思います。




16 DBSクルーズフェリーについて 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 さっきのウラジオのセンターの話に戻りますけれども、やっぱり大事なのはメインカーゴだろうと思うんですが、毎回聞くようで恐縮なんですけども、目途はどうなんでしょう。


●知事

 これはいろいろ努力をいたしております。メインカーゴというか、例えば自動車部品という形ではあるんですけども、自動車を載せて運びやすいというメリットは一定程度評価されるようになってきました。特に、定期的にロシアに行く航路というのは、これぐらいに、今、なりましたので、毎週便が出るようなものは。そういう意味では十分あり得るだろうと。

 今回、向こうの開所式の方に来た中には、向こうの自動車ディ-ラーも入っておりますので、そういう意味では、1つの有力になり得るものはあるだろうと思います。これに限りません、他にもいろいろと割と大きい企業さんなどにもアプローチをしているという状況であります。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 ロシアの自動車ディーラーというのは、確かロシア政府が工場を作りましたよね、自動車工場、あそこのことでしょうか。


●知事

 いや、違います。純粋に輸入ディ-ラーです。




17 プリウスのリコール問題について 

○共同通信 広江滋規 記者

 新型プリウスのリコール問題で、例えば鳥取県が新型プリウスなんかを購入しているとか、そういう予定があったとか、それでなんか問題が生じているとか、そういう事態はない。


●知事

 それは、ちょっと今回、リコールの発表が出ますので、それを見て照合する必要はあると思います。最近、環境車対応に切り替えてきておりますので、どこまで引っかかっているかというのは、精査してみたいと思います。

 いずれにせよ、日本を代表する自動車メーカーさんで、こうした事態になったのは、誠に残念でありますし、出来れば本来であれば、企業倫理としても早期にリコールすべきものはリコールを表明して、ユーザー側の立場に立った対応をとるべきではなかったかなと思います。県がどこまで影響があるかは、早速調べなければいけないと思っています。


○テレビ朝日 後藤龍彦 記者(幹事社)

 各社、他にありますか。なければ、ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



  

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